ジム・ロジャーズ 「安倍首相と黒田日銀総裁の愚策で日本破滅」
ジム・ロジャーズ

ジム・ロジャーズ「安倍首相と黒田日銀総裁の愚策で日本破滅」 〈週刊朝日〉 AERA dot 4/10(金) 8:00配信.


「世界3大投資家」の一人とされるジム・ロジャーズ氏の本誌連載「世界3大投資家 ジム・ロジャーズがズバリ予言 2020年、お金と世界はこう動く」。今回は、新型コロナウイルスによる経済危機で、日本がとるべき政策について。
*  *  *
 新型コロナウイルスの感染が世界中で広がり、急速な景気後退の局面に入った。そのなかで日本は今、何をすべきか。

 まずは、もっと多くの人がPCR検査を受けられるようにすべきだ。日本では、空港に行けば体温をチェックして、必要な人はPCR検査を受けることができるようになっている。それは、ウイルスを抑え込むうえでとても良いことだ。

 政府はできるだけのことをしようとしているはずだ。だが、時には人々を放っておくことも必要だろう。もちろん、経済が停滞したことで資金繰りに行き詰まった人には、問題を乗り越えるために資金面の手伝いをすべきだ。
 しかし、「何をすべきか」を人に押しつける必要はない。政府より一般の人々のほうが何をすべきかわかっているからだ。

 政府は情報を与え、何が起きているかを伝えることはできるが、嘘をついているかもしれない。例えばシンガポールでは、病気を発症しない限りマスクをつけるべきではないと言っている。なぜ、こんなことを言うのか?

 それは、シンガポール国内でマスクが足りないからにほかならない。マスク不足でパニックが起きることを防ぐために、「マスクは必要ない」と言っている。
 どんな政府でも、必ず嘘をつく。だから、政府は一般の人々の生活には極力関与すべきではない。

 日本の長期的な危機は2021年、あるいは22年になるだろう。日本銀行の黒田東彦(はるひこ)総裁は、恐るべき規模で金融緩和を行い、さらに国債や上場投資信託(ETF)を大量に買い入れている。黒田総裁はクレージーだ。新型コロナの影響で、株価が急落したことで買い入れ額をさらに増やした。事態はますます悪化している。

 日本は、ただひたすら金を燃やし続けているようなものだ。このままでは、米ドルのみならず、いずれ韓国のウォンに対しても円の価値を下げることになるだろう。

 安倍首相と黒田総裁は日本を破滅に導いている。今すぐ辞任すべきである。だが、長期的には悪くても、短期的には株価が上がるので、一部の人々は喜んでいるのが事実だ。そこに日本人は気づかなければならない。

 難しいのは、国家にとって本当に必要なことをしようとする政治家は、選挙で当選できないということだ。今、日本に必要なのは、支出を抑えることだ。チェーンソーで木の枝を切り捨てるように、残酷なやり方で無駄なものを削っていかなければならない。

 そして、国境を開き、経済を開放し、外国の物資を入れなければならない。モノが安くなることは、日本にとって良いことだ。
 東京で50ドルするメロンでも、シンガポールでは3ドルで買える。国境を開けば、日本人は好きなだけメロンが食べられるようになる。

 日本は、出生率が世界で最も低い国の一つである。このまま少子化が進めば、21世紀の終わりを待たずして、人口が半分になるのは明らかだ。

 人口を維持するには、女性1人あたりで2.1人の子供を産まなければならないとされている。現実的にはそれは難しい。そうなると、足りない労働力を補うには、移民を受け入れるしかない。しかし、こういった政策で選挙に出る政治家がいても、人気は出ない。当選することも難しいのが現実だ。

 やらなければならないことはわかっているが、実行に移されることはない。それが日本の危機である。

(取材/守真弓・朝日新聞記者、構成/本誌・西岡千史)


ジム・ロジャーズ/1942年
米国アラバマ州出身の世界的投資家。ウォーレン・バフェット、ジョージ・ソロスと並び「世界3大投資家」と称される。2007年に「アジアの世紀」の到来を予測して家族でシンガポールに移住。現在も投資活動および啓蒙活動をおこなう 。


【出典】週刊朝日  2020年4月17日号


関連資料
 
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週プレNEWS 4/7(火) 18:00配信
どこまで甘い「1年後に東京五輪開催」ではコロナ再流行の惨劇を生む
現代ビジネス 4/11(土) 6:01配信
ジム・ロジャーズ「安倍首相と黒田日銀総裁の愚策で日本破滅」〈週刊朝日〉
AERA dot 4/10(金) 8:00配信.
【出典】週刊朝日  2020年4月17日号

安倍総理の「茶番会見」の 真相を明かす官邸メモの存在
記者会見する安倍総理 視線の先にはプロンプター(写真:ロイター/アフロ)

安倍総理の「茶番会見」の真相を明かす官邸メモの存在  質問者、質問の順番も決まっている 立岩陽一郎  | 「インファクト」編集長 2020/3/7(土) 8:11


 3月5日の午後4時16分、「十分な時間を確保したオープンな『首相記者会見』を求めます」と書かれた署名キャンペーンが始まった。そこには、「まだ質問が有ります」と書かれている。

 これは、安倍総理が2月29日に新型コロナウイルス感染拡大防止策について35分余り行った記者会見のやり直しを求めるものだ。次の様に書かれている。


 そして「早期に日本記者クラブを活用して、再質問も行える十分な質疑時間を確保し、雑誌やネットメディア、フリージャーナリストも含めた質問権を保障した首相記者会見」を求めている。
 発信者は全国の新聞社の労働組合で作る新聞労連の南彰委員長だ。

南彰 新聞労連委員長

 賛同者は急激に増えている。それはこの記者会見の在り方に対して、多くの人が厳しい目を注いでいることを表している。

 この安倍総理の記者会見は、国会でも取り上げられる異例の事態ともなっている。立憲民主の蓮舫議員が追及し、冒頭の南氏の文章にも出てくる江川紹子氏のことも取り上げられた。亀松太郎氏がそのやり取りを詳述している。

 その中に興味深いやり取りがある。


 注目したいのは、安倍総理が、「幹事社」については「詳細な答えができるように通告を頂いている」としている点と「外国のプレスの場合は」と語っている点だ。つまり幹事社は全社を代表しているので特別に事前のやり取りを行っているということだ。ただし、「外国プレスの場合」は、事前に出してもらうこともあるが、「必ずしもそれに限られない」という。

 では、幹事社以外の日本の主要メディアはどうなのか?実は、幹事社と同様に事前に提出し、官邸側はそれを整理して答弁書を準備している。その証拠となる資料が次の写真だ。
総理会見に際して官邸が事前に作ったメモ
(アジア・プレスのwebサイトから許可を得て掲載)

 これは15年9月30日(日本時間)に安倍総理がNYの国連で記者会見を開いた際に、一部の官邸クラブ所属記者に配られたメモを私が書き写したものだ。
 当時、アジア・プレスに提供した資料で、アジア・プレスの許可を得てここに掲載させて頂く。これは原本ではないが、内容は全く同じだ。黒塗りしている箇所には各社の記者の名前が書かれていた。

 メモを見せてくれたのは当時の官邸クラブの記者だ。その記者によると、官邸広報室が事前のやり取りを踏まえて作成し、一部の記者に配ったものだという。書き写したのは、原本を掲載することで情報提供者が特定される恐れが有るからだった。それだけに慎重な扱いが必要だったが、こうしたメモの作成は通常行われていることだと話した。

 メモには、日本のメディアの記者と外国メディアの記者が交互に5人記載されている。場所が国連だからだろうか、幹事社かどうかという区分けは無い。質問者の名前とともに、質問内容まで書かれている。そして、書かれた順番はそのまま質問する順番となっていた。最初がNHK、次がロイター通信、そして共同通信、アメリカの公共放送NPR、テレビ朝日となっている。

 そして、この日の会見で異変が起きている。1番目のNHKの記者と3番目の共同通信の記者は書かれた通りの質問をし、安倍総理は事前に用意されていただろう答弁を読んで答えている。通常の総理会見の通りだ。

 ところが、欧米の記者にはそれは通じなかった。ロイター通信の記者は最初はメモに書かれた通りアベノミクスについて問い、安倍総理はここでは用意された答弁を答えている。ところがロイター通信の記者がここでメモに書かれていない質問を追加で行う。

 シリア難民への対応だった。安倍総理は一瞬慌てた素振りを見せたが、ここでは難民問題全体に対する取り組みについて触れて事なきを得ている。そして直ぐに広報官が引き取っている。

 本当の異変はNPRの記者の時に起きた。NPRの記者は最初はメモの通り、アメリカ軍の普天間飛行場移設問題を質問。これに対して安倍首相が準備された答弁をしている。そして、広報官がテレビ朝日の記者に振ろうとした時、NPRの記者が続けざまに、辺野古への移設後に環境汚染が起こらないと保証できるのかと畳みかけたのだ。前回の原稿で書いた「二の矢」だ。

 ここで不思議なことが起きる。安倍総理が用意されていない筈の答弁を読んだように見えるのだ。推測だが、これは誤って次のテレビ朝日の記者のために用意された答弁を読んでしまったのかもしれない。慌てる広報官。そして、会見はテレビ朝日の記者の質問無しに打ち切られている。

 会見に出席した欧米メディアの記者の中に私の知人がいた。その記者の話では、その場にいた欧米の記者は憮然とするしかなかったという。事前に質問を出すということは欧米の取材でも有るが、その前提として、事前の質問に縛られないという不文律が有るという。このため、ロイター通信もNPRも事前に質問を出したが、提出していない質問もすることは可能だと考えている。また、一度の質問で納得のいく回答を得られなければ、続いて質問する。それが記者会見での当然のルールだという認識が有る。

 その結果、この国連での安倍総理の会見は官邸クラブの「常識」とは異なるものとなってしまったわけだが、それが安倍総理の蓮舫議員への答えの、「外国プレスの場合は」、「必ずしもそれに限られるものではない」につながっているのかもしれない。

 前回の記事で私が公表したのは、幹事社が作成した質問案だった。
新型コロナウイルス拡大防止の総理会見を茶番劇にした官邸と官邸記者クラブの愚(3月2日) https://news.yahoo.co.jp/byline/tateiwayoichiro/20200302-00165551/

 それが書かれた書面が官邸側に事前に提出されることを、朝日新聞が国会での安倍総理と蓮舫議員とのやり取りを報じた3月3日の記事で明らかにしている。

 ただ、この事前の提出が幹事社質問に限った話ではないことは、上記の官邸作成のメモからわかる。官邸側は全てを把握して、指名する順番まで決めている。これでは江川紹子氏が指される筈が無い。

 私の前回の記事への感想で多く寄せられたものは、事前に用意された答弁を読むだけなら総理大臣は誰でも務まるという不満の声だった。特に、今回の会見は、人々の生活に大きな影響を与える新型コロナウイルスへの対策を安倍総理が「責任ある立場として判断」したものだ。
 その決定のための専門家会議も開かず、安倍総理が自ら決断したとは、安倍総理自身の説明だ。そうであるならば、その答弁が事務方の用意したものであっては、その趣旨と矛盾する。どのような角度からの質問についても自分の言葉で堂々と説明すべきだろう。
 NHKはこの記者会見を「総理自らが説明」と報じたが、本来はそうすべきだが、この会見はそうではなかった。国民はもとより日本に住む全ての人、そして各国が日本の最高責任者が自ら語る言葉を求めていた筈だ。

 冒頭に紹介した新聞労連の署名は当初予定した1万を上回るのは確実となっている。ここで、南委員長の声明が官邸だけでなく、実は報道各社にも向けられていることは強調しておきたい。次の様に書いている。


 新聞労連が身内である報道各社に対して声明を出すのは極めて異例だ。

 南氏は朝日新聞の政治部記者だ。かつては官邸記者クラブに所属したこともある。委員長の任期が終わったらまた朝日新聞の政治部に戻ることになる。その南氏が、今動き出している。集まった署名を総理官邸だけでなく、報道各社に送るという。
 この記事を読んだ方に言いたい。是非、この動きに賛同して署名して欲しい。

 そして、官邸記者クラブの記者、主要メディアの幹部に言いたい。南氏を見捨ててはいけない。私を含め、多くのジャーナリストは彼を見捨てることはない。多くの人が、南氏の動きに賛同している。その現実を見つめて正しい選択をして欲しい。
今がその時だ。





【出典】立岩陽一郎 | 「インファクト」編集長 2020/3/7(土) 8:11


関連資料
 
 「十分な時間を確保したオープンな「首相記者会見」を求めます
Yahoo!ニュース個人 「安倍首相が国会で明らかにした
『総理会見=出来レース』のメカニズム」(3月2日)
【出典】日刊ゲンダイ 公開日:2019/10/12 17:00 更新日:2019/10/12 17:00

悪政も行き着くと喜劇になる 青木理氏語る20年
「悪政も行き着くと喜劇になる」と安倍政権について語る青木理さん
◆青木理(あおき・おさむ)1966年(昭41)10月26日長野県生まれ。共同通信記者を経て、2006年、フリージャーナリスト。「日本の公安警察」「絞首刑」「日本会議の正体」「安倍三代」など著書多数。最新刊に「暗黒のスキャンダル国家」。テレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」、TBS系「サンデーモーニング」などでコメンテーターを務める。

悪政も行き着くと喜劇になる 青木理氏語る20年 日刊スポーツ [2020年1月6日7時0分]


 年末の世論調査で内閣支持率を軒並み急落させた首相主催の「桜を見る会」問題。年が変われば、嵐も収まり、そのうち忘れられると、首相周辺は沈静化するのを待っている。今日6日、首相の伊勢神宮参拝、年頭記者会見で、2020年の政治は本格スタートする。東京オリンピック(五輪)、パラリンピックに沸き立つだけの1年にしないためにも、年の初めに気骨のジャーナリスト青木理さん(53)に話を聞いた。
【取材・構成=中嶋文明】

   ◇   ◇   ◇
 -反社会的勢力について「あらかじめ定義することは困難」と閣議決定したり、区分番号「60」は首相枠であることを示す小泉内閣時代の文書が国立公文書館から出てきたり、ドタバタになっています

 悪政も行き着くと喜劇になるということか、もはや失笑するしかない惨状です。以前、安倍首相の大学時代の恩師でもある加藤節成蹊大名誉教授にインタビューした際、安倍政権の特質は「2つのむち」だと言っていました。ひとつは無知、もうひとつは無恥。反知性的であると同時に、恥を知らない。誰が聞いても分かるウソを平然と口にする。ホテルで開いたパーティーの明細書はないとか、招待者名簿を廃棄したのが野党議員の資料請求当日だったのは偶然だとか。

 -首相は「障がい者雇用の短時間勤務職員との調整を行った結果、5月9日になった」と答弁しました

 ひどい話で、それこそ個人情報でしょう。自分たちを正当化するために障がい者すら利用する。最悪の発想です。

 -バックアップデータは最大8週間残っていたけど、共用性がないから、行政文書、公文書ではないというのもありました

 バックアップは万が一のために組織が共有しているのですから、公文書に決まっています。そもそも公文書は「健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源」(公文書管理法)です。公開するか否かは別としても、歴史や教訓を後世に伝えるための記録でもあるのに、廃棄し、改ざんし、果ては文書そのものを作ろうとしない。これで国の歴史や伝統を重んじる「保守」を自称しているのだから笑わせます。こんな先進国はほかにありません。

 例えば米国は公文書管理が徹底していて政府高官のメモや電子メール、時には卓上カレンダーなども保管対象になるそうです。日程や会食予定などが書き込まれる可能性があるからです。ジャーナリストの北丸雄二さんが先日、米国の政治ニュース専門サイト「ポリティコ」の記事を紹介していましたが、トランプ大統領は読み終わった文書を破り捨ててしまう癖があって、ホワイトハウスのスタッフが制止しても聞かないから、困り果てたスタッフは破られた紙片をかき集めて必死に復元しているそうです。それくらい公文書管理に厳格です。

 -内閣府は18年4月に招待者名簿の保存期間を「1年」から「1年未満」に変更しました。人選とか翌年の準備を考えれば、素人目にもおかしいですよね

 会計検査院は予算の執行などが適切かチェックする憲法で定められた重要な機関ですが、チェックをする上で名簿は絶対必要です。功績、功労のあった人が本当に出席しているのか、廃棄してしまえば確認すらできません。

 -世耕弘成参院幹事長は神奈川県のハードディスク流出を引き合いに「名簿は個人情報の塊。できるだけ早く消去するのは当たり前」と言いました

 桜を見る会の名簿以上の個人情報を国は山のように保管しているでしょう。それも全部廃棄するのですか。ならばマイナンバー制度など即刻やめるべきですが、そうはならない。とにかく自分たちを正当化するためなら、論外の言い訳や、へ理屈を持ち出してくる。まさにこの政権の特質です。そうした政権の下で、財務省では文書改ざん、防衛省ではPKO日報の隠蔽(いんぺい)やイージスアショアのずさん調査、厚労省では不正統計、総務省では情報漏えい、文科省では収賄等々、主要な省庁で重大な不祥事が同時多発的に起きている。かつてないことです。

 背景にはいろいろな事情もあるでしょうが、政権維持のためにはウソをつく官邸に人事などを握られ、ヒラメ官僚の忖度(そんたく)がまん延し、官僚組織が深刻な根腐れを起こしていると見るべきでしょう。外交もそう。ロシアとの北方領土交渉も日朝交渉も官邸の思いつきに振り回され、結局は何の成果も残せていません。

 -昨年は日韓関係が戦後最悪になりました

 韓国にも問題はありますが、日本側の問題点も真摯(しんし)に省察すべきです。先日、韓国で両国のメディア関係者が集うシンポジウムに参加しました。日本のメディア状況の報告もあって、ほぼ同じ時期に辞任に追い込まれた韓国のチョ・グク国前法相と日本の河井克行前法相の問題を取り上げた日本のテレビの報道時間を比べたら、韓国の前法相を扱った時間が4倍も多かったそうです。報告者は「この労力を国内政治の報道に振り向けたら、安倍政権はもっと窮地に陥っただろう」と皮肉っていました。僕も同感です。

 なぜこんな状況になってしまっているかといえば、メディアにも「1強」政権におもねったり萎縮したりするムードが広がっているから。対立する隣国の政権が窮地に陥っているのを見て留飲を下げるという面もあるでしょう。中国などが経済成長し、日本の国際的地位が相対的に低下する一方、少子高齢化などで将来への不安は深まる。そんな中、周囲を見渡してたたきやすい相手を見つけてたたく、そんな風潮が日本社会に広がり、それを政権もあおって利用している感があります。

 -嫌韓本、雑誌も相変わらずです

 一定程度は売れるからという理由で出版人が差別や偏見、排外主義をあおるのは最低の振る舞いです。しかも嫌韓やヘイトを露骨にあおる月刊誌に安倍首相や政権幹部が喜々として登場している。そんなものを見たら、心ある韓国の人もあきれ、安倍政権と対話しようという気もうせてしまうでしょう。


【出典】日刊スポーツ [2020年1月6日7時0分]



関連資料
 
安倍政権「言い逃れ」文学賞 大賞は菅氏「反社の定義ない」
2019/12/27(金) 7:00配信
【大賞】◆菅義偉官房長官
「『反社』の定義は定まっていない」
「桜を見る会」問題の対応は泥縄に陥り、首相以外にも政治家の数々の失言、虚言、居直り、言い逃れを生み出した。
 役人はそうした発言に辻褄を合わせるために、反社会勢力やマルチ商法経営者を誰が招待したかの記録が残る招待者名簿をシュレッダーにかけなければならなかった。だが、野党議員の提出要求で「紙の名簿」が廃棄された後も、政府のサーバーには最大8週間、バックアップデータが残っていた。国会での検証は十分可能だった。そこで対応にあたる菅官房長官は2つの重大な言い逃れをした。

「バックアップデータは行政文書には当たらない」(12月4日)
 国会議員からの資料要求には行政文書を前提に対応しており、行政文書ではないバックアップデータは国会提出の対象ではないと開き直ったのである。

 もう一つは桜を見る会への「反社会勢力」招待問題で、菅氏は会見で「結果的に入っていた」といったんは出席していたことを認める言い方をした。ところが、その後、政府は「反社の定義は困難」とわざわざ閣議決定まで行ない、こう居直った。
「反社会的勢力の定義が一義的に定まっているわけではない」(11月27日)

 日本は世界でも数少ない政府がマフィア(暴力団員)を「指定暴力団」と認定する国家で、認定されていなければ犯罪を犯しても「暴力団組員を名乗る男」と報じられる。そうした厳密な定義が治安の根幹を支えてきた。
 とりわけ「半グレ」と呼ばれる反社集団が治安を脅かしている中で、政府が閣議決定で「反社の定義」を否定したことは国の治安の根幹を揺るがしかねない事態なのである。この発言は民主政治の危機を招く「大賞」にふさわしい。

 憲政史上最長となった安倍政権は、発足以来、数々の政治・行政のモラルを破壊してきた。
「大臣室での現金授受」の甘利明氏や「国会でのウソ答弁」の稲田朋美氏ら不祥事で辞任した側近大臣を重職に復権させ、首相を庇った官僚をどんどん出世させる。その結果、政界にも、霞が関にも、「総理を守るためにやった不正は許される」という“忖度無罪”の考え方が蔓延している。

 財務省の公文書改ざんも、厚労省の統計偽装も、そして桜を見る会の“反社容認”も、そうしたモラルハザードが招いたものだ。
 2020年は政治の危機を食い止められるか、正念場になる。

[全文]※週刊ポスト2020年1月3・10日号
2020年になっても国民は忘れない! 2019年に安倍総理が成し遂げた10のこと
ハーバー・ビジネス・オンライン 2019/12/31(火) 8:31配信
◆3位 軽減税率の導入でさらなる力を手に入れた安倍首相
 消費税の軽減税率は、軽減対象を決定できる安倍首相と与党(自民党・公明党)に、さらに大きな力を与えることになりました。献金や集票をしてくれる業界の物品は軽減し、逆らう業界の物品は軽減対象から外すと言えば、多くの業界が味方になってくれるでしょう。これからの政治は、軽減対象をどうするかで、大きく動くでしょう。軽減税率をちらつかせれば、憲法改正も夢じゃありません。

やばい質問には「逃げの一手」戦略を貫徹
◆2位 巧みな与党操縦で国会から逃げ切った安倍首相

 野党は、安倍首相に一方的な好意を募らせ、予算委員会での面談を執拗に要求してきました。そんな野党に対し、自らの心の安寧を大切にする安倍首相は、総理と総裁の立場を使い分け、巧みに委員会開催を潰し続けました。総理としては「国会に求められたらいつでも出席する」と答える一方、自民党総裁として与党を巧みに操縦し、委員会開催を食い止めてきました。安倍首相、アタマいい!

◆1位 スーパー台風にもグレタさんにも動じない安倍首相と小泉環境大臣
 今年の9月、スーパー台風が首都圏を直撃し、多くの人命・財産が失われました。また、気候危機を訴えたグレタ・トゥンベリさんの国連スピーチは、多くの人々の心と行動を動かしました。しかし、沖縄の民意にも揺るがない安倍首相と、抜擢された小泉進次郎環境大臣は、その程度で石炭火力重視の方針を変えるほど、軟弱ではありません。安倍首相は、2020年も経済産業省や電気事業連合会の仲間たちとともに、ブレずに石炭火力発電と原子力発電を推進していくことでしょう。

[全文]※ハーバー・ビジネス・オンライン 2019/12/31(火) 8:31配信
どんな言い訳も通用する国と怒らない国民/鴻上尚史
日刊SPA! 2019/12/21(土) 15:51配信
自浄作用のない自民党の恐ろしさ
 やっぱり、源泉徴収が原因ですかね。給与や報酬から支払い前に所得税を控除する源泉徴収は、日本では1940(昭和15)年、戦費調達のために始まりました。
 先に控除すると、悔しいですけど「税金を払っている」「がっぽり取られた」という実感が薄くなります。
 アメリカみたいに自営業者だけではなく、源泉徴収のサラリーマンも、全員が確定申告をしなければいけないと、「ああ、こんだけ取られてるんだ」と実感できるわけです。
 でも、日本だとサラリーマンは年末調整で、数字上の操作ですみますからね。

 数字を見て終わるか、自分で実際に現金を振り込むか。この違い、サラリーマンを辞めて、自分で確定申告をした人なら、ようく分かると思います。
 自分で振り込むようになると、「税金、ちゃんと使えよ。ムダな使い方したら怒るからな!」と思う傾向が間違いなく強くなるのです。

 しかしまあ、「桜を見る会」です。
 いつまでやっているんだと思っている人もいるでしょうが、招待名簿さえ出てきたら、それで事態は明確になるわけです。
 それをあれやこれやと逃げ続けるから、野党も引っ張るわけですね。よっぽど、出てきたらまずいことがあるんだろうなあと思います。
 でも、もっと言えば、野党は批判勢力なんですから、問題にして追及するのは当たり前です。

「桜を見る会」の一番の問題点は、自民党の内部から、まったく批判が起こってないことです。
 かつての自民党なら、子供の言い訳みたいな答弁に対して、長老や若手や対抗派閥が敏感に反応したと思います。
 それが、まったく聞こえてこない。
 この自浄作用のなさが、本当に怖いと思います。

 かつては、派閥争いが激しくて、首相が一年足らずで辞めていくということが続きました。国民はいい加減にしろと怒りましたし、自民党も反省したのでしょう。
 安定した長期政権を目指そうとして、結果として、憲政史上最長の宰相になるんですから、極端から極端しかないのか! と頭を抱えてしまいます。これは国民が成熟してないという証拠なんでしょうなあ。
[全文]※日刊SPA!
【出典】日刊ゲンダイ 公開日:2019/10/12 17:00 更新日:2019/10/12 17:00

詩織さんレイプ裁判勝訴 海外メディアは“安倍事件”の扱い
山口敬之氏(C)日刊ゲンダイ

詩織さんレイプ裁判勝訴 海外メディアは“安倍事件”の扱い 日刊ゲンダイ 公開日:2019/12/20 14:50 更新日:2019/12/20 14:50

 ジャーナリスト・伊藤詩織さんが元TBS記者・山口敬之氏からのレイプ被害を訴えた民事訴訟。詩織さん勝訴の判決が18日出たことを受け、19日、山口氏が外国特派員協会で会見を開いた。

 会場では外国人記者から厳しい質問が続出。米メディア「デーリー・ビースト」のJ・アデルシュタイン記者は「(山口氏に)逮捕状が出たのに執行されず、起訴もされなかったのは『上級国民』だからではないか?総理大臣の力を借りたのではないか?」と鋭く追及した。

 この裁判はレイプ行為があったかどうかが争点だったが、法廷外では山口氏と安倍首相の関係に疑いの目が向けられた。詩織さんが告訴状を出したにもかかわらず山口氏は逮捕を免れ、検察審査会でも「不起訴相当」となった。
 その背景に首相官邸の指示があったのではないかとの疑惑が報じられてきたのだ。山口氏が著書「総理」を出版するほど、安倍首相と深い関係にあったからである。

 実際、判決後の海外メディアはこの点を突いている。
「山口氏は、安倍晋三首相とも近しい関係にあるとされている」(BBC放送)

「(詩織さんによると)山口氏と彼が伝記を書いた安倍晋三首相の関係ゆえに刑事告訴が退けられた」(ル・モンド)
「山口氏が安倍首相と近しかったから、特別扱いされたのではないかという疑問が出た」(アルジャジーラ)

 これに対して日本のメディアは遠慮がち。山口氏と安倍首相の関係に触れた大手紙は朝日新聞と東京新聞だけ。他紙は判決内容を報じるにとどまった。

 会見に出たジャーナリストの神保哲生氏が言う。
「日本のメディアが山口氏と首相官邸の報道に及び腰なのは、本当に介入があったという裏付けが取れないからでしょう。ただ、メディアが裏付け取材にどこまで本気だったのかという疑問は残ります。官邸関係者が介入を認めないまでも、取材をすれば関連の新情報が出てきたかもしれない。もし官邸への忖度で取材の努力を怠ったのなら大問題。首相官邸とガチンコでぶつかれる記者がいないということです」

 山口氏は控訴の意向を示している。日本のメディアが奮起する日は来るのか。


【出典】日刊ゲンダイ 公開日:2019/12/20 14:50 更新日:2019/12/20 14:50



関連資料
■ 詩織さんに寄せられた山口敬之氏と安倍官邸の特別な関係の新情報!
安倍首相の講演の見返りに米シンクタンクにねじ込み
LITERA 2019.12.21 12:13  https://lite-ra.com/2019/12/post-5154.html
LITERA
■ 「詩織さん全面勝訴」で証明された警察・検察のおかしさ! やはり御用記者・山口敬之と安倍政権の関係が逮捕、立件を潰していた
https://lite-ra.com/2019/12/post-5150.html



■ 菅官房長官が“山口敬之氏への資金援助”を企業に要請の報道が! 詩織さん事件で逮捕を止めた警察官僚も菅の右腕だったが…
https://lite-ra.com/2019/07/post-4829.html



■ 田畑毅元議員“準強制性交事件”で捜査潰しの動き! 山口敬之氏への逮捕状執行を止めた中村格・警察庁官房長が介入か
https://lite-ra.com/2019/03/post-4581.html



■ 英BBCが「日本の恥」と特集! 山口敬之事件の被害者・詩織さんを攻撃する安倍応援団のグロテスクな姿が世界に
https://lite-ra.com/2018/07/post-4098.html



■ 石原さとみ主演『アンナチュラル』で山口敬之氏の準強姦疑惑を想起させるシーン…詩織さんへのバッシング批判も
https://lite-ra.com/2018/02/post-3814.html

【出典】日刊ゲンダイ 公開日:2019/10/12 17:00 更新日:2019/10/12 17:00

嘘まみれの日米貿易協定 ボロボロ出てくる隠蔽と虚偽説明
日米貿易協定締結で最終合意(C)ロイター

嘘まみれの日米貿易協定 ボロボロ出てくる隠蔽と虚偽説明 日刊ゲンダイ 公開日:2019/10/12 17:00 更新日:2019/10/12 17:00

  やっぱり、ウソにまみれた協定だった――。安倍首相が訪米中の先月25日にトランプ米大統領と最終合意した日米貿易協定。今月7日に米国で正式に署名されたが、合意時の日本政府の説明と異なる事実がボロボロ出てきたのである。

 まずは関税撤廃が見送られた自動車と自動車部品について。政府は<さらなる交渉による関税撤廃>と明記されたとし、「(将来の)撤廃の約束を得た」という趣旨の説明をしていた。ところが、米国側が公表した関連文書には、<自動車や自動車部品の関税撤廃については、さらに交渉することになっている>としか書かれていないのだ。

 10日の衆院予算委員会で国民民主党の玉木代表が米国文書のこの表現について質問。「約束されているのは交渉(の継続)であって関税撤廃ではない」と攻めた。だが、交渉を担当した茂木外相は、「関税撤廃を前提に交渉することになる」と“勝手な英文解釈”を繰り出し強弁した。

 「米国側で92%、日本側で84%と説明されている関税撤廃率は、自動車関連の41%が含まれなければ、米国側は51%にしかなりません。過去のFTA(自由貿易協定)で85%を下回った協定はほぼ皆無なので、いかに前代未聞の国際法違反協定かが分かります」(東大教授・鈴木宣弘氏=農政)

 農産品の市場開放を「TPP並み」に食い止めたという説明もデタラメだった。協定により、日本側は米国牛肉の関税を現在の38・5%から、TPP加盟国と同水準の9%(2033年)まで段階的に下げるが、低関税が適用される限度(セーフガード)も新たに24・2万トンを設定、2033年までに29・3万トンに拡大される。

 「既にTPPで牛肉の低関税枠61・4万トン(2033年には73・8万トン)が設定されています。これにさらに米国分が上乗せされるわけですから、TPP並みではなく『TPP超え』です」(鈴木宣弘氏)

 政府は「米国に追い込まれただけじゃない」とアピールするため、日本から米国への低関税の牛肉輸出枠を多く勝ち取ったと喧伝したが、これも虚偽。現在の200万トンが拡大されることになったものの、複数国が対象の6万5000トンの枠内に日本も入れてもらえるだけだ。

 TPPから離脱する前の米国との交渉では、日本分だけで段階的に6250万トンまで拡大し、15年目には関税を撤廃して完全自由化することになっていたから、TPP時より後退である。

「国民にウソの説明をして署名し、後から本当の内容が出てくる。2国間FTAにもかかわらず、TAG(物品貿易協定)だとその場しのぎでごまかしていたのもそうですが、いつまでこんな隠蔽と開き直りを繰り返すのか」(鈴木宣弘氏)

 口先ペテン政権がますます増長している。


【出典】日刊ゲンダイ 公開日:2019/10/12 17:00 更新日:2019/10/12 17:00

【出典】日刊ゲンダイ 公開日:2019/10/12 17:00 更新日:2019/10/12 17:00

GSOMIA破棄! 日韓関係をここまで悪化させた安倍政権
大韓民国政府ホームページより

GSOMIA破棄!日韓関係をここまで悪化させた安倍政権、 八代弁護士・有本香ら安倍応援団は「嫌なら来るな」の大合唱 LITERA 2019.08.22 11:53

 22日午後、韓国政府が日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を更新しないことを決定した。報道によれば韓国政府は、日本政府による対韓輸出規制について「明確な根拠を示さなかった」とし、「両国の安全保障協力の環境に重大な変化をもたらした」ことを理由にしているという。安倍政権の反発は必至だ。

 GSOMIAは二国間で防衛上の機密情報を共有する協定で、2016年以降、これに基づいて北朝鮮によるミサイル発射実験等での情報提供が行われてきた。安全保障上の影響は決して低くない。

 さっそくTwitterなどでは、ネトウヨたちがまたぞろ「また国交断絶へと前進したなw」などと快哉を叫んでいるが、そもそもこの問題の始まりは安倍政権が仕掛けた“韓国バッシング”にある。
 周知の通り、安倍政権は人権問題である徴用工問題などに対する事実上の報復措置として韓国への輸出規制や「ホワイト国」除外に打って出た。これは、参院選での争点くらましの目的があったが、当然、韓国政府と世論の強い反発を招き、それがとうとう後戻りのできないところまでいってしまったというわけだ。

 しかし、この間、マスコミからは安倍政権の仕掛けた“嫌韓キャンペーン”を諌めるような声はまったく上がっていない。
 それどころか、“嫌韓キャンペーン”の片棒をかついできたのがマスコミ、とりわけテレビワイドショーなどの御用コメンテーターたちだ。
 彼らは盲信的に安倍政権の正当性を主張し、韓国に対してヘイトまがいのコメントを連発する。それに乗せられて世論も「韓国けしからん」一色に染まり、安倍政権の暴走をみすみすと許してしまったのだ。

 しかも、ワイドショーの“嫌韓キャンペーン”はどんどんエスカレートし、最近では「韓国は五輪に来るな」「韓国人観光客はいらない」というようなファナティックなことまで平気で言うようになった。

 その筆頭が、『ひるおび!』(TBS)の八代英輝弁護士だ。八代弁護士といえば、もともと露骨な安倍政権寄りの“御用コメンテーター”だが、とくに韓国絡みの話題では、ハンギョレ新聞と中央日報、朝日新聞を「反日三羽烏みたいなもん」と放言するなど、完全に底が抜けた状態になっている。

 その八代弁護士が、20日放送の『ひるおび!』でも“韓国は東京オリンピックに来なくていい”と言い放っていた。

 番組では、福島第一原発事故の汚染水の処理をめぐって、韓国外交省が在韓日本大使館公使を呼んで事実関係の確認と今後の計画の説明を求めたという報道を取り上げ、「韓国メディアでは日本政府による対韓輸出管理厳格化の対抗措置の一つではないかとの見方も出ている」との話が紹介された。

 続けて「韓国 五輪準備に疑義」なる産経新聞の記事も取り上げ、「韓国オリンピック委員会が福島第一原発事故の影響を念頭に、食の安全や選手の健康を懸念する事前通知を日本側に送付していた」「日韓関係の摩擦が五輪をめぐる国債会議の場にも持ち込まれた形だ」との報道が垂れ流された。

 これに対してコメントを求められた八代弁護士は、「まあ、非常に嫌なときに嫌なことをついてくるなというのが印象なんですけども」と言い、「汚染水処理の問題はいまさら韓国に言われるまでもない」と海洋への希釈投棄について説明したうえで、こう述べた。

「一方で、韓国からこういうことを言う。韓国は本当は隣国で、たとえばこの東日本大震災でいまだに5万4000人もの避難住民の方が日本にはいる。
 そういった方に対してお見舞いの言葉を言うならまだしも、この関税の報復としてね、汚染水処理の問題をあからさまに取り出してきて、しかもオリンピックにまでそれをかこつけて言ってくる。非常になんて言うんですかね、まあ正直言ってゲスな主張してきてるなと思うんですけども」

■ 八代弁護士「東京五輪、嫌なら来なくて結構」、   有本香「「交流大事」という押し付けはやめていただきたい」
 いや、海を隔てた隣国であり、かつ東京でオリンピックが開催されるからこそ、原発汚染水の安全問題に懸念を示すのは当たり前だろう。
 それを「輸出規制への報復」と決めつけてバッシングのダシにするとは、いったいどういう了見をしているのか。だが、完全に“嫌韓イデオローグ”と化した八代弁護士は、さらにこう畳み掛けたのだった。

「日本はこのオリンピックの問題に対して期間中、韓国に対して他の国とは違って個別対応するっていう姿勢を示してるんですね。ようするに丁寧な説明を韓国にだけするってことだと思うんですが、そんなの必要ないですよね。嫌だったら別に来なくても結構だ、というスタンスでいいんじゃないでしょうか」

 いやはや「嫌なら来るな」と言い放つなんて、まがりなりにも「平和の祭典」とされているオリンピックを何だと思っているのか。それこそ、八代弁護士のほうが韓国バッシングに利用しているではないか。
 だが、『ひるおび!』ではMCの恵俊彰も他のコメンテーターも、八代弁護士の発言になんら異論を唱えず、これがさも「正論」かのように進んでしまったのである。

 五輪だけではない。安倍政権と文在寅政権の対立で、民間レベルでも日韓の友好イベントやアイドルなどのエンタテインメントによる交流、さらには学校の修学旅行などが中止・延期となり、韓国から日本への観光客も減少している。これは、経済的損失はもとより文化交流にも多大なる悪影響を与えているということだ。

 そんななか、自治体や民間の努力によって、交流を継続しようとする動きもある。たとえば、北海道と札幌市などは19日、新千歳空港や旭川空港で韓国発の飛行機に登場した韓国人の歓迎セレモニーを開催。到着ゲートにはハングルで「北海道へようこそ」と書いた横断幕を掲げた。
 報道では、訪れた韓国人からの「政府間の関係が悪くても個人の良いつながりは保てると思う」「歓迎の気持ちが伝わった」というような話も伝えられている。

 ところが、安倍応援団はこうした歓迎セレモニーまでバッシングしている。たとえば、最近、自民党に所属しながらリベラル寄りの発言をしている武井俊輔衆院議員が〈日韓関係の悪化に伴い、LCCの運休減便が続発。民間交流、青少年交流に影響が出ないよう努力を続けています。

 来なくていい!と威勢良くいう方もいますが観光に深刻に影響が出ます〉と当たり前のツイートをしたのだが、これにネトウヨが「韓国人は日本に来なくていい!」などと怒り狂った。そして、この武井氏のツイートに対しては、安倍応援団文化人の有本香氏が〈LCCで来る人たちにはそれなりのサービスで応じるのが筋。

 一般の国民全般に「暖かいサービスを」「交流大事」という勇ましい押し付けはやめていただきたい〉と理解不能の主張で絡みだした。たとえばこんな応酬をしている。

■ 韓国からの観光客減少に菅官房長官は「中国、欧米は伸びている」と強弁
武井議員
〈先程書きました韓国人観光客へのおもてなしについて、来なくていい、迷惑だなどと口汚い言葉の羅列は恥ずかしく暗澹たる思いがします。政治が難しい関係の中、自分のお金と時間を遣って、訪日して頂く方を歓迎すること、それが美しい日本ではないのではないのか、もう一度考えて頂きたいものです。〉

有本氏
〈どんな汚い言葉の羅列かは不明ですが、外国人観光客は「来なくていい」「迷惑だ」という国民の声は聞かないということでしょうか。観光産業は良くも悪くも「水もの」的業種。容易に日銭は稼げるが、環境変化に左右され易い。ましてや観光客送り出しを政治カードに使う国への依存は非常に危険です。〉

 いや、誰が見たって武井議員のほうがまともな感覚だと思うが、ようするに、有本氏はLCCがどうのこうのとか詭弁を弄し(もっとも、それ自体が頭が悪すぎるというか差別的である)ながら、結局のところ、言いたいのは“韓国人は日本に来るな!”というネトウヨのヘイトそのものなのである。

 もはや言葉もないが、日本ではいま、こうしたネトウヨを地で行く“韓国排除言説”が大手をふってまかり通っている。もう一度言うが、その流れをつくったのは間違いなく安倍政権だ。
 事実、政権幹部は文在寅政権批判だけでなく一般の韓国市民をも攻撃の対象とし、徹底して“韓国人は日本に来なくていい”というヘイト・キャンペーンを打ってきた。

 たとえば菅義偉官房長官は先月31日の会見で、日韓の関係悪化で韓国からの旅行客が減少に向かっていることを指摘されて、「中国(からの観光客)は11%以上伸び、アメリカやヨーロッパも二桁伸びている。

 今年に入っても(訪日外国人の)伸びは続いていることは事実だ」と“問題にしない”との姿勢を見せつけている。さらにこの間、韓国政府幹部との会談などで挑発的な言動を繰り返してきた河野太郎外相、安倍首相の片腕である甘利明元経産相や萩生田光一幹事長代行らも、もはやどうしようもなく低レベルな煽りを繰り返していた。

 そうした挑発の結果、韓国政府も引くに引けなくなり、今回のGSOMIA打ち切り決定のような措置をせざるをえなくなったのだろう。当然、このままでは、とてもではないが東京五輪を契機にした平和的な友好関係の再構築なども望めない。

 実際、韓国が東京五輪をボイコットすれば、ホスト国である日本は国際的にも厳しい目で見られるだけでなく、今後の北朝鮮の核問題交渉でも、またもや日本だけが“蚊帳の外”に置かれるのは必至。当然、拉致問題についてもますます難しくなってくる。

 何度でも言う。安倍政権とマスコミが“嫌韓キャンペーン”を煽りまくって貿易問題を政治利用した結果、日韓関係の悪化は安全保障上のリスクにまで発展し、この国で生活する人々を危険にさらすことになった。この期におよんでも国民は、安倍首相が招いた状況のヤバさがわからないのだろうか。
(編集部)

【出典】LITERA 2019.08.22 11:53



関連資料

韓国、日韓軍事情報協定を破棄 「輸出優遇国」除外受け 朝日新聞デジタル 2019年8月22日19時06分
韓国、GSOMIA破棄=日本の輸出管理強化に対抗- 安保協力後退へ  時事通信社 8/22(木) 18:27配信

日本人の無知と隷属首相に 付け込む米国はばかさ加減の極み
ボルトン大統領補佐官と岩屋防衛相(7月22日)/(C)共同通信社

日本人の無知と隷属首相に付け込む米国はばかさ加減の極み 日刊ゲンダイ 公開日:2019/08/09 06:00 更新日:2019/08/09 06:00

  7月末に来日した米国のボルトン大統領補佐官が、在日米軍駐留経費の日本側負担について、現状の5倍の支払いを求める可能性があると伝えていた、と報じられた。
 報道が事実であれば、この要求は、ばかさ加減の極みである。

 在日米軍基地は日米地位協定に基づく。そこには日本側負担について何と書いてあるかといえば、「ゼロ」である。そんなばかな、と思う人は、協定を確認すればいい。日米地位協定第24条は次の通りだ。

〈日本国に合衆国軍隊を維持することに伴うすべての経費は(略)日本国が負担すべきものを除くほか、この協定の存続期間中日本国に負担をかけないで合衆国が負担することが合意される〉
 なぜ、こうなっているかといえば、在日米軍基地の主たる目的は日本防衛ではないからだ。
 横須賀に第7艦隊の旗艦がいるが、横須賀を守るためでも、東京を守るためでもない。太平洋、インド洋を守るために存在しているのである。沖縄・普天間基地の米海兵隊も同様で、世界各地の緊急事態に展開するために駐留している。

 日米の軍事協力については「日米防衛協力のための指針」がある。ここには「日本に対する武力攻撃が発生した場合」、「日本は、日本の国民及び領域の防衛を主体的に実施し、日本に対する武力攻撃を極力早期に排除するため直ちに行動する」とされ、他方、米軍は「日本を防衛するため、自衛隊を支援し及び補完する」となっている。

 在日米軍がいなくなったらどうしよう、などという国民がいるが、今は自衛隊が日本防衛を主体的に行う仕組みになっているのだ。
 次に日米安保条約を見る。安保条約第5条では、武力攻撃があった時、「自国の憲法上の規定及び手続に従って共通の危険に対処するように行動することを宣言する」と規定されている。

 米国憲法では議会に交戦権がある。従って議会がOKと言えば米軍は出動できるのであり、別に安保条約があるから出動するのではない。
 さらに言えば、今はミサイル技術が発達し、中国は在日米軍を破壊し得る1200以上の短距離・中距離弾道ミサイルと巡航ミサイルを配備している。これに対して、米軍には守る術がない。

 日本人の無知と米国に隷属する首相に付け込んで、巨額の金をぼったくろうとする米国の対応は極めて悪質だ。

【出典】日刊ゲンダイ 公開日:2019/08/09 06:00 更新日:2019/08/09 06:00



関連資料


 安倍首相はやっぱりトランプの下僕だった!
安倍首相はやっぱりトランプの下僕だった!
日米首脳会談で巨額の農産品購入の約束、特攻隊賛美を嘲笑されたことも判明
LITERA 2019.08.13 10:55
https://lite-ra.com/2019/08/post-4899.html

日本はもはや国家の名に値しない 段階に入っている
異例の官邸会見で結婚発表のメディアジャック(C)共同通信社

日本はもはや国家の名に値しない段階に入っている 日刊ゲンダイ 公開日:2019/08/14 06:00 更新日:2019/08/14 06:00

 マスコミはどこまで落ちたら気が済むのか。小泉進次郎・滝川クリステルの結婚騒ぎは、ありゃあ、なんだ。
 安倍官邸による政治利用がミエミエなのに、王子様バンザイの大合唱。バカもいいかげんにしろ。いずれ“オリンピック・ベビー”がどうのこうのとはしゃぎだすのだろう。

“劇場型結婚”だと評した報道が皆無ではない。だが揶揄止まり。人間をなめ切った支配の手口を叩きのめす気概はみじんも見られなかった。
 テレビマンも新聞記者も、胸に手を当てて、よくよく考えてみてほしい。あなた方が近年、国民を政権の意向通りに操ることしかしていないことの罪深さを、だ。

“王子様バンザイ”は論外。中国や北朝鮮の脅威をわめくその口で、韓国人への罵詈雑言を吐きまくって恥じない。“脅威”が真実なら、ますます結束が求められる日韓の国民同士が、なぜマスコミ総出で反目させられなければならないのか? 

 知れたこと、安倍政権には本当の意味での安全保障などどうでもよい。“明治150年”の近代化とともに日本人が刷り込まれた差別意識をとことんあおり、政治への不満を近隣諸国への憎悪に転じさせると同時に、戦時体制の構築・強化をむしろ歓迎する空気を醸成していく。
 原始人じみた誘導の中核を、本来これを監視し、改めさせる責務を担っているはずのマスコミが買って出た構図。

 この間には例外的にまっとうな報道もいくつかあった。たとえば1審札幌地裁で自衛隊に違憲判決が出た長沼ナイキ訴訟をはじめ、戦後の重要な民事憲法訴訟の裁判記録の8割超が廃棄されていた事実を伝えた8月4日の共同通信電など、全マスコミが直ちに後追いし、徹底的な追及がなされて当然のスクープだ。

 裁判所の規定違反は明白で、歴史的な審理が永久に検証不能にされたことを意味する。いつの間にか立ち消えにされた統計偽装の問題も考慮すれば、日本がもはや国家の名に値しない段階に陥っている証しではないか。

 にもかかわらず、共同の加盟社以外は黙殺を続けている。参院選で山本太郎氏がわかりやすく示した消費税の薄汚い本質を深く掘り下げる取り組みもない。詳しくは別の機会に譲るが、大企業の不祥事に目をつぶるスポンサー・タブーは史上最悪のレベルになってきた。

 このままでは戦争になる、というだけでも済まないかもしれない。目下の政治とマスコミを放置しておいたら、取り返しがつかない時代にされる。

【出典】日刊ゲンダイ 公開日:2019/08/14 06:00 更新日:2019/08/14 06:00



二極化・格差社会の真相


 巻き上げた消費税どこへ 30年間ウソばかりついてきた政府
巻き上げた消費税どこへ 30年間ウソばかりついてきた政府
日刊ゲンダイ 公開日:2019/07/31 06:00 更新日:2019/07/31 06:00
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/259398

日本が「中国化」している
首相にヤジはダメ? 道警の"過剰警備"に疑問の声
「特定の政治勢力にだけ肩入れしてる風に見える」
by youtube

日本が「中国化」している 2019/7/21 11:08 (JST)7/21 14:38 (JST)updated  ©株式会社西日本新聞社

 2019年7月15日。私はこの日を「日本が中国化した日」として記憶することになるかもしれない。
 この日、安倍晋三首相が参院選の応援のために札幌市を訪れた。その際、街頭演説していた安倍首相にヤジを飛ばした市民が、北海道警の警察官によって現場から引き離された。
 周囲とのトラブルは発生しておらず、ヤジで首相の演説が中断することもなかった。にもかかわらず事実上の強制排除である。

 この様子を地元のテレビ局が報道している。映像を見ると「安倍辞めろ」と大声を出している男性が警察官に取り囲まれて連れ出されている。また「増税反対」を叫んだ女性は、私服姿の警察官数人に体をつかまれて排除された。2人とも拡声器は使っていない。
 排除された女性は「『何の根拠で』と質問すると『公共の安全のためだ』と言われた」と話している。
 このほか「年金100年安心プランどうなった?」と書いたプラカードを掲げようとした女性も、警察官に取り囲まれ歩道の端に移動させられた。一方で、首相支持のプラカードは多数掲げられていたという。
◇ ◇
何が起きたのかを簡単にまとめると、こうなる。
 「街頭で最高権力者の演説に対して批判の声を上げた市民が、何ら暴力的なことはしていないのに、(一時的にしろ)警察の実質的な拘束下に置かれた」

 これって…国際ニュースを見れば分かるが、共産党一党独裁の中国や、プーチン政権による強権支配のロシアで起きていることだ。
 それが日本で起きるとはどんな意味があるのか。そう考えて私は驚きの結論に達した。「日本が中国化、ロシア化している」

 公職選挙法は225条で「選挙の自由妨害」の一つに「演説の妨害」を挙げている。しかし、拡声器も使わない個人のヤジに法的な「演説の妨害」を適用するのはかなり無理がある。
 北海道警は排除した理由を「トラブルや犯罪の予防のための措置」と説明している。これもくせものだ。
 強権国家では当局が言論を抑圧する際、法令の拡大解釈で「違法」としたり、「公共の安全」「トラブル防止」を持ち出したりするのが常とう手段だからだ。
◇ ◇
 北海道警がここまで神経質になった理由は何だろうか。極端なほどの「ヤジ嫌い」で知られる安倍首相に忖度(そんたく)したように思える。当局が権力者の意向を先読みして過剰な取り締まりに走るのも、これまた強権国家によくあることである。

 前に書いたことがあるが、ヤジは「大衆の批評」なのだ。一般論として、好き勝手なことをしゃべっている偉そうな政治家に「引っ込め!」「ウソつくな!」とヤジるのは、大衆の持つ当然の権利だと考える。「表現の自由」の最も原初的な姿とも言えるだろう。
 もちろん行儀は悪い。周りの人はうるさく思うかもしれない。しかし「行儀の良さ」や「その場の秩序」は、「人が言いたいことを言える自由」に優先するほど重要ではない。しかも場所は誰もが通れる街頭だ。

 私は自分の住む日本が、現在の中国やロシアと違って「権力者に対し、自由に声を上げられる国」であることを誇りに思ってきた。私にその誇りを捨てさせないでほしいのだ。
(特別論説委員)

【出典】2019/7/21 11:08 (JST)7/21 14:38 (JST)updated ©株式会社西日本新聞社


安倍首相が北朝鮮ミサイル発射 でもゴルフを続行!
首相官邸ホームページより

安倍首相が北朝鮮ミサイル発射でもゴルフを続行! モリカケ渦中の2年前には同じ発射にNSC開催、「国難」と煽ったのに LITERA 2019.07.30 10:27

 先週25日、北朝鮮から「飛翔体」2発が発射されたが、昨日になって日本政府は、ようやくこれを短距離弾道ミサイルと判断した。韓国軍合同参謀本部の分析によると、ミサイルの飛距離は約600キロで、少なくとも1発は日本海に落下したとみられている。

 北朝鮮がミサイルを発射した理由については、8月に実施が予定されている米韓合同軍事演習に対する非難だと考えられているが、それはともかく、ツッコまずにいられないのは、安倍首相の態度だ。

 安倍首相は24日から29日まで休暇をとり、24日からさっそく別荘のある山梨県鳴沢村に入っていた。8月にも夏休みをとる予定なのに、〈全国各地を遊説で回った参院選の疲れをいやす〉(毎日新聞25日付)などという理由で休暇をとるとは結構な御身分だが、その別荘で過ごしていた25日の早朝午前5時34分と5時57分ごろ、ミサイルは発射された。
 無論、ミサイル発射の情報はすぐさま安倍首相にも伝えられただろうが、驚くのはこのあと。安倍首相は最初のミサイル発射から約1時間30分後の7時1分に富士河口湖町にあるゴルフ場「富士桜カントリー倶楽部」に到着すると、そのまま山崎学・日本精神科病院協会会長らとゴルフを楽しんだのだ。

 ちなみに、山崎会長といえば、去年、精神医療を担う病院団体のトップでありながら、「精神科医に拳銃を持たせろ」という差別的な意見を機関誌で引用して批判を受けた人物。こんな人物とまだ仲良くしているというだけでも問題だが、信じられないのはやはり、ミサイル発射を受けても、ゴルフを中止しなかったことだ。

 しかも、ミサイル問題についてコメントを発したのは、なんとプレーの途中のこと。記者団に対して「我が国の安全保障に影響を与える事態ではないことを確認した」と述べると、その後もゴルフをつづけ、午後過ぎまでゴルフを満喫した。

 さらに、安倍首相は帰京することもなく、当日夜は長谷川榮一総理大臣補佐官、秘書官らと炭火串焼きに舌鼓を打ち、26日は焼肉。
 27日には安倍首相と加計孝太郎理事長の「男たちの悪巧み」写真におさまっていた三井住友銀行の高橋精一郎・元副頭取や鉄鋼ビルディングの増岡聡一郎専務らと2度目のゴルフに繰り出し、28日には温泉を堪能。
 予定どおり29日に休暇を終え、12時51分から官邸で谷内正太郎国家安全保障局長や北村滋内閣情報官、外務省の金杉憲治アジア大洋州局長、防衛省の槌道明宏防衛政策局長と面会している。

 つまり、北朝鮮が発射した弾道ミサイルについて、安倍首相が担当者から正式に報告を受けたのは、ミサイル発射から丸4日以上経ってからだったのである。

 おいおいどういうことだよ、と言わずにはいられないだろう。ちょっと前まで北朝鮮のミサイルを「国難」などと呼び、役立たずのJアラートを鳴らして国民を不安に晒し、北朝鮮の恐怖を煽っていたころとは、あまりに対応が違いすぎるではないか。

■ 安倍首相の2年前の勇ましい態度は、森友加計隠し、北朝鮮ミサイル政治利用だった
 たしかに、今回の弾道ミサイルの落下地点は日本の排他的経済水域(EEZ)外とみられており、「我が国の安全保障に影響を与える事態ではない」という安倍首相の言葉は正しい。だが、問題なのは、同じような事態が起こったとき、安倍首相はまるで違う態度をとっていたことだ。

 たとえば、2017年4月5日早朝6時42分ごろに北朝鮮が弾道ミサイルを発射したときは、今回と同様にEEZ外に落下したが、発射から4分後には「不測の事態に備え、万全の態勢をとること」などといった総理指示を出し、政府は関係省庁局長級会議や国家安全保障会議(NSC)を開催して対応を協議。
 安倍首相は記者団に「安全保障上の重大な挑発行為で断じて容認できない」と強い口調で述べ、「今後、さらなる挑発行為も十分考えられる」「国民の生命と財産を守るため万全な対策をとる」と宣言している。

 また、同年5月21日にも午後4時59分ごろに弾道ミサイル1発が発射され、EEZ外の日本海に落下したが、このときも約1時間半後にはNSCが開催され、夜には安倍首相が「国際社会の平和的解決に向けた努力を踏みにじるもので、世界に対する挑戦だ」と強く非難した。

 少し前までは声高に北朝鮮の脅威を煽りに煽って「国民の生命と財産を守るため万全な対策をとる」などと勇ましく述べていたのに、同じようなことが起こっても、総理指示も出さず、NSCも開催せず、ゴルフのプレーの途中に「安全保障に影響を与える事態ではない」と話して終わりって……。国民をバカにするにも程があるだろう。

 そもそも、安倍首相が北朝鮮の脅威を煽りに煽っていた当時は、森友・加計学園問題に対して国民から大きな反発が起きていた。ミサイルが発射されるとこれ幸いと言わんばかりに安倍首相は北朝鮮危機を必要以上に煽っていたが、それも結局は支持率回復のための“北朝鮮の政治利用”でしかなかった。

 そして、関係国が北朝鮮との対話路線に舵を切って安倍首相だけが“蚊帳の外”に置かれると、その方針をあっさり転換。実際、トランプ大統領が北朝鮮・金正恩委員長との首脳会談を実現させると、政府は弾道ミサイルに対応するための住民避難訓練の当面の中止を発表している。

 内閣支持率のために国民の不安や恐怖心を弄ぶ──。ミサイルへの対応をあらためて振り返ると、安倍首相の非道さが浮き彫りになるが、しかし、こうした安倍首相のやり口はいまもかたちを変えてつづいている。
 そう、“仮想敵国”を北朝鮮から韓国に、さらに今度は国民の不満や怒りを煽ることで参院選に利用し、引きつづき内閣支持率につなげようと必死だからだ。

 安倍首相によってつくられたパニックほど馬鹿馬鹿しい茶番はない。しかし恐ろしいのは、こうした茶番の積み重ねによって先の戦争はもたらされたという事実だろう。安倍首相の煽動に乗らない冷静さが、いまこそ必要だ。
(編集部)

【出典】LITERA 2019.07.30 10:27

【出典】LITERA 2019.07.30 10:27

ミサイル発射よりゴルフ 安倍首相“北朝鮮脅威”のデタラメ
茶番だった(弾道ミサイル想定の訓練)(C)日刊ゲンダイ

ミサイル発射よりゴルフ 安倍首相“北朝鮮脅威”のデタラメ
日刊ゲンダイ 公開日:2019/07/26 14:50 更新日:2019/07/26 14:50

「わが国の安全保障に影響を与える事態でないことは確認している」――。安倍首相は25日、北朝鮮が同日早朝にミサイル2発を発射したことについてこう言い切ると、山梨県での静養を切り上げることなくゴルフを堪能。自分があおってきた“北の脅威”などすっかり忘れてしまったようだ。

 韓国軍などによると、北朝鮮は日本海に向け、短距離弾道ミサイルとみられる飛翔体2発を発射。2発目は日本の一部にも到達可能な新型ミサイルだったとみられる。

 日本政府は正式に弾道ミサイルと断定していない。理由は、安倍首相が無条件での日朝会談の開催を求めているタイミングで対話ムードを損ないたくないからだ。

 しかし、安倍政権は今まで“北の脅威”を散々あおって国民を翻弄してきた。思い出すのは、周辺国からの弾道ミサイルの発射などを知らせる「Jアラート」を使った避難訓練(国民保護訓練)。国から訓練を呼びかけられた自治体の住民が頭を抱えて地面にうずくまるマヌケな姿が、国内だけでなく海外メディアを通じて世界に報じられた。

 政府が先頭に立って国民保護訓練を呼びかけ、総務省消防庁は昨年、訓練関連予算として1.3億円を計上。ところが、今では「住民の避難訓練はしばらく前から行っていない」(内閣官房事態対処・危機管理担当)のが現実だ。

 加えて、弾道ミサイル発射を知らせるJアラートは、おととし9月15日を最後に鳴らされていない。25日のミサイル発射については「日本に飛来・通過しないと判断したため鳴らさなかった」(内閣官房事態対処・危機管理担当)という。

 安倍首相はおととし9月21日の国連演説で「(北朝鮮の)脅威はかつてなく重大」と繰り返し強調。直後の25日に「北朝鮮問題への対応について国民に問いたい」と“国難突破解散”に踏み切った。高千穂大教授の五野井郁夫氏(国際政治学)がこう言う。

「北朝鮮の日本に対する態度は何も変わっていないので、解散当時と今の状況は変わっていません。それなのに、Jアラートは鳴らなかった。安倍首相が選挙期間中で夏休みに入っていなかったら、どうだったか分かりませんが、少なくとも、安倍政権の外交・安全保障政策が場当たり的で一貫性がないということが改めて証明されました」

 やっぱり安倍首相には任せられない。


【出典】日刊ゲンダイ 公開日:2019/07/26 14:50 更新日:2019/07/26 14:50



関連資料

朝鮮民主主義人民共和国と外交関係を有する国々の一覧図。
「緑色」で塗られた諸国は朝鮮民主主義人民共和国と国交を有し、「灰色」の諸国は国交を有さない。「赤色」の国家は国交を断絶している。(資料:ウィキペディア)
都内初のミサイル避難訓練…
参加者“動員”で中身スカスカ

安倍首相とマスコミが作り出す 自民党“勝利ムード”の嘘!
選挙特番に出演する安倍首相(ANNnews)

安倍首相とマスコミが作り出す自民党“勝利ムード”の嘘! 実は10議席減、安倍が乗り込んだ重点区、側近議員も次々落選 LITERA 2019.07.22 09:17


「『少なくとも議論をおこなうべきだ』、これが国民の審判だ」──。参院選の結果を受けて、本日午後に安倍首相が記者会見をおこなったが、さっそく憲法改正に向けてスロットルを全開にした。

 今回の参院選で「改憲勢力」は改憲発議に必要な3分の2議席を割ったというのに、「憲法改正の議論をおこなうべきというのが国民の審判」って……。だいたい安倍首相は、「連立与党で71議席、改選議席の過半数を大きく上回る議席をいただきました」と誇るが、実際には、改選前の77議席を大幅に下回ったのが現実だ。

 しかも、自民党にかぎれば、改選前は67議席だったのに対し、今回獲得した議席数は57議席と10も減らした。その結果、今回の選挙で自民党は3年振りに参院での単独過半数を失った。

 さらに比例区では2016年参院選と同じ19議席となったが、得票数は前回の2011万票から今回は1800万票前後に留まる見込みだといい、〈棄権者も含めた全有権者に占める割合を示す比例区の絶対得票率も、第2次安倍政権下での国政選挙で過去最低の17%を切る可能性もある〉(朝日新聞デジタル22日付)と指摘されている。

 参院での単独過半数を維持するために必要だった67議席から10も減らした上、比例区の絶対得票率も安倍政権下では過去最低になる可能性まで──。これは明確に、安倍政権に対して「厳しい審判」が下された結果だ。

 議席数や得票数だけではない。自民党は、安倍首相自ら応援に乗り込んだ重点区でことごとく議席を失っている。その最たるものが、秋田選挙区と新潟選挙区だ。イージス・アショア問題や原発再稼働問題を抱える秋田、自民・塚田一郎候補の安倍総理と麻生副総理への「忖度」発言を抱えていた新潟には、安倍首相が2回も応援に駆け付けた。しかし、自民現職候補を破って野党統一候補の新人が当選したのだ。

 他にも、沖縄選挙区の野党統一候補が勝利したし、加計学園問題の舞台であり安倍首相も応援に入った愛媛選挙区でも野党統一候補が当選した。辺野古新基地建設、イージス・アショア配備、原発再稼働、加計学園問題の舞台という安倍政権の問題が凝縮した地域でことごとく安倍自民党は敗北を喫したのである。

 今回から1人区となった宮城選挙区では、安倍首相が公示日に応援に駆け付けるなど党をあげて力を注いだ現職の愛知治郎候補が野党統一候補に破れ、参院で自民は宮城の議席すベてを失う結果に。同様に、山形選挙区でも自民の現職だった大沼瑞穂候補が野党統一候補に敗れたことで、60年振りに山形で議席を失った。

 さらに、安倍自民党の求心力の低下を印象付けたのは、元首相補佐官で安倍首相の側近である礒崎陽輔が現職だった大分選挙区で、新人の野党統一候補に約1万6000票差をつけられて落選したことだ。礒崎氏は首相補佐官時代の2015年に安保法制審議をめぐって「法的安定性は関係ない」などと暴言を吐いて謝罪に追い込まれたが、今回は安倍首相が応援に駆け付けたというのに落選したのである。

 にもかかわらず安倍首相や自民党は、あたかも勝利したかのように振る舞っている。
 これは、国民に“自民党圧勝”のイメージを植え付けることで、安倍首相の権力を維持させ、冒頭で述べた改憲論議のように、政策をゴリ押しするためだ。

■ 安倍自民党の低い勝敗ラインに丸乗りして“圧勝ムード”を煽ったマスコミ
  実際、安倍官邸はこういう結果になることを予測して、もともと参院選の勝敗ラインを低く設定していた。

 二階俊博幹事長は勝敗ラインを自公で改選議席の過半数となる「63議席」と掲げたが、一方で菅義偉官房長官や萩生田光一・幹事長代行は「全体の過半数」「改選過半数」と言い出して自公で53議席に勝敗ラインを引き下げた。

 これは、公明党が目指していた13議席を差し引くと、自民は40議席を獲得すればクリアできる設定。ちなみに、自民党が大敗して安倍首相の辞任につながった2007年参院選の議席は37。つまり、安倍官邸はあの大敗時より3議席多いだけの数字を勝敗ラインに設けた。
 その結果、10議席も失いながら「民意は示されたのだから、野党は改憲論議に参加すべきだ」などとめちゃくちゃな主張をしているというわけだ。

 だが、こうしたインチキは安倍政権だけではない。新聞やテレビも同罪だ。開票が始まるや、一斉にその低いハードルに乗っかって「安倍政権 改選過半数確実」と打ち、まるで「圧勝」であるかのように盛り上げた。

そして、選挙特番に安倍首相が登場した時点では、前述の重点区で自民党の苦戦が浮き彫りになっていたというのに、そうした点を鋭く追及したキャスターは皆無だった。

 憲法改正の議論を進めることに歯止めをかけるような結果になったにもかかわらず、ほとんどがそれを突きつけようともせず、「安倍総裁の4選もあるか」などと煽り続けたのだ。
 メディア支配で批判報道を押しつぶす安倍政権のやり口については、本サイトでも散々批判してきたが、選挙の結果までが捻じ曲げられるとは、いよいよこの国も本格的に「独裁国家」に近づいてきたということかもしれない。

(編集部)


【出典】LITERA 2019.07.22 09:17



関連資料

改憲争点と言いながら、勝敗ラインは過半数という身勝手
日刊ゲンダイ 2019 年 7 月 04 日
http://www.asyura2.com/19/senkyo262/msg/701.html
【民意の「ノー」に安倍政権は~】【自民党“勝利ムード”の嘘】【”三原エロ画像”絶賛拡散中】 沖縄のトリビアから世界情報まで 2019-07-24 09:38:38
https://ameblo.jp/unntama/entry-12497286236.html

地方組織ガタガタ 参院選 「安倍1強」慢心で12選挙区に内紛
東京選挙区は、ぶっちぎりの丸川珠代候補のうらで武見敬三候補が最下位争い
(C)日刊ゲンダイ

地方組織ガタガタ 参院選「安倍1強」慢心で12選挙区に内紛 日刊ゲンダイ 公開日:2019/07/10 15:00 更新日:2019/07/10 16:49

 安倍1強による慢心の成れの果てか――。自民党は都道府県の組織がガタガタし、参院選の結果に影響を及ぼしかねない事態となっている。野党にとっては、猛攻撃をかける狙い目選挙区だ。
  ◇  ◇  ◇
■ 票の奪い合い=東京、千葉、広島
 候補者が2人いる選挙区では、片方が票を取りすぎるともう1人が危なくなる。その代表例が東京(改選数6)。元五輪相の丸川珠代氏(48)がぶっちぎりで、武見敬三氏(67)が最下位争い中だ。

「6年前に106万票だった丸川氏は、今回はそれ以上の得票を目指しシャカリキ。自分のことしか頭になく、ブルドーザーのように各所を荒らしまくっている」(東京の自民秘書)

 千葉(同3)ではトップ当選したい石井準一氏(61)が必死すぎて、現状3位の豊田俊郎氏(66)が共産候補の猛追を受けている。
 広島(同2)では6期目を目指すベテラン溝手顕正氏(76)が安泰で、新人の河井案里氏(45)が苦しい戦いとされていたが、序盤の情勢調査で河井氏が優勢と報じられた。
「若い河井氏に行動力があるのと、官邸の手厚い応援が効いている。大番狂わせがあるのか」(地元メディア関係者)


地方議員がソッポを向く森雅子候補(C)日刊ゲンダイ

■ 候補者に問題=福島、宮城、山形、新潟、大阪
 候補者が県連(府連)内で不人気すぎて苦戦中の選挙区(大阪以外は1人区)。

 福島は元少子化担当相の森雅子氏(54)の評判が酷すぎて、地方議員の動きが悪い。大阪の太田房江氏(68)も同様。改選数4に自民候補は1人だけで楽勝のはずが、府連は別の候補擁立を党本部に要請したほど、太田氏に嫌気がさしている。

 山形は女のバトル。現職の大沼瑞穂氏(40)が同じ山形選出の衆院議員・加藤鮎子氏と犬猿の仲。それが選挙にも影を差している。
「大沼氏はあちこちで加藤氏の悪口を言い回っている。仲介役が入って3人で食事した際も、その人の目の前で言い合いになったそうです」(自民党関係者)

 宮城の愛知治郎氏(50)は祖父が元外相、父が元防衛庁長官という世襲で「上から目線で鼻持ちならない」(地元市議)。新潟の塚田一郎氏(55)は「忖度」発言で評判を落とし言わずもがな。

■ 県連分裂=長崎、福岡
 愛媛で、らくさぶろう氏(54)が落選濃厚なのは、相手の野党統一候補が強すぎるだけでなく、「愛媛県連が中村知事派と塩崎派(恭久衆院議員)に割れていることも関係している」(地元メディア関係者)。
 長崎も県議会の自民党会派が真っ二つ。福岡と島根は4月の県議選で分裂選挙となったしこりが今も残る。

 政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏が言う。
「1強が長く続くと有権者が見えなくなり、党内力学で動くようになる。県連でモメるのは自民党のお家芸とはいえ、緊張感がなくなっています」

 自民党の自滅もあり得るのだ。


【出典】日刊ゲンダイ 公開日:2019/07/10 15:00 更新日:2019/07/10 16:49



関連資料

安倍首相の街頭演説で“批判派潰し”の異様光景!「安倍やめろ」プラカードの前に自民党関係者が立ちはだかり… LITERA 2019.07.07 07:56
安倍首相と三原じゅん子の政見放送がまるで北朝鮮! 安倍首相をひたすら礼賛し、年金問題は野党批判にすり替え LITERA 2019.07.09 12:50

ついに家宅捜索「ジャパンライフ」と 安倍政権の黒い関係!
上/ジャパンライフHP、下/首相官邸HPより

ついに家宅捜索「ジャパンライフ」と安倍政権の黒い関係! 首相の最側近や田崎史郎らメシ友記者が広告塔に LITERA 2019.04.25 07:35

 2000億円を超える負債を抱え、現在、破産手続き中の預託商法大手・ジャパンライフ社に、ついに捜査のメスが入った。
 債務超過の状態を隠して顧客を勧誘した疑いがあるとして、本日、警視庁など6都県警の合同捜査本部が特定商取引法違反(事実の不告知)容疑で創業者の元会長・山口隆祥氏の自宅や関係先など12都県30カ所を家宅捜索したのだ。

 同社の被害弁護団連絡会によれば契約者は約7000人にもおよび、現在、各地で損害賠償訴訟が起こされている。被害規模は史上最大の消費者被害を出した安愚楽牧場に次ぐもので、今後の捜査の行方に注目が集まっている。
 しかし、ジャパンライフをめぐっては、もうひとつ、注目すべき問題がある。それは、ジャパンライフと安倍首相の側近政治家、安倍応援団ジャーナリストとの関係だ。

 本サイトではこれまでも追及してきたが、安倍首相の側近である自民党の加藤勝信総務会長や二階俊博幹事長、さらに御用ジャーナリストの田崎史郎氏、NHKの島田敏男氏らといった“安倍首相のメシ友記者”たちがジャパンライフの“広告塔”をつとめてきた。
 さらに、2015年には安倍首相主催の「桜を見る会」に山口会長を招待。ジャパンライフは招待状と安倍首相の顔写真を宣伝チラシに載せてアピールに使っていたのである。

 その詳細をお伝えした昨年11月の記事を、今回、あらためて再録する。安倍首相の側近たちが被害の拡大に手を貸した事実は極めて重大であり、徹底した責任追及が必要だ。
(編集部)

http://www.asyura2.com/18/senkyo253/msg/794.html

 マルチ商法としてこれまでにもたびたび社会問題化してきた「ジャパンライフ」が2400億円超の負債を抱えて破産、12日には最初の債権者集会が開催された。しかし債権者への返済はほぼ絶望的な状況も判明、大きな波紋を呼んでいる。
 ジャパンライフをめぐっては警察当局も特定商取引法違反や詐欺容疑を視野に本格捜査が開始される模様だ。
 約6800人にも及ぶと言われる被害者が予想されるが、さらに被害を増大させた一因がある。それがジャパンライフと安倍首相の側近政治家との関係だ。

 その最たる存在が、安倍政権下で内閣府特命担当及び一億総活躍担当大臣、厚生労働大臣などを歴任し、現在は自由民主党総務会長の要職にある加藤勝信議員だ。加藤氏はジャパンライフの内部向けの宣伝チラシに「ジャパンライフの取り組みを非常に高く評価していただきました」と紹介されるだけでなく、ジャパンライフ創業者で“マルチのレジェンド”と称される山口隆祥会長と2017年1月13日に会食するなど、ジャパンライフの“広告塔”としての役割を果たしている。

 つまり被害者を安心させる“印籠”になっていたというわけだ。周知の通り、加藤氏は安倍首相の最側近で、最近では“ポスト安倍”としても名前があがることもある政治家。もともと勝信氏は、自民党の大物議員・加藤六月氏(故人)の娘婿で、六月氏は安倍首相の父・晋太郎氏の側近中の側近。安倍首相の幼い頃から安倍家と加藤家は家族ぐるみの付き合いであり、また六月氏の妻・睦子夫人と安倍首相の母・洋子氏との関係は相当に深く、大臣抜擢も、洋子氏の後押しがあったためといわれる。そんなオトモダチがジャパンライフの広告塔だったわけだから、それこそ安倍首相の責任は免れないだろう。

みんなが知るべき情報/今日の物語

■ 安倍首相主催「桜を見る会」にジャパンライフ会長を招待!
 しかし、ジャパンライフとの関係があるのは加藤氏だけではない。そもそもジャパンライフは政治家との関係をさかんにアピールしてきた。
 たとえば自民党の二階俊博幹事長も加藤議員同様、ジャパンライフの宣伝チラシに登場するだけでなくは山口会長主催の“自民党・二階幹事長を囲む懇親会”まで開かれていた。
 また2014年にはこれまた安倍首相側近の下村博文元文科相が代表を務める政党支部に献金がなされた。さらにこの問題を追及し続けてきた共産党の大門実紀史参院議員が入手した「お中元リスト」には安倍首相をはじめ、麻生太郎財務相や菅義偉官房長官、茂木敏充経済再生相らが名を連ねていたのだ。

 そして極め付けが2015年に開催された安倍首相主催「桜を見る会」だろう。2014年9月にジャパンライフは消費者庁から文書で行政指導を受けていたにもかかわらず、この首相主催の会にジャパンライフ創業者の山口会長本人が招待されているのだ。
 しかも、ジャパンライフは招待状と安倍首相の顔写真を宣伝チラシに載せ大々的にアピール、また勧誘や説明会で「招待状」を顧客に見せ、その関係を利用しようとしていた。つまり側近政治家だけでなく安倍首相もまた“広告塔”としての役割を果たしていたと言っていい。

 こうして安倍政権に食いこんだジャパンライフだが、さらに安倍首相と一体化している官庁である経産省を中心に官庁工作や人脈形成を盛んに行っていたことも判明している。
 実際、ジャパンライフは元内閣府官房長や元特許庁長官ら複数の官僚OBを同社の顧問や関連するNPO法人の理事長として招請し、報酬を支払っていたことが明らかになっているのだ。

 さらに問題なのは、こうしたジャパンライフの政界官界人脈が、悪質商法を行っている疑いがあるジャパンライフの行政処分を遅らせたという疑惑までがあることだ。
 これは昨年4月の国会で前述の共産党の大門議員が追及したものだが、ジャパンライフの業務停止命令が、2015年9月の立ち入り検査から1年3カ月と通常の倍以上も要した背景に、消費者庁の課長補佐が同社に天下りしていたことが指摘されているのだ。

 つまり加藤議員ら政治家が“協力”していたことで同社の「信頼」を演出、さらには関係官庁のOBが天下りしていたことで、これまでも悪質マルチ商法を行っている疑いがあったのに、その行政処分が遅れ、被害を拡大させた可能性すらあるということだろう。

 http://www.asyura2.com/18/senkyo253/msg/794.html

■ 田崎史郎、NHK島田敏男ら“安倍のメシ友”記者も広告塔に
 ジャパンライフの確信犯的とも思える政界官界への工作だが、もうひとつの疑惑が存在する。それがマスコミ“広告塔”工作だ。
 これはジャパンライフ問題が大きく取り上げられている現在においても、テレビや大手紙が一切沈黙を決め込んでいるが、通信社、全国紙、そしてNHKなど大マスコミの編集委員・解説委員クラスの幹部が、しかも安倍首相に極めて近い人物たちがジャパンライフの宣伝資料に実名・顔写真入りで登場していたというもの。

 この事実は今年2月、消費者問題の専門紙・日本消費経済新聞がスクープしたものだ。記事によると同紙はジャパンライフ元社員から、顧客の説明会で使用する資料を入手。 その中に、2017年1月27日、二階幹事長を囲む懇談会を山口会長の主催で開催したことが紹介され〈トップ政治家やマスコミトップの方々が参加しました! このメンバーで毎月、帝国ホテルにて情報交換会を行なっています〉と打たれものがあり、その下に「参加者メンバー」が肩書きと顔写真入りでリストアップされていたのだ。

 そのなかには、TBS『ひるおび!』などテレビでおなじみ官邸御用ジャーナリストの筆頭、“田崎スシロー”こと田崎史郎・時事通信社特別解説委員(当時)や、安倍首相と寿司を食う仲から“しまだ鮨”との異名を持つ島田敏男・NHK解説副委員長(当時)、また芹川洋一・日本経済新聞社論説主幹(当時)の名前があげられている。
 田崎氏、島田氏が安倍首相の会食メンバーであることは言うまでもないが、日経の芹川氏も第二次安倍政権発足以降に少なくとも6回も安倍首相と会食を行なってきた。

 ただ、このジャパンンライフの広告塔になっていたのは、安倍首相の“メシ友”だけではない。元読売新聞社東京本社編集局長の浅海保氏、元朝日新聞政治部長の橘優氏、毎日新聞社の亡くなった岸井成格・特別編集委員と倉重篤郎・専門編集委員、『報道ステーション』(テレビ朝日)コメンテーターでもある後藤謙次・元共同通信社編集局長らまでが名前を連ねていた。

 ようするに、政治部トップ経験者が勢ぞろいしていたのだ。 こうした名だたるメンツが二階幹事長を囲み、その懇談会がジャパンライフの山口会長の主催だとアピールすることで、マスコミ関係にも強力な人脈があるとの印象を顧客に与えたのは想像にかたくない。
 安倍首相に近い政官界、そしてマスコミ幹部までもがレジェンドマルチ商法大手であるジャパンライフと癒着、“広告塔”となっていた疑惑──。だが、ジャパンライフと安倍政権の関係について、さらなる疑惑が浮上している。それがジャパンライフと安倍昭恵夫人との関係だ。

みんなが知るべき情報/今日の物語

 これは昨年末、日刊ゲンダイが報じたものだが、昭恵夫人が2017年10月に消費者庁から3カ月間の一部業務停止命令を受けたマルチまがい商法の「48ホールディングス」の淡路明人会長と一緒に写っている写真がネットで出回ったというもの。

 そして48ホールディングスの渡部道也社長はかつてジャパンライフの取締役を務めていたという。その関係の詳細は不明だが、しかしここでもまた昭恵夫人が登場したこと、さらにジャパンライフと安倍首相の蜜月を疑わざるを得ない。
 
 冒頭で記したように、今後ジャパンライフは当局の本格捜査が着手されるが、果たしてこうした安倍政権との癒着構造が解明されるのか。その動きを注視したい。
(編集部)

【出典】LITERA 2019.04.25 07:35



関連資料

警視庁が「ジャパンライフ」と安倍政権のただならぬ関係!首相の最側近や安倍昭恵!首相が保証人ならということで信用した高齢者7千人の被害!
二階俊博、加藤勝信、下村博文、メシ友記者らが広告塔で!
https://blog.goo.ne.jp/kimito39/e/265d20c1a0c8674f4ee41f15ade7a1ee
みんなが知るべき情報/今日の物語 2018-11-19 19:19:03
ジャパンライフ創業者、無言貫く 家宅捜索に立ち合う
2019年4月25日16時46分
朝日新聞 https://www.asahi.com/articles/ASM4T53VBM4TUTIL023.html

萩生田「消費増税延期」発言で 安倍政権が墓穴!
横田一「ニッポン抑圧と腐敗の現場」

萩生田「消費増税延期」発言で安倍政権が墓穴! 大阪12区補選で野党の増税反対に勢い、一方、安倍首相はゴマカシ演説 LITERA 2019.04.20 09:30


 「衆院大阪12区補選」で消費増税が一大争点として急浮上した。投開票2日前の19日、野党統一候補の宮本岳志・前衆院議員の応援に駆けつけた志位和夫・共産党委員長は、安倍首相の側近とされる萩生田光一幹事長代行の発言を紹介、宮本氏勝利で増税を止めようと訴えたのだ。
 一方、大阪ダブル選挙勝利で勢いづく維新の藤田文武候補も18日、「(大阪12区補選勝利で)消費税の増税までドーンと吹っ飛ばせるかも知れない」と補選の意味を有権者に呼びかけたのだ。

 志位委員長は翌20日に安倍首相と麻生副総理(財務大臣)が2人そろって大阪12区に入ることについて「宮本さん勝利の大きな流れを作って盛大に迎え撃とうではありませんか」と呼びかけ、補選が「安倍官邸vs市民と野党」という構図であることを強調。
 そして「消費増税の問題がいよいよ大争点になってきた」と切り出した。

 「萩生田さんという安倍首相のお友だちの自民党幹事長代行が『10月の消費税増税の実施は見送りもありうる』と言い出しました。大問題になっています。『景気がこの先、危なくなるぞと見えてきたら、みんなを連れて崖のほうに行けない』という言い方で消費増税の実施見送りもあることを言い出した。みなさん、相手は動揺を始めたではないですか。ここが攻めどころではないでしょうか」

 そして「景気が危なくなるかも知れない」という萩生田氏の発言に対して「景気が悪化しているのはとっくの昔に分かっているではないか」と反論、こう続けた。

 「衆議院予算委員会で安倍首相と議論をしましたが、消費税8%に増税をした2014年を機に5年連続で家計消費マイナス、増税前に比べて25万円も世帯当たり減っています。働く人の実質賃金は10万円も減っている。増税なんかやれる状況ではない。(家計消費と実質賃金の)グラフを見せて『安倍さん、水面下に沈みっぱなしではないですか』と言ったところ、安倍首相は『たしかにグラフでは水面の下に沈んでいて顔は出ていない』と認めました。人にたとえれば、人が溺れている状態じゃないですか。そこに増税を被せるということは、溺れている人の頭を押さえつけて足を引っ張って水の底に沈めちゃうような話ではないですか。景気の底が抜けてしまうのは明らかではないでしょうか。
 安倍首相は『そうならないように、頂いた分はすべてお返しをする対策をちゃんとやります』と言う。『返すぐらいだったら最初から増税をやるな』と言いたい」

 さらに志位委員長は、萩生田発言を逆手にとって、消費増税がまだ止められる証拠だと指摘し、だからこそ、補選で勝利することが重要だと訴えた

 「萩生田さんは増税実施延期について『まだ間に合う』と言った。その通りですよ。これからでも止められる。税金を上げるのを決めるのは安倍首相ではない。主権者である国民の皆さんではないですか。この選挙で宮本さんを勝たせていただければ、大変なインパクトを持って永田町に衝撃波が走ります。そして止めることが出来ますよ。宮本さんを勝たせて増税を止めようではありませんか!」

 この演説には大きな拍手と歓声が起こり、続いてマイクを握った宮本氏は、次のように訴えた。
 「安倍首相の政治は嘘と忖度の政治でしょう。明日、この場所(寝屋川市駅前)にやってくるのですが、安倍総理と麻生副総理といえば、まさに下関北九州道路で名前が上がった忖度コンビではありませんか。その2人を呼んで選挙をやろうというのですから、本当に呆れ果てた話です。『嘘と忖度の政治はノーだ』という声は党派を超えて、野党統一候補、宮本岳志に託していただきたい」

衆院大阪12区補選で応援演説に立つ安倍首相

■ 安倍首相は「消費税」に一切触れず、ゴマカシの応援演説
 今回の補選と消費増税を関連づけたのは、維新の藤田候補も同じだった。街宣で次のように訴えたのだ。
「(補選で)私を押し上げていただいたら『消費税の増税を吹っ飛ばせる』と言われている。(大阪12区の)寝屋川市、大東市の皆さんが維新と藤田文武にもう一回期待をかけてもらったら、消費税の増税までドーンと吹っ飛ばせるかも知れない。吉村さん(府知事)流に言えば、ダイナマイトみたいな戦いをさせて欲しい。もう火の玉になって突っ込んで行きますので是非とも勝たせて下さい」

 すると、続いてマイクを握った松井一郎市長(維新代表)もこう訴えた。
 「増税の前に(政治家の)自分達も身を切る改革をする。ここで増税を許すと、これから高齢者が増える中で、高齢者の社会保障費を掲げられて、どんどん大増税国家になります。増税を凍結するために藤田候補を勝たせて下さい」

 維新候補と野党統一候補が共に消費増税を一大争点と強調したのに対して、最終日の20日に麻生財務大臣と共に大阪入りをした安倍首相は3カ所で応援演説したが、萩生田発言について一言も触れなかった。消費税を財源とする「10月から幼児教育・保育の無償化を実施します」と言いながら、「消費税」という単語は一切出さなかった。
 そして、実質賃金が下がっているのに「安倍政権になって給与が増えた」という嘘を交えたアベノミクス自画自賛をまたぞろ口にしたのだった。

 大阪12区補選でも得意のゴマカシ、争点隠し選挙に徹した安倍首相。正々堂々と政策論争をしない安倍政権に対して、どんな審判が下されるのか。
 沖縄3区補選とともに大阪12区補選の結果が注目される。
(横田 一)


【出典】LITERA 2019.04.20 09:30



関連資料

増税延期だけじゃない 自民萩生田氏は問題発言連発だった。
日刊ゲンダイ 公開日: 更新日:

安倍首相「令和は国書典拠」 自慢の間抜け!
新元号発表後の首相会見(首相官邸HPより)

安倍首相「令和は国書典拠」自慢の間抜け! 大元は中国古典で作者の張衡は安倍政権そっくりの忖度政治を批判 LITERA 2019.04.03 11:40

  新元号発表の“政治パフォーマンス”が成功したとみたか、意気揚々の安倍首相。とりわけ「令和」の出典が『万葉集』だと強調し、「初めて国書を典拠とした」と触れ回っている姿は、この宰相の中身がどれほど阿呆かを満天下に知らしめている。発表当日の1日に生出演した『ニュースウオッチ9』(NHK)ではこう宣った。

「『令和』というのは、いままで中国の漢籍を典拠としたものと違ってですね、自然のひとつの情景が目に浮かびますね。厳しい寒さを越えて花を咲かせた梅の花の状況。それがいままでと違う。
 そして、その花がそれぞれ咲き誇っていくという印象を受けまして、私としては大変、新鮮で何か明るい時代につながるようなそういう印象を受けました」

「中国の漢籍を典拠としたものと違って情景が目に浮かぶ」って……コレ、ヘイトじみた“日本すごい”言説という批判以前に、めちゃくちゃ頭が悪い発言だろう。
 そもそも「令和」の二文字の並びだけ見れば情景もクソもないし、政府の説明によれば「令和」は『万葉集』の梅花の歌の序文を典拠としたというが、それだって中国由来の漢文調で書かれたものだ。

 しかも、すでに各専門家や多くのメディアも指摘しているように、「令和」にはより古い中国古典からの影響が見てとれる。たとえば岩波書店文庫編集部のTwitterアカウントは1日、その“大元ネタ”についてこう投稿していた。
〈新元号「令和」の出典、万葉集「初春の令月、気淑しく風和らぐ」ですが、『文選』の句を踏まえていることが、新日本古典文学大系『萬葉集(一)』の補注に指摘されています。 「「令月」は「仲春令月、時和し気清らかなり」(後漢・張衡「帰田賦・文選巻十五」)とある。」〉

 張衡(78?139)は後漢の役人・学者だ。本サイトも確認したが、その張衡が残した「帰田賦」(きでんのふ)は6世紀の『文選』に収録されており、そこにはたしかに「於是仲春令月、時和気清」とある。万葉集の成立は8世紀とされるが、当時は漢文・漢詩の教養が当たり前であり、「帰田賦」を参考にしたのは確定的だろう。

 “新元号の大元”である「帰田賦」はこのあと「原隰鬱茂。百草滋榮。王雎鼓翼、倉庚哀鳴…」と続いてゆく。『新釈漢文大系』(81巻、「文選(賦篇)下」明治書院)がつけている通釈はこうだ。
〈さて、仲春の佳い時節ともなれば、気候は穏やか、大気は清々しい。野原や湿原に植物は生い茂り、多くの草が一面に花をつける。ミサゴは羽ばたき、コウライウグイスは悲しげに鳴く…〉

 なんのことはない。大元になっている漢籍そのものが、自然の情景を描いているのだ。それを「中国の漢籍を典拠としたものと違って情景が目に浮かぶ」などとのたまうとは……。漢文の教養なんてなにもないくせに、知ったかぶりをして恥をさらす。まったくこの総理大臣は救い難い。

■ 安倍首相は自分への皮肉が込められた元号を知らずに自慢していた!
 いや、それだけではない。ネット上ではいま、「令和」の大元が張衡の「帰田賦」であることが確定的になったことから、「張衡の『帰田賦』は安帝の政治腐敗に嫌気がさして田舎に帰ろうとしている役人の心情を綴ったもの」「安の字を持つ帝の腐敗に役人が嫌気をさす、というのは安倍政権で起きている構図そのものじゃないか」といったツッコミを浴びせられている。ようするに、安倍首相は自分への皮肉が込められた元号を知らずに自慢しているというのだ。

 本当だとしたら、こんな間抜けな話はないので、本サイトも検証してみた。すると、細部では解釈が間違っているところがあるものの、「帰田賦」の作者である張衡が、権力の腐敗に嫌気がさして田舎に引っ込んだ役人であるのは事実だった。

 『後漢書』の「張衡列伝」によれば、張衡は現在の河南省南部に生まれた。年少から文才に秀で、天文、陰陽、暦算などに通じた学者肌の役人となった(実際、科学者としても評価されている)。「才は世に高しと雖も、而れども矯尚の情無し。常に従容として淡静、俗人と交わり接することを好まず」との評に従えば、いつも落ち着きを払い、決しておごることのない人物だったらしい。

 だが、張衡の清廉な精神は腐敗した権力によって阻まれてしまう。当時は、宦官勢力が外戚勢力との権力闘争に勝利しており、張衡は皇帝に意見書を提出するなどしてその腐敗した宦官専横の体制を是正しようとした。
 だが、そうした抵抗は失敗に終わり、張衡は自らの立場を危くしてしまった。

 ただし、相手は、ネットで言われているような「安」の字を持つ安帝ではなさそうだ。『後漢書』によれば、張衡は安帝(6代皇帝)のときに都・洛陽に呼ばれて大史令という官僚知識人の地位をあたえられる。
 順帝(8代皇帝)の頃に再び大史令となる。前述の意見書を上奏した相手は順帝であり、「帰田賦」もその時代に書かれたものだ。

■ 「令和」の大元の作者が「法を遵守する者が災難に遭う」と批判
 それはともかく、張衡は実権力者であった宦官勢力に睨らまれ、136年に首都・洛陽から河間(現在の河北省あたり)へ移り行政官を務めた。
 『後漢書』によれば、2年後に辞職願いを上書するも徴され、再び都の官職に就いたのち引退する。139年、62歳で没。その頃に書かれた隠居の書が「帰田賦」だ。張衡はこのなかでその心情をこう語っている。
〈まことに天道は微かで見定めがたいものである以上、いっそかの漁夫を追って隠棲し、彼の楽しみを見習おうと思う。塵の如き俗界を離れて遠く立ち去り、世間の雑事とは永久に別れることにしよう〉(『新釈漢文体系』通釈より、以下同)

 さらに、地方転出の前年にあたる135年に書いた「思玄賦」には、朝廷の腐敗やそれに媚びる役人を厳しく糾弾する記述がある。こちらも『文選』におさめられているので、紹介しよう。
〈世の風俗は次第に変化し、規範に順う正しい行為を消し去ってしまった。ヨモギを大切そうに宝箱にしまうくせに、蘭やヨロイグサは香りが良くないと言う。美女の西施を捨てて愛さず、駿馬に荷車を引かせたりする。邪な行為をするものが志を得て、法を遵守する者が災難に遭うご時世である。天地は無窮で永遠だが、それに比べて人の世は、何と無原則であることか。しかし私は、志を低くして、とりあえず認められようとは思わない。舟無くして黄河を渡ろうとするような状態だ。巧みな笑顔で媚びへつらうようなやり方は、私の願い下げとすることだ。〉

 安倍首相のために平気で法や文書をねじ曲げる官僚だけが出世する、いまの安倍政権の姿と重なる。そして、張衡はこの腐敗と忖度にまみれた朝廷で官吏として働くことの苦悩をこう書いている。
〈人々に邪悪な行為が多いのを見るにつけても、自分だけ法に従うことが、かえって身を危うくするのではないかと恐れるのだ。心中にこのような煩悶を重ね、我が心は乱れる。ああ誰に向かって、この思いを告げたらよいのか。〉

 これも、良心が残っている官僚たちがいまの安倍政権下で抱えている苦悩そのものだろう。

■ 「令和」考案者・中西進氏は護憲運動にも関わっていた
 ようするに、「おれは国書を典拠とする元号をつけた初めての総理だ」と悦に入っている安倍首相だが、実際は、自らの政権とそっくりな不正と忖度官僚の跋扈を嘆いた中国の役人の言葉を元ネタとする元号をつけてしまっていたのである。

 そんなところから、この「令和」という元号名が実は「安倍首相への皮肉とを込めて提案されたものではないか」などという憶測までとびかっている。「令和」の考案者が護憲運動にも関わったことのある文学者・中西進氏であったと報じられていることもこの説の拡散に拍車をかけている。

 まあ、さすがにそれはありえないだろうが、しかし、今回の新元号制定で改めてはっきりしたことがある。それは、安倍首相が押し出すナショナリズムがいかに浅薄でインチキなシロモノであるか、ということだ。
 「令和」の大元ネタがどうという以前に、そもそも日本の古典文学は、基本的に中国や朝鮮の影響下でつくられているものであり、いくら「国書典拠」を強調したところで、日本固有の文化、中国排除などできるはずがないのである。それを、皇室の伝統を排して「国書典拠」などというのは、無教養とバカのきわみといっていい。

 しかし、そのバカ丸出しのインチキが何の問題にもならずに、正論として通用してしまうのが、いまの日本の状況なのである。

 新元号「令和」の大元ネタの作者・張衡の「思玄賦」にはこんな一節がある。
〈折り合わないことなどは、本当の憂いではない。真に悲しいのは、多くの偽りが、真実を覆い隠してしまうことである。〉
(小杉みすず)


■主な参考文献
『新釈漢文大系』81巻(明治書院)
『後漢書』列伝7(岩波書店)
鈴木宗義「張衡「帰田賦」小考」(「国学院中国学会報」2005年12月号所収)
富永一登「張衡の「思玄賦」について」(「大阪教育大学紀要」1986年8月号所収)
最終更新:2019.04.03 08:04




LITERA 2019.04.03 11:40



関連資料

安倍政権と酷似「令和」元ネタは腐敗政治を嘆く内容だった
日刊ゲンダイ 公開日:2019/04/04 15:00 更新日:2019/04/04 15:08
新元号「令和」への官邸誘導はやっぱりあった!
マスコミが報じない有識者懇談会、衆参両院正副議長意見聴取の内幕
LITERA 2019.04.04 07:00

「新元号」でマスコミが報道しない 元号のイデオロギー的本質!
元号を私物化した安倍首相だが…(首相官邸HPより)

「新元号」でマスコミが報道しない元号のイデオロギー的本質! 元号強制は日本会議前身団体の圧力の結果だった LITERA 2019.04.01 09:50

 いよいよ本日、新元号が発表される。この間、あらゆるメディアが連日のように元号予想やアンケートを実施。狂騒曲とも言えるような報道を繰り広げてきた。そして、きょうも元号発表に向け、各局が大型特番を組んでいる。NHKは朝ドラ後の8時15分からすでに、3時間に及ぶ大型特番の放送が始まっている。
 しかも、スタジオ解説に、宮内庁担当だけでなく、なぜか安倍御用記者の岩田明氏子まで起用する始末。この間、本サイトは安倍首相の元号私物化の動きを指摘してきたが、“安倍様のNHK”がそれを証明したと言えるだろう(ちなみに『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日)でも、御用ジャーナリスト・田崎史郎氏が解説)。

 しかし、今回の元号については、この安倍首相の私物化以外に、マスコミが一切報じなかった本質的な問題を指摘しておくべきだろう。それは元号が本当に必要なのか、という問題だ。

 現実的に考えて、元号は非常に不合理だ。日本の官公庁や公的機関の書類は、基本的には元号表記であり、公的には元号使用が強制されている。しかし、元号は国際社会にはまったく通用しないうえ、日本国内でも西暦が完全に定着し、国民生活では西暦が中心になっている。そのため、ことあるごとに元号表記を西暦に、あるいは西暦を元号に換算する必要が出てくる。

 しかも、改元にあたっては当然、政府や民間のデータベースやシステムを「平成」から新元号に刷新せねばならず、その対応には膨大な手間と費用を要する。さらに、問題なのは、元号が持つ意味だ。元号とは暦の一種で、歴史学では、支配者や指導者が空間(領土や民衆)のみならず時間をも手中におさめようとしてつくられたものと考えられている。
 代表的なのが中国であり、周知の通り、日本の元号も大陸から伝播したとされる。語源が『漢書』など中国の史書からとられていることは有名だ。

 右派は「元号は日本の伝統」などとしきりに口にするがようするに中国由来なのである。しかも、現在の一世一元、民間への元号強制は、明治から終戦までの天皇制国体イデオロギー体制の遺物でしかない。

『日本書紀』によると、孝徳天皇の「大化」(646年)が初めての公式な元号だとされる。元号は現在の「平成」まで北朝を入れると約250もつくられた。日本の天皇は明仁天皇で125代に数えられている。つまり、単純換算で元号は天皇の人数の2倍の数ある。

 なぜか。元号は、政治的混乱、飢饉や天災、その他諸々の理由をつけては頻繁に変えられていたからだ。大衆は必ずしも元号を身近に感じておらず、日常的には干支を使っていたといわれている。

 ところが、明治に入ってから、大日本帝国憲法および旧皇室典範(第12条「践祚の後元号を建て、一世の間に再び改めざること、明治元年の定制に従う」)によって一世一元が定められた。天皇を絶対的な権力として、大衆支配のイデオロギーの中心とする「国体思想」。そのなかにおいて改元は、まさに天皇の権勢をアピールするための重要なツールだったのである。

 では、こうした戦前の遺物がなぜ、今も公的な使用を強制されているのか。それこそ、まさに戦前体制を復活させようとする右派の圧力の結果に他ならない。

■ 戦前の天皇制や国体思想の復活を目論んだ元号法制化運動
 そもそも、明治以降、天皇制のイデオローグとして活用された元号は、第二次世界大戦での敗戦で、その法的根拠を失った。日本国憲法下の皇室典範に元号の定めが置かれなかったためだ。当然、こうした法的問題と、戦後の国際化の流れのなかで、「元号を使うのはもうやめて西暦に統一しようではないか」という廃止論も盛り上がった。そして、昭和天皇の高齢化に伴い、「昭和」の元号が終わりを迎える日が刻一刻と近づいていった。

 こうした流れに強い危機感を抱き、元号の法制化に邁進したのが、いまの日本会議に繋がる宗教右派・極右運動家たちだった。いま現在、元号は1979年施行の元号法によって法的な地位を得ているが、これは、彼ら極右運動体の“成果”であり、日本会議前史における大きな“成功体験”として刻まれているとされる。

 改めて説明しておくと、1997年結成の日本会議は、生長の家や神社本庁などの宗教右派が実質的に集結した「日本を守る会」(1974年結成)と「日本を守る国民会議」(1981年結成)が合わさって生まれたものである。後者はもともと、この元号法制化運動のための「元号法制化実現国民会議」が前身だ。そして、これらの団体の実働部隊が、現在でも日本会議の中心にいる右翼団体・日本青年協議会(日青協)だった。

 元号法制化運動が大きく動いた1977年、日青協が中心となって全国各地にキャラバン隊を派遣する。彼らは同年秋に各地の地方議会で元号法制化を求める決議を採択させる運動に熱心に取り組んだ。

 日本会議の機関誌「日本の息吹」2017年8月号で、同政策委員会代表の大原康夫・國學院大學名誉教授が「設立20年」をテーマにふりかえるところによれば、元号法制化地方議会決議運動は翌78年7月までに46都道府県、1632市町村(当時の3300市町村の過半数)で決議がなされた。大原氏はこう述べている。

〈地方議会決議を挙げ、中央・地方に全国的組織をつくるキャラバン隊派遣など啓蒙活動を行い、国会議員の会を組織していく。つまり、現在の日本会議の国民運動の骨格であるこの三本柱は、このときに形作られたのです〉

 実際、当時の日青協の機関紙「祖國と靑年」は、キャラバン隊の運動の詳細や、森喜朗ら政治家を招いた大規模集会の模様を写真付きで大々的に取り上げている。たとえば1979年11月発行の43号では、キャラバン隊の西日本隊長だった宮崎正治氏が憲法改正を見据えて「吾々の運動の大きな前進」「元号法成立による自信の表明」と胸を張っている。

■ 西暦使用論が浮上するたびに、右派勢力が立ちはだかってきた
 しかも彼らは、明らかに元号法の制定の先に、戦前の天皇制や国体思想の復活をみていた。
 生長の家系の出版社である日本教文社から1977年に刊行された『元号 いま問われているもの』という本がある。そのなかに竹内光則氏、佐藤憲三氏という日青協の運動家ふたりの対談(初出の「祖國と靑年」に加筆したもの)が収録されているのだが、そこでは「元号法制化の意味するもの」と題して、あけすけにこう語られている。

「元号法制化運動の一番根源的な問題は、天皇と国民の紐帯をより強化する、天皇の権威をより高からしめるというところに一番の眼目がある」
「われわれの元号法制化運動は、たんに元号を法制化したらそれで良いという単純な運動ではないわけですね。
 彼(引用者注:右翼思想研究でも知られる橋川文三氏のこと)が言う様に、『天皇制をとりまく付帯的な事実』としての元号とか、たとえば『神器』の問題とか、そういう戦後の象徴天皇制の下で無視もしくは軽視されて来た問題を復活せしめて行くことによって、『国体恢復』への『大きな流れ』をつくる運動なんだということが理解されなければならないと思うんです」

 その後も同様だった。国際化の流れのなかで「行政文書などでは西暦を使用すべき」という論が何度か浮上してきたのだが、そのたびに保守勢力が強く反発し、現在まで温存されてきた。たとえば1992年、政府の臨時行政改革推進審議会(第3次行革審)の「世界の中の日本」部会では、報告原案に盛り込まれていた「行政文書での西暦併記」が最終報告書では消されていた。
 保守派や官僚の抵抗によって棚上げを余儀なくされたようだ。部会長を務めた稲盛和夫・京セラ会長(当時)は「私も併記に賛成だが、義務づけると国粋主義のような人がものを言い出して、かえって変なことになるかもしれない」と政治的な配慮を認めたという(朝日新聞1992年5月23日付)。

 いずれにしても、わたしたちが、なんとなく受け入れてしまっている元号は、戦前日本の天皇制と国体思想、すなわち民衆を戦争に駆り立てた狂気の思想の復活を目指す勢力の圧力によって維持されてきたのだ。

 ところが、マスコミは今回の改元にあたってもそのイデオロギー的部分にはまるでふれず、冒頭で指摘したような元号予想やアンケートでお祭り騒ぎを繰り広げている。それどころか、元号を推し進めてきた右派勢力の親玉である安倍首相の元号利用を後押しする始末だ。
 この状況をみるかぎり、少なくともこの国は着々と戦前に回帰しつつあるということだろう。
(宮島みつや)


LITERA 2019.04.01 09:50


トランプ大統領、日本の安倍首相から ノーベル平和賞に推薦される
Remarks by President Trump
on the National Security and
Humanitarian Crisis on our
Southern Border
Issued on: February 15, 2019

 Rose Garden
10:39 A.M. EST

THE PRESIDENT: Thank you very much, everybody. Before we begin, I’d like to just say that we have a large team of very talented people in China. We’ve had a negotiation going on for about two days. It’s going extremely well. Who knows what that means, because it only matters if we get it done. But we’re very much working very closely with China and President Xi, who I respect a lot. Very good relationship that we have. And we’re a lot closer than we ever were in this country with having a real trade deal.

We’re covering everything — all of the points that people have been talking about for years that said couldn’t be done, whether it was theft or anything. Anything. The unfairness. We’ve been losing, on average, $375 billion a year with China. A lot of people think it’s $506 billion. Some people think it’s much more than that. We’re going to be leveling the playing field.

The tariffs are hurting China very badly. They don’t want them. And frankly, if we can make the deal, it’d be my honor to remove them. But otherwise, we’re having many billions of dollars pouring into our Treasury. We’ve never had that before with China. It’s been very much of a one-way street.

So, that’s happening. And the relationship with China is very good, but I think they finally respect our country. They haven’t respected us for a long time. Not for a long time.

The UK and the U.S., as you probably have been seeing and hearing, we’re agreeing to go forward and preserve our trade agreement. You know all of the situation with respect to Brexit, and the complexity and the problems. But we have a very good trading relationship with the UK, and that’s just been strengthened further.

So with the UK, we’re continuing our trade, and we are going to actually be increasing it very substantially as time goes by. We expect that the UK will be very, very substantially increased as it relates to trade with the United States. The relationship there, also, is very good.

We have a lot of great announcements having to do with Syria and our success with the eradication of the caliphate. And that will be announced over the next 24 hours. And many other things. A lot of positive things are going on.

We’re working on a summit. And you know all about the summit. It will be in Vietnam — Hanoi. And we will — we’ll be meeting in Hanoi. We’ll be meeting in Hanoi. I think a lot of you will be going, I suspect. And I hope we have the same good luck as we had in the first summit. A lot was done in the first summit. No more rockets going up. No more missiles going up. No more testing of nuclear. Get back our remains, the remains of our great heroes from the Korean War. And we got back our hostages.

But we hope we’re going to be very much equally as successful. I’m in no rush for speed. We just don’t want testing. The sanctions, as you know, remain. Everything is remaining. China has been helping us, and Russia has been helping us. And South Korea, I think you can say, has been — we’ve been working very closely with South Korea, with Japan.

But China, Russia, on the border, have really been at least partially living up to what they’re supposed to be doing. And that’s okay — as per the United Nations.

So we will have a meeting on the 27th and 28th of February, and I think that will be a very successful one. I look forward to seeing Chairman Kim. We have also established a very good relationship, which has never happened between him or his family and the United States. They have really taken advantage of the United States. Billions of dollars has been paid to them. And we won’t let that happen.

But we think that North Korea and Chairman Kim have a tremendous potential as an economic force, economic power. Their location between South Korea and then Russia and China — right smack in the middle — is phenomenal.

And we think that they have a great chance for tremendous economic prosperity in the future. So I look forward to seeing Chairman Kim in Vietnam.

Today, I’m announcing several critical actions that my administration has taken to confront a problem that we have right here at home. We fight wars that are 6,000 miles away; wars that we should have never been in, in many cases. But we don’t control our own border.

So we’re going to confront the national security crisis on our southern border. And we’re going to do it one way or the other — we have to do it — not because it was a campaign promise, which it is. It was one of many, by the way; not my only one. We’re rebuilding the military, our economy is thriving like never before.

You look at other economies — they’re doing terribly, and we’re doing phenomenally. The market is up tremendously today, not that that’s anything, but, you know — because I’ll go back in and they’ll say, “Oh, the market just went down.” But the market is getting close to the new highs that we created. We have all the records. We have every record. But we’re getting close to that point again where we’ll create new records.

So our country is doing very well, economically. And we’ve done a lot. But one of the things I said I have to do and I want to do is border security, because we have tremendous amounts of drugs flowing into our country, much of it coming from the southern border. When you look and when you listen to politicians — in particular, certain Democrats — they say it all comes through the port of entry. It’s wrong. It’s wrong. It’s just a lie. It’s all a lie.

They say walls don’t work. Walls work 100 percent. Whether it’s El Paso — I really was smiling, because the other night I was in El Paso — we had a tremendous crowd, and — tremendous crowd. And I asked the people — many of whom were from El Paso, but they came from all over Texas. And I asked them. I said, “Let me ask you, as a crowd: When the wall went up, was it better?” You were there, some of you. It was not only better; it was like 100 percent better. You know what they did.

But that’s only one example. There are so many examples. In El Paso, they have close to 2,000 murders right on the other side of the wall. And they had 23 murders. It’s a lot of murders, but it’s not close to 2,000 murders right on the other side of the wall, in Mexico.

So everyone knows that walls work. And there are better examples than El Paso, frankly. You just take a look. Almost everywhere. Take a look at Israel. They’re building another wall. Their wall is 99.9 percent effective, they told me — 99.9 percent. That’s what it would be with us, too.

The only weakness is they go to a wall and then they go around the wall. They go around the wall and in. Okay? That’s what it is. It’s very simple. And a big majority of the big drugs — the big drug loads — don’t go through ports of entry. They can’t go through ports of entry. You can’t take big loads because you have people — we have some very capable people; the Border Patrol, law enforcement — looking.

You can’t take human traffic — women and girls — you can’t take them through ports of entry. You can’t have them tied up in the backseat of a car or a truck or a van. They open the door. They look. They can’t see three women with tape on their mouth or three women whose hands are tied.

They go through areas where you have no wall. Everybody knows that. Nancy knows it. Chuck knows it. They all know it. It’s all a big lie. It’s a big con game.

You don’t have to be very smart to know: You put up a barrier, the people come in, and that’s it. They can’t do anything unless they walk left or right, and they find an area where there’s no barrier, and they come into the United States. Welcome.

We’ve detained more people. Our border agents are doing such incredible work. Our military has been incredible. We put up barbed wire on top of certain old walls that were there. We fixed the wall and we loaded it up with barbed wire. It’s very successful.

But our military has been fantastic, and I want to thank them. And it’s very necessary. We’ve broken up two caravans that are on their way. They just are breaking. They’re in the process of breaking up. We have another one that we haven’t been able to break up yet.

We’ve been actually working with Mexico much better than ever before. I want to thank the President. I want to thank Mexico. They have their own problems. They have the largest number of murders that they’ve ever had in their history — almost 40,000 murders. Forty thousand. And they got to straighten that out, and I think they will.

But I just want to thank the President, because he’s been helping us with these monstrous caravans that have been coming up. We had one that it was up to over 15,000 people. It’s largely broken up. Others have gotten through. And, in Tijuana, you have a lot of people staying there. If we didn’t have the wall up, and if we didn’t have the wall secured and strengthened, they would have walked right through; they’d be welcomed to the United States.

One of the things we’d save tremendous — just a tremendous amount on would be sending the military. If we had a wall, we don’t need the military because we’d have a wall.

So I’m going to be signing a national emergency. And it’s been signed many times before. It’s been signed by other Presidents from 1977 or so. It gave the Presidents the power.

There’s rarely been a problem. They sign it; nobody cares. I guess they weren’t very exciting. But nobody cares. They sign it for far less important things, in some cases, in many cases. We’re talking about an invasion of our country with drugs, with human traffickers, with all types of criminals and gangs.

We have some of the greatest people I know. They’ve been with me from the beginning of my campaign — almost from the first week. The Angel Moms. Unfortunately, we have new Angel Moms. One incredible woman just showed me her daughter who — we’re talking about killed, in the year of ’18. I said, “I haven’t seen you before.” She said, “No, I’m new.” I said, “That’s too bad.” It’s too bad. It’s so sad.

Stand up, just for a second. Show how beautiful your girl was. Thank you.

I have such respect for these people. Angel Moms, Angel Dads, Angel Families. I have great respect for these people. These are great people. These are great people. They’re fighting for their children that have been killed by people that were illegally in this country.

And the press doesn’t cover them; they don’t want to, incredibly. And they’re not treated the way they should be. They’re fighting for other people because they don’t want what happened to their children or husband or anybody.

We have one young lady whose husband — please, stand up. Your husband was just killed in Maryland. Incredible man. Just killed. Beautiful children — won’t be seeing their father again.

These are brave people. These are people that — they don’t have to be here. They don’t have to be doing this. They’re doing it for other people. So I just want to thank all of you for being here, okay? I really do. I want to thank you. Incredible people.

Last year, 70,000 Americans were killed, at least — I think the number is ridiculously low — by drugs, including meth and heroin and cocaine, fentanyl. And one of the things that I did with President Xi in China, when I met him in Argentina at a summit — before I even started talking about the trade — it was a trade meeting. It went very well, but before I talked about trade, I talked about something more important.

I said, “Listen, we have tremendous amounts of fentanyl coming into our country. It kills tens of thousands of people — I think far more than anybody registers. And I’d love you to declare it a lethal drug and put it on your criminal list.” And their criminal list is much tougher than our criminal list. Their criminal list — a drug dealer gets a thing called the death penalty. Our criminal list, a drug dealer gets a thing called, “How about a fine?”

And when I asked President Xi, I said, “Do you have a drug problem?” “No, no, no.” I said, “You have 1.4 billion people. What do you mean you have no drug problem?” “No, we don’t have a drug problem.” I said, “Why?” “Death penalty. We give death penalty to people that sell drugs.” End of problem.

What do we do? We set up blue ribbon committees. Lovely men and women — they sit around a table, they have lunch, they eat, they dine, and they waste a lot of time. So if we want to get smart, we can get smart. You can end the drug problem. You can end it a lot faster than you think.

But President Xi has agreed to put fentanyl on his list of deadly, deadly drugs. And it’s a criminal penalty. And the penalty is death. So that’s, frankly, one of the things I’m most excited about in our trade deal, if you want to know the truth. I think maybe there’s no more important point.

We’re going to make billions of dollars with this trade deal. It’s going to be great for our country and great for China, I hope. Their market is down close to 40 percent. Our market is way up. We’ve picked up, since my election, trillions of dollars of worth. Trillions. Many trillions. And China has lost trillions of dollars. But I want it to be good for China and I want it to be good for the United States. So we’ll see what happens.

China is coming here next week, by the way. They’re coming home, the traders. And then China is coming here next week. And then I’ll be meeting with President Xi at some point after that to maybe — for some remaining deals. We’ll make them directly, one-on-one, ourselves.

So, we’re going to be signing today, and registering, national emergency. And it’s a great thing to do because we have an invasion of drugs, invasion of gangs, invasion of people, and it’s unacceptable.

And by signing the national emergency — something signed many times by other Presidents — many, many times. President Obama — in fact, we may be using one of the national emergencies that he signed, having to do with cartels. Criminal cartels. It’s a very good emergency that he signed. And we’re going to use parts of it in our dealings on cartels. So that would be a second national emergency. But, in that case, it’s already in place.

And what we want — really want to do — is simple. It’s not like it’s complicated. It’s very simple: We want to stop drugs from coming into our country. We want to stop criminals and gangs from coming into our country. Nobody has done the job that we’ve ever done. I mean, nobody has done the job that we’ve done on the border.

And in a way, what I did by creating such a great economy — and if the opposing party got in, this economy would be down the tubes. You know, I hear a lot of people say, “Oh, well. But maybe the previous administration…” Let me tell you, the previous administration, it was heading south, and it was going fast. We would have been down the tubes. The regulations were strangling our country. Unnecessary regulations.

By creating such a strong economy — you just look at your televisions or see what’s going on today; it’s through the roof. What happens is more people want to come, so we have far more people trying to get into our country today than probably we’ve ever had before. And we’ve done an incredible job in stopping them, but it’s a massive number of people.

If we had the wall, it would be very easy. We would make up for the cost of the wall just in the cost of the fact that I would be able to have fewer people. We wouldn’t need all of this incredible talent, some of whom are sitting in the first row. You wouldn’t need all of this incredible talent. We would get — we would get thousands of law enforcement people, including Border Patrol. You put them in different areas, you have them doing different things. Law enforcement and Border Patrol.

And I want to thank law enforcement, and I want to thank Border Patrol, and I want to thank ICE. ICE is abused by the press and by the Democrats. And, by the way, we’re going to be taking care of ICE. You know, we talk about the new bill. We’re going to be taking care of ICE. They wanted to get rid of ICE. And the bill is just the opposite of that. A lot of good things happened.

So, that’s the story. We want to have a safe country. I ran on a very simple slogan: “Make America Great Again.” If you’re going to have drugs pouring across the border, if you’re going to have human traffickers pouring across the border in areas where we have no protection, in areas where we don’t have a barrier, then very hard to make America great again.

But we’ve done a fantastic job, but we haven’t been given the equipment. We haven’t been given the walls. And in the bill, by the way, they didn’t even fight us on most of the stuff. Ports of entry. We have so much money, we don’t know what to do with it. I don’t know what to do with all the money they’re giving us. It’s crazy.

The only place they don’t want to give as much money — $1,375,000,000. Sounds like a lot, but it’s not so much, although we’re putting it to much better use than it used to be. A lot of the past administrations, they had — it was easy to get, and they didn’t build or they didn’t do what they could have done. It would have been great. It would have been great to have done it earlier, but I was a little new to the job, a little new to the profession.

And we had a little disappointment for the first year and a half. People that should have stepped up did not step up. They didn’t step up, and they should have. Would have been easy. Not that easy, but it would have been a lot easier. But some people didn’t step up. But we’re stepping up now.

So we have a chance of getting close to $8 billion. Whether it’s $8 billion or $2 billion or $1.5 billion, it’s going to build a lot of wall. We’re getting it done. We’re right now in construction with wall in some of the most important areas. And we have renovated a tremendous amount of wall, making it just as good as new. That’s where a lot of the money has been spent — on renovation. In fact, we were restricted to renovating, which is okay. But we’re going to run out of areas that we can renovate pretty soon. So — and we need new wall.

So I want to thank everybody for being here. I want to thank, in particular, the Angel Moms and Dads for being here. Thank you very much. We have great respect for you. The real country, our real country — the people that really love our country, they love you. So I just want you to know that. I know how hard you fight and I know how hard a fight you’re having.

I also want to thank all of the law enforcement for the job you do. Believe me, our country loves you and they respect you greatly. And we’re giving you a lot of surplus. We’re giving you surplus military equipment, which a lot of people didn’t like giving, previous to this administration. But hundreds of millions of dollars of surplus equipment. And as we get it, as you know, we send it down. And you have much better protection. But I really appreciate you being here.

So the order is signed. And I’ll sign the final papers as soon as I get into the Oval Office. And we will have a national emergency, and then we will then be sued, and they will sue us in the Ninth Circuit, even though it shouldn’t be there. And we will possibly get a bad ruling, and then we’ll get another bad ruling. And then we’ll end up in the Supreme Court, and hopefully we’ll get a fair shake. And we’ll win in the Supreme Court, just like the ban. They sued us in the Ninth Circuit, and we lost, and then we lost in the appellate division, and then we went to the Supreme Court, and we won.

And it was very interesting, because yesterday they were talking about the ban. Because we have a ban. It’s very helpful. Madam Secretary, is that right? Without the ban, we’d have a bigger problem. We have a ban on certain areas, certain countries, depending on what’s going on in the world. And we won.

But somebody said, “President Trump lost on the ban.” Well, he was right; I lost at the lower court. He — he didn’t say that we ultimately won at the United States Supreme Court. They didn’t want to say that. They didn’t want to go that far. They were saying how I lost. The person sitting right up here — “Donald Trump lost on the ban.” Yeah, I did. And then I lost a second time; you should have said that, too. And then it went to the Supreme Court and I won. Didn’t want to take it that far. But we won on the ban and we won on other things, too.

The probably easiest one to win is on declaring a national emergency, because we’re declaring it for virtual invasion purposes: drugs, traffickers, and gangs. And one of the things, just to finish: We have removed thousands of MS-13 gang monsters. Thousands. They’re out of this country. We take them out by the thousands. And they are monsters.

Okay. Do you have any questions? Yeah. John, go ahead.

Q  Mr. President — (inaudible).
AIDE: Yes, we do. There you go.

Q  You were prepared. Mr. President, a lot of the money —
THE PRESIDENT: Were you saying I was prepared?

Q  With the microphone and prepared for questions.
THE PRESIDENT: Oh, I thought you meant I was prepared. I couldn’t believe you said that.

Q  (Laughs.) No, no, no. (Laughter.)
THE PRESIDENT: People don’t like saying that.

Q  You were prepared for questions.
THE PRESIDENT: I am prepared. I’m always prepared.

Q  A lot of the money that goes to count toward your $8 billion is money that’s being reprogrammed in the DOD budget. How can you guarantee to military families and to our men and women of the military that none of the money that would be reprogrammed to a wall will take away from other technology, other renovations, construction that is desperately needed in our military?

THE PRESIDENT: Yeah. So, John, we had certain funds that are being used at the discretion of generals, at the discretion of the military. Some of them haven’t been allocated yet, and some of the generals think that this is more important. I was speaking to a couple of them. They think this is far more important than what they were going to use it for. I said, “What were you going to use it for?” And I won’t go into details, but it didn’t sound too important to me.

Plus, if you think, I’ve gotten $700 billion for the military in year one, and then last year, $716 billion. And we’re rebuilding our military, but we have a lot. And under the previous administration, our military was depleted — badly depleted. And they weren’t spending — I mean, they had a much less — they had a much smaller amount of money.

So when I got $700 billion, and then $716 billion — and this year, it’s going to be pretty big too, because there’s few things more important than our military. You know, I’m a big deficit believer and all of that, but before we really start focusing on certain things, we have to build up our military. It was very badly depleted. And we’re buying all new jetfighters, all new missiles, all new defensive equipment. We have — we’ll soon have a military like we’ve never had before.

But when you think about the kind of numbers you’re talking about — so you have $700 billion, $716 billion — when I need $2 billion, $3 billion of out that for a wall — which is a very important instrument, very important for the military because of the drugs that pour in. And as you know, we have specific rules and regulations where they have drugs, and what you can do in order to stop drugs. And that’s part of it, too.

We’re taking a lot of money from that realm also. But when you have that kind of money going into the military, this is a very, very small amount that we’re asking for.

Yeah, go ahead. Go ahead. ABC. Not NBC. I like ABC a little bit more — not much. Come on, ABC. Not much. Pretty close.

Q  Mr. President, what do you say to those, including some of your Republican allies, who say that you are violating the Constitution with this move and setting a bad precedent that will be abused by possibly Democratic Presidents in the future? Marco Rubio has made this point.

THE PRESIDENT: Well, not too many people. Yeah. Not too many people have said that. But the courts will determine that.

Look, I expect to be sued. I shouldn’t be sued. Very rarely do you get sued when you do national emergency. And then other people say, “Oh, if you use it for this, now what are we using it for?” We got to get rid of drugs and gangs and people. It’s an invasion. We have an invasion of drugs and criminals coming into our country that we stop, but it’s very hard to stop. With a wall, it would be very easy.

So I think that we will be very successful in court. I think it’s clear. And the people that say we create precedent — well, what do you have? Fifty-six? There are a lot of times — well, that’s creating precedent. And many of those are far less important than having a border. If you don’t have a border, you don’t have a country.

You know, we fight — before I got here — we fight all over the world to create borders for countries, but we don’t create a border for our own country.

So I think what will happen is, sadly, we’ll be sued, and sadly, it’ll go through a process. And, happily, we’ll win — I think.

Go ahead. Let’s go. Let’s hear it, NBC. Come on.

Q  Thank you, Mr. President. I just want to say, in the past, when President Obama tried to use executive action as it related to immigration, you said, “The whole concept of executive order, it’s not the way the country is supposed to be run.” You said, “You’re supposed to go through Congress and make a deal.” Will you concede that you were unable to make the deal that you had promised in the past, and that the deal you’re ending up with now from Congress is less than what you could have had before a 35-day shutdown?

THE PRESIDENT: No. Look, I went through Congress. I made a deal. I got almost $1.4 billion when I wasn’t supposed to get one dollar — not one dollar. “He’s not going to get one dollar.” Well, I got $1.4 billion. But I’m not happy with it. I also got billions and billions of dollars for other things — port of entries, lots of different things. The purchase of drug equipment. More than we were even requesting.

In fact, the primary fight was on the wall. Everything else, we have so much, as I said, I don’t know what to do with it we have so much money. But on the wall, they skimped.

So I did — I was successful, in that sense, but I want to do it faster. I could do the wall over a longer period of time. I didn’t need to do this. But I’d rather do it much faster. And I don’t have to do it for the election. I’ve already done a lot of wall, for the election — 2020. And the only reason we’re up here talking about this is because of the election, because they want to try and win an election, which it looks like they’re not going to be able to do. And this is one of the ways they think they can possibly win, is by obstruction and a lot of other nonsense.

And I think that I just want to get it done faster, that’s all.
Okay. Yes, ma’am, go ahead.

Q  Thank you, Mr. President.
THE PRESIDENT: Thank you.

Q  Roberta Rampton from Reuters. I wanted to ask about China. Do you feel that enough progress has been made in the talks to head off the increase in tariffs scheduled for March 1?

THE PRESIDENT: Well, you know, you’re talking to the wrong person, because I happen to like tariffs, okay? I mean, we’re taking in billions and billions of dollars in tariffs from China. And our steel industry now, as an example, we tax dumped steel — much of it comes from China — at 25 percent. Our steel industry is so vibrant now again, they’re building plants all over the United States. It’s a beautiful thing. And from a defensive standpoint, and from any standpoint, you need steel.

You know, you can do without certain industries. Our country cannot do without steel.

So, I love tariffs, but I also love them to negotiate. And right now, China is paying us billions of dollars a year in tariffs. And I haven’t even started.

Now, here’s the thing: If we make a deal, they won’t have to pay. You know, it’ll be a whole different story. They won’t be paying that, but we’ll have a fair deal. There won’t be intellectual property theft. There won’t be so many other things that have gone on. And no other President has done this. No other — you know, we didn’t have a deal with China. You had the WTO, one of the worst trade deals ever made — probably even worse than NAFTA, if that’s believable, which, you know, hard to believe, because I think NAFTA was just a disaster. It was a total disaster for our country.

And now we made the USMCA, which is going to be a terrific — a great deal. And, by the way, the USMCA, from Mexico — that’s United States, Mexico, Canada — that’s where the money is coming from, not directly but indirectly, for the wall. And nobody wants to talk about that. Because we’re saving billions and billions of dollars a year, if Congress approves that deal.

Now, they might now want to approve a deal just because they’ll say — one of the things I’m thinking of doing — this has never been done before: No matter how good a deal I make with China, if they sell me Beijing for one dollar, if they give me 50 percent of their land and every ship that they’ve built over the last two years — which is a lot — and they give them to me free, the Democrats will say, “What a lousy deal; that’s a terrible deal.”

Like, ZTE, I got a billion — more than a billion-dollar penalty in a short period of time. And the Democrats said, “Oh, should’ve gotten more.” When I made that deal, I said, “This is incredible.” I just got — I got over a billion-dollar penalty, plus they had to change their board of directors. They had to change their top management. But they had to pay over a billion dollars. I said, “What a deal.” It took like a week. And the Democrats didn’t even know there was a problem with ZTE.

I’m the one that find them. I’m the one that settled it. Over a billion dollars. And President Xi called me and he said it would be important to him if they could get a deal. And we made a deal — paid — like, in a short period of time.

The Democrats went out and said, “Oh, they should’ve done better.” So what I’m thinking of doing is getting Chuck Schumer, getting Nancy Pelosi, having them bring two or three of their brilliant representatives. And we’ll all go down together, and what we’ll do is we’ll negotiate. I’ll put them in the room and let them speak up. Because any deal I make with China, if it’s the great — it’s going to be better than any deal that anybody ever dreamt possible, or I’m not going to have a deal. It’s a very simple.

But any deal I make with China, Schumer is going to stand up and say, “Oh, it should’ve been better. It should’ve been better.” And you know what? That’s not acceptable to me. So I’m thinking about doing something very different. I don’t think it’s ever been — I just don’t want to be second-guessed. But that’s not even second-guess; that’s called politics. Sadly, I’d probably do the same thing to them, okay?

But any deal I make toward the end, I’m going to bring Schumer — at least offer him — and Pelosi. I’m going to say, “Please join me on the deal.”

And, by the way, I just see our new Attorney General is sitting in the front row. Please stand up, Bill. (Applause.) Such an easy job he’s got. He’s got the easiest job in government. Thank you and congratulations. That was a great vote yesterday. Thank you very much.

Q  Mr. President —
THE PRESIDENT: Yes, go ahead. Go ahead.

Q  In your remarks, sir, you said that you were too new to politics, earlier in your administration, when you would’ve preferred that this be done. Is that an admission of how you might be changing on the job? And —

THE PRESIDENT: Well, I’m learning. I mean, I am learning. Don’t forget, it’s not like I’ve done this for — a senator came into my office and said, “Sir, I’ve been running for office for 30 years. I’ve won seven out of seven. I did lose a couple when I was younger.” I said, “Well, I’ve won one out of one. But, you know, I never did politics before. Now I do politics.” I will tell you, I’m very disappointed at certain people, a particular one, for not having pushed this faster.

Q  Are you referring to Speaker Ryan, sir?
THE PRESIDENT: But I’ve learned — who?

Q  Speaker Ryan.
THE PRESIDENT: Let’s not talk about it.

Q  Okay.
THE PRESIDENT: What difference does it make? But they should have pushed it faster. They should have pushed it harder. And they didn’t. They didn’t.

If they would have, it would have been a little bit better. In the meantime, I’ve built a lot of wall. I have a lot of money, and I’ve built a lot of wall. But it would’ve been nice to have gotten done. And I would like to see major immigration reform, and maybe that’s something we can all work on, Bill, where we all get together and do major immigration reform — not just for a wall, for a barrier; for port of entry, for other things.

We have a real problem. We have catch-and-release. You catch a criminal and you have to release them. We have so many other things. You have chain migration, where a bad person comes in, brings 22 or 23 or 35 of his family members — because he has his mother, his grandmother, his sister, his cousin, his uncle — they’re all in.

You know what happened on the West Side Highway. That young wise guy drove over and killed eight people and horribly injured — nobody talks about that — horribly — like, loss of legs and arms — going 60 miles an hour, he made a right turn into a park on the West Side Highway, along the Hudson River in New York. He had many people brought in because he was in the United States. It’s called chain migration.

And then you have the lottery. It’s a horror show, because when countries put people into the lottery, they’re not putting you in; they’re putting some very bad people in the lottery. It’s common sense. If I ran a country, and if I have a lottery system of people going to the United States, I’m not going to put in my stars; I’m going to put in people I don’t want. The lottery system is a disaster. I’m stuck with it.

Q  Mr. President, could you tell us —
THE PRESIDENT: It should have — wait. It should have never happened. Okay.

Q  Mr. President, could you tell us to what degree some of the outside conservative voices helped to shape your views on this national emergency?

THE PRESIDENT: I would talk about it. Look, Sean Hannity has been a terrific, terrific supporter of what I do. Not of me. If I changed my views, he wouldn’t be with me.

Rush Limbaugh — I think he’s a great guy. Here’s a guy who can speak for three hours without a phone call. Try doing that sometime. For three hours, he speaks. He’s got one of the biggest audiences in the history of the world. I mean, this guy is unbelievable. Try speaking for three hours without taking calls. Taking calls is easy. “Okay, I’ll answer this one. I’ll answer that one.” He goes for three hours, and he’s got an audience that’s fantastic.

Q Should they be —
THE PRESIDENT: Wait —

Q  Should they be deciding policy, sir?
THE PRESIDENT: They don’t decide policy. In fact, if I went opposite — I mean, they have somebody — Ann Coulter. I don’t know her. I hardly know her. I haven’t spoken to her in way over a year. But the press loves saying “Ann Coulter.” Probably, if I did speak to her, she’d be very nice. I just don’t have the time to speak to her. I would speak to her; I have nothing against her.

In fact, I like her for one reason: When they asked her, like right at the beginning, who was going to win the election, she said, “Donald Trump.” And the two people that asked her that question smiled. They said, “You’re kidding, aren’t you?” “Nope. Donald Trump.”

So I like her, but she’s off the reservation. But anybody that knows her understands that. But I haven’t spoken to her. I don’t follow her. I don’t talk to her. But the press loves to bring up the name “Ann Coulter.” And you know what? I think she’s fine. I think she’s good. But I just don’t speak to her.

Laura has been great. Laura Ingraham. Tucker Carlson has been great. I actually have a couple people on CNN that have been very good. I have some on MSNBC. The other day, they did a great report of me. I said, “Where the hell did that come from?” I think it was the only one in over a year.

So the crazy thing is, I just had, as you know, Rasmussen — 52 percent in the polls. It’s my highest poll number. And people get what we’re doing. They get it. They really get it. And I’m honored by it.

Yes. Jim Acosta.

Q  Thank you, Mr. President. I wonder if you could comment on this disconnect that we seem to have in this country, where you are presenting information about what’s happening at the border — calling it an “invasion,” talking about women with duct tape over their mouths, and so on — and yet there’s a lot of reporting out there, there’s a lot of crime data out there, there’s a lot of Department of Homeland Security data out there that shows border crossings at a near-record low —

THE PRESIDENT: That’s because of us. But it’s still —

Q  — that shows undocumented immigrants committing crime at lower levels —
THE PRESIDENT: Excuse me. It’s still massive numbers of crossings.

Q  — that shows undocumented criminals — or undocumented immigrants committing crime at lower levels than native-born Americans. What do you say —
THE PRESIDENT: You don’t really believe that stat, do you? Do you really believe that stat?

Q  What do you — well, let me ask you this —
THE PRESIDENT: Take a look at our federal prisons.

Q  I believe in facts and statistics and data, but —
THE PRESIDENT: Okay? Any more? Quick, let’s go.

Q  Let me just ask you this: What do you say to your critics who say that you are creating a national emergency, that you’re concocting a national emergency here in order to get your wall because you couldn’t get it through other ways?

THE PRESIDENT: I ask the Angel Moms: What do you think? Do you think I’m creating something?

Ask these incredible women, who lost their daughters and their sons. Okay?

PARTICIPANT: This is real.

THE PRESIDENT: Because your question is a very political question because you have an agenda. You’re CNN. You’re fake news. You have an agenda. The numbers that you gave are wrong.

Take a look at our federal prison population. See how many of them, percentage-wise, are illegal aliens. Just see. Go ahead and see. It’s a fake question.

Yes. Go ahead.

Q  Can I ask a follow-up?

Q  Thank you, Mr. President. Just to follow up on that, unifying crime reporting statistics — numbers from your own Border Patrol, numbers from this government — show that the amount of illegal immigrants are down, there is not violence on the border, and that most —

THE PRESIDENT: There’s not violence on the border?

Q  There’s not as much violence as —
THE PRESIDENT: Oh, really?

Q  Let me — wait a minute. Wait a minute. Wait —
THE PRESIDENT: You had 26 people killed —

Q  Let me finish the question, please. Let me finish the question, please.
THE PRESIDENT: Two weeks ago, 26 people were killed in a gunfight on the border —

Q  I understand what you’re — I understand what you’re saying.
THE PRESIDENT: — a mile away from where I went.

Q  I was there. I understand. That’s not the question. The question is —
THE PRESIDENT: Do we forget about that?

Q  No, I’m not forgetting about it. I’m asking you to clarify where you get your numbers, because most of the DEA crime reporting statistics that we see show that drugs are coming across at the ports of entry, that illegal immigration is down, and the violence is down.

THE PRESIDENT: Okay.

Q  So what do you base your facts on?
THE PRESIDENT: Okay, let me — come on, let’s go. Sort of — sort of —

Q  And, secondly —
THE PRESIDENT: No, no. You get one. You get one. Ready?

Q  Well, the second question is —
THE PRESIDENT: Just sit down. Wait. Sit down. Sit down.

Q  Could you please answer it?
THE PRESIDENT: Sit down. You get one question.

I get my numbers from a lot of sources — like Homeland Security, primarily. And the numbers that I have from Homeland Security are a disaster. And you know what else is a disaster? The numbers that come out of Homeland Security, Kirstjen, for the cost that we spend and the money that we lose because of illegal immigration: Billions and billions of dollars a month. Billions and billions of dollars. And it’s unnecessary.

Q  So your own government stats are wrong, are you saying?
THE PRESIDENT: No, no. I use many stats. I use many stats.

Q  Could you share those stats with us?
THE PRESIDENT: Let me tell you, you have stats that are far worse than the ones that I use. But I use many stats, but I also use Homeland Security.

All right, next question.

Q  And do you — wait a minute. Just a quick follow-up.
THE PRESIDENT: Go ahead. No. Go. Please.

Q  Thank you, Mr. President. I just want to bring you back to China for a second. The White House put out a statement today talking about the March 1st deadline. The other day, though, you gave the possibility that maybe this could slide. Are you eyeing a possible extension — 30 days, maybe 60 days? What is the status there? Or is March 1st the deadline?

THE PRESIDENT: Yeah. Very good question. So it’s a very big deal. I guess you could say it’s like — must be the biggest deal ever made, if you think. Trade with China, how big does that get? Although if you look, the USCMA is right up there. But it’s very complicated. There are many, many points that we’re bringing up that nobody ever brought up or thought to bring up, but they’re very important, because we were on the wrong side of every one of them.

There is a possibility that I will extend the date. And if I do that, if I see that we’re close to a deal or the deal is going in the right direction, I would do that at the same tariffs that we’re charging now. I would not increase the tariffs.

Q Let me also ask you about the debt, sir, because it’s gone from a shade under $20 trillion from when you took office. Now it’s a shade over $22 trillion and heading in the wrong direction. What are your plans to reverse it?

THE PRESIDENT: Well, it’s all about growth. But before I —

Q  (Inaudible.)

THE PRESIDENT: — really focus on that — and you have to remember, President Obama put on more debt on this country than every President in the history of our country combined. So when I took over, we had one man that put on more debt than every other President combined. Combine them all. So you can’t be talking about that. But I talk about it because I consider it very important.

But first, I have to straighten out the military. The military was depleted. And if we don’t have a strong military — that hopefully we won’t have to use because it’s strong — if we don’t have a strong military, you don’t have to worry about debt; you have bigger problems. So I have to straighten out the military. That’s why I did the $700- and $716 billion. But growth will straighten it out.

You saw last month, the trade deficit went way down. Everybody said, “What happened?” Well, what’s happening is growth. But before I can focus too much on that, a very big expense is military. And we have no choice but to straighten out our military.

Q  Is growth the only answer, sir, or is (inaudible)?
THE PRESIDENT: Yes, ma’am, go ahead.

Q  Thank you, Mr. President. On North Korea — back on the last summit, you guys came out with a pretty general agreement.
THE PRESIDENT: Yes.

Q  I was wondering what you thought has, you know, been accomplished since the last summit. And then —

THE PRESIDENT: A lot.
Q  — are we going to be seeing anything concrete —

THE PRESIDENT: A lot has been accomplished. Okay.
Q  — on denuclearization.
THE PRESIDENT: Yeah. A lot has been accomplished. We’re dealing with them, we’re talking to them.

When I came into office, I met right there, in the Oval Office, with President Obama. And I sat in those beautiful chairs and we talked. It was supposed to be 15 minutes. As you know, it ended up being many times longer than that.

And I said, “What’s the biggest problem?” He said, “By far, North Korea.” And I don’t want to speak for him, but I believe he would have gone to war with North Korea. I think he was ready to go to war. In fact, he told me he was so close to starting a big war with North Korea. And where are we now? No missiles. No rockets. No nuclear testing. We’ve learned a lot.

But much more importantly than all of it — much more important — much, much more important that that is we have a great relationship. I have a very good relationship with Kim Jong Un. And I’ve done a job. In fact, I think I can say this: Prime Minister Abe of Japan gave me the most beautiful copy of a letter that he sent to the people who give out a thing called the Nobel Prize. He said, “I have nominated you…” or “Respectfully, on behalf of Japan, I am asking them to give you the Nobel Peace Prize.” I said, “Thank you.” Many other people feel that way too. I’ll probably never get it, but that’s okay.

They gave it to Obama. He didn’t even know what he got it for. He was there for about 15 seconds and he got the Nobel Prize. He said, “Oh, what did I get it for?” With me, I probably will never get it.

But if you look at Idlib Province in Syria, I stopped the slaughter of perhaps 3 million people. Nobody talk about that. They don’t talk about that. Russia and Iran and Syria were going to go in and perhaps destroy 3 million people in order to get 45,000 terrorists. And I heard about it from a woman who had her parents and her brothers living there, and she said, “Please, please.” And I thought — I said, “No, it can’t happen. What are you talking about?” “No, they’re going to get…” And I come home, and I read a certain paper where the story was there that they were actually forming to go into — to really — to really do big destruction. And I put out a statement that “you better not do it.”

And in all fairness to Russia and Iran and Syria, they didn’t attack. Or they’re doing it surgically, at least. Saved a lot of people. We do a lot of good work. This administration does a tremendous job, and we don’t get credit for it. But I think the people understand what we do.

So Prime Minister Abe gave me — I mean, it’s the most beautiful five letter — five-page letter. Nobel Prize. He sent it to them. You know why? Because he had rocket ships and he had missiles flying over Japan. And they had alarms going off; you know that. Now, all of a sudden, they feel good; they feel safe. I did that.

And it was a very tough dialogue at the beginning. Fire and fury. Total annihilation. “My button is bigger than yours” and “my button works.” Remember that? You don’t remember that. And people said, “Trump is crazy.” And you know what it ended up being? A very good relationship. I like him a lot and he likes me a lot. Nobody else would have done that.

The Obama administration couldn’t have done it. Number one, they probably wouldn’t have done it. And number two, they didn’t have the capability to do it.

So I just want to thank everybody. I want to wish our Attorney General great luck and speed, and enjoy your life. (Laughter.) Bill, good luck. A tremendous reputation. I know you’ll do a great job. Thank you very much. And thank you, everybody. Thank you very much. Thank you.

END 11:29 A.M. EST

The White House


トランプに平和賞? 推薦した安倍首相に問われる“見識”<上>
「推薦しとけよ!」「イエッサー」/(C)共同通信社

トランプに平和賞?推薦した安倍首相に問われる“見識”<上> 日刊ゲンダイ 公開日:2019/02/18 17:00 更新日:2019/02/18 17:00
■ 圧力路線のはしごを外されると一転、平和賞推薦の無定見
 「私は日本を代表して、敬意を込めてあなたを推薦しました」――いやはや驚きだ。トランプ米大統領が15日の記者会見で、安倍首相から北朝鮮問題でノーベル平和賞に推薦されたと唐突に明かしたことが、波紋を広げている。

 トランプは、安倍がノーベル賞委員会に送ったという5ページの「美しい書簡」のコピーを安倍から受け取ったと語ったが、米メディアは疑心暗鬼。「ノーベル賞はトランプ大統領が受け取るべき」と語っていた韓国の文在寅大統領と混同しているとの臆測も流れたが、複数の日本メディアは17日、政府関係者が推薦は事実と認めたと報じた。18日の国会で真偽を聞かれた安倍は「コメントを控えたい」とトボけたが、否定はしなかった。「露骨なゴマスリにはビックリ仰天だ。

 2017年に核・ミサイル実験を繰り返していた北朝鮮に、同年9月の国連演説で「対話による問題解決の試みは無に帰した」「必要なのは対話ではない、圧力だ」と言い放ったのは、安倍だ。
 南北会談の実現を探っていた韓国を「ほほ笑み外交にダマされるな」とクサし、昨年の平昌五輪の開会式で文大統領に「北への圧力強化」を直談判したのも安倍である。

 ところが、南北会談が実現し、昨年6月に米朝首脳会談がセットされると、トランプも「今後、『最大限の圧力』という言葉は使いたくない」と融和ムードを演出。完全にはしごを外された安倍は、手のひら返しで米朝会談実現を歓迎し、ついにはトランプをノーベル平和賞に推し、必死で“ご主人”にすり寄ったのだ。ご都合主義を絵に描いたような“ポチ”だ。

「米朝関係の平和的解決を望む国際情勢の『地殻変動』を見誤り、カヤの外に置かれると、取り繕う手段はトランプ大統領にへつらうことだけ。安倍外交は情報力も分析力もなく、行き当たりばったり。そのクセ、拉致問題解決を『内閣の最重要課題』と強調しながら、支援を仰ぐ韓国を見下し、強硬姿勢で率先して対立をあおる。もう、支離滅裂です」(政治評論家・森田実氏)

 安倍の無定見と二枚舌には言葉が出ない。

リスクは消えたのに…(C)コリアメディア提供・共同

■ 日本上空のミサイルリスクがなくなったのであれば、イージス・アショアなど   購入不要
 トランプ本人は、安倍からノーベル賞に推薦された理由として、「かつて日本は上空をミサイルが飛び交い、頻繁に警報が鳴っていたが、今、彼らは安全を実感している。それは私が北朝鮮と話をつけたからだ」と自慢げに語った。だとしたら、米国に大枚をはたいて地上配備型ミサイル防衛システム「イージス・アショア」を購入する必要などないではないか。

 維持費やミサイル費を含めれば、イージス・アショア2基の導入費は6000億円超とも指摘される。配備候補地の秋田・山口両県では、住宅に近いイージス・アショアが攻撃目標にされたり、レーダーの電磁波が健康に害を及ぼすとの不安が根強い。
 それでも安倍はお構いなしで、「陸上なら隊員が自宅から通える」とご託を並べ、何が何でも導入ありきだ。

 官邸がトップダウンで購入を決めた目的も、トランプにシッポを振るためだ。仮に北朝鮮が弾道ミサイルで米太平洋司令部があるハワイを攻撃した場合、津軽海峡上空を飛翔する。
 候補地の秋田市の新屋演習場はその軌道の近く。在沖海兵隊の移転先であるグアムに放てば中国・四国地方の上空を飛んでいく。同じく候補地の萩市のむつみ演習場は、その軌道のほぼ真下にある。本土防衛など建前で、トランプへの税金献上と米軍施設を守るために購入するわけだ。

「導入すれば、ロシアはイージス・アショアの攻撃転用を疑い、北朝鮮からも敵視される。要は日本本土が狙われるリスクを高めるだけ。105機を追加購入し、計147機とするF35戦闘機も維持費を加えると、総額6.2兆円超。トランプ氏の顔色をうかがって、米国製のムダな高額兵器に湯水のごとく出費するのはいい加減、やめるべきです」(「使ってはいけない集団的自衛権」の著者で経済アナリストの菊池英博氏)

 ポチ首相はちょっとは国民のために税金を使ってみたらどうか。

北朝鮮の「非核化プロセス」は全く進展していない(C)AP=共同同

トランプの要請にホイホイ応じた卑しさ軽さ、暴露されているアホ丸出し
 17日の朝日新聞によると、驚くことに安倍は米政府から非公式に依頼を受け、昨秋ごろノーベル賞関係者にトランプを推薦したという。この報道はロイター通信などを通じて世界中を駆け巡っている。
 今なお、1回目の米朝会談で話し合われた北朝鮮の「非核化プロセス」は全く進展していない。北の核放棄が分からない段階で、ボスの要請にホイホイ応じた安倍の卑しさ、軽さを思うと、クラクラしてくる。

 前出の森田実氏はこう言った。
「ここまでして、トランプ大統領にとことんへつらう安倍首相は、もはや奴隷同然。トランプ大統領は就任以来、世界中を引っかき回し、紛争を仕かけ、INF離脱で核戦争の恐怖すら与えています。平和賞に最もふさわしくない人物を推薦する首相は『今だけ、自分だけ、トランプだけ良ければ』の究極のゴマすり男です。世界から軽蔑されるだけで、勝手に日本を代表するなと言いたい。日本人として恥ずかしくて情けない限りです」

「かつてないほど強固な日米同盟」とうそぶく安倍にとって、トランプのノーベル平和賞推薦にためらいも迷いもないのだろう。
 18日の国会答弁でも安倍は、ノーベル平和賞の推薦についてはコメントを避けたが、米朝首脳会談については「(トランプの)果断な対応」と持ち上げていた。
 ここまでトランプに忠誠をつくしながら、トランプの自己都合で推薦を暴露されるアホ丸出し。情けないったらありゃしない。


【出典】日刊ゲンダイ 公開日:2019/02/18 17:00 更新日:2019/02/18 17:00


トランプに平和賞? 推薦した安倍首相に問われる“見識”<中>
通商交渉は丸のみがオチ(代表撮影・共同)

トランプに平和賞?推薦した安倍首相に問われる“見識”<中> 日刊ゲンダイ 公開日:2019/02/18 17:00 更新日:2019/02/18 17:00
■ こんな“関係”でマトモな日米通商交渉などできるのか?
 これだけ主従関係がハッキリしているのに、日米通商交渉で対等な取引など期待できない。交渉開始時期は当初の1月下旬からズレ込み、今春以降になるとの見方が強まっているが、どうせ米国の要求丸のみがオチである。

 前出の菊池英博氏が言う。
「安倍政権は日米交渉の前にTPP11や日欧EPAを締結。当然、その水準まで米国の農産物や酒類の関税を下げろ、と圧力をかけられるのは予想されます。その上、ここまで国のトップが卑屈なのですから、日本は円安政策で不当に米国で儲けていると考えるトランプ大統領に言われるがまま、対米輸出自動車への高関税や、意図的な通貨安を禁止する『為替条項』の導入などを受け入れる姿が目に浮かびます。安倍首相は16年の大統領選直前にヒラリー候補と会談。彼女に肩入れしていたのに、トランプ氏の『まさかの勝利』の途端、われ先にとトランプタワーに駆けつけ、50万円のゴルフドライバーを贈ってご機嫌取り。トランプ氏にすれば『何だ、この男は』という感覚で、こいつは必ずオレの言うことを聞くゾと、完全になめられてしまった。実際に首相はその予想通りに振る舞い、トランプ氏がツイッターなどで繰り返し『リメンバー・パールハーバー』と表明しても、抗議すらしない。バカにされて当然です」

 安倍が首相でいる限り、この国の富はトランプにひたすら巻き上げられる運命にある。
被害者家族も政治利用(C)日刊ゲンダイ

■ 誰よりも北朝鮮の脅威を利用してきたのが安倍晋三
 歴代首相の中で、ダントツで北朝鮮の脅威を利用しまくってきたのが安倍だ。「拉致の安倍」で首相の座を射止め、北の危険性をあおり、戦争ができる国づくりに邁進してきた。2015年には、集団的自衛権の行使を容認する安保法を制定。
 米国の言い値で高額武器を爆買いし、19年度の防衛費は5兆2574億円と、5年連続で過去最高を更新した。

 17年秋の総選挙でも北の脅威を徹底的に利用。“国難突破”の大義名分で解散し、大勝した。福島の第一声で安倍は、「北朝鮮の脅威に対していかに取り組んでいくのか、それを決める選挙でもあります。
 北朝鮮はなんと2回、日本の上を2度も通過するミサイルを発射し、広島の10倍以上の威力を持つ6回目の核実験を行った」と訴えた。選挙後、麻生財務相は「北朝鮮のおかげで勝てた」とホンネを漏らしている。

 元拉致被害者家族会事務局長の蓮池透氏が言う。
「朝鮮半島の平和に尽力したことを理由に、トランプ大統領にノーベル賞を推薦するのは、安倍首相としては、腹の中ではおもしろくないはずです。米国の要請を受けて、渋々推薦したのでしょう。安倍首相は拉致問題を利用して総理大臣まで上り詰めました。政権発足後も、北の脅威を最大限あおって、政権を維持してきました。もし、北の脅威がなければ、これほど長期間、安倍政権が存続し続けられたのか疑問です」

 安倍は、半島の平和など本心から望んでいない。


【出典】日刊ゲンダイ 公開日:2019/02/18 17:00 更新日:2019/02/18 17:00


トランプに平和賞? 推薦した安倍首相に問われる“見識”<下>
やりたい放題のトランプ米大統領にへつらう安倍首相は危うい(C)ロイター=共同

トランプに平和賞?推薦した安倍首相に問われる“見識”<下> 日刊ゲンダイ 公開日:2019/02/18 17:00 更新日:2019/02/18 17:00
■ 民主主義を敵に回し、非常事態宣言でやりたい放題のトランプに   へつらう危うさ
 結局トランプは、来年の大統領選に再選することで頭がいっぱいなのだ。その最たるものが、身内の共和党内からも非難囂々の「非常事態宣言」である。

 トランプは15日、不法移民流入が「安全保障上の脅威」だとして、「国境の壁」建設のために国家非常事態を宣言した。これで米議会の承認を得ずに大統領権限で予算を組み替え、壁建設に巨費を投じるという。
 災害などのように緊急を要する事態でもないのに、自らの公約を実現するため、民主主義を無視したなりふり構わぬ強権的な手法。
 早速、連邦政府を監視する下院司法委員会が「議会の予算編成権を無視した疑いがある」として調査を開始。カリフォルニア州知事やニューヨーク州の司法長官らが法廷闘争に訴える方向で、米国は大混乱となっている。

 東京新聞の元ニューヨーク支局長でジャーナリストの北丸雄二氏がこう言う。
「トランプ大統領は下級審で違憲となることを見越して、『最高裁で勝つ』と言っています。判決が出るまでに1、2年はかかる。つまり、緊急の非常事態ではないということを本人が認めているようなものです。非常事態を宣言することが目的であり、支持者への政治的アピールが真の狙いでしょう」

 安倍による「ノーベル平和賞推薦」もトランプ支持者向けの宣伝に利用されているのだろうが、それが分かっていながら、トランプにへつらう安倍は危うい。
 安倍の改憲案の中には日本版非常事態宣言と言える「緊急事態条項」がある。非常時に政府に権限を集中させ、国民の権利を制限するもので、政治私物化の常習犯である安倍がこれを手にしたら、トランプの“手口”をまねてやりたい放題しかねない。

強い者にこびるだけ(内閣広報室提供・共同)

■ この先、安倍外交は国際社会で相手にされなくなるだろう
 安倍がトランプをノーベル平和賞に推薦したのは「米側からの依頼だった」という朝日の報道が世界中に流れたことで、ツイッターなどSNSで海外での反応も広がっている。
 多くは〈そんなことを頼んで恥ずかしい〉〈典型的な賄賂でありトランプのビジネスモデル〉などトランプを批判するものだが、安倍に対しても〈世界最大のおべっか使い〉〈トランプがいつも「正直者安倍」と言っているのはこういうことだったのか〉などと嘲笑されている。

「米国のシンクタンク研究員ら知日派の間では、安倍首相は『ナショナリスト』『右翼』という評価とともに『トランプにおべっかを使う人』『御しやすい人』という見方が共有されています。今回のことも『あー、やっぱり』と思われていることでしょう」(北丸雄二氏=前出)
 そんな男が「外交の安倍」と自画自賛でふんぞり返っていたのだから噴飯ものだが、ここまで外交無定見で、強い者にこびるだけの安倍は、もはや国際社会で相手にされないだろう。

国際ジャーナリストの春名幹男氏が言う。
「今回の一件は安倍首相にとっても日本にとってもマイナスなのは間違いない。欧州の先進諸国はトランプ大統領をまともな指導者とは捉えていません。そのトランプにゴマをするとは、レベルの低い首相だと思われても仕方ありません。安倍首相は、まさかトランプが推薦を明らかにするとは思っていなかったでしょう。もちろん普通は表沙汰にはしない。トランプは口が軽いんですよ。安倍首相はせめて口止めしておくべきでしたね」

 これで、プーチンロシアとの北方領土交渉でも日本は今まで以上に軽く見られることになるだろう。安倍はどのツラして6月のG20で議長を務めるのだろうか。


【出典】日刊ゲンダイ 公開日:2019/02/18 17:00 更新日:2019/02/18 17:00

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トランプに平和賞? 推薦した安倍首相に問われる“見識”<下>
トランプに平和賞?推薦した安倍首相に問われる“見識”
日刊ゲンダイ 公開日: 更新日:
 
トランプ米大統領 「安倍首相がノーベル平和賞に推薦」「最も美しい手紙」 
毎日新聞2019年2月16日 09時58分(最終更新 2月16日 19時34分)

株価2万円割れは序章だ 新元号不況と強欲資本主義の終焉
“失われた6年”で日本はメタメタ(C)共同通信社

株価2万円割れは序章だ 新元号不況と強欲資本主義の終焉 日刊ゲンダイ 公開日:2018/12/26 17:00
 内閣支持率が軒並み下落している安倍政権は26日、7年目に突入した。安倍首相は「何年目を迎えても日々、国家国民のため全力投球で緊張感を持って頑張っていきたい」と意気込みを口にしたが、日経平均株価の大暴落はデタラメのアベノミクスにトドメを刺すようだ。

 25日の東京株式市場は、米国発の世界同時株安が直撃する全面安で、日経平均株価の終値は前週末比1010円45銭安の1万9155円74銭まで大幅下落。
 2万円の大台を割り込んだのは、2017年9月以来、1年3カ月ぶり。バブル崩壊以降、26年11カ月ぶりの高値に大ハシャギだった10月2日が2万4270円。3カ月足らずで5000円を超えるキツイ下げに襲われた。

 麻生財務相が「株価は過度に反応し過ぎているのではないか」と言えば、菅官房長官は「日本経済は企業収益が最高水準となっており、足元の消費も持ち直している」と言い、市場を覆う弱気ムードの火消しに躍起だが、株価2万円割れはまだ序章だ。
 だからこそ、財務省、金融庁、日銀による3者会合を緊急招集し、対応策を練ったのだろう。
 この暴落は米国だけが要因ではない。日経平均株価の下げ幅が海外市場よりも大きいことでもハッキリしている。海外投資家は日本市場に見切りをつけ、先を争って逃げ出しているのだ。

■ 海外投資家は5週連続売り越し
 東京証券取引所によると、12月第2週(10~14日)の投資部門別売買動向(東京・名古屋2市場、1部、2部と新興企業向け市場の合計)で、海外投資家は5週連続で売り越し。売越額は1613億円だった。
 今年の売越額はすでに5兆円を超え、ブラックマンデー暴落があった87年の7.1兆円に迫る規模だ。世界的な金融危機に見舞われたリーマン・ショックが起きた08年の3.7兆円を優に上回っている。

 それでも日経平均が踏ん張っていたのは、日銀やGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が円安株高を演出するアベノミクスのシナリオに沿って株価を買い支えてきたからだ。

経済評論家の斎藤満氏は言う。
「安倍政権も日銀も想定していなかった事態に追い込まれているのではないか。日銀やGPIFが買い支えている間は株価は上がるというセオリーが一転、買っても買っても株価が下げ止まらない。安倍政権は戦後2番目の長さのいざなぎ景気を超えたと喧伝し、来年1月には戦後最長のいざなみ景気を抜くと騒ぎ立てていますが、足元の経済指標は景気拡大を否定している。内閣府発表の景気動向指数は9月に2カ月ぶりに低下し、景気基調判断が24カ月ぶりに『改善』から『足踏み』へと下方修正され、10月も据え置かれた。つまり、日本経済はすでに景気後退している可能性があるということ。アベノミクスは実態をまったく伴わないとの認識が海外投資家に広まり、日本市場は見限られ日本株は売り浴びせられているのです」

 間もなく年が替わり、半年足らずで「平成」が幕を下ろす。無知無能トップのもと、来年この国は新元号不況に襲われようとしている。

押し目買いも入らない逆回転(C)日刊ゲンダイ


■ 4%下落で含み損発生も、身動き取れず泥沼化
 日銀のETF(上場投資信託)購入額は年間6兆円の購入枠を今年初めて上回り、過去最高を更新。6・4兆円を突破した。累計購入額は約22兆円に上る。ニッセイ基礎研究所チーフ株式ストラテジストの出井真吾氏の推計によると、日銀が保有するETFの損益分岐点は1万8434円(11月末時点)。25日終値から4%下落すれば、日銀は含み損を抱えることになる。

「25日終値ベースの日経平均株価はPBR(株価純資産倍率)の1・0倍。PBRの下値メドは0・9~1・0倍程度とみられ、当面は1万7000円程度が意識されるでしょう」(出井真吾氏)

 日銀が損切りに走れば株式市場は壊滅的ダメージを被る。日銀は身動きが取れず、ひたすら株価を支える泥沼にはまっていく。
 6年にわたって仕込んできた官製バブルが崩壊すれば、日本経済は奈落の底へ真っ逆さま。この政権では対応不可能で、そのツケは国民に回されることになるのだ。

 一方、米国市場を混乱させているのが、「アメリカ・ファースト」を掲げるトランプ大統領だ。11月の中間選挙で民主党の躍進を許して以降、イラ立ちを強め、暴走を加速させている。政権の重しとなってきたマティス国防長官を事実上更迭。
 メキシコ国境への壁の建設予算を巡る議会との対立で一部政府機関の閉鎖を招き、利上げを進めるパウエルFRB議長や、株安に対処できないムニューシン財務長官の解任も取り沙汰される。トランプの振る舞いが株式市場を取り巻く不安心理を増幅させる悪循環に陥っている。

 多国間主義に基づく国際社会の秩序を破壊するモンスターのような大統領を生み出したのは、行き過ぎた資本主義だ。先進国を中心に経済が成長し、生活水準が上がって市民生活が豊かになると、需要が減退してモノやサービスが売れなくなる。
 欧米の多国籍企業はフロンティアを求め、新興国や発展途上国のマーケットを奪い合う。地理的・物理的な市場拡大に限界を見た米国が編み出したのが、電子・金融空間という新市場。
 ITと金融を結び付け、自由自在に国境を越えてマネーを操り、利益を上げる。資本主義のグローバル化だ。こうした動きを加速させたのが、08年のリーマン・ショックだった。
 米国では1%の超富裕層が全米の富の3分の2を支配する超格差社会が出現。強欲資本主義に虐げられた市民が求めたのが、保護主義であり、自国主義だ。世界規模で右傾化が進み、16年に英国がEU離脱を決め、トランプが大統領選を制した。

■ 米中貿易戦争で立ち往生
 行き場のない資本主義の終着点といえるのが、トランプが仕掛けた貿易戦争だ。40兆円超の対米貿易黒字で潤う中国を脅し、安全保障の根幹ともなる次世代通信規格5Gの覇権争いも絡んで互いに一歩も引けない状況。かつての資本主義は終焉を迎え、時代は転換期を迎えている。

 日本はこの局面にどう立ち向かうのか。安倍政権が成長戦略の柱に掲げる原発輸出は完全破綻。米国隷従はますます強まり、トランプの言うがままに防衛装備品を買い漁る。2019年度予算案は7年連続増で過去最大の101兆4564億円に達し、初めて100兆円の大台を突破。防衛費は5年連続で増大し、過去最高の5兆2574億円に拡大した。
 来年1月下旬から日米通商協議が本格化する。トランプの標的は年間7兆円に上る対日貿易赤字の8割を占める自動車分野だ。25%の高関税措置が発動されれば日本の自動車メーカーの利益が半分消え、100万台削減の数量規制をのまされればGDPの0・8%が吹き飛ぶ。
 USTR(米通商代表部)が公表した交渉目的にはUSMCA(米・メキシコ・カナダ協定)をひな型にした為替条項や、中国との貿易協定締結を難しくする毒薬条項が盛り込まれている。

「トランプ大統領は来年1月か2月に2回目の米朝首脳会談を実施する意向で、北朝鮮の後ろ盾である中国の協力を得る狙いから、手心を加える用意があった。2月末を期限とした90日間の米中協議がそれです。ところが、米朝会談の先送り公算が大きくなったため猶予は棚上げし、中国を徹底的に叩く方針に転換したとみられています。この6年間で日本経済は見栄えだけ取り繕われ、体力をつける機会をフイにして国際競争力を失った。米中戦争に巻き込まれ、なす術がなく立ち往生するのは必至です」(斎藤満氏=前出)

 安倍政権は景気を腰折れさせる消費増税を来年10月に実施予定だ。財政健全化と社会保障制度の充実を目的としていたはずが、税収増分の5・7兆円の大半が経済対策に回り、社会保障費は1・5兆円。一体、何のための増税なのか。増税対策の2兆円ではキャッシュレス決済のポイント還元で金持ちを優遇する。支離滅裂の極みだ。

 打つ手なしの経済無策、増税強行迷走政権の惨憺。20年は東京五輪だの、25年は大阪万博だのと浮かれている場合ではない。


【出典】日刊ゲンダイ 公開日:2018/12/26 17:00

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2018年11月25日 6時0分 現代ビジネス
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片山さつきだけじゃない!  口利き、全裸、暴力団関係企業から献金…  “ほぼ全員スキャンダル内閣” なのにメディアの追及は…
片山大臣 今度は特大看板 野党「選挙違反では」(写真)Nスタ

片山さつきだけじゃない! 口利き、全裸、暴力団関係企業から献金… “ほぼ全員スキャンダル内閣” なのにメディアの追及は… LITERA 2018.11.07
 まるで湧き水のように疑惑が吹き上がりつづけ、その勢いが止まらない片山さつき地方創生担当相。国税への100万円口利き疑惑を筆頭に、2016年6〜7月に複数の団体から受けていた200万円の献金や、2012年の「片山さつきカレンダー」の販売収入が政治資金収支報告書に記載されていない問題などが浮上。
 さらに昨日には、さらに記載漏れの収入が少なくとも計20万円分あったとして2014年と16年の収支報告書を訂正した。

 しかも、明日発売の「週刊文春」(文藝春秋)では、さらに2016年参院選の際に支出された選挙関係費488万円の政党交付金が、収支報告書では288万円しか計上されていないという新たな疑惑が掲載されるという。

 生活保護バッシングの急先鋒としてメディアで生活保護叩きを展開していた際には「不正受給許すまじ!」とあれだけがなり立てていた張本人が、これまで判明しているだけでトータル計700万円もの国民を欺く杜撰な金銭管理をやっていたとは……。だが、なにより呆れ果ててしまうのは、片山地方創生担当相の“言い訳”だ。

 まず、100万円口利き疑惑では、金銭を受け取っていた私設秘書の南村博二氏について、「(南村氏は)当初から秘書ではない」などと明言したが、国会に出入りできる私設秘書用の通行証を南村氏に持たせていた事実がすぐさま露呈。
 また、「週刊文春デジタル」が公開した、口利きを依頼したX氏に対して片山氏が「私はちょっと高いんじゃないかと(南村氏に)言った」などと語っている電話音声データについても、「自分の声かどうか、ちょっとあれでは判断ができない」などと言い出す始末。
 あれがニセモノの音声データならばすごい声マネ芸人がいるものだと感心するレベルだが、もはや言い逃れはできまい。というのも、「週刊文春デジタル」は明日にも、片山地方創生担当相の新たな音声データを公開するというからだ。

 今後も「疑惑のデパート」である片山地方創生担当相への疑惑追及は徹底的におこなわれて当然だが、しかし、最大の問題は、現在の安倍政権が「全員野球内閣」ならぬ、前代未聞の「全員スキャンダル内閣」になっていることだ。

 まず、入閣してすぐに「教育勅語は普遍性をもっている部分がある」という発言が問題となった柴山昌彦文科相にもち上がった、バスツアー利益供与・公選法違反疑惑。さらに、渡辺博道復興相の補助金受給企業からの寄付問題。
 宮腰光寛・沖縄北方担当相にいたっては、談合で行政処分された企業からの献金問題にくわえ、酒に酔って議員宿舎内のほかの議員の部屋を“全裸でピンポンダッシュ”したという過去の醜態まであきらかになっている。

 だが、まだまだある。片山地方創生担当相と同じく口利き疑惑が取り沙汰されているのは、吉川貴盛農水相だ。

 疑惑を報じた「週刊朝日」(朝日新聞出版)11月16日号によると、今年3月に太陽光発電所の新設をめぐって北海道から補助金約5960万円を騙し取ったとして3人の関係者が逮捕されたのだが、逮捕されたひとりである指南役のコンサルタント業の男性が「吉川農水相は古くからの知り合いで、秘書とも親しい。
 パーティー券もよく買った。今回の太陽光発電事業のことも相談した結果、北海道電力と日本政策金融公庫の窓口を紹介してもらった」と話しているというのだ。

■ 平井卓也IT担当相は暴力団関係企業から献金!   桜田五輪担当相にも疑惑が
 実際、公判では、検察側が提出したメールにも「申請の補助金について、バッジの方等色々、ご報告とご相談をしたところ、すでに助成金5000万円が決定しているとのことです」と書かれていたという。
 問題の指南役だった男性は「謝礼は払っていない」と語っているというが、詐欺事件で名前が浮上しているという点だけをとっても、大臣として説明が求められる問題だ。

 さらに、安倍首相と同様に“政治の私物化”問題が出てきたのが、茂木敏充経済再生相だ。しんぶん赤旗日曜版11月4日号がスクープした記事によれば、茂木氏はリラクゼーション業を新産業として国が認定してもらおうと動いていた「日本リラクゼーション業協会」と関係を深め、経産相時代には〈国会や産業競争力会議の場で、協会に有利な発言を重ね〉ており、経産省も新産業認定を総務省に提案。そして、茂木氏が経産相だった2013年10月に総務省も認定するにいたったという。

 しかも、茂木氏と同協会はたんに親しい関係にあっただけではない。茂木氏は同協会の理事企業から2012年に100万円の献金を受け、さらに2016年に同協会側は茂木氏の政治資金パーティ券を計150万円分も購入しているのだ。
 ちなみに、100万円を献金した企業は昨年11月に法人税4300万円を脱税したとして東京地検特捜部に在宅起訴されているという。

 資金提供の見返りに大臣として働きかけをおこない、国のお墨付きまで与える──。到底看過できない疑惑だが、大臣のカネに絡んだ問題はまだ終わらない。

 たとえば、入閣から早々に談合事件で国交省から指名停止処分を受けていた設備工事企業より12万円の献金を受けていたことが発覚、返金にいたった平井卓也IT担当相には、なんと指定暴力団組長が過去に代表を務めていた建設会社から計76万円の献金を受けていたという問題が浮上。

 また、参院予算委員会で東京五輪・パラリンピックにかんする質問で「知らない」を連発した挙げ句、オリパラ関連予算を「1500円」と言い間違え、さらには「事前に質問通告がなかった」という言い訳も嘘だったことが判明した桜田義孝・五輪担当相も、桜田家所有の不動産をめぐり、つくばエクスプレス開業で計1億4000万円超の売却益を得ていたと「週刊新潮」(新潮社)11月1日号が報道。桜田五輪担当相はつくばエクスプレスの路線延伸を「熱心に訴えている」といい、さらなる地価の高騰を狙っているのではないかという疑惑を取り上げている。

■ 田崎史郎は「“ヤバそうな閣僚ナンバー3”の疑惑がまだ出ていない」と
 あの田崎史郎氏でさえ、内閣改造が発表された際に「これまでの組閣・改造でいちばん出来が悪い顔ぶれ」と言い放っただけのことはある。
 しかも、このとき田崎氏は「5人くらい『大丈夫かな?』って人がいる」と語っていたが、6日放送の『ひるおび!』(TBS)での話によると、田崎氏が「大丈夫かな?」と考えていたのは片山地方創生担当相と桜田五輪相が2トップだったらしく、「まだナンバー3の人が(問題が)出てきていない。
 追及されると危ない」と述べていたほど。つまり、政権擁護の応援団員でさえ守りきれないような問題を抱えた大臣が、まだいると言うのである。

 言っておくが、口利き疑惑はもちろんのこと、有権者への利益供与、補助金受給企業や談合で行政処分を受けた企業からの献金などといった「政治とカネ」の問題は、政治への不信感を呼び込むだけではなく、金権政治という民主主義の根幹を揺るがしかねない問題にもつながる。当然、徹底した疑惑の追及と、これだけの問題大臣を任命した総理大臣の責任は強く問われるべきものだ。

 だが、どうだろう。森友・加計問題が起こっても安倍首相や麻生財務相がいまだに大きな顔をしている上に、カネの疑惑が次から次へともち上がり、世間はすっかり政治家の疑惑に慣らされてしまった。その結果、「またか」という呆れの空気ばかりが流れ、メディアも真剣に追及する動きはない。
 無論、この空気にほくそ笑んでいるのは安倍首相で、国会で任命責任を問われた際も「みなさんしっかりと結果を出していただきたいと期待している」(2日衆院予算委員会)などと宣ったほど。まったく責任も反省も感じていないのだ。

 異常としか言いようがない「全員スキャンダル内閣」。しかし、もっと異常なのは、これをメディアと国民が許してしまっている状況のほうだろう。
(編集部)

【出典】LITERA 2018.11.07

関連資料

片山氏の関連団体、 収入また未記載 報告書の不備が続々
朝日新聞 2018年11月5日
片山氏の関連団体、収入また未記載 報告書の不備が続々

片山さつき地方創生相の口利き疑惑の原点 「依頼書」独占入手 8千万円の不明金の税務調査で
AERA 2018.11.6
片山さつき地方創生相の口利き疑惑の原点「依頼書」独占入手

【100万円「口利き疑惑」】 当事者の「会社経営者」がすべて認めた
日刊ゲンダイ

改憲も拉致も口先だけ 何年たっても薄っぺらな安倍首相
常に政治利用(C)日刊ゲンダイ

改憲も拉致も口先だけ 何年たっても薄っぺらな安倍首相 日刊ゲンダイ 2018年8月25日
 9月7日の自民党総裁選の告示に向け、圧倒的大勝で連続3選を目指す安倍首相が地方行脚を本格化させている。25日は安倍自身が宮崎県入り。26日は鹿児島県を訪れて正式に立候補を表明する。
 安倍陣営は党員票について、「告示後1~2日の短期決戦になる」とみて、9月上旬までに全都道府県で党員集会を集中的に開催。一騎打ちの相手となる石破茂元幹事長陣営が地方で党員集会を設定すれば、県連の枠組みで支持候補を一本化するよう圧力をかけ、集会を潰しにかかる。

 おかげで石破陣営は、安倍陣営に党員集会を悟られないよう日程をなるべく伏せる「隠密作戦」を強いられているという。安倍陣営の度量はどんだけ小さいのか。
 すでに安倍陣営は国会議員票の7~8割を固め、党員票でも石破を引き離し、トリプルスコアの圧勝で叩きのめす方針だ。そのため、安倍は秋の臨時国会に向け、憲法改正案提出を目指すと明言したかと思えば、23日の大分市の党員集会に寄せたビデオメッセージでは「私の手で拉致問題を解決する。そう固く決意している」と豪語した。

 党員票欲しさの人気取りのため、威勢のいい発言を連発。今後も行く先々で、盛大に“打ち上げ花火”を次々とブチ上げるのだろうが、改憲も拉致解決も実現できっこない。

■ 独裁国しか許されない「私案」のゴリ押し
 まず憲法改正だ。安倍が主張するのは、9条に自衛隊の存在を明記する第3項を付け加える「私案」だ。
 昨年5月3日の憲法記念日に唐突かつ一方的に発表した後、自民党の改憲推進本部にスッタモンダの末、文書としてまとめさせたが、いまだ党としての機関決定にはいたっていない。

 一方で自民党は野党時代の2012年に「戦力不保持」と「交戦権放棄」をうたった9条2項を削除する改憲草案を党として正式に機関決定。党の公式サイトに全文が堂々と公開されている。
 改憲の是非はともかく、本来なら党内議論を深め、12年草案を取り下げるなり、大幅修正を加えるなりして新たな改憲案をまとめ、党の機関決定を得るのがスジだ。党内議論をスッ飛ばし、正式な手続きも踏まず、「秋の臨時国会」というスケジュールありきで、安倍が単なる私案を国会に提出しようというのは、いくらなんでも乱暴だ。

 党のトップが私案を掲げて党の正式な改憲草案を潰しにかかるのも同然で、手続き的には一種のクーデターとなる。こんなデタラメが許されるのは、どこぞの独裁国のみ。自民党員はもちろん、国会や国民全員をバカにしきった話で、安倍は議会制民主主義を完全に冒涜しているのだ。

違うのは姿形だけ(C)日刊ゲンダイ

■ おだてた豚が木に登る全て絵空事の政治ごっこ
 そもそも、長く連立を組んできた公明党が、秋の臨時国会での改憲案提出には乗れっこない。
「平和の党」を自任し、9条2項を残しても支持母体の創価学会の改憲への抵抗感は根強い。ましてや昨年の総選挙で議席を減らし、来年に統一地方選や参院選を控えるタイミングだ。党勢回復が急務の中、支持母体の離反を招く改憲は絶対に避けたいのが実情である。政治評論家の森田実氏はこう言う。

「今、安倍首相主導の改憲に乗れば、公明党は潰れます。連立相手の了解なしには、改憲発議に必要な衆参3分の2議席も得られない。安倍首相の『秋の臨時国会で改憲案提出』発言はしょせん、総裁選を乗り切るための一時しのぎ。自主憲法制定の『立党の精神』を党員に情緒的に訴え、票が欲しいだけです。安倍首相の改憲は未来を見据えたものではなく、『オレが憲法を変えた』という実績を残したい魂胆がミエミエ。その証拠に改憲条項をコロコロと変えてきました。まず改憲要件緩和の96条改正を訴え、緊急事態条項を引っ張り出し、次は教育無償化。政治哲学も信念もないから、どこからでも手をつける。改憲とは、国民生活の長期的な基盤を変えることなのに、小手先で片づけようとする。姑息極まりない卑しい政治姿勢で、それこそ憲法を冒涜しています」

 拉致解決も常に掛け声倒れ。在任5年半以上で「政権の最重要課題」に掲げながら、1ミリたりとも進展していない。
 総裁選の最中の9月11~13日に、安倍はロシアを訪問。ウラジオストクで開催される東方経済フォーラムに参加予定だ。大マスコミは一時、「北朝鮮の金正恩委員長も出席する」との臆測を立て、「日朝首脳会談実現か」とはやしたが、フタを開ければ金正恩は欠席の公算大。安倍は「次は私が金正恩委員長と向き合う番だと思っている」と繰り返すが、向き合う番は延々と来ない。

 結局、安倍は拉致解決も改憲も言いっ放し。こんな口先男に誰も異論を唱えない自民党はつくづく、最低最悪だ。

■ カリスマ山根と何ひとつ変わらない醜悪ぶり
 これほど中身がない空虚な首相の3選を支持するヒラメ議員が、その理由に持ち出すのは決まって「外交のアベ」だ。
 トランプ米大統領との個人的関係は世界の首脳のうち最も緊密だし、国際情勢が混沌とする中、新たな首相が誕生したら、またゼロから外交を始めなければいけない――。こんな屁理屈で「安倍首相以外の選択肢はない」と言い切るのだが、アベノミクスも破綻して他に目ぼしい理由がないとはいえ、無理がある。

「トランプ大統領にはいきなりTPP合意を反故にされ、関税交渉も押されっぱなし。プーチン大統領には北方領土交渉を袖にされ、北朝鮮情勢は完全にカヤの外。『外交のアベ』なんて官邸発の印象操作で、外交実績は皆無に等しい。首相の任期をあと3年も延ばすより、むしろゼロから外交を仕切り直した方が得策なほど。いずれ別のリーダーを育てる必要があるのだから、なおさらです。3選支持派が『外交のアベ』をひけらかすのは、ポストと利権欲しさの隠れみの。ヨコシマな打算と思惑を取り繕う目くらましです」(高千穂大教授の五野井郁夫氏=国際政治学)

 ヒラメ議員が安倍に群がるのは私欲まみれ。こんな薄汚い連中がポストをエサに議員を囲い込む。石破陣営に寝返ろうとすれば「徹底的に干すぞ」と報復人事をチラつかせ、来年の参院改選を控える議員には、党の支援に差を付けるとにおわす。醜悪だ。
 ヤクザまがいの恫喝が党内に横行し、萎縮した議員が安倍にひれ伏す悪循環。論功行賞欲しさの周囲の茶坊主どもにおだてられ、すっかり「世界の安倍」気取り。そして人間性も度量もオツムの中身も優れていない薄っぺらなリーダーが、ますます図に乗ってできもしない妄想を振りまくという最悪の展開である。

 前出の五野井郁夫氏は「今の自民党のおぞましさは『世界と渡り合えるのはドンだけです』と忖度族が褒めそやし、終身会長自ら『カリスマ山根』と豪語した日本ボクシング連盟と変わらない」と喝破した。

 3選を果たせば、安倍の首相在任日数は来年11月に日本史の教科書に出てきた桂太郎を抜き、憲政史上最長に躍り出る。これだけベラボーな日数を浪費し、いくら何年やっても安倍の薄っぺらさは変わらないし、恥知らずの自民党政治はどんどん酷くなるばかりだ。
「言いっ放しの口先政権は、やることなすこと全てが絵空事。ただ権力にしがみつきたいだけの卑しさが知れ渡り、少なくとも50歳以上の有権者はトリック政治をとっくに見抜いています。総裁選でも“政治ごっこ”に従う自民党に自浄作用を期待できない以上、有権者はあらゆる地方選や首長選で、長期政権のおごりを思い知らせるしかない。来年の参院選で今のアベ政治をご破算にしないと、日本はおかしな方向に進むことになります」(森田実氏=前出)

 有権者が本気で「安倍ノー」を突きつけていかないと、もはやこの国はどうにもならない。

【出典】日刊ゲンダイ 2018年8月25日

関連資料

偽りだった“拉致の安倍”  横田早紀江さんの手紙を2年無視
偽りだった”拉致の安倍”
【出典】日刊ゲンダイ 2018年8月25日

亡くなった俳優の加藤剛が 「安倍政権は憲法違反の政権」
加藤の出演した『この子を残して』この子を残して(予告編)

亡くなった俳優の加藤剛が「安倍政権は憲法違反の政権」! 生前繰り返し語った戦争への危機感と憲法への思い LITERA 2018.07.11
 今月9日、俳優の加藤剛氏が亡くなっていたことがわかった。80歳だった。
 加藤剛氏といえば、30年近くにわたって続いた『大岡越前』(TBS)での大岡忠相役が印象的だが、もうひとつ知られている側面が、戦争を知る世代として、「俳優」の仕事を通して、平和への思いを伝え続けてきた姿だ。

 加藤氏は1962年にテレビドラマ版『人間の條件』(TBS)で本格的なデビューをしている。『人間の條件』では、第二次世界大戦中の満州を舞台に、激化する戦争のなかにおいても、自らの正義を貫き通す役を演じた。デビュー作が『人間の條件』であったということは、加藤氏の俳優としてのキャリアの方向性を決定づけたようだ。2015年4月12日付しんぶん赤旗日曜版で彼はこのように語っている。

「「人間の條件」で、平和な世の中をつくり、戦争に反対することが、僕の俳優という仕事の基本になりました。以来、どの作品に出ても、平和のために自分は何ができるかと考えてきました」

 その後、加藤氏は『大岡越前』や、映画『砂の器』といった作品をヒットに導く一方で、「戦争」を題材にした作品にも多く出演している。木下恵介監督作品『この子を残して』では長崎で原爆により被爆した放射線医学の永井隆博士を演じ、また、舞台『コルチャック先生』ではユダヤ人孤児院の院長でナチスの弾圧のもとガス室におくられたヤヌシュ・コルチャックを演じた。

加藤 剛主演のテレビ時代劇『大岡越前』は1970年(昭和45年)から、
足掛け約30年間 月曜8時を支え、TBSテレビの看板番組となった。

 2014年の読売新聞のインタビューでも、「僕は戦争反対の一心で俳優を続けてきましたから、観客の心に平和への思い、弱い人への思いやりをこれからも与え続けられるよう、仕事を続けたい」(読売新聞2014年6月9日夕刊)と語り、その俳優人生をかけて戦争反対の思いを貫いてきたことを明かしている。

 加藤氏のこうした反戦への強い思いは、加藤氏自身の生い立ちと無縁ではないだろう。加藤氏は1938年に静岡で生まれた。東京方面に向かうB29から焼夷弾が落とされることも珍しくない環境で育つ。加藤氏はこの戦争で身内を二人も亡くしている。

 ひとりは、実の兄のように慕っていた義兄。軍医だった義兄は北マリアナ諸島のテニアン島で頭部を撃たれて即死した。また、二番目の姉は結核を患っており、戦後の厳しい食糧難と物資不足のなかでまともな医療を受けられなかったことが災いして亡くなってしまった。まだ28歳の若さだった。

 そんな加藤氏にとって、近年の日本の状況は看過できるものではなかった。特に、第二次安倍晋三政権以降の動きには、直接的な表現を用いて痛罵している。
「今の政権は、憲法違反の政権です。アメリカの戦争に協力するため、勝手に憲法の解釈を変えて、戦争法を通してしまった。
 安倍首相は、「国民に理解されていないから反対されている」などと言いますが、私たちは戦争への道を開くことになる法律だとよく理解しているから反対しているんです」(2015年11月29日付しんぶん赤旗日曜版)

 戦争が終わったことで、「もう枕元に防空頭巾を置いて寝なくていいんだ」(15年4月12日付しんぶん赤旗日曜版)と心からの安堵を抱いた経験をもつ世代として、日本国憲法、特に9条は何ものにも代え難い希望だった。加藤氏は日本国憲法を「戦争で命を奪われた人たちの夢の形見」とまで呼んでいる。

「私は、憲法は、戦争で命を奪われた人たちの夢の形見だと思っています。多くの犠牲の上に、今の平和な世の中がある。だから私たちには、子どもたちのために憲法を守る使命があると思います」(15年11月29日付しんぶん赤旗日曜版)

 しかし、その憲法がいま危うい立場に追いやられようとしている。この国は過去の教訓を忘れ、再び「戦争ができる国」へ戻る方向へ舵を切りつつある。その先にあるのは、70年以上前に体験し、二度と繰り返さないと誓ったはずの悲劇の再来だ。

■ 加藤剛、桂歌丸が生前語った戦争への危機感「戦争を知らない人が、 国を動かしている」
 今月2日に亡くなった落語家の桂歌丸は、17年8月5日放送『報道特集』(TBS)で、戦争を知らない世代の政治家たちがまともな勉強もせず、安易な気持ちで戦争に関わる法整備へ踏み出すことを、「戦争を知らない政治家が戦争に触れるなと言いたくなるんです。
 戦争を知らなかったら、戦争をもっと研究しろって言うんです。戦争っていうのは良い物なのか悪い物なのか、この判断をきっちりとしろって言いたくなるんです。それをただ上辺だけで話しているからおかしくなっちゃうんです」と痛罵していた。同じことを加藤氏も語っている。

「国を動かしている人たちが、なぜそんな世の中にしたいのか、戦争を体験した僕にはまったく理解できません。本当の戦争というものを知らないからでしょうか」(15年4月12日付しんぶん赤旗日曜版)

 戦争を知る世代が最期に残した「平和」への思いを、私たちはしっかりと受け止めなければいけない。(編集部)

【出典】LITERA 2018.07.11
【出典】俳優座

加藤 剛(かとう ごう) Wikipedia参照

 加藤 剛(かとう ごう、1938年2月4日- 2018年6月18日)は、日本の俳優。本名は加藤 剛(かとう たけし)。俳優座所属。2001年、紫綬褒章受章。2008年、旭日小綬章受章。
 剛は御前崎の遠州灘に続く茶畑のある風景の中で育ち、中学三年の時に地元を離れた。戦争未亡人となり美容室を開いていた文京区の長姉宅に寄宿した。
 もともと俳優になろうと思っていたわけではなく、「何か演劇や映画に関係する仕事ができればいいかな」と思っていた。小石川高校の時、柔道部に入ってたが先輩が演劇もやっており「お前も手伝え」と命じられ舞台に立ったのがきっかけだった。
 東京都立小石川高等学校を経て、早稲田大学文学部演劇科で学ぶ。学内の劇団、自由舞台で活躍する。

 大学四年の時、二十倍の難関を突破して俳優座養成所に入る。途中テレビドラマ『人間の條件』出演のため1年「休学」。「人間の条件」では「ぼくという裸身の素材にこの男(主人公の梶)の一生を忠実に刻み込んでゆくこと」で演じきり、原作者より「テレビ映画の優れた主演者」と評された。後、13期生として修了。修了時の同級生には石立鉄男・佐藤友美・細川俊之・横内正らがいる。

 長年に渡り一貫して演じ通した当たり役である『大岡越前』は1970年(昭和45年)から、『水戸黄門』『江戸を斬る』等とローテーションを組みながら、足掛け約30年間月曜8時を支え、TBSテレビの看板番組となった。
『大岡越前』の終了後、『命のビザ』や『そして戦争が終わった』など現代史ドラマに進出。2018年6月18日10時11分、胆嚢がんのため東京都内で死去。80歳没。

■ 人物
 ・たばこは吸わず、酒も飲まず、ギャンブルとは無縁である。
 ・戦争反対の一心で俳優を続けてきた。
 ・高校時代、実家でチェーホフの戯曲を読んで俳優を志した。


【出典】LITERA 2018.07.11

桂歌丸が語った戦争への危機感と怒り
『歌丸 極上人生』(祥伝社)

桂歌丸が語った戦争への危機感「戦争を知らない政治家が戦争に触れるな」 国策落語を作らされた落語界の暗い過去も LITERA 2018.07.03
 きのう7月2日、落語家の桂歌丸が亡くなった。81歳だった。桂歌丸は『笑点』(日本テレビ)での司会ぶりはもとより、古典落語の発掘と継承にも尽力し、落語界に多大な功績を残した。ここ最近は体調不良で入退院を繰り返し、鼻に酸素吸入のためのチューブをつけた状態で公の場に姿を見せることも多かったが、それでも高座に上がり続けた。
 最期まで噺家として生き、晩年は古典落語の継承に関して後輩の噺家たちに厳しい苦言を呈していた姿も印象的だが、彼がもうひとつ繰り返し語り続けていたのが「戦争」の話である。
 たとえば、2015年10月19日付朝日新聞デジタルでは、こんな言葉を残している。
「今、日本は色んなことでもめてるじゃないですか。戦争の『せ』の字もしてもらいたくないですよね。あんな思いなんか二度としたくないし、させたくない」
「テレビで戦争が見られる時代ですからね。あれを見て若い方がかっこいいと思ったら、えらいことになる」

 桂歌丸は1936年に横浜で生まれたが、戦争のため、小学校2年生で千葉に疎開することになる。疎開先の学校ではイジメに遭っていたので、早く横浜に帰りたいと願っていたそうだが、千葉にいたおかげで横浜大空襲に巻き込まれることはなかった。

 1945年5月29日に起きた横浜大空襲は、8000人以上の犠牲者を出した空襲である。前述した通り、千葉に疎開していた歌丸自身はこの空襲に直接はさらされていないが、雨のように降り注ぐ焼夷弾の下には祖母がいた。2017年8月5日放送の『報道特集』(TBS)で、歌丸はそのときのことをこのように語っている。

「(千葉市)誉田の山のなかに小高い所があったんです。昼間でしたからね、横浜の空襲は。そこに登りますと、東京湾を隔てて向こう側に横浜があるわけです。黒煙が上がっているのが見えるわけですよ、千葉から。横浜が焼けている。『大丈夫かな? 大丈夫かな?』って、そのことばっかりでしたね。つまり、おばあちゃんの身を案じることが」
 結果的に、祖母は生き残った。たまたま逃げた橋の近くだけが焼け残り、一命をとりとめたのだ。定員で入るのを拒まれた久保山の防空壕に避難していた人たちは焼け死んでおり、偶然に偶然が重なって生き延びることができたのである。

 このような経験が「戦争の『せ』の字もしてもらいたくない」という発言につながっていくわけだが、歌丸にはもうひとつ戦争への怒りを唱える理由がある。

 前述『報道特集』のなかで歌丸は、「人間、泣かせることと怒らせることは簡単なんですよ。笑わせることぐらい難しいことはないですよ」と語りつつ、戦時中の「禁演落語」について語る。

 禁演落語とは、遊郭に関した噺、妾を扱った噺、色恋にまつわる噺など、国のための質素倹約を奨励された時局に合わないとされ、高座に上げられることを禁じられた53の噺のこと。そのなかには吉原を舞台にした「明鳥」など、今でも盛んに高座に上げられる人気の噺も含まれていた。

 また、当時の落語界は観客に人気の古典落語を捨て去ったのみならず、表向きは自ら進んで戦争に協力した。時局柄政府にとって都合のいいグロテスクな国策落語を多く生み出してしまったという過去ももっている。歌丸は落語界がもつ暗い歴史をこのように語る。
「あの落語をやっちゃいけない、この落語をやっちゃいけない、全部お上から止められたわけですよ。だから、「長屋の花見」を改作して「長屋の防空演習」としてやっている師匠もいましたよ。面白くないよ、そんなものは」

 そして歌丸はインタビューの最後、『笑点』では見ることのない怒りに満ちた表情でこのように語りかけた。ここで彼の脳裏に誰が浮かんでいたかは言わずとも想像つくだろう。
「戦争を知らない政治家が戦争に触れるなと言いたくなるんです。戦争を知らなかったら、戦争をもっと研究しろって言うんです。戦争っていうのは良い物なのか悪い物なのか、この判断をきっちりとしろって言いたくなるんです。それをただ上辺だけで話しているからおかしくなっちゃうんです。良い物だと思っている政治家だったら、我々は選ばないです。絶対に」

 高畑勲、野坂昭如、大橋巨泉、永六輔、かこさとし、水木しげる、愛川欽也、金子兜太など、戦争を知り、自身の体験をもとに平和を希求するメッセージを発してきた戦中世代の著名人が続々と鬼籍に入り始めている。
 そのなかにおいて、「戦争を知らない政治家が戦争に触れるな」という言葉は重く響く。古典落語の伝統とともに、この思いも受け継ぎ、次の世代にしっかりと受け渡していかなくてはならない。

(編集部)

【出典】LITERA 2018.07.03


桂 歌丸(かつら うたまる)

 桂 歌丸(1936年〈昭和11年〉8月14日 - 2018年 〈平成30年〉7月2日)は、日本の落語家。本名は椎名 巌(しいな いわお)。
 神奈川県横浜市中区真金町(現:南区真金町)の出身。定紋は『丸に横木瓜』。血液型はA型。横浜市立横浜商業高等学校定時制中退。

 出囃子は『大漁節』。公益社団法人落語芸術協会会長(5代目)。当初は新作落語中心だったが、晩年は、廃れた演目の発掘や三遊亭圓朝作品など古典落語に重点を置いて活動していた。地元・横浜においては横浜にぎわい座館長(2代目)、横浜橋通商店街名誉顧問も務めていた。位階勲等は旭日小綬章。

 演芸番組『笑点』(日本テレビ)の放送開始から大喜利メンバーとして活躍し[注 1]、2006年(平成18年)5月21日から2016年(平成28年)5月22日まで同番組の5代目司会者を務め、同日付で終身名誉司会者となった。
 by Wikipedia


仲代達矢と桂歌丸が語った戦争体験が話題!
「戦争を知らない政治家が戦争に触れるな」
LITERA 2017.08.12
【出典】LITERA 2018.07.03

都内初のミサイル避難訓練…
参加者“動員”で中身スカスカ
訓練終了を“頭を低く”して待ち続けた(C)日刊ゲンダイ

都内初のミサイル避難訓練…参加者“動員”で中身スカスカ  2018年1月24日 日刊ゲンダイ
 危機をあおるだけの“ショー”だった。身を低く保ち、頭を抱える――これまで全国各地で行われてきた「ミサイル避難訓練」が初めて都内で実施されたが、案の定、中身はスカスカ。“有効な対策”からはほど遠いものだった。安倍政権がわざわざ街中で大袈裟な訓練を行ったのは、北朝鮮の危機をあおるためだったのは明らかだ。

 内閣官房や東京都などが共催するミサイル避難訓練は22日、都内の「文京シビックセンター」(文京区)や遊園地「東京ドームシティアトラクションズ」などで実施された。
 ところが、訓練には“一般”の歩行者は参加せず、集まったのは、主催者側の“動員”で駆けつけた350人の市民だった。
 都の総務局総合防災部防災管理課によると、参加したのは、遊園地アトラクションの係員や近隣の町内会の住人、付近の企業の社員で「こちらから参加をお願いした」というのだ。

 内容もヒドい。シビックセンター周辺での訓練では、「訓練」と記されたゼッケンをつけた参加者二十数人は皆、開始時間午前10時の15分ほど前に建物の出入り口に集合。一様に迷惑顔で、いかにも「渋々来ました」といった風情だった。

 雪がちらつく中、開始予定の午前10時を回ると「これは訓練です」と放送があり、「ウオーン」と不気味なサイレンが鳴り響く。同時に、「ミサイルが発射されたものとみられます」とアナウンスされ、所在なげにしていた参加者を背後から、メガホン片手に警察官が「建物の中に速やかに避難してください!」と大声であおりまくっていた。街行く“一般”の歩行者は皆、「関わりたくない」とばかりに足早に通り過ぎていった。

 その後、約150人の参加者がシビックセンター地下の広場に集結。警察官からの指示を受け、皆、頭を抱えながらその場にしゃがみ込んでいた。テレビでよく見る“例のポーズ”だが、海外メディアを含む大勢の報道陣に囲まれ、皆無言で訓練が終了するのを待ち続けていた。

 終了後、「私は戦時中、本物の空襲を体験した」という87歳の男性参加者は「本当に北朝鮮から核・ミサイルが飛んできたら、隠れる場所なんかないですよ」と漏らしていた。元陸自レンジャー隊員の井筒高雄氏はこう言う。

「今回の訓練は、全く論評に値するものではありません。公共施設にシェルターも造らず『逃げろ』というのは無理がありますし、ミサイルが着弾すれば大きな衝撃波が発生し、しゃがんで頭を抱えるだけでは被害を防ぐことはできません。意味のない訓練より、日本は外交努力で危機を未然に防ぐべきです」

 そもそも、もし安倍首相が本気で北朝鮮のミサイルを懸念しているのなら、避難訓練は原発の近くでやるべきだ。北朝鮮に真っ先に狙われるのは原発だからだ。ミサイルを撃ち込まれれば、重大な事故が起きるのは明らかだ。なぜ、日本中の原発の近くで訓練しないのか。

 何より、北のミサイルより、米軍ヘリが落ちてくる恐れの方が強いのではないか。米軍基地が集中する沖縄では小学校の校庭に米軍ヘリの窓枠が落下し、たびたび市街地周辺に不時着している状況だ。避難訓練をやるなら、沖縄の基地周辺が先である。

 安倍政権がわざわざ人通りが多い街中で訓練を実施したのは、「危機が迫っている」と“世論喚起”するのが目的だ。国民は騙されてはいけない。

【出典】2018年1月24日 日刊ゲンダイ
【出典】2018年1月24日 日刊ゲンダイ

【母校の恥】
安倍総理の母校 成蹊大学から抗議声明

【母校の恥】 安倍総理の母校成蹊(せいけい)大学から抗議声明!
知ってますか? 就活で母校の名前を答える と「ああ、安倍晋三のね」と冷笑されることを


1977年度成蹊大学法学部政治学科卒業生、安倍晋三さん


 私たち成蹊大学後輩一同は、あなたの安全保障関連法案における、学問を愚弄し、民主主義を否定する態度に怒りを覚え、また政治学を学んだとはにわかに信じがたい無知さに同窓生として恥ずかしさを禁じえません。

 日本国憲法に、集団的自衛権の行使を基礎づける条文が存在しないことを、私たちは成蹊大学で学んでいます。
 憲法を、時の総理大臣が自らを責任者と称し解釈で改憲することは、法の支配に反する行為であると、私たちは成蹊大学で学んでいます。
 日本国憲法は、アメリカによって押し付けられた恥ずかしいものなどではなく、日本国民が自ら選び取り70年間維持してきたものだと、私たちは成蹊大学で学んでいます。
 そして、私たち成蹊大学生は、憲法学を机上の空論などと考え学者の意見を軽視することなどはせず、学問が蓄積してきた知識を大切にしています。

あなたは、本当に成蹊大学で学ばれたのでしょうか。
 知っていますか。就職活動の際、自己紹介で母校の名前を答えると「ああ、安倍晋三のね」と冷笑されることを。その冷笑に含まれている意味を考えてみてください。
 安倍晋三さん、あなたは成蹊大学の誇りなどではなく、ただその無知で不遜な振る舞いによって、私たちの大学の名誉と伝統に泥を塗っているのです。

 私たち成蹊大学生は、先輩・安倍晋三さんの立憲主義を否定する態度に反対し、安全保障関連法案の廃案を求めます。

平成27年9月13日 発起人・成蹊大学法学部政治学科4年 秋山直斗
出典:AJAA 安倍晋三に反対する成蹊大学後輩による抗議声明 on Strikingly


安全保障関連法に反対する 成蹊からのアピール


安全保障関連法の撤廃を求め、 憲法改定に反対する成蹊学園有志の声明
呼びかけ人代表 成蹊大学名誉教授 加藤 節

 日本国憲法施行70周年を経た現在、現憲法はこれまでにない危機に直面しています。現憲法は、改憲派が、憲法9条を最終的な標的とする憲法改定のための国会発議と国民投票との実施を政治日程に上げる準備に着手する状況のただなかに置かれているからです。その意味で、現在のこの国は、憲法に体現されてきた戦後体制の理念、特に、「国権の発動」としての「戦争」を放棄し、そのために「戦力」の保持を否定する平和主義の理念を維持するのか、それを捨てるのかの大きな分水嶺に立っているといわなければなりません。

 私たちは、二年前、安全保障関連法の制定が政治的争点になったとき、成蹊学園有志の会を組織して、それに反対する運動を展開いたしました。それは、ともに現政権による憲法の蔑視に関連する二つの理由からでした。一つは、集団的自衛権を容認する安全保障関連法そのものがあきらかに憲法9条に違反するものであることであり、もう一つは、行政府の閣議決定によって集団的自衛権を合憲化した手続きが憲法の定める立憲主義に違背するということでした。

 現政権、特に自民党が自主憲法制定の名の下に現憲法の全面的な改定をめざしている事実が示すように、こうした現憲法蔑視の姿勢や風潮はいよいよ強まってきています。しかも、天皇を元首とし、国軍を持ち、国民の権利よりも義務を重視する条項を盛った自民党の憲法草案が示すように、改憲派は、この国を、悲惨な戦争へと行き着いて崩壊した戦前・戦中の体制へと復古させることを意図していると言わなければなりません。

 私どもは、国民主権、基本的人権の保障、平和主義を柱とする現憲法と、それに支えられた戦後体制とを大切に考える者として、また、次代をになう若い世代を再び戦場へと送らないことを義務として負う学園に関係する者として、戦前・戦中への復古をめざす憲法改定の動きを認めることはできません。多くの心ある方々が、安全保障関連法の撤廃を求め、憲法9条を最終的な標的とする憲法改定に反対する私どもの運動の輪に加わって下さるよう切に希望いたします。

                           2018年1月1日
 賛同者の皆様へ ご賛同への御礼

偽りだった“拉致の安倍”  横田早紀江さんの手紙を2年無視
なぜ返事しない(C)日刊ゲンダイ

偽りだった“拉致の安倍” 横田早紀江さんの手紙を2年無視 日刊ゲンダイ 2017年12月12日
  11日、「希望の党」の松原仁氏と中山恭子氏の2人が、安倍首相に拉致被害者救出に向けた申し入れを行った。2人は拉致問題担当相経験者だ。安倍首相は「協力してやっていきたい」と返したが、関係者からは「ふざけるな」と怒りの声が噴出している。横田早紀江さん(81)が、安倍首相に出した手紙を、2年以上無視していることが発覚したからだ。
 安倍首相が早紀江さんからの手紙を無視していることは、拉致問題に取り組んでいる有田芳生参院議員のツイッターで明らかになった。12月2日のツイッターにこう書いた。
<早紀江さんが思いを綴った手紙を安倍首相に書いても梨のつぶてです>

 早紀江さんは、やむにやまれぬ気持ちで安倍首相に手紙を書いたはずだ。なのに、安倍首相は「拉致の安倍」を自称しながら返事も出していないという。有田議員は早紀江さんが可哀想になりツイッターに手紙の件を投稿したようだ。改めて有田議員に聞いた。
「手紙の詳細は分かりませんが、早紀江さんは2年以上前に、長文の手紙を安倍首相に出しています。でもこれまで返事や電話はありません。家族会との面会などで早紀江さんと顔を合わせても、手紙の件は何も言わないそうです。完全無視です。安倍首相は、全力でやると言って何もやらないのだから、詐欺ですよ」

■「乗り込んででも解決すべき問題」
 安倍首相が全く動かない状況にシビレを切らしたのだろう、最近、早紀江さんは政府の姿勢に疑問を投げかけるようになった。

 めぐみさんが拉致されてちょうど40年の11月15日の会見で、解決の糸口が見いだせない政府について「信じていてよかったのかという思いを、家族会だけでなく国民も持っていると思う」と語り、3日後の新潟市の集会では「金正恩とケンカじゃなく話し合いをして欲しい」と語った。

 さらに、12月7日付の神奈川新聞のインタビューでは「政府の本気度が見えないことが北朝鮮には伝わる。本来なら首相が乗り込んででも解決すべき問題なのに。
 北朝鮮に行けと言われたら、最後の力を振り絞ってでも行きたい」と、苦しい胸の内を明かした。

 有田議員が続ける。
「早紀江さんはお願いする立場だと心得ているようで、安倍首相に直接要求することは控えてきました。でも最近の一連の発言は、もう待てないということなのでしょう。早紀江さんは今年も『安倍さんに長い手紙を出そうと思う』と親しい人に語っていたそうです」
 早紀江さんは、神奈川新聞のインタビューで「今年中に明かりが見えてほしい」と言っている。安倍首相は早紀江さんに電話の一本でも入れるべきではないか。完全無視とは冷たすぎる。

 今月21日に開かれる衆参両院の拉致問題閉会中審査は、早紀江さんも出席する。もうゴマカシは許されない。


【出典】日刊ゲンダイ 2017年12月12日

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蓮池透氏が安倍首相の国会答弁に反論 元家族会・蓮池透氏インタビュー(前編)
LITERA 2016.01.13
『拉致被害者たちを見殺した安倍晋三と冷血な面々』(講談社)を上梓した蓮池透氏

 蓮池透氏が安倍首相の“逆ギレ”国会答弁に堂々反論! 「安倍さんは議員バッジより先にブルーリボンを外すべきだ」

 「私が申し上げていることが真実であることはバッジをかけて申し上げます。私の言っていることが違っていたら、私は辞めますよ。国会議員を辞めますよ」
 1月12日の衆院予算委員会で、「北朝鮮による拉致被害者家族連絡会」(家族会)元副代表の蓮池透氏の著書について問われた安倍晋三首相は、こう声を荒らげた。

 蓮池氏の著書とは先月発売されたばかりの『拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々』(講談社)。同書では、安倍首相のついたいくつもの嘘が明らかにされ、「首相は拉致問題を政治利用した」と主張されていることから、民主党の緒方林太郎議員が安倍首相に「拉致問題を利用したのか」とこの問題をぶつけたのだ。

 すると、安倍首相は「議論する気すら起きない。そういう質問をすること自体、この問題を政治利用している」と逆ギレしつつ、「利用したこともウソをついたこともない」と反論、さらに緒方議員が「では蓮池さんがウソを言っているのか」と畳み掛けると、冒頭のように、議員辞職まで口にしたのである。

 この安倍首相の逆ギレ答弁について、当の蓮池氏はどう考えているのか。本サイトは13日に緊急インタビューを行った。

――昨日、予算委員会で蓮池さんの著書が取り上げられ、安倍首相がバッジをかけてそんなことはない、と反発していましたが。

蓮池 安倍さんが「バッジをかけて」って言った瞬間、議員バッジではなく、拉致問題の象徴でもあるブルーリボン・バッジのほうを外すのではと思ったほどでした。それくらい安倍首相の拉致問題への姿勢には失望しているし、彼は議員を辞めるつもりなんかないと思ったのです。
 私が『拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々』(以下、『見殺しにした安倍首相』)に書いた内容はこれまで自分で体験し見聞きしてきたことです。Twitterにも書きましたが決してウソなど書いていません。
 それにしても、一国の最高権力者である総理大臣がですよ、私のような一介の市民が書いた本で批判されたからといって、本気で対決姿勢を示すというのはいかがなものかと思いました。最後にはキレ気味でしたからね。そうではなくさらりと流したほうが総理としての器を示せたのではないかと思います。


──とくに「政治利用した」「拉致問題でのし上がった」という言葉に安倍首相は反応していました。

蓮池 安倍さんが、拉致問題で総理大臣になったのは事実です。そして総理に返り咲いてからもまだ拉致問題を利用している。私は決して安倍さんを批判するために本を書いたのではありません。拉致問題の恩恵を受けて総理になったのであれば、恩返しという意味でも拉致問題の解決に向けきちんとやってください、そういう思いを込めたつもりです。しかし今回の発言を聞くと本当に残念です。
 2002年の小泉訪朝から13年もの長い時間が経っているのに何も変わらない。だから一石を投じるつもりでこの本を書いたのです。弟家族が帰国できたのだから黙っていたほうが楽だろうとも言われます。しかし、こんな状態で黙っていることはできない。弟はまだ帰ってこない被害者の人々のことが頭にこびりついているんです。肉体的には解放されたけど、精神的にはまったく解放されていないんです。心身ともに自由に暮らせるようなってもらいたい。そんな思いもあって私は声をあげている。だから“批判のための批判”みたいに捉えられるとすごく嫌ですね。


──安倍首相は、国会答弁で蓮池さんの本について「家族会の中からも、実はその本に対して強い批判があるということもご紹介させていただきたい」と主張していました。他家族のことを持ち出し、伝聞という形で蓮池さんを批判しています。

蓮池 私のところには家族会からの“強い批判”は直接きたことはありません。ネット上では、この本を出したことで「これでお前も終わりだ」「身辺に気をつけろ」などと書かれましたが。

──薫さんら5人が帰国した際、日朝政府間は「一時帰国」とし北朝鮮に戻すという約束をしていました。しかし当時、官房副長官だった安倍氏が「日本に残すべきだ」と判断して小泉首相の了解をとりつけたと言います。昨日の委員会でも関係者を集めて「最終的に私は返さないとの判断をした」と、蓮池さんの本の内容とは真逆の答弁をしています。

蓮池 安倍さんには、あなたがいつ説得などしたのか? と訊きたくなりましたよ。本にも書きましたが、弟を説得したのは私であって、安倍さんじゃない。実際に電話のひとつもなかったんですから。当時、政府は5人のスケジュールをびっちりと埋めて作っていましたし、「一時帰国」を変更不可能なものとして進めていたのです。家族たちの間では「帰りのチャーター便はどうするのか?」と、北朝鮮に戻すことを前提に具体的な話し合いまでもたれていたのです。

 また、政府はこうも言っていました。「今回は一時帰国だけど、次回は子どもも含めて全員が帰ってきますよ」と。安倍さんも一貫して、5人を北朝鮮に戻すことを既定路線として主張していた。でも、弟と話し合うなかで「ああ、これは2回目などないな」と確信を持ったのです。だから必死で止めた。

──被害者の方々が日本に留まるという決意を伝えたとき政府は慌てていましたか?

蓮池 慌てていたというより「そうですか」って感じでしたね。ようするに、弟たちの日本に留まるという強い意志が覆らないのを見て、しぶしぶ方針を変えただけなんですよ。にもかかわらず、安倍さんは相変わらず「決断したのは自分だ」というようなことを言う。大人の答弁だとは思えないですね。
 また、小泉訪朝時、安倍さんは「『拉致問題で金正日から謝罪と経緯の報告がなければ共同宣言に調印せずに席を立つべき』と自分が進言した」と言っていますが、でも、それは安倍さんが突出して言っていたことではない。(当時、アジア大洋州局長として会談に同行した外務省の)田中均さんがその後のインタビューなどで答えているように、それは訪朝したメンバー全員の共通認識だったんです。それを自分だけの手柄のように吹聴したわけでしょう、安倍さんは。


──著書では、最近の安倍首相による拉致問題の“政治利用”について、蓮池さんのご両親の選挙応援の事例が記されています。これに対し、昨日、安倍首相は「政治利用はしていない」としながらも完全にはぐらかしていましたが。

蓮池 両親が選挙に駆り出されたのは事実です。2014年の衆院選で、新潟二区で立候補した自民公認の細田健一候補の地元・柏崎に安倍首相が応援演説に駆けつけた。そこに講演会にまず弟が招かれたんですが、多忙を理由に断ると、今度は両親が駆り出された。
「ここに蓮池薫さんのご両親も来てくださっています!」なんて演説で言われて。警察を動員して両親の道案内までしていた。弟が帰って何年も経って、なぜ両親が出て行かないといけないのか。これが政治利用じゃなければ何なんですか。一方では刈羽原発再稼働の問題がある柏崎で、原発のゲの字も言わない。母は「結局、安倍さんのダシに使われたね」って言っていましたが、この期におよんでまだやるか……と思いましたよ。
 ただ、国会でこの話題が出たときに本当に残念だと思ったのが、緒方議員が安倍さんから当事者の話をまったく聞いていない、と切り返されたことです。実際、緒方議員から私に事前に何の連絡もありませんでした。本を読んだだけだから、本人に確認したと言えない。だから、安倍さんに「本の引用だけじゃないですか」と言われる隙を作った。なぜ電話の1本でもくれなかったのか。

 繰り返しますが、そもそも私は安倍さんを単に批判するために本を書いたのではない。膠着した拉致問題に向け政府がきちんと動いてほしいだけですから。
 もうひとつ。本を書いた理由に拉致被害者支援法の実態があまりに世間の認識と乖離していることでした。この法律の草案の段階で、私は自民党本部で安倍さんや中山(恭子・拉致被害者家族担当内閣官房参与【当時】)さんなどから支援法の草案を見せてもらったことがあった。

 そこでまず驚いたのは、そこに「慰謝」と書いてあったことです。「え? 月額13万で『慰謝』って?」と思いました。正確にいうと夫婦で24万ですから、割ると12万、そして子どもひとりにつき3万円です。しかも、働いて収入が発生したら減額です。24年のブランクがあり学歴もキャリアも中断され、いきなり日本に帰ってきて政府はこれだけで自立しろと言う。北朝鮮に強制的に拉致され、24年も放置されてこれは酷すぎるんじゃないのか。

 草案の段階で「慰謝」は削除してもらったのですが、同時に金額が低すぎると訴えました。すると法案作成にかかわった自民党議員から「野党が金額が低いと吊り上げるから大丈夫」と説明されたのです。しかし結果は逆。野党は13万円は高すぎると主張し、その金額のままになってしまった。

 その際、私は安倍さんに言いました。「国の不作為ですから賠償請求で国を訴えますよ」と。すると、安倍さんは薄ら笑いを浮かべてこう言ったんです。「蓮池さんね、国の不作為を立証するのは大変だよ」って。この言葉は今でも本当に忘れることができません。


…………………………………………………………
 安倍首相の逆ギレ答弁とは対照的に、蓮池氏は終始冷静に、しかし、具体的な根拠をひとつひとつあげながら、安倍首相の答弁をくつがえしていった。
 両者の言い分を読み比べてみたら、どちらが嘘をついているかは、明らかだろう。
 だが、蓮池氏の話はこれで終わりではない。北朝鮮の水爆実験、この間の交渉の問題点、さらには家族会の政治利用などについても、言及していた。
 その内容については、後編をぜひ読んでいただきたい。
(編集部)

蓮池透氏が安倍首相の国会答弁に反論 元家族会・蓮池透氏インタビュー(後編)
LITERA 2016.01.14
拉致問題のみならず、安保・原発・沖縄・報道圧力など、他の政策に関しても安倍政権に疑問を投げかける蓮池透氏

 蓮池透氏がさらに安倍首相の詐術を徹底批判!  「安倍さんはきっと北の核実験を利用し、逃げ道にする」

 昨日、本サイトで掲載した拉致被害者家族・蓮池透氏の安倍首相への反論インタビューは大きな反響を呼んだ。
 安倍首相は1月12日の衆院予算委員会で、蓮池氏の著書『拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々』(講談社)の内容を否定し、「私が言っていることは議員バッジをかけて真実」と大ミエを切ったが、これに対し蓮池氏が真っ向から反論。
 具体例を細かにあげながら、「私が書いていることはすべて本当の話」「安倍さんが拉致問題で嘘をつき、政治利用していたのは事実」と述べたうえで、「安倍さんは議員バッジの前にブルーリボンを外すべき」とまで言い切ったのだ。

 しかも、蓮池氏の話はそれで終わりではなかった。安倍首相へのさらなる不信、北朝鮮の“水爆”実験、この間の政府の交渉のやり方への疑問、さらには言論弾圧まで……。後編はこうした問題についての蓮池氏の発言を紹介したい。

──先日、北朝鮮は水爆の核実験に成功したと公表しました。安倍首相はこれを強く批判し、日本独自の経済制裁復活を検討しています。拉致問題への影響についてどう考えているのか。

蓮池 拉致問題に悪影響しか与えません。しかも、政府はこれを利用しかねない。「核実験を行う北朝鮮はけしからん、暴挙だ」といって、進まない拉致問題の隠れ蓑、言い訳に使う。そういうことだけは本当にやめてほしい。
 でも、現実には「一生懸命やったけど、みなさんご存知の通り北朝鮮はけしからん国だ。しょうがない」と、安倍さんの逃げ道になる可能性は高いんじゃないでしょうか。
 そもそも安倍さんは拉致問題に対し退路を断って対処しているわけじゃないし、どれほどの決意や熱意があるのか、疑問です。勇ましい言葉にしても国内向けにすぎない。だいたい、ひたすら圧力をかける、経済制裁をすると言っても、それが通用しないというのはもう歴史的にわかっている。ちょっと学習してほしいです。
 6者協議にしても、私は、核と拉致を同列に扱ったらうまくいかないと思っています。ですから日朝独自外交を国交正常化交渉とセットでやる。もちろんアメリカからの横槍が入るでしょうが、もし安倍さんが本気なら、そこまでしてくれないと。まあ、アメリカべったりの安倍さんには無理だとは思いますが。

 実は拉致解決に関して、私は今年前半が勝負だと思っていたんです。なぜかと言えば、5月に北朝鮮労働党の党大会がある。そこで今後の政策や人事を決めるわけですから、変な決議や決定がなされたら拉致問題にも大きな影響がでてくる。たとえば北朝鮮が日本とつきあっても何の利益もないといって、対日政策はあくまで強硬でいくと決定すれば、拉致問題も動かなくなってしまう。少なくとも党大会以降もこの運動を続けられるよう、5月までに布石を打っておかないと。そう思っていたところに核実験ですからね。


──核実験にしても、結局は安倍首相に有利に働いた部分があります。北朝鮮は何をするかわからない。だから安保法制は必要だし、憲法改正もしかり、と。拉致問題にしても引き延ばすことが安倍政権の利益になるのではないのかと思えるほどです。

蓮池 北の脅威を煽っていたほうが安倍政権の思い通りにいくのは確かでしょう。やっぱり北は危ないからちゃんとした軍備が必要だ、と。でも集団的自衛権があっても自衛隊が北朝鮮に行くなんて考えられない。ですから私から言わせれば、制裁を強化した段階で、拉致問題は断念したことと同じなんです。圧力をかければ向こうも反発して、今までのパイプが切れてしまう可能性だってありますからね。

──かつては強硬派として知られた蓮池さんが、こうして安倍首相への不信感を持ち、考え方が変わったのはいつからなのでしょう。

蓮池 小泉訪朝前、たしかに私たち被害者家族は誰も頼る人がいなくて孤立した存在でした。そんななか、秘書時代の安倍さんは私たちにやさしかった。救う会にしてもそうですが、彼らの言うことを私たちは鵜呑みにしてすがるしかなかった。第一次安倍政権のときには、何かあると家族会のメンバーを食事に招待してくれて。でも、その場でなぐさめてくれるだけなんです。

「がんばります」「全力を尽くす」「あらゆる手段を講じる」という常套句だけで、具体的なものはなかった。外交問題は政治家にとってすごく便利なものです。「やっている」と言いながら、「では具体的に何をやっているのか?」と聞くと、それは外交機密だっていう逃げ道がある。安倍さんもまさにそう。本当に戦略というのがあるのか、当初から疑問でした。

 2014年のストックホルム合意についても、非常に安易な合意でした。お互いのゴールが一致していない。非常に広範な問題を一括しているし、最初からこれは難しいなと思っていました。安倍さんが拉致問題最優先って言っているわりに、北朝鮮側のプライオリティは非常に低い。あの時の戦略といったら、独自制裁の一部解除だけ。それで帰ってくるわけがない。しかも北からの報告がなし崩し的に遅れて、現在でもなしのつぶてです。こうした事態を日本側はきちんと検討したのか。家族からしてみれば半年、1年は死ぬほど長い時間です。しかも安倍さんからは何の説明もない。誰が責任を持ってやっているのかさえわからないのです。交渉しているかもわからない。
 これまでも安倍さんが言ってきた「毅然とした」姿勢というのは、決して北朝鮮に向けたものではなく、国内向けでしょう。強硬姿勢はウケがいいですからね。遠い対岸に向かってひたすら吠えているようなもので、それは対岸に届かないことをわかってやっている。
 しかも、そうした指摘を大手マスコミも書かない。安倍さんの意向を忖度している、言論統制に近いようなものを感じます。


──やはり蓮池さんも安倍政権の言論に対する姿勢に疑問を持っているということですね。

蓮池 今回の本を出した時にもそれは感じました。朝日新聞の取材を受けたとき、「ちょっとこのタイトル……う〜ん」と言われてしまって。他でもいくつかの媒体で同じような反応があったと聞いています。テレビでも本の表紙をあえて映さなかったり。安倍批判はダメだし、安倍批判をするとすぐに「反日」ですからね。書店だって隅っこに置かれていて。すごく嫌な国になった、そう感じました。でも今、拉致問題に関してはここまで過激なタイトルをつけないと誰も見向きもしないのが現実なのです。
 政府はあまりにも無策で、時間だけが過ぎていっているのに、マスコミはタブーが多すぎる。また、家族会のことも聖域化しちゃって、今でも都合の悪い話はほとんど書かない。だから洗いざらいぶちまけようと思ったんです。世間の関心も低下し、世代交代も感じています。拉致問題をリアルタイムで知らない世代が増えている。そんな危機感もあります。


──たしかに、すでに東日本大震災や福島原発事故でさえ風化が危惧されていますから、拉致問題は尚更です。

蓮池 今、すごく感じるのは、震災で被害を受けた方々、原発で避難されている方々、あるいは沖縄の基地の問題などいわゆる被害者の人たちの民意を、政権はまったく汲まないということです。多くの被害者がいて反対もあるのに、原発を再稼働し基地を強引に移設しようとする。そういう意味では拉致問題も同じです。自国民をほったらかしなんです。
 そうした意味でも拉致問題に関して志を同じにする人たちで、本当の意味で拉致問題を解決するグループを作ろうと、昨年から少し動き出していました。家族会や救う会ではなく、マスコミOBや大学の名誉教授、与野党問わず国会議員など本気で思ってくれる人が集まって。しかし、それも北の核実験があり水を差されてしまった状態です。
 拉致問題の解決。言葉で言うのは簡単です。しかしそのためにも拉致問題の解決とは何か、どういう状態になれば全面解決なのか、その定義を安倍さんと政府ははっきり示して欲しい。そうでなければ何ら進歩のないまま、拉致問題がまたずるずると時を重ねるだけでしょう。

…………………………………………………………
 蓮池氏の話はまさに、安倍首相のやり口の本質を突くものだった。実体のない勇ましいスローガンを声高に叫ぶだけで、実際は国民の生命や安全などつゆほども考えていない──。
 しかし、おそらく安倍首相はこれからも「拉致問題解決が最重要課題」などといって、この問題を徹底的に政治利用していくだろう。
 日本国民がこの詐術に気がつき、政府が国内右派向けの人気取りでない、リアルで戦略的な拉致問題解決に動き出す日ははたしてやってくるのだろうか。
(編集部)


【出典】日刊ゲンダイ 2017年11月17日
 「安倍さんは嘘つき」元家族会の蓮池透氏が拉致問題で 安倍首相がついた真っ赤な嘘と政治利用の手口を全暴露 「安倍さんは嘘つき」元家族会の蓮池透氏が拉致問題で安倍首相がついた真っ赤な嘘と政治利用の手口を全暴露
「安倍さんは嘘つき」元家族会の蓮池透氏が拉致問題で 安倍首相がついた真っ赤な嘘と政治利用の手口を全暴露 安倍さんは薄ら笑いで私に…元家族会・蓮池透氏が著書でも徹底批判! 安倍首相の拉致問題政治利用と冷血ぶり
「安倍さんは嘘つき」元家族会の蓮池透氏が拉致問題で 安倍首相がついた真っ赤な嘘と政治利用の手口を全暴露 「安倍さんは拉致被害者に北朝鮮に戻れと言った」身内の自民党ヤジ議員がポロリ! 安倍は「議員バッジかける」と否定してたのに
【出典】LITERA

国連が安倍政権によるメディア圧力に是正勧告へ!
首相官邸HPより

国連が、安倍政権によるメディア圧力に是正勧告へ! 人権理事会で日本の「報道の自由」が侵害されていると懸念の声続出 LITERA 2017.11.16
 安倍政権によるメディアへの報道圧力が、国際社会で大きな問題になった。国連の人権理事会が14日、日本の人権状況を審査する作業部会を約5年ぶりに開催したのだが、そこで各国から「報道の自由」に対する強い懸念の声が続出したのだ。

 本サイトでお伝えしてきたとおり、第二次安倍政権以降、官邸はテレビなどのマスコミを常時監視しており、報道に対する圧力は日々苛烈を極めている。今年5月には昨年来日調査を行った国連人権理の特別報告者のデービッド・ケイ氏が報告書(未編集版)を公表し、そのなかで安倍政権による報道圧力とメディアの萎縮について是正を勧告していた。

 そして、今回の国連の対日人権審査では、たとえばブラジルやベラルーシ代表が特定秘密保護法による「報道の自由」の侵害に懸念を示し、アメリカ代表などはさらに踏み込んで、日本の「放送局をめぐる法的規制の枠組み」を問題視。政府による電波停止の根拠となっている放送法4条の改正と、独立した第三者監督機関の設立を求めたのである。人権理による最終的な勧告は来年に行われるが、そこに日本の「報道の自由」の現状を憂慮する文言が組み込まれる可能性は極めて高いと見られる。

 各国からこうした指摘を受けた日本政府代表は、「政府が不当に圧力をかけた事実はない。日本は表現の自由が最大限認められている」と強弁しているが、まったく反論にすらなっていない戯言だ。というのも、具体的な政権による報道圧力の数々については本サイトの過去記事をご覧いただくとして、今回の対日審査のなかで特筆すべきなのは、政府による放送法4条を使ったメディア規制の枠組みが批判され、改正を促されたことだからだ。

 そもそも放送法は、第一条で「目的」として〈放送による表現の自由を確保すること〉や〈放送が健全な民主主義の発達に資するようにすること〉を明記しているが、当然、これらは憲法21条でいう〈一切の表現の自由〉の保障に含まれており、その保障主体が公権力であることに疑う余地はない(『BPOと放送の自由』所収の論文・小町谷育子「番組編集準則と放送の自由」/日本評論社)。

 すなわち、放送法の理念は公権力による介入を阻止して「報道の自由」を確保することにあるのだが、一方で、問題の第4条は〈放送事業者は、国内放送及び内外放送の放送番組の編集に当たっては、次の各号の定めるところによらなければならない〉として番組編集準則を記している。そして、安倍政権とその応援団はこれを拡大解釈することで、放送局に対する規制の正当化と批判的報道への恫喝に悪用してきたのだ。

国連人権理事会

■ 安倍首相の最側近・萩生田光一は、放送法の解釈をねじ曲げ   テレビ局に圧力文書を送りつけた

 放送法4条が示す放送準則は、〈公安及び善良な風俗を害しないこと〉〈政治的に公平であること〉〈報道は事実をまげないですること〉〈意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること〉の4つ。これらは従来、罰則を科すべきではない倫理規定と解されてきた。

 繰り返すが、憲法による〈一切の表現の自由〉の保障を目的とする法律なのだから当然である。メディア法の権威である清水英夫・青山学院大学名誉教授(故人)も、著書『表現の自由と第三者機関』(小学館新書)でこう解説している。
〈そもそも、政治的公平に関するこの規定は、当初は選挙放送に関して定められたものであり、かつNHKに関する規定であった。それが、「番組準則」のなかに盛り込まれ、民放の出現後も、ほとんど議論もなく番組の一般原則となったものであり、違憲性の疑いのある規定である。〉

〈かりに規定自身は憲法に違反しないとしても、それを根拠に放送局が処分の対象になるとすれば、違憲の疑いが極めて濃いため、この規定は、あくまで放送局に対する倫理的義務を定めたもの、とするのが通説となっている。〉
 ところが、安倍政権はその解釈を捻じ曲げて、放送局への圧力に利用した。典型的なのが、2014年衆院選の際、萩生田光一・自民党筆頭副幹事長(当時)の名で在京キー局に送りつけられた“圧力文書”だろう。

 改めて確認しておくと、〈選挙時期における報道の公平中立ならびに公正の確保についてのお願い〉と題されたその文書は、〈過去においては、具体名は差し控えますが、あるテレビ局が政権交代実現を画策して偏向報道を行い、それを事実と認めて誇り、大きな社会問題となった事例もあったところです〉と1993年の椿事件を想起させたうえで、具体的にこんな要求項目を並べていた。

〈・出演者の発言回数及び時間等については公平を期していただきたいこと
 ・ゲスト出演者の選定についても公平中立、公正を期していただきたいこと
 ・テーマについて特定の立場から特定政党出演者への意見の集中がないよう、公平中  立、公正を期していただきたいこと
 ・街角インタビュー、資料映像等で一方的な意見に偏る、あるいは特定の政治的立場が強調されることのないよう、公平中立、公正を期していただきたいこと〉

 前述の放送法4条における放送準則の言い換えなのは明らかだが、この“圧力文書”の背景には、安倍首相が『NEWS23』(TBS)に出演した際、アベノミクスに批判的な街頭インタビューが放送されたことに激怒したことがきっかけと見られている。ようするに「政治的公平」を盾に放送法を曲解した違反罰則をチラつかせることで、番組内容に介入しようとしたのである。


■ 「報ステ」古舘、「NEWS23」岸井、「クロ現」国谷、   3人の報道番組キャスターが一斉降板する異常事態

 さらに露骨なのは、『報道ステーション』(テレビ朝日)の古賀茂明氏降板事件だ。2015年、IS人質事件に関してレギュラーコメンテーターだった古賀氏は安倍首相が「『イスラム国』と戦う周辺国に2億ドル出します」と宣戦布告とも取られかねない発言を行ったことを批判。さらに「“私はシャルリー”っていうプラカードを持ってフランス人が行進しましたけど、まぁ私だったら“I am not ABE”(私は安倍じゃない)というプラカードを掲げて、『日本人は違いますよ』ということを、しっかり言っていく必要があるんじゃないかと思いましたね」と発言した。

 この発言に激怒した菅義偉官房長官が番記者とのオフレコ懇談で「本当に頭にきた。俺なら放送法に違反してるって言ってやるところだけど」などと述べたことがオフ懇メモから明らかになっている。

 オフ懇だけではない。番組放送中から菅官房長官の秘書官が番組編集長に電話をかけまくり、先方が出なかったため「古賀は万死に値する」などといった文言のショートメールで猛抗議している。古賀氏が著書『日本中枢の狂謀』(講談社)で明かしたところによれば、この秘書官は“官邸御用ジャーナリスト”山口敬之氏のレイプ問題で逮捕直前に取りやめの決裁をした警察官僚・中村格氏だという。これらの圧力が決定打となり、古賀氏は2015年3月の放送を最後に降板に追い込まれた。

 つまるところ、第二次安倍政権では、政権に批判的な報道等に対して官邸スタッフが直接メディアの担当幹部にクレームの電話を入れると同時に、記者とのオフ懇で「放送法違反」を持ち出すことで、多角的に圧力をかけてきたのである。そして、その官邸の動きに同調するように、15年秋には民間の報道圧力団体「放送法遵守を求める視聴者の会」が発足。当時の『NEWS23』アンカー・岸井成格氏の発言を「放送法4条違反」として糾弾する新聞意見広告を打ち、結果的に岸井氏は翌年に番組を降板した。

 そして決定的だったのが、昨年2月の高市早苗総務相(当時)による「電波停止」発言だ。周知の通り、岸井氏の降板と同じ時期、『報道ステーション』の古舘伊知郎氏、『クローズアップ現代』(NHK)の国谷裕子氏という夜の報道番組の看板キャスターが相次いで降板したわけだが、そうしたタイミングで放送を管轄する総務大臣の口から飛び出した「電波停止」発言は、複数の有力海外紙からも批判的に報じられるなど、大問題になった。

 いい機会なので、ちゃんとおさらいしておこう。いわゆる高市「電波停止」発言とは、16年2月8日の衆院予算員会で、民主党(当時)の奥野総一郎議員が、放送法や電波法による業務停止の規定を放送法4条違反に使わないという確認を求めたのに対し、高市総務相が「違反した場合には罰則規定も用意されていることによって実効性を担保すると考えておりますので、全く将来にわたってそれがあり得ないということは断言できません」と答弁したことに端を発する一連の問題だ。


■ 高市「電波停止」発言を、池上彰は「欧米の民主主義国なら、   政権がひっくり返ってしまいかねない」と批判

 この答弁に対し、奥野議員は「放送法4条は昔から法規範性のない努力義務だとずっと言われてきて、だから行政指導も行われてこなかった」「この解釈の変更は非常に報道の萎縮を生むと思う。ぜひ撤回していただきたい」と追及したのだが、その上で高市総務相は「撤回はいたしません」と断言。さらにその4日後には、“政治的に公平かどうかは放送局の番組全体で判断される”という従来解釈を変更する「一つ一つの番組を見て、全体を判断することは当然」との政府統一見解が発表されたのである。

 こうした一連の安倍政権の動きは、さすがに国内でもジャーナリストたちが反論した。たとえば池上彰氏は、朝日新聞の連載コラムで〈国が放送局に電波停止を命じることができる。まるで中国政府がやるようなことを平然と言ってのける大臣がいる。驚くべきことです。欧米の民主主義国なら、政権がひっくり返ってしまいかねない発言です〉と痛烈に批判した。

 また同年2月29日には、田原総一朗氏ほかテレビで活躍するジャーナリストたち6名が、高市「電波停止」発言を批判する共同声明を発表し、日本外国特派員協会で会見を行った。そこでは複数テレビ局関係者たちの〈気付けば、街録で政権と同じ考えを話してくれる人を、何時間でもかけて探しまくって放送している。気付けば、政権批判の強い評論家を出演させなくなっている〉など、生々しい現場の実態も代読された。しかし、こうした批判もわずか数カ月で霧消していってしまったことは言うまでもない。

 こうして振り返ると、放送法4条を悪用した公権力による報道圧力は、時を経るごとにますます具体化されていったことがわかる。そして現在、テレビでは安倍政権の代弁者めいた評論家や御用ジャーナリストばかりが重宝され、批判的報道も必ず政権の言い分を同程度垂れ流すなど、放送メディアは完全に腰砕け。政権が何も言わなくとも勝手に忖度し、自主規制に走るという言論統制体制が完成してしまったのだ。

 前述の国連特別報告者・ケイ氏は、報告書のなかで放送法4条について、このように述べている。
〈(放送法4条の編集準則は、)世界標準として倫理的に正しいジャーナリズムの中枢とみなされるべき公正な期待ではある。しかし、政府から独立していない機関は、何が公正で何が公正でないかを決める立場にいるべきではない。(略)一般論として、仮に、いまはまだ報道を妨げていないとしても、このように広い規範を政府が判断するのは、(公権力の)ウォッチ・ドッグ=監視役としての「報道の自由」の抑止を招く。そのように特別報告者として考えている〉
 その意味においても今回、国連人権理で各国から日本の「報道の自由」を懸念する声があがり、放送法4条の改正が提起されたことは、この国の民主主義にとって極めて有意義なことだ。わたしたちは、安倍政権による言論統制に対抗するためにも、報道における「公正」の意味を考え直すべきだろう。
(小杉みすず)

【出典】LITERA 2017.11.16


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国民が知っておくべき憲法基礎知識 護憲派も改憲派も…議論から逃げる「論客」たちの愚
日刊ゲンダイ 2017年11月17日

小林節慶応大名誉教授

1949年生まれ。都立新宿高を経て慶大法学部卒。法学博士、弁護士。
米ハーバード大法科大学院のロ客員研究員などを経て慶大教授。現在は名誉教授。「朝まで生テレビ!」などに出演。憲法、英米法の論客として知られる。
14年の安保関連法制の国会審議の際、衆院憲法調査査会で「集団的自衛権の行使は違憲」と発言し、その後の国民的な反対運動の象徴的存在となる。「白熱講義! 日本国憲法改正」など著書多数。
小林節慶応大名誉教授

 かつて新進党という大政党が存在していた時に、改憲派と護憲派の両派の学者を招いて全党的な討論のきっかけにしようという企画があった。私は改憲派として指名され応諾した。同党の憲法調査会長は、次に、護憲派の代表として某有名大学の教授(当時)に参加要請に行ったところ、その教授は、同席者が私だと知った途端に、「私は意見の違う人とは同席しません」と断ったとのことである。その大学出身の代議士が興奮気味で私に報告してくれた。

 昨年、ある新聞社が発行する週刊誌で護憲派対改憲派の対談が企画され、私と改憲派の高名な評論家が指名され、まずは両名とも応諾した。ところが、対談前日に編集者から電話があり、「お相手から電話があり、『小林の書いたものを集めて読んだが、とうてい承服できないから対談はお断りする』と言われた」と知らされた。

 どちらも言論人として失格である。つまり、人間は本来的に不完全であるし、社会的事象もさまざまで複雑である。だからこそ、自由に論じ合うことで共通のより良い解答を発見できるはずである。これが表現の自由の機能・価値である。教授も評論家も、率先してその社会的役割を担っている者ではないか。
 ところが、今でも両派は仲間内で会合を開き、反論の存在しない場所で一方的な自説のみを熱く語り合いうなずき合っている。これではまるでそれぞれに「異教徒」の集団である。

 護憲派は、北朝鮮と中国の軍事的脅威に対しては単純に「平和外交こそが大切だ」などと(実体を示せない)空想的で無責任なことを言い合っている。他方、改憲派は「わが国には、日本国憲法を超える不文の国体としての憲法がある」などと、世界では絶対に通用しない非常識を真顔で語り合っている。

 このままでは、改憲国民投票の前に不可欠な国民的討論は事実上成立しないことになりかねない。

 だから、両派は、意見の異なる相手とこそ冷静に議論を噛み合わせる場を多く設けるべきである。その点で、「公平」と称して議論を不鮮明にしてしまうマスコミの罪は重い。

【出典】日刊ゲンダイ 2017年11月17日


役立たず「Jアラート」を使ったのは 北朝鮮危機を煽りたい安倍政権のパフォーマンスだった!
Kim Jong Un Guides Strategic Ballistic Rocket Launching Drill
of KPA Strategic Force

役立たず「Jアラート」を使ったのは北朝鮮危機を煽りたい 安倍政権のパフォーマンスだった! LITERA 2017.08.29
  本日8月29日早朝の北朝鮮による弾道ミサイル発射は、日本の国民にかつてない恐怖感を与えた。何しろ、早朝から、全国瞬時警報システム「Jアラート」と緊急情報ネットワークシステム「エムネット」が発動したのだ。

 北海道や東北、北陸、北関東地方の広範囲で警報が鳴り、新幹線や在来線なども運転を停止。Jアラートを受けたNHKや民放各局も「国民の保護に関する情報」の速報を打った。黒塗りの画面の白抜き文字とともに、「ミサイル発射。ミサイル発射。北朝鮮からミサイルが発射された模様です。頑丈な建物や地下に避難して下さい」なる無機質なアナウンスを聞いて、一瞬、パニックに近い状態なった人も少なくなかったはずだ。

 官邸の姿勢も緊迫感に拍車をかけた。安倍首相は官邸に到着したときの会見で「我が国に北朝鮮がミサイルを発射し」などと発言。そのあとの会見でも「わが国を飛び越えるミサイル発射という暴挙はこれまでにない深刻かつ重大な脅威」と記者団に語った。

 こうした官邸の姿勢にひきずられるように、テレビ局も朝から報道特番体制をしいて、この問題を大々的に報道。「これまでにない脅威」「日本にとって非常に深刻な事態」と首相そっくりのコメントを垂れ流した。

 もちろん、北朝鮮が事前通告もなく日本の上空にミサイル発射したことは、国際法違反のみならず、国際社会で大きくなっていた対話の動きをひっくり返すものであり、徹底的に批判する必要がある。

 しかし、同時にこの日本の騒ぎ方、危機の煽り方にも違和感をおぼえざるをえない。象徴的なのが、首相のコメントだ。上空を通過したミサイルを「我が国に発射」というのは明らかに言い過ぎだし、「かつてない脅威」というのも事実ではない。

 そもそも北朝鮮は日本全域を射程にしたミサイルを10年以上前から開発しており、今回のことで脅威が高まったわけではない。日本上空を越えてミサイルが発射されたのも過去に2回あり、1998年には今回と同様、事前予告がなかった。安倍首相の様子は明らかに芝居がかかった表現で危機を煽ろうという意図がみえみえだった。


■ 全く役に立たないJアラートをなぜ発動したのか
  さらにもうひとつ、違和感を覚えたのはJアラートだ。ホリエモンはじめ、早朝から警報音で起こされたことに不満の声をあげている国民も多いが、必要な情報なら叩き起こされてもやむを得ないだろう。しかし、本当にこんなものが必要だったのか。

 何しろ、ミサイル発射時間は午前5時58分頃なのに、Jアラートによるアナウンスがあったのは6時2分。6時5?7分頃には、ミサイルが北海道上空を通過していたのだ。わずか4分で、どうやって「頑丈な建物や地下に避難」しろというのか。

 安倍首相は会見で「発射直後から北朝鮮ミサイルの動きは完全に把握していた。国民の生命と安全を守る万全な態勢を取っている」と胸をはっていたが、実際はなんの役にもたたなかったのだ。それどころか、時間が通勤ラッシュと重なっていたら、パニックを引き起こしていた可能性もある。

 100億円以上の予算がつぎ込まれてきたJアラートだが、もともと導入時からミサイルからの避難などには全く役に立たないと言われていた。まさにそのことを証明してしまったわけだが、にもかかわらず、政府が今回、Jアラートを強硬に発動したのはなぜか。

 そもそも、これまで北朝鮮ミサイル関連でJアラートを発動したのは、北朝鮮が事前にミサイル発射を通告していた2012年12月12日と2016年2月7日の2回だけ。今年の5月14日に中距離弾道ミサイルが発射され、日本海に落下したときにも、Jアラートは発動されなかった。
 5月の発射の際、菅義偉官房長官は「日本に飛来しないと判断し、Jアラートは使わなかった」などと述べていたが、しかし、ならば今回も同じだったはずだ。

 実際、小野寺五典防衛相はきょうの会見で、イージス艦や地対空誘導弾PAC3などで破壊措置を実施しなかったことについて、「わが国に向けて飛来する恐れがないと判断したからだ」とはっきり説明していた。

 5月も今回も同じように「飛来する恐れはない」という認識を持ち、破壊措置を行わなかったのに、今回だけ、全く役に立たないのを承知で、Jアラートを発動したのだ。いったいなぜか。


■ Jアラート発動は政権浮揚のためのパフォーマンスだった
 考えられるのはただひとつ、安倍政権による北朝鮮危機の政治利用のためだ。安倍政権はこの間、森友学園疑惑、加計学園義に対する国民からの反発をかわすために、北朝鮮危機を必要以上に煽ってきた。今回も全く同じで、疑惑に蓋をし、支持率を回復させるために、この北朝鮮ミサイル発射を利用して、Jアラートで危機を煽ろうとしたのではないか。
 実際、ミサイル飛来などの国民保護事態案でのJアラートは菅義偉官房長官が率いる内閣官房が判断を下すことになっているが、その内閣官房が事前に、Jアラートの発動を決定していたという情報がある。
 
「そもそも、Jアラートは、ミサイルへの警告で使用するのはかなり困難で、事前に察知していないと、発動するのは無理、という見方が強いんです。これまで事前通告のあった2回しか使っていないのもそのためではないか、といわれています。ところが、今回は韓国からの情報で、事前に発射を察知できた。それで、官邸はミサイルが発射されたら必ずJアラートを使うことに決めていたようです」(全国紙政治部記者)
 たしかに、韓国の朝鮮日報(日本語版)の報道によれば、今朝のミサイル発射に先立って「北朝鮮のミサイル発射の兆候をとらえた」との報告を受けた文在寅大統領は、午前2時の段階ですでに軍を待機させ、対応態勢を指示していたという。事実ならば、日本政府も同じ頃には北朝鮮ミサイル発射の情報を、かなりの確度で得ていたはずだ。
「ただ、コースまでははっきり特定できなかったので、広範囲で警告を鳴らしたんでしょう。実際、今回は、ミサイルが上空を通過した北海道からおよそ千キロも離れている長野県でも警告が鳴ったわけですからね。こんなおおざっぱな警告じゃ、なんの対策にもならないと思いますが(笑)」(前出・全国紙政治部記者)
 ようするに、あの何の役にも立たない警告音は、安倍政権のパフォーマンスでしかなかったわけだ。
 いや、Jアラートだけではない。安倍首相自身も明らかに事前に発射を察知し、パフォーマンスを準備していたフシがある。

Jアラートを利用した安倍首相(自民党HP)

■ ミサイル発射を事前に察知してパフォーマンスを用意していた安倍
  というのも、普段から公邸をあまり使わない安倍首相が、昨日27日から今朝にかけては官邸に隣接する公邸に泊まってからだ。しかも、昨日は午前10時に官邸に行くと、正午には北村滋・内閣情報官、午後4時15分に石川正一郎・拉致問題対策本部事務局長、午後5時17分に兼原信克・国家安全保障局次長と金杉憲治・外務省アジア大洋州局長、同30分に薗浦健太郎・首相補佐官(安保重要政策担当)など、諜報、外交、安保周りの要人と面会し、午後6時台には公邸に入って、そのまま永田町で朝を迎えた。

 誰がどうみても、本日早朝を見越したような動き方だ。そして、安倍首相は、北朝鮮からミサイルが発射されるや、すぐさま官邸に向かい、記者団に対して例の芝居がかかったセリフを口にし、国民の危機を最大限煽ったというわけだ。

 もし、安倍首相が北朝鮮のミサイル発射を「これまでにない深刻かつ重大な脅威」ととらえ「国民の生命と安全を守る万全な態勢をとる」などというなら、事前に察知したミサイル発射情報をきちんと公開して、国民に冷静な対処を呼びかけるべきだろう。ところが、安倍首相は実際に発射されるまで情報を隠し、それを自らのために利用した。

 Jアラートを使って不必要な国民の不安を煽ると同時に、自らの「迅速な対応」や「毅然とした態度」をメディアで大げさに宣伝し、政権浮揚のきっかけにしようとしたのだ。
 改めて繰り返しておくが、北朝鮮のミサイル発射自体は危険極まりなく、世界平和を求める国際社会の一員として、冷静に批判していかねばならない。しかし、一連の北朝鮮危機と生活者の不安を煽って、好戦的な世論形成と支持率上昇に利用しようとしている安倍政権の企みもまた、平和主義にとって危険きわまりない。

 早朝から叩き起こされたことに腹を立てたホリエモンは、「クソ政府」とつぶやいて炎上しているが、それとはちがう意味で安倍政権はまさに「クソ政府」である。
(編集部)

【出典】LITERA 2017.08.29


朝鮮人民軍(KPA)の兵力

 日本の『平成23年版防衛白書』では、総兵力は120万人とされている。これは、対峙している韓国軍の兵力(66万人)と在韓米軍(2万5千人)の合計よりも多い。北朝鮮の人口は約2400万人なので、国民の5%程度が軍役に就いていることになる。

 国際機関推計によれば、核兵器6 - 7基を製造するのに十分なプルトニウムを保有。ミサイル搭載用の核弾頭を製造する技術を持っているかは不明である。各種ミサイルを少なくとも1000発保有。大陸間弾道弾のプロトタイプとなるテポドン2号やローンチ・ヴィークルの銀河2号と銀河3号の発射実験の後、2017年7月に初めて実戦配備に向けた大陸間弾道ミサイルの火星14の発射実験を成功させた。北朝鮮は2500 - 5000トンの化学兵器を保有していると思われる。 生物兵器の開発計画もあるが、北朝鮮が研究開発段階を終えたかは不明。

 米政府の分析によると、主力戦闘戦車3500両、軽戦車560両、装甲兵員輸送車2500両、けん引砲3500門、自走砲4400門、多連装ロケット砲2500門、迫撃砲7500門、対戦車ミサイル(数不明)、無反動砲1700門、高射砲1万1000門。海軍は潜水艦92隻、フリゲート艦3隻、コルベット艦6隻、ミサイル艇43隻、大型巡視艇158隻、高速魚雷艇103隻、哨戒艦艇334隻以上、輸送艦艇10隻、沿岸防衛ミサイル発射台2台、ホバークラフト130隻、掃海挺23隻、小型艇8隻、測量船4隻を保有。空軍は爆撃機推計80機、戦闘機と対地攻撃機541機、輸送機316機、輸送ヘリコプター588機、攻撃ヘリ24機、無人機少なくとも1機を保有。(by Wikipedia)



関連資料

「使える時間は4分のみ 現実に見えた『アラートの実力』」    ポストニュース・セブン(2017年8月29日)
【危機を知った時にはすでに着弾しているかもしれない】 

 8月29日の朝、日本中が震撼した。NHKをはじめテレビ各局の画面は全面、危機を煽るような黒い地に赤い帯の入った「国民保護に関する情報」が映し出され、次々にテロップで臨時ニュースが流された。各自のスマホ・携帯電話にも速報が続々と流された。〈北朝鮮がミサイルを発射した模様。避難を〉。短いながら強い言葉だ。しかし、今回の発射でわかったことは、「やっぱりJアラートは国民保護にはほとんど役に立たない」ということである。

 Jアラート(J-Alert)の正式名称は「全国瞬時警報システム」で、2007年から運用が開始された。衛星を利用して情報をキャッチし、自治体などに流すシステムだ。Jアラートから情報が流されると、〈市町村の防災行政無線等が自動的に起動し、屋外スピーカー等から警報が流れるほか、携帯電話にエリアメール・緊急速報メールが配信されます〉ということになっている(国民保護ポータルサイトより)。

 最初の「発射情報」が発表されたのは6時2分。発射時刻は5時57分と見られていることから、発射後5分ほどで情報を発表したことにはなる。ただし、多くの国民にその情報が行き渡るかどうかというと、話は別だ。スマホで“速報”が実際に受信できたのは1~2分遅れだった。

 北海道上空を通過したと見られるのが6時6分。発表からわずか4分。いや、実際に国民が情報を入手してからは、最大でも2~3分しかないかもしれない。「どこに避難すれば? まず情報収集だな。テレビをつけて…」などとやっている間に、ミサイルはとっくに頭の上を通過していたのである。北朝鮮が日本国土を狙っていれば、Jアラートに気付いてテレビをつけたと思ったら、もう火の海になっていてもおかしくない。

 早朝だったから、スマホの情報にも気付かず、地域の防災行政スピーカーなども聞こえず、「起きてからテレビをつけて、発射されたことを知った」というケースも多くあるだろう。ジャーナリストの武冨薫氏が指摘する。


「使える時間は4分のみ 現実に見えた『アラートの実力』」

【出典】ポストニュース・セブン(2017年8月29日)


金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は、 朝鮮人民軍(KPA)戦略的弾道ミサイルの打ち上げ計画を指導した。
Kim Jong Un Guides Strategic Ballistic Rocket Launching Drill of KPA Strategic Force

Kim Jong Un, chairman of the Workers' Party of Korea, chairman of the State Affairs Commission of the DPRK and supreme commander of the Korean People's Army, guided an intermediate-and-long range strategic ballistic rocket launching drill of the KPA Strategic Force on the spot.


The drill was observed by senior officials of the Central Committee of the WPK including Ri Pyong Chol, Kim Jong Sik, Jo Yong Won and Yu Jin, and officials in the field of defence scientific research including Jang Chang Ha and Jon Il Ho.
Respected Supreme Leader Kim Jong Un was greeted by commanding officers of the KPA Strategic Force including its General Kim Rak Gyom, commander of the KPA Strategic Force.


Involved in the drill were Hwasong artillery units of the KPA Strategic Force tasked with striking the bases of the U.S. imperialist aggressor forces located in the Pacific operational theater in contingency and intermediate-and-long range strategic ballistic rocket Hwasong-12.


As known to the world, the intermediate-and-long range strategic ballistic rocket launching drill of the KPA Strategic Force was conducted as a part of the muscle-flexing to counter the Ulji Freedom Guardian joint military drills the U.S. and the south Korean puppet forces finally kicked off in disregard of the DPRK's meaningful and crucial warning.


The drill was carried out through the combination of sudden maneuvers and strike in order to estimate and examine the posture of the KPA Strategic Force for prompt counteraction in contingency on the Korean peninsula and to confirm the actual war operation capacity of the intermediate-and-long range strategic ballistic rocket newly equipped by it.


The Hwasong artillery personnel, who were to conduct the launching drill for the first time in the capital city of the DPRK by order of Kim Jong Un, were all filled with strong militant enthusiasm.

Kim Jong Un arrived at the launching ground early at dawn and watched the artillerymen promptly moving and deploying the Hwasong-12 rocket launcher, praising them for their smart and accurate movement.


He learned in detail about the launch plan, preset flight track and target waters and issued an order to launch the rocket.

The fired ballistic rocket reflecting the dignity and might of the Juche-based nuclear power crossed the sky above Oshima peninsula of Hokkaido and Cape Erimo of Japan along the preset flight track and accurately hit the preset target waters in northern Pacific.


The drill had no impact on the security of the neighboring countries.
In the drill the rocket operational capacity of the Hwasong artillery units of the KPA Strategic Force for an actual war and the combat efficiency of the intermediate-and-long range strategic ballistic rocket it is newly equipped with were all proved perfect.

Kim Jong Un expressed great satisfaction over the successful launching.
Praising the Hwasong artillerymen of the Strategic Force for being well versed in the new ultra-modern rocket system and properly operating it, he said the drill would offer them an opportunity for gaining a good experience in their rocket operation for an actual war.


Noting that the current ballistic rocket launching drill like a real war is the first step of the military operation of the KPA in the Pacific and a meaningful prelude to containing Guam, advanced base of invasion, he said that it is necessary to positively push forward the work for putting the strategic force on a modern basis by conducting more ballistic rocket launching drills with the Pacific as a target in the future.

Sternly saying that the U.S. answered the DPRK's warning that it will closely watch the U.S. behavior with the bellicose war exercises for aggression, he added that the drill conducted by the Strategic Force is a curtain-raiser of its resolute countermeasures against the Ulji Freedom Guardian joint military exercises being conducted by the U.S. and its stooges.


Noting that it is a lesson the DPRK drew this time again that it should show action, not talk, to the U.S. imprudently denying the DPRK's initiative measure for easing the extreme tension, he stressed that the DPRK will continue to watch the U.S. demeanors as was already declared and decide its future action according to them.

He expressed great belief and conviction that the officers and men of the Strategic Force will further strengthen the combat preparations of Hwasong artillery pieces as required by the grim situation, be fully ready to go into action for decisive battle so as to launch powerful ballistic rockets anytime and thus check military racket of the U.S. imperialists and their followers and firmly guarantee the security of the country and the happiness of the people.


Officers and men of the KPA Strategic Force extended the warmest thanks to Kim Jong Un, peerless patriot and hero of the nation, who gave vent to the long-pent grudge of the Korean people by mapping out a bold plan to make the cruel Japanese islanders insensible on Aug. 29 when the disgraceful "Korea-Japan Annexation Treaty" was proclaimed 107 years ago and approving ballistic rocket launching in the capital region, and pledged that once the Party Central Committee issues an order, they will fulfill their sacred mission and duty as the reliable nuclear force of the WPK in the van of the final sacred war which will win victory in the standoff with the imperialists and the U.S.


Political News Team

長渕剛が安倍政権を批判する新曲を発表! 「カネにまみれたゾンビ」「歴史に群がる裏切り」
長渕剛 BLACK TRAIN PV FUL

長渕剛が安倍政権を批判する新曲を発表! 「カネにまみれたゾンビ」「歴史に群がる裏切り」 LITERA 2017.08.19
 今月16日、長渕剛の約5年ぶりとなるアルバム『BLACK TRAIN』が発売された。その内容は拝金主義に捕われて経済的利潤のみを追い求め、肝心の助けを求める国民のことは無視する政治家たちを批判してきた長渕のスタンスをさらに際立たせるものとなっている。たとえば、表題曲の「Black Train」からしてこうだ。


〈カネにまみれたBlack Train  きのう俺は代議士に 真っ赤な血をひっかけた〉
〈カネにまみれたゾンビ  歴史に群がる裏切り 上っ面だけの「Say Hello!」〉



長渕剛の最新アルバム『BLACK TRAIN』(Universal Music)

 「カネにまみれたゾンビ」「歴史に群がる裏切り」…この歌詞が、森友学園や加計学園問題をモチーフにしていて、「愛国」の名のもとに歴史を歪めてきた安倍首相とその周辺の連中の利権私物化を批判しているのは明らかだろう。

 そのファン層や言動から一見、右翼的な印象を受ける長渕だが、実は、プロテストソングを多く歌った加川良や友部正人を音楽的ルーツにもっており、これまでのキャリアでもことあるごとに体制に対し異議申し立てする歌を歌ってきた。

 湾岸戦争のときにつくられた「親知らず」という楽曲では〈俺の祖国日本よ! どうかアメリカに溶けないでくれ!/誰もが我が子を愛するように/俺の祖国日本よ! ちかごろふざけすぎちゃいねえか!/もっともっと自分を激しく愛し貫いてゆけ〉と歌い対米従属の果てに戦争に協力する日本に怒りを向けた。

 また、9.11後には「静かなるアフガン」で〈日の丸と星条旗に僕は尋ねてみたい/戦争と銭はどうしても必要ですか?/広島と長崎が吠えている/「もう嫌だ!」と泣き叫んでいる〉と反戦と平和への思いを歌っている。

■ 安保法制に怒りを表明した長渕「自衛隊員を死なせていいのか!」
 そして、第二次安倍政権以降、長渕は政権への批判をよりストレートに口にするようになった。2015年7月、『ワイドナショー』(フジテレビ)に出演した際には、国民の声を無視して強行採決された安保法制についてこのようにコメントしている。

 「震災、4年前を思い出してもらいたい。あのときにどんだけのことを自衛隊がやったか。僕も激励に行かせてもらいましたけどね。彼らを死なすのかって。彼らを死なせてしまっていいのかってことだと思うんですよ。

 いまのこの流れでいくと、理屈は分からないんですけどね、感覚論としてね、戦争が近づいている気がするの。もう紛れもなくそこに近づいている気がしますよ。それをね、僕たちはどうやって阻止すべきかってことを非常に真剣に考える局面がありますよ」
 加えて長渕は安倍首相を名指ししながら、このように続けている。

 「戦後復興後、高らかに我々は生きてきましたけど、そのなかに負の遺産はありました。負の遺産を残しておきながら、そのことにきちっとケリもつけないくせに、次のことをやっていこうとする俺らの大将、ちょっと違うんじゃない?」

 ここで使われている「負の遺産」という言葉はおそらく原発のことをさしており、原発問題を放置しておいて戦争法案をやろうとするのは違うと長渕は言っているのだろう。
 実際、長渕は自ら被災地に足を運んでその状況を見ていろいろなメッセージを発信している。12年3月には、特別番組『報道STATIONスペシャル「愛おしきあなたへ」』(テレビ朝日系)に出演し、福島第一原発20km圏内に入って警戒区域の実情を取材。

 その際に「もはや原発の有無を問う余地はない。立場や名刺はいったん脇に置いて、いち個人として現実を直視し、感性で見つめてほしい」という発言を残している。

photo by 辻徹也

■ 『FNS歌謡祭』でトランプ米大統領の顔色を伺うメディアを批判
 きわめつきは、昨年12月に放送された『2016FNS歌謡祭 第1夜』(フジテレビ)でのパフォーマンスだろう。この日はもともと、『FNS歌謡祭』のためにアレンジされた「乾杯」が歌われるとアナウンスされていたが、そこで視聴者が目にしたものは耳馴染みのある「乾杯」とはまったく異なるものだった。長渕はギターを叩くように搔き鳴らしながらこう歌い出したのだ。


〈アメリカの大統領が誰になろうとも 凶と出るか吉と出るかって
 そりゃ俺達次第じゃねぇか 今日もマスメディアの誰かが 
 無責任な話ばかりしている〉



 アメリカ大統領の顔色をうかがってばかりの日本のメディアに対する痛烈な批判をぶちまけた後、さらに長渕は「歌の安売りするのも止めろー!」と、ミュージシャンたちに檄を飛ばし、被災地を置き去りにしてオリンピックに浮かれるこの国にこう問いかける。

〈俺達の東北、仙台、俺達の九州、熊本  そして福島も頑張ってんだ
 オリンピックもいいけどよぉ  若者の貧困 地域の過疎化どうする?〉
 騙されねぇぜマスコミ 騙されねぇぜヒットチャートランキング
 騙されねぇぜワイドショー〉



 こういったオリジナルの歌唱が4分近く続いた後、皆が知る「乾杯」に入っていったのだが、実は、この『FNS歌謡祭』について、長渕は今回、『BLACK TRAIN』のプロモーションとして登場したウェブサイト「音楽ナタリー」のインタビューで、興味深い発言をしている。

■ 長渕が「何が『乾杯』だよ!」「本当に『乾杯』でいいのか?」
 「「乾杯」を発表してから何十年も経って、今と当時とでは国民性も時代性もまったく違う。しきりに結婚式の定番みたいに歌われてきたけど、もともとは個人的に祝いたい人のために作った曲だから、僕としては「何が『乾杯』だよ!」って。だから今歌うのなら現在の時代感や思いを込めて、リスナーに対して「本当に『乾杯』でいいのか?」という問いかけが必要になる。コードを変えたり不協和音を入れたくなったりする」(「音楽ナタリー」インタビューより)

 先の戦争で得た反省を無きものにして再びこの国を戦争ができる国につくりかえようとし、また、被災者の思いには耳を傾けようともせず、オリンピックにカネをつぎこみ、大企業など既得権益者たちにひたすら便宜をはかり続ける──安倍政権による政治が続く現在の状況では「乾杯」どころではない。長渕はそんな思いのもと、あのようなパフォーマンスをしたということらしい。

 今回、『BLACK TRAIN』のプロモーションでこの話をわざわざ語ったということは、その想いの延長線上にこの新曲が生み出されたということだろう。しかも、『BLACK TRAIN』を聴いていると、長渕の安倍政権への怒りがさらに強くなり、そのメッセージがさらに具体的になっていることがよくわかる。長渕ファンならずとも、ぜひ一度、聴いてみてほしい。(編集部)

photo by 西岡浩記


【出典】LITERA 2017.08.19
出典:LITERA 2017.08.19

「加計解散」を了承か 歴代首相勢揃い“意味深”会議の中身
山梨に歴代首相が勢揃い(C)日刊ゲンダイ

「加計解散」を了承か 歴代首相勢揃い“意味深”会議の中身 日刊ゲンダイ 2017年8月18日
 「やはり、解散は近いのではないか」――。永田町に警戒感が広がっている。15日から夏休みに入った安倍首相が真っ先に会った顔ぶれが臆測を呼んでいるのだ。15日夕方、山梨県鳴沢村の別荘に着いた安倍首相が向かったのは、近所にある笹川陽平日本財団会長の別荘だった。そこで森元首相、小泉元首相、麻生副総理らと3時間以上にわたって会食した。

 「内閣支持率が下落する中、今後の政権運営についてアドバイスを得たとみられます。今の安倍首相は『丁寧』『謙虚』がテーマですから、独り善がりではなく、諸先輩方の意見も請うて政治を行っているというイメージづくりでしょう。首相の独善的な手法に対し、党内からも苦言が出ている状況ですから、自民党の重鎮を味方に付け、協力を取り付けて、難局を乗り切る狙いもあると思います」(政治評論家・有馬晴海氏)

 それにしても、かなり意味深な会合だ。福田元首相を除く、森政権以降の自民党歴代首相が勢揃いしたのである。先日、共同通信のインタビューに答え、「国家の破滅が近い」と安倍政権を痛烈に批判した福田元首相には声をかけなかったのか、呼ばれたのに断ったのか。

 「いずれにせよ、これだけのメンバーがわざわざ集まったのだから、よほど重要な話し合いが持たれたとみるのが普通です。森さんと小泉さんだけなら、清和会(細田派)のOB会といった趣ですが、そこに麻生副総理がいたことで、やはり解散戦略が主要テーマになったのだろうといわれています。安倍総理は近く解散を打つことを決めているが、自民党が数を減らす可能性があるため、事前に了承を得た。つまり、歴代総理に仁義を切ったわけです。解散に慎重な森さんの説得役として、早期解散が持論の麻生さんも同席したのではないかとみられているのです」(自民党中堅議員)

■ 麻生副総理は早期解散を進言
 麻生副総理は9日の深夜にも安倍首相の私邸に押しかけて、2時間余り話し込んでいた。その時も解散について話し合ったに違いないと、全国紙の政治部デスクがこう言う。
 「首相の時にタイミングを逃し、追い込まれ解散で政権交代を許した苦い経験を持つ麻生さんは、事あるごとに安倍首相に早期解散を進言している。来年になったら、追い込まれ解散になる。やるなら今しかないとハッパをかけているはずです。すでに複数のメディアが10月選挙に備えた態勢を整え始めたと聞いています」

 今のところ、10月22日の衆院補選に合わせて総選挙を行うスケジュールが濃厚だとされる。秋の臨時国会冒頭で解散ということになるが、その根拠のひとつとして挙げられているのが、加計学園の獣医学部新設の可否を判断する大学設置・学校法人審議会の動向だ。当初は今月下旬に答申を出すはずだったのが、「2カ月程度」延期されることになった。

 「2カ月後の10月末までに状況が変わらなければ文科省も可否の判断を出しづらいでしょうが、この2カ月の間に何か大きな動きがあれば別です。安倍首相が解散を打って、総選挙に勝てば、世論の反発も封じ込めるでしょう。加計問題をいったんリセットする意味でも、総選挙を仕掛ける可能性が高まっています」(政治部デスク=前出)

 安倍首相が今秋の解散に踏み切れば、加計学園のためということになる。そんな党の私物化を自民党は本当に許すのか。

【出典】日刊ゲンダイ 2017年8月18日

関連資料

【経済産業省の現場から告発】 谷査恵子さんのイタリア赴任は昭恵氏かばい続けた論功行賞
※以下は、全経済産業労働組合副委員長の飯塚盛康さんのフェイスブック投稿から、ご本人に了承を得ての転載です。
(記事 国家公務員一般労働組合 2017年08月17日 11:05)

 安倍昭恵さん付職員だった谷査恵子さん(経済産業省ノンキャリア職員)がイタリアの日本大使館に一等書記官として赴任することをツイートしたら、3000を超えるリツイートがありました。
 このことから、多くの人がこの人事異動に怒りを持っていることを、ひしひしと感じます。
 私なりに、この人事異動に対して考えていることを書いておこうと思います。


1.異動時期について

 谷さんが昭恵さん付職員から経済産業省に戻ったのは2016年1月です。世耕弘成経産省大臣は記者会見で6か月前に内々示を出していたと発言していたので、経産省に戻って1年くらいでイタリア大使館への赴任を決めていたことになります。

 経産省の人事異動サイクルは2年から3年なので、1年というのは、よほどの理由(急にポストが空いた、急に専門的な知識が必要な職員が必要になった等)がない限り、1年での人事異動はないので、何らかの理由があったのではないかと思います。

 すでに、谷さんは昭恵さんから厚遇を約束されていましたが(この時にはイタリア大使館という具体的な約束はなかったとは思います)、今年になってから森友学園の問題がくすぶりだしたので、どこか海外赴任させようとしていた矢先の3月23日の籠池氏の証人喚問で、思いもかけず谷さんの名前が出たことから、内閣官房はあわてて彼女を出勤させず、因果を含めて個人でやったことにさせたと思います。

 さらに昭恵さんが私にフェイスブックメッセンジャーでメッセージを送ったことから、谷さんに注目が集まったので、出勤もできず、やむなくテレワーク(自宅勤務)を行うことになりました。
 しかし、経産省での谷さんの仕事はテレワークでできるようなものではないため、谷さん自身も限界を迎えていたのではないかと思います。
 そこで、8月6日の日曜日という誰もいない日に辞令を発令して、みんなが知るころにはイタリアに行っているという姑息な手段をとったのではないかと思います。


2.在イタリア日本大使館一等書記官について

 まず、経産省のキャリア官僚とノンキャリア官僚の役人人生の違いについて説明します。
 キャリアは総合職(旧国家1種とか旧上級試験)の合格者で、入省して2~3年で係長、30代で海外留学、課長昇任、40代で大使館勤務、その後も役職階段を上っていきます。
 一方、大卒ノンキャリアは入省後、6年から8年後に係長です。40歳代で課長補佐、優秀な職員でも50歳代で課長より下位の室長、企画官止まりです。

 世耕大臣は谷さんが海外留学の経験があると言っていましたが、キャリアのように全員が海外留学できるわけではなく、一定以上のTOEICの点数を持ち、省内の選抜試験を通り抜けたものが「語学研修」として半年から1年英語圏の学校に行けるのであって、キャリアのように政治経済を学ぶための海外留学とは全く性格が異なります。

 また、世耕大臣は谷さんの同期のノンキャリアの3分の1は海外赴任していると言っていましたが、多くのノンキャリアはジェトロ(日本貿易振興機構)等の経産省関係の団体の海外駐在地に行っているので、40歳そこそこのノンキャリアが大使館に赴任するのは異例です(彼女は課長補佐なので一等書記官というポストは普通だと思います)。

 前述したようにキャリアでも40代で大使館勤務ですが、それでも欧米の大使館に赴任するのは、相当優秀で将来を嘱望された者で、多くのキャリアは東南アジアや韓国、ロシア等です。
 一方、ノンキャリアが行ける大使館は、アフリカ、南米、中東など、キャリアが行きたがらない、行かせてもあまり意味がない国ばかりです。

 今回の谷さんの異動は多くの経産省の職員が驚くとともに、違和感を持っています。


3.谷さんのこと

 私は彼女の仕事ぶりやプライベートのことは全く知りませんが、彼女を知っている人は、みな谷さんは仕事はできるし、性格もいいと言います。

 しかし、今回の件では表向きには、「上司に相談もしないで個人プレーで仕事をし、昭恵さんに随行するときは出張伺いも出さず、勝手に出張に行き、選挙活動という国家公務員法違反を疑わせる行為をし、森友学園の問題にかかわったかもしれないにもかかわらず、安倍夫妻の引きによっていい思いをした人」というレッテルが貼られてしまいました。
 2年後に経産省に戻ってきた時には、後ろ盾だった安部夫妻はいないだろし、上記のようなレッテルを貼られたまま仕事ができるのだろうかと思います。

 私は彼女は2~3年後には辞めるような気がします。


 ※以上が飯塚盛康さんのフェイスブック投稿です。なお、飯塚さんには、国公労連の月刊誌『KOKKO』8月号で、この谷さんの問題などについて、晴山一穂専修大学教授と対談をしていますので、ぜひ参照ください。(井上伸)

【出典】BLOGOS 記事 国家公務員一般労働組合 2017年08月17日 11:05

つける薬なし自民党 この総裁、幹事長にこのチルドレン
クビにしたからオシマイにはならない(C)日刊ゲンダイ

つける薬なし自民党 この総裁、幹事長にこのチルドレン 日刊ゲンダイ 2017年7月29日
 「ごちゃごちゃ言われるから、もうヤ~メた」。本音はそんなところだろう。28日、大臣を辞すると公表した自民党の稲田朋美防衛相。会見では「日報問題でこれほどまでに防衛省・自衛隊として世間をお騒がせしていることについて、管理監督者としての責任は免れないと思っていた」と“潔さ”をアピールしていたが、お騒がせの火ダネをつくり、炎上させた張本人が何を寝言を言っているのか。

 笑っちゃうのが、北朝鮮が今にも新型ミサイルを撃つかもしれない――と報じられている最中での防衛大臣の辞任だったということだ。稲田は会見で「(北朝鮮に対しては)万全の警戒監視、情報収集を続けており、遺漏はない」とか言っていたが、要するに日本は防衛大臣がいてもいなくても北朝鮮ミサイルは関係ナシ――と自ら認めたようなもの。安倍政権はこれまで北朝鮮のミサイル危機を国民に散々あおりまくってきたが、防衛省のトップがこの程度の認識なのだから、いかに政権のインチキ扇動だったかがよく分かるというものだ。

 そもそも稲田は最初から大臣の器じゃなかった。日報隠蔽問題の発端となった南スーダン国連平和維持活動(PKO)では、首都ジュバで起きていた政府軍・反政府勢力の「戦闘」を「武力衝突」とマヤカシ答弁を続け、都議選の自民党候補の応援演説では、政治活動が法律で制限されている防衛省職員や自衛隊員に対して選挙運動の動員を呼びかけた。

 森友学園の問題では、過去に学園側の代理人として裁判に出廷していたにもかかわらず、「裁判に行ったことも法律相談を受けたこともない」と大ウソをつき、政治資金パーティーに出席した際にもらった「白紙領収書」に自身の事務所担当者が勝手に金額を記入していた行為を「何ら問題ない」と開き直った。
 「教育勅語の精神を取り戻すべき」と戦前の軍国主義教育を礼賛するなど、国会のデタラメな言動を挙げればキリがない。

■ 稲田辞任を引き延ばした安倍首相の責任
 そして、そんな政治家としての資質に問題が大アリだった稲田を大臣に引っ張り上げたのが自民党総裁である安倍首相だ。稲田から辞表を受け取った安倍は「国民の皆さまに心からお詫びを申し上げたい」と陳謝していたが、集中砲火を浴びる稲田をかばい続け、「誠実に職務に当たってほしい」とズルズル延命させてきたのは他ならぬ安倍自身だ。
 日報問題で野党の厳しい追及を受け、答弁に詰まる稲田に代わって「リリーフ答弁」に立ち、「駆け付け答弁はヤメロ」とヤジが飛んでも知らん顔。国民にお詫びする気が少しでもあるなら、とっくに稲田のクビを切っていて当然だが、それをしなかったのは安倍が稲田について問題ナシと判断していたからであって、今さらお詫びもヘッタクレもない。

 大体、安倍自身もまた稲田同様、国会では国民を愚弄する不誠実極まりない答弁を続けてきた。加計問題をめぐる閉会中審査では「丁寧に説明」と言うばかりで結局、数々の疑問に何一つ答えず、揚げ句の果てには、2007年から今治市と一緒に進めてきた“お友達”である加計学園の獣医学部新設計画を「今年の1月20日に知った」と“虚偽答弁”が指摘される始末だ。まさにこの総裁にして、この子分アリだ。

上智大教授の中野晃一氏(政治学)はこう言う。
 「安倍首相が稲田さんを重用してきたのは歴然とした事実であって、当然、任命責任があるのは言うまでもない。安倍首相も自身の責任を認めているワケだから、日報問題では第三者委をつくって徹底調査に乗り出すなど、責任を『取る』行動をするべきです。稲田さんをクビにしたからオシマイではありません」

 “お友達”のためには頑張るが、国民に対する説明責任は一切放棄する。これが安倍自民党政権の薄汚い正体である。

今井絵理子議員(左)に豊田真由子議員も…/(C)日刊ゲンダイ

■ 大臣から下っ端まで今の自民党議員は腐りきっている
 「自民党はいろいろ言われているが、そんなことに耳を貸さないで正々堂々、自信を持って頑張らなければならない」

「くだらんことは常識外れだから、切り捨てて前を向く」
 自民党の二階俊博幹事長は、大阪市で開いた自身の派閥研修会でこう発言したという。都議選の応援演説で政権批判した聴衆に向かって「こんな人たち」呼ばわりした安倍の思考と何ら変わらない。国民がどんなに声を上げても真摯に耳を傾ける気はサラサラなく、ハナから「そんなこと」「くだらん」とバッサリ切り捨てる。

 二階は都議選の応援演説でも「落とすなら落としてみろ。マスコミが選挙を左右すると思ったら大間違いだ」と暴言を吐いているが、どうやら「自民党は正しい。おかしいと批判する国民やメディアの方が悪い」と信じているようだ。しかし、二階が昨年8月に幹事長に就任してからだけでも、自民党議員の醜聞、放言、不祥事は枚挙にいとまがない。

 滋賀・大津市のセミナーで「一番のがんは学芸員。この連中を一掃しないとダメだ」と言い放った山本幸三地方創生相や、東日本大震災の被害について「東北で良かった」と発言して復興相をクビになった今村雅弘、共謀罪法案について「国会提出後に議論すべき」と質問封じの文書を配布した金田勝年法相など、大臣だけでもゴロゴロいる。

 さらに、台風の豪雨被害に遭った岩手・岩泉町の視察で長靴を持参せず、水たまりを職員におんぶされて渡る醜態をさらした上、「長靴業界は儲かった」と軽口をたたいて内閣府政務官を辞任した務台俊介(長野2区)、重婚疑惑で経産政務官を辞任した中川俊直(広島4区)、受動喫煙防止の議論の最中、「がん患者は働かなければいい」と発言して党都連副会長を辞任した大西英男(東京16区)や、政策秘書の頭をぶん殴り、「このハゲーェ!」「死ね」と暴言を吐いて離党した豊田真由子(埼玉4区)のほか、最近も神戸市議との不倫疑惑を報じられた元SPEEDの今井絵理子(参院比例)など、ヒラ議員も問題児ばかりだ。
 
■ 安倍首相の顔色をうかがう低レベル議員たち
  安倍、二階という政府与党のツートップがそろって腐臭を放っているのだから、「チルドレン」が右へ倣えで腐敗体質に陥るのも不思議じゃない。「お詫び」や「反省」など、どんな言葉を並べ立てて取り繕ったところで、決して本質は隠せないのだ。

「『安倍1強』といわれてきた中で、自民党国会議員が何をしてきたのかといえば、ひたすら安倍首相の顔色をうかがってきただけ。とにかく政権のやることなすこと全てに賛成していればよいと思っていて、自ら進んで政策の勉強もしない。執行部にヘタににらまれたら困ると思っているからでしょうが、何も考えていないから暴言や失言も平気で飛び出すし、不倫疑惑が報じられる議員も出てくるわけです」(中野晃一氏=前出)

 つまり、タダでさえ政治家としての素養に乏しい大量の自民党議員たちが、今の「安倍1強」の中で、さらに低レベル化が進んだというわけだ。元外交官の天木直人氏はこう言った。
「今回の稲田前大臣をめぐる日報問題を通じて、国民には安倍自民の本性がハッキリ分かったはず。この政権をこのままにしておいたら国民生活は確実にダメになると確信したでしょう。今こそ解散に向けて追い込むべきです」

 その通りだ。もはや、この国民を愚弄し続ける政党につける薬はない。

【出典】日刊ゲンダイ 2017年7月29日

参考資料
つける薬なし自民党 この総裁、幹事長にこのチルドレン
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/210480
日刊ゲンダイ 2017年7月29日

「安倍チルドレン」はモンスターばかり?
このハゲーーっ!iRONNA
「このハゲーーっ!」
 豊田真由子事務所はスタッフがとにかく罵詈(ばり)雑言を浴びて次から次へと居なくなり定着しないことで有名だそうです。
 過去に田中真紀子元外務大臣の事務所が、また噂では某政党の現三役(幹事長・政調会長など)の事務所もそうらしいですけれども、実は私も過去には秘書に「バカヤロー!」「ふざけんなー!」以上のことを言ったことは何度もあり、そういう意味で最近は“丸く”なりました。
 国会議員に関連して何かと話題になる「秘書」ですが、若手議員で少なくとも6〜7人、多ければ10人ぐらい居るのが通例です。
 内訳は国会事務所に3人前後、地元事務所が4〜5人、多ければもっと居て、人数の違いは選挙区が広大だったり行政単位が多いと行政ごとに秘書が担当するからです。公的には国会法により国費で雇える公設秘書が3人、それ以外が私設秘書となります。
 民間企業では、社長の日程管理や電話さばきをする秘書は1人から多くて3人ぐらいでしょうか。しかし国会議員の秘書は民間企業のいろいろな部門の人も全て「秘書」となります。
 民間企業には営業や経理・顧客管理・調査部門・お客さまセンターなどさまざまな職種がありますが、国会議員(事務所)の場合はこれらがみな「秘書」と呼ぶことになるわけです。
 議員秘書は政治活動で本当に大切です。私も秘書が居なかったら自分1人で活動はできません。その意味で今までも有名だったこの豊田真由子事務所はもう人が寄り付かなくなってしまうでしょう。(「中田宏公式ホームページ」2017.06.22)

支持率急落でドタバタ劇… “錯乱”安倍政権の自爆ショー
もはや落ちる一方(C)日刊ゲンダイ

支持率急落でドタバタ劇…“錯乱”安倍政権の自爆ショー 日刊ゲンダイ 2017年7月18日
 支持率下落が止まらない。時事通信が7~10日に行った世論調査で、安倍内閣の支持率が前月比15.2ポイント減の29.9%に激減したのに続き、ANNが15~16日に行った調査でも、支持率は前月から8.7ポイント下落の29.2%と、危険水域の30%を割り込んだ。不支持は軒並み50%を超え始めている。 

 そんな中、急転直下で決まったのが、安倍首相が出席して来週行われる閉会中審査だ。森友学園問題や加計学園問題について、安倍が出席して審議することを野党は要求してきたが、自民党はかたくなに拒否していた。安倍が外遊中で不在だった10日に開催したから、もう十分だと突っぱねていたのだ。

 13日に自民の竹下国対委員長と民進の山井国対委員長が会談した際も、「必要性を感じない」と拒否。ところが、その約3時間後、一転して受け入れを伝えるドタバタぶりである。安倍から「自ら国会の場に出て説明する意思がある」と言われたため、急きょ応じることにしたという。

 これは、安倍のリーダーシップで決めたという“英断”の演出ともいわれているが、こんなところでも、「総理のご意向」で何でも決まることを見せつけてどうする。

 いま、多くの国民が感じているのは、「総理のご意向」によって政治や行政が歪められているのではないか、安倍の仲間内で国家を私物化しているのではないかという不審だ。だから、各社の世論調査で支持率が軒並み30%前後にまで下がり、内閣不支持の理由は「首相を信頼できない」が急増している。

 その首相が、今さら国会に出てきて、何をどう説明するというのか。

■ 「加計ありき」の疑念は晴れない
 「ここまで支持率が下がると、安倍首相の保身だけでなく、自民党全体への悪影響を考えて首相が出てこざるを得なくなったのでしょうが、“時すでに遅し”という印象です。ここに至るまで説明責任から逃げ回り、ゴマカシと隠蔽を重ねてきたことで、国家戦略特区を利用した獣医学部の新設は“加計ありき”だったという疑念が膨らんだ。

 今では、国民の多くが『首相のお友だちだから便宜が図られた』と確信するまでになっています。首相が出席する閉会中審査でも、これまでと同様、安倍首相が“知らぬ、存ぜぬ”の弁明を繰り返せば、ますます世論の反発を招くだけです」(高千穂大教授・五野井郁夫氏=国際政治学)

  加計学園の獣医学部新設は、小泉政権が始めた構造改革特区に07年から15回も申請し、ことごとく却下されてきた。それが、第2次安倍政権で突然、認められたのだ。昨年8月、国家戦略特区を担当する大臣が、獣医学部新設に厳格な「4条件」を付与した石破茂から山本幸三に交代した途端、「最短のスケジュール」で進められることになった。加計学園は特区事業者に認定される前の昨年10月の段階で、新設予定地のボーリング調査も行っている。

 15回連続で却下されてきたのに、なぜ、今回にかぎって事前のボーリング調査や教員確保に動けたのか。16回目の申請は認可されると確信を得たのは、「腹心の友」が政権トップの座にいるからではないのか。安倍が直接に指示したかどうかは分からない。しかし、周囲の忖度はあったに違いない――。時系列で見れば、そう思われても仕方がない。安倍が閉会中審査でどう潔白を説明しても、支持率回復は難しいのではないか。
不毛な閉会中審査を繰り返すのか(C)日刊ゲンダイ

■ 「関わっていたら辞める」の啖呵がすべての元凶
  最近はニュース番組だけでなく、ワイドショーもこぞって支持率急落を取り上げるようになった。それだけ視聴者の反応もいいのだろう。テレビメディアは、数字が取れるネタをやる。そういうものだ。

 16日の「新報道2001」(フジテレビ系)では、中曽根内閣からの歴代政権支持率をグラフ化し、支持率が30%を下回ると挽回は難しく、時を待たずに退陣に追い込まれることを数値化して見せていた。

 「えひめ丸」の事故発覚後もゴルフを続けたことが致命傷になって支持率が1ケタに落ち込んだ森政権や、漢字が読めず、カップラーメンの値段を「400円」と言い放った庶民感覚のなさで世論の反発を招いた麻生政権の末期と重ね合わせて、安倍政権の支持率急落を解説。こうなると、ほとんど見せ物だ。加計問題への対応で自爆し、さらに支持率が下落しても、それは庶民の娯楽として消費されていく。

 「支持率下落が話題になればなるほど、大衆心理として、さらに落とす方向に振れる可能性が高い。国民がカタルシスを求めている面もあります。支持率下落が、一種の娯楽になっているのです。アベノミクスで一部の人は潤ったかもしれませんが、庶民の暮らし向きはちっともよくなっていない。負担増ばかりで、実質賃金は増えていないのだから、窮乏化する一方です。気づいたら、血税でオスプレイを買って、友人に便宜を図っていた。社会保障は削り、一部の人だけに富を分配して仲間内でウハウハやっていると思えば、好き勝手やっている安倍首相がのたうち回って落ちていく姿を見たいと思うのも当然でしょう。安倍首相が困る姿を見たいのです。そういう意味では、安倍首相が勝ち組優遇の政策を行ってきたツケでもあり、支持率下落は自分でまいた種と言えます。切り捨ててきた『こんな人たち』に復讐されつつあるのです」
(五野井郁夫氏=前出)
 
■ 内閣改造どころか内閣総辞職も
 第1次安倍政権では、支持率が30%を切った約2カ月後に退陣に追い込まれた。来週、閉会中審査に出席して自ら答弁し、8月の内閣改造で局面打開を狙おうにも、もはや、そんな単純な話ではなくなってきている。

 「内閣改造前に国会で野党の疑問に答え、国民の疑念を晴らして、支持率回復の環境整備をしたいと考えているのでしょうが、今さらどう取り繕ったところで、支持は戻らないでしょう。本当は、加計問題が追及され始めた時に、獣医学部新設はいったん白紙撤回し、京都産業大学など他の学校法人も俎上に載せてゼロベースで見直すと言えばよかった。初期対応が間違っていたのですが、それも、森友学園問題が浮上した時に、安倍首相が『自分や妻が関わっていたら辞める』と啖呵を切ってしまったことが元凶です。首相の関与を絶対に認めるわけにいかなくなり、本人も周囲もゴマカシや嘘の上塗りを重ねてきた結果、つじつまが合わなくなって、国民の決定的な不信を招いた。閉会中審査で言い訳を駆使したところで、もがけばもがくほど深みにハマる蟻地獄です。かといって、今になって、関与を認めて謝ることもできないでしょう。『辞める』と宣言してしまった以上、首相を続けることができなくなる。そう考えると、どのみち“詰んでいる”のです。閉会中審査の内容次第で、さらに支持率下落が加速すれば、内閣改造ではなく、すぐさま内閣総辞職になってもおかしくありません」
(政治ジャーナリスト・山田厚俊氏)

 それもこれも、すべては自分でまいた種。錯乱政権がどんな弁明で逃げ切りを図るのか。首相の関与をどうやって否定しようと悪あがきするのか。国民は注視している。ありていに言えば、自爆ショーを期待しているのだ。

 国民から信頼されない首相が何を言おうと、支持率の下落に歯止めはかからず、ワイドショーのネタになるだけ。これ以上、のたうち回って退陣に追い込まれるよりは、自ら退いた方が傷は浅いのではないか。引き際の潔さは大切だ。それが大人の流儀というものである。

【出典】日刊ゲンダイ 2017年7月18日

参考資料
日刊ゲンダイ 2017年7月18日
ヌエの公明党が逃げ出したのはワケがある この政権はもう持つまい
(日刊ゲンダイ 2017.7.7)

大谷昭宏氏 「バカが権力を握っている」と報ずるべきだ
2017年7月10日 日刊ゲンダイ

大谷昭宏氏「バカが権力を握っている」と報ずるべきだ  (日刊ゲンダイ 2017年7月10日)
■ 読売の前川報道は「ワケアリ」が一目瞭然
 「巨大な権力者に批判的な目を向け、説明責任を果たさせる」――。今年1月の任期最後の会見で記者団に向かってこう訴えたのは米国のオバマ前大統領だった。
 不都合な報道を「フェイク(偽)」と批判するトランプ大統領を意識し、メディアの権力監視の重要性を強調したのだが、この言葉を日本メディアはどう受け止めただろうか。
 第2次安倍政権発足後、政権に辛口のテレビコメンテーターは次々と姿を消し、大手紙では以前と比べて政権批判の記事が減ったといわれる。
 最近では、前川喜平前文科次官の出会い系バー通いを報じた読売新聞に対し、「官邸の意向」との批判も出たが、今のメディアの体質を気骨のジャーナリストで元読売新聞記者の大谷昭宏氏はどう見ているのか。

■ 政権中枢と会食するならなれ合いになるな
  ―― 読売新聞の「前川前次官 出会い系バー通い」の記事について「官邸の意向を受けた前川潰し」との批判が出ました。読売OBとして、あの記事をどう見ましたか。

  すぐに「マル是」(絶対外せない是非モノ)、「ワケアリ」と分かりました。というのも私は仕事の関係で東京と大阪を行ったり来たりしていて、東京では東京本社版、事務所や自宅のある大阪では大阪本社版を読んでいます。東京、大阪の紙面はふつう、ガラリと違います。
 例えば、都議選のアンケート結果を大阪版に大きく載せても意味がないし、逆に兵庫知事選のアンケートを東京版に入れても仕方がない。どちらかがベタ扱いなど、記事の大きさ、掲載場所、見出しは全く異なります。

 ところが、あの記事は東京、大阪、西部本社など、いずれの紙面でも記事の配置、見出し、行数が同じ。こんな偶然はあり得ず、読売関係者が見れば一目で「マル是」「ワケアリ」。おそらくトップの意向だったのでしょう。

前川報道の違和感を指摘する大谷昭宏氏(C)日刊ゲンダイ

  ――「官邸の意向」が働いたと思いますか。

 前川さんは1月に出会い系バーに通っていることを官邸から注意されていました。それがなぜ、5月の段階で表面化したのか。しかも、あの記事が出て、他紙やテレビは「通っていた歌舞伎町の店はどこだ」となったわけですが、歌舞伎町の出会い系バーなんて数百店舗あるのに、各社そろって同じ店に取材に駆け付けたのです。

 なぜそんなことができたのかといえば、官邸から伝わったからとしか考えられません。そうでなければ、多くの記者が歌舞伎町の出会い系バーを片っ端から走り回って大変なことになっていたでしょう。官邸筋がスキャンダル記事を書かせることで前川さんの“口封じ”を図った。そう考えるのが自然です。

  ――メディアが権力に迎合して個人攻撃の記事を掲載したとすれば恐ろしい話ですが、メディアの幹部が安倍首相と頻繁に会食していることも背景にあるのでしょうか。

 お義理で、というのか定期的なのか分かりませんが、私はメディアの幹部が安倍首相と会食しても構わないと思っています。問題は食事をしたからといって、それで筆が折れるようではどうしようもないということです。
 極端な話、安倍首相と毎晩、食事したっていい。ヘトヘトになるまで付き合って、そこで「あなたの本音はどこにあるのか」と徹底的に聞き出せばいいのです。

 それが、「今度の憲法記念日にはぜひ、総理のお話を載せたい。国会でその記事を熟読して、と言っていただけると大変ありがたい」――ということが仮にあったとすれば、それは単なるなれ合い。政権もメディアもお互いの距離感が分からなくなっているのだと思います。

■ 取材先のためにもダメな部分を指摘する
  ――かつての大阪読売社会部「黒田軍団」でスクープ記事を連発した敏腕記者から見て、今のメディアの記者はどう映っていますか。

 メディアが斜陽産業と言われて久しいわけですが、それでも例えば、テレビ局は8000~9000人が採用試験に応募し、激烈な試験を越えた局員が入社してきます。ところが、何をしたいのかを聞いても答えが返ってきません。つまり、メディアに就職することがゴールになっている。

 我々の世代は、何が何でも新聞記者になって、その次にどんな記者を目指すのか――ばかりを考えていました。就職イコール出発点だったのです。
 言葉は悪いが、伸びしろのあるバカもたくさんいたわけですが、今はそういう大化けするバカがいなくなりました。
 ある意味、“完成形”で入社してくるため、社会悪と闘おうという気はないのでしょう。反権力なんて意識はもともと持ち合わせていないのではないかとも思います。

  ――サツ回り(警察担当)から始まり、その後、官公庁を担当する記者の教育システムが権力寄りの記者を生む、との指摘もあります。

 私は記者生活のほとんどが警察担当でしたが、爪と牙を抜かれて羊のようになったかといえば、そんなことはありません。ある大手紙の記者は「我々は取材先を大事にする。しかし、その取材先が腐っていて、インチキな情報を流したとすれば我々も同じように100%腐ってしまう」と言っていました。

 コンピューターウイルスの感染と同じようなもので、ダメなことはダメだときちんと指摘する。それが記者と取材先の本来の関係というわけです。取材先が怒るから書かないのではなく、取材先を大事にしているからこそ、書かないといけない。(権力寄りと言われる記者は)それが分かっていない。

  ――官邸の記者クラブでは、東京新聞の女性記者が菅官房長官に繰り返し厳しい質問をしたためにクラブの記者から注意されたとの話もありました。記者クラブについてはどう考えていますか。

 排他的になっていたり、女性記者の質問を他社が抑えつけたりしていたとすれば、それは記者クラブの問題というよりもクラブ員側の問題だと思います。要するに運用の仕方です。
 どうも(クラブの置かれた場所の)取材先が便宜を図ってくれているとカン違いしているのではないか。だから(記者発表が予定されている内容を示す)黒板協定を守らなきゃいけないと思っている。しかし、日本新聞協会が認めている唯一の協定は「誘拐報道協定」しかありません。黒板協定なんて守る必要はないのです。

 記者クラブ制度が悪いというより、(取材対象の発言をテキスト文書にまとめる)トリテキが仕事だと思っている記者たちが、今のクラブの在り方で本当にいいのか考えるべきなのです。そして、どんどんオープンにすればいい。フリー記者の厳しい質問で、(今村雅弘復興)大臣のクビが飛んだじゃないですか。トリテキのクラブ員だけの会見だったら、あんなに面白いことは起きませんよ。

  ――特定秘密保護法、安保法、共謀罪……。いずれも安倍政権が世論を無視して強行採決で成立させた法律ですが、大手メディアは一応、反対の姿勢は取るけれども、アリバイ的というのか、どこか腰が引けていますね。

 今の現有勢力から見れば、法案が委員会審議に付託された段階で通ったも同然です。そういう意味では、抵抗することの意味が記者の間で分からなくなっているのかもしれません。しかし、どうせ通るのだからと考えているのだとしたら、口も目も耳もふさがれたも同然ではないか。

今のメディアの記者は「大化けするバカがいなくなった」(C)日刊ゲンダイ

■ 安倍首相は戦後最悪の宰相
  ――そこでジャーナリストの鳥越俊太郎氏らと一緒に議員会館や日本記者クラブなどで反対集会を盛んに開いているのですね。

 「60年安保」や「70年安保」が今も語り継がれているように、世論に訴えることに意味がある。例えば国民の内心にまで踏み込む共謀罪については、「こんな危ないものを通していいのか」「通った時は大変なことになる」と国民に訴えていかなければならない。危ないということをアピールする必要があるのです。

  ――あらためてジャーナリズムとは何だと思いますか。

 この仕事を約50年やっていますが、ジャーナリズムが何かというのは今でも分かりません。ただ、あまたある仕事の中で、なぜ記者になったのか、何のためにやっているのかを問い続けるしかないと思っています。
 安倍首相は戦後最悪の宰相であり、メディアがやるべきことは、「バカが権力を握っている」ということを国民に知らせること。どんな理由があっても、決してなびいていてはならないのです。

(聞き手=本紙・遠山嘉之)


▽ おおたに・あきひろ 1945年、東京生まれ。71歳。早大政経学部卒。読売新聞大阪本社入社、徳島支局を経て、大阪本社社会部で府警を担当。朝刊社会面コラム「窓」などを担当し、87年、退社。以降、大阪に事務所を設けてジャーナリズム活動を展開し、テレビ、ラジオにコメンテーターとして出演。「事件記者という生き方」(平凡社)など著書多数。

【出典】日刊ゲンダイ 2017年7月10日

参考資料

参考資料

都民が安倍錯乱政治に退陣通告 この結果で続ける気か <上>
自民ワースト(左)と都民ファースト(C)日刊ゲンダイ

都民が安倍錯乱政治に退陣通告 この結果で続ける気か <上> 日刊ゲンダイ 2017年7月3日
 逆風なんてものじゃない。これはもう有権者からの退場勧告だ。2日投開票された都議選で、自民党はまさかの23議席に沈む大惨敗。過去最低だった38議席を15議席も下回り、これ以上の議席減はちょっと考えられないくらいの歴史的な敗北である。それだけ、都民の怒りはすさまじかった。「思い知ったか!」と声を上げた有権者も多かったに違いない。

 執行部は「あくまで地方選」と、国政とは切り離して責任回避しようとしているが、それは無理な話だ。もちろん都議会自民党にも問題はあるが、大敗の主因が安倍首相の資質と強引な政権運営にあることは、もはや疑う余地がない。

「この選挙は、安倍首相への信任投票だったといっていい。通常国会では、森友問題や加計問題で数々のデタラメが発覚した。どちらも首相自身の問題です。ところが、説明責任を果たすどころか、ごまかしや隠蔽、詭弁で逃げまくり、共謀罪を強行して国会を閉じてしまった。不誠実な安倍政権に鉄槌を下そうと、有権者は手ぐすね引いていました。都議選の最中にも数々の暴言や醜聞が政権中枢から飛び出したことで、有権者の怒りが爆発したのです」(政治評論家・本澤二郎氏)

 応援演説で、稲田防衛相が「防衛省、自衛隊、防衛大臣、自民党としてもお願いしたい」と問題発言。二階幹事長は「落とすなら落としてみろ。マスコミの人たちが選挙を左右すると思ったら大間違いだ」などと言っていた。
 極め付きが安倍だ。

 選挙戦で一度きりの街頭演説を行った最終日の秋葉原。候補者そっちのけで民進党の批判に演説時間を費やしていた安倍は、聴衆の「安倍辞めろ」コールにブチ切れ。「憎悪や誹謗中傷からは何も生まれない!」と語気を荒らげ、コールを続ける聴衆を指さして「こんな人たちに負けるわけにはいかない!」とイキリ立った。自分への批判を許さず、民意を敵視。国民に対して憎悪を剥き出しにするとは、信じられない話だ。正気を失っているとしか思えない。

 これら一連の発言、行動から見えてくるのは、安倍自民の権力私物化と選民意識、数の力に驕った反知性主義だ。
 そこに多くの有権者が呆れ、嫌悪感を抱いたことが、都議選での空前の大惨敗につながった。
「これだけ負けると、もう解散も打てません。解散権を失った首相はレームダック同然。居直ったところで、いずれ野垂れ死ぬ運命です」(本澤二郎氏=前出)
 潮目は変わった。首都決戦で民意が安倍1強を突き崩したのだ。

釈明会見で渋い表情を浮かべる稲田防衛相(C)共同通信社

■ 政治のイロハも知らない稲田大臣を庇いメディアに   八つ当たりする錯乱政権にもはや政権担当能力なし

 安倍の蹉跌は、都議選の応援演説でトンデモ発言を繰り出した稲田防衛相を庇ったことにある。
「防衛省、自衛隊、防衛大臣、自民党としてもお願いしたい」――。憲法にも抵触しかねない大問題発言だし、自衛隊員が「選挙権行使を除く政治的行為」を制限されていることは社会人の常識だ。何より、自衛隊を政治に介入させるのは許されないこと。即刻、辞任するのが当たり前である。なのに、安倍は「お気に入り」だから更迭しなかった。ここでも“お友だち”に甘い安倍政権の体質が如実に表れ、有権者の反発を招いた。

 そのうえ稲田は釈明会見で「誤解を招きかねない発言」と繰り返し、まるでメディアや有権者の受け取り方が悪いと言わんばかり。この政権はこんなのばっかだ。
 疑惑を追及されるたび、安倍は「印象操作だ!」とヒステリックにわめき散らす。下村都連会長は「週刊文春」に加計学園からの闇献金疑惑が報じられると、「選挙妨害」と言い切った。

 麻生財務相は都議選の応援演説で「(マスコミ報道の)内容はかなりの部分が間違っている。書かれている本人だからよく分かる。こんなものをお金まで払って読むか」と発言。「結果として新聞は部数が減っている。自分でまいた種じゃないか」などと言っていた。

「自民党こそ、自分でまいた種です。安倍政権が疑惑まみれで、次々と問題を起こすから、報道される。メディアに八つ当たりする前に、自分たちの言動を反省すべきですよ。メディアの姿勢を問題にするようでは、都合の悪い報道は『フェイクニュース』扱いする米国のトランプ大統領と何も変わらない。政治の根本が崩れています」(政治学者の五十嵐仁氏)
 こんな錯乱政権には、もはや政権担当能力はない。

怒号の嵐(C)日刊ゲンダイ

■ 今や「安倍帰れコール」は全国に広がる国民運動

 安倍本人が演説を始めると、湧き起こった「帰れ」コール――。選挙戦最終日、秋葉原駅前にこだました「退陣勧告」の大合唱は、全国民の怒りを代弁していた。

 アキバは政権を奪還した2012年の総選挙以来、国政選挙のたびに安倍自民党が必ず「マイク納め」の場所としてきた“聖地”だ。
 ヤジを恐れて街頭に立てなかった安倍が最初で最後の街頭演説の地にアキバを選んだのも、必勝パターンの験を担いだからだろう。

 そんな淡い期待を抱いた安倍を待ち受けていたのが想像をはるかに上回る怒号の嵐だった。
 その映像のインパクトは絶大で、SNSなどを通じて瞬く間に拡散。YouTubeにも「安倍帰れコール」の動画が次々と公開され、視聴回数は最も多いもので25万回を超えた。安倍の演説終了から、たった1日チョットで、これだけの広がりを見せているのだ。国民の多くが共感した裏返しだ。

「空間と時間を超え、あっという間に人々を結びつけるのが、ネット時代のすさまじさです。これほどの勢いで拡散したのは『安倍帰れコール』が全国に広がる国民運動になりつつあるということでしょう。多くの国民の内に秘めた怒りに火を付けたのです。今後は安倍首相が視察などでアチコチに出かけるたび、『辞めろ』のプラカードを突き出される可能性がある。森友学園の籠池前理事長だって常に100万を持ってやってくるでしょう。首相が森友・加計両学園疑惑の説明責任から逃げ回る限り、この現象は続くのです」(高千穂大教授・五野井郁夫氏=国際政治学)

 過去の都議選はことごとくその先に起きる日本の政治状況を先取りしてきた。都民が発した「安倍辞めろ」コールが全国に拡大していくのは時間の問題だ。

 都民が安倍錯乱政治に退陣通告 この結果で続ける気か <下> につづく。


都民が安倍錯乱政治に退陣通告 この結果で続ける気か <下>
小泉進次郎人気に頼りたいが(ドンの後釜中村あや候補も落選=左)
(C)日刊ゲンダイ

■ 国民の怒りを知らないオレ様政権は内閣改造で   ごまかす算段だが、目くらましは見透かされている

 有権者にハッキリ退陣勧告を突き付けられたのに、国民の怒りを受け止めようとしないオレ様首相はまだまだ政権にしがみつく気でいる。

 その目玉が「7月前倒し論」も出てきた内閣改造だ。小泉進次郎衆院議員など党内の人気者を次々と入閣させ、加計疑惑や都議選の惨敗ムードから国民の目先を変えるつもりだ。
 この期に及んで安倍は気心の知れた甘利の再入閣を熱望しているというから、とことん国民をなめている。金銭疑惑でクビになった甘利を再登板させれば「火に油」に決まっている。こんな姑息な目くらましが通用するはずがない。

 前出の五野井郁夫氏が言う。
「8月の予定だった改造を7月に前倒ししようが、レームダック政権に入閣したがるような物好きな自民党議員がどれほどいるでしょうか。人気者にはことごとく振られ、入閣待機組のベテランだけが顔を並べる滞貨一掃がオチです。そもそも、内閣改造程度で有権者の怒りの炎を鎮められると思っているのが大間違いです。今回の都議選は自民と共産が激しく争った結果、自民現職が落選した選挙区が品川、目黒、豊島、北、板橋、北多摩1、同3、同4と8つもある。自民の得票が共産より下回るのは国政選挙では考えられないこと。共産党員が激増したとは聞かないので、アレルギーを超え、政権批判票の受け皿になった証拠です。想定外の事態を巻き起こすほど有権者の怒りは頂点に達しているのです」
 燎原の火のごとく、燃え広がった国民の怒りを収める手段はただ一つ。退陣しかない。内閣改造でごまかせると思ったら、とんだ思い違いだ。


■ これから始まる自民党内の内ゲバ、   安倍降ろしの茶番劇

 昨夜、安倍は菅官房長官、麻生財務相、甘利前経済再生相と優雅なフレンチディナー。選挙結果を謙虚に受け止める考えで一致したという。

「4人で会食し、『厳しい結果だが、安倍首相の下で結束してやっていこう』という方針を早々に打ち合わせたのでしょう。都連執行部が辞任することで責任を取り、“これは地方選挙”という流れをつくりたいのでしょうが、ここまで大敗するとそうはいかない。必ず党内から責任を問う声が上がってくるでしょう。自民党内はガタガタしてくるはずです」(ジャーナリスト・鈴木哲夫氏)

 23議席という歴史的惨敗では、さすがに「都議選は地方選挙」と逃げるのは難しい。早速、石破元幹事長が「一地方選挙とすべきでない」と口火を切った。党内でいつ「安倍降ろし」が始まってもおかしくない。

 この状況にシメシメなのが実は麻生だ。3日、山東派と谷垣グループの一部を吸収合併し、第2派閥に躍進。消費増税したい財務省が熱心に麻生をバックアップしているともいう。
 岸田外相もヤル気満々で、「今は9条改憲を考えない」と発言し、安倍とは違うハト派路線を強調、党内向けアピールに余念がない。安倍との関係がギスギスしていると噂される菅も色気アリとされる。
「既成事実化されてきた安倍さんの総裁3選も、にわかに黄信号が点灯しました。この都議選が政局の変わり目になりそうです」(政治評論家・野上忠興氏)

 しかし、安倍内閣の閣僚で“ポスト安倍”のたらい回しなんて茶番は許されない。日本一有権者の多い東京で「自民はNO」の判定が下されたのだ。自民は下野するのが当然だ。

【出典】日刊ゲンダイ 2017年7月3日

都議選は大惨敗の可能性…錯乱内閣と自民党の末期症状
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/208202
2017年6月26日 日刊ゲンダイ

加計ヤミ献金、下村文科相の反論は嘘
加計学園ヤミ献金疑惑、 下村文科相の反論はインチキだらけ!
下村博文公式WEBより

加計学園ヤミ献金疑惑、下村文科相の反論はインチキだらけ!  平愛梨弟への攻撃は印象操作、主張通りでも違法性に変わりなし LITERA 2017.06.29
 加計学園と安倍政権の癒着について、また新たに大きな疑惑が噴き出した。きょう発売の「週刊文春」(文藝春秋)が、「下村博文元文科相〈安倍最側近で都議選の司令塔〉「加計学園から闇献金200万円」内部文書入手」と題したスクープ記事を掲載したのだ。
「週刊文春」は今回、「博友会パーティー入金状況」なるリストを入手。そこには、加計学園が下村氏の後援会「博友会」の政治資金パーティ券を2013年と2014年にそれぞれ100万円、計200万円分を購入していたことが示されていた。しかも、この加計学園によるパーティ券購入の事実は、政治資金収支報告書に記載がない。政治資金規正法では20万円を超えるパーティ券購入には支払った者の氏名や住所などを報告することが規定されており、同誌は政治資金規正法違反の疑いを指摘している。
 同誌では内部リストの画像も公開しており、もはや言い逃れは難しいと思われたが、本日、下村前文科相は会見を開き「記事は事実無根」と否定。警察、検察への刑事告訴までちらつかせた。

 だが、その説明はまったく説得力のないものだった。
「事務所で平成25年の日報を確認したところ、加計学園の秘書室長が事務所を来訪され、個人および企業あわせて11名から預かってきた合計100万円の現金を持参したので、その11名の領収書を作成し渡した。平成26年も同様」
「日報には、加計学園の事務長が加計学園以外の個人や企業にお願いしたと書かれてある」
「加計学園がパーティ券を購入したわけではない」
 つまり、下村元文科相は、加計学園の秘書室長が窓口となり「加計学園以外の個人や企業から」現金を集め、取りまとめ役として持参しただけ、と主張したのだ。1回につき11人が100万円のパーティ券を購入すれば、それは報告義務のない20万円以下のパーティ券購入となるため、違反には当たらないというのだが、そんな都合のいい話があるのだろうか。しかも11名の具体的な個人名や企業名を公表するかについては「確認について努力したい」としか言わず、こんな方法がまかり通るならヤミ献金し放題になってしまう。
 また、この下村元文科相の説明が事実だったとしても、違法性と加計学園の闇献金疑惑は何も払拭されない。

■ 加計学園が代わりに献金を集めただけでも違法の「あっせん」行為だ
 まず第一に、大前提として、この200万円分のパーティ券購入の時期は下村氏が文科相在任中のこと。下村事務所が作成した入金リストには、2013年に〈9月27日 学校 加計学園 1,000,000〉、2014年には〈10月10日 学校 山中一郎 加計学園 1,000,000〉としっかり記載されている。万が一、下村元文科相が主張するように加計学園が「あっせん者」だったとしても、教育行政のトップが特定の学校法人関係者と金銭のやりとりを行っていること自体が、口利きなどの癒着を疑われることは間違いない。事実上、賄賂事件とも言えるだろう。

 さらに、政治資金規正法では、パーティ券代金を集金するなどの「あっせん者」がおり、あっせん額が20万円を超えた場合には、そのあっせん者の氏名や金額などの報告を義務づけている。1回で100万円分のパーティ券を購入しているのだから、その記載が政治資金収支報告書に記載がない今回のケースは、当然、違反にあたる可能性が高い。
 いや、そもそも下村元文科相の言い分が不可解なのは、加計学園の秘書室長がわざわざ「加計学園以外の個人や企業」から金を集めてきた、という点だ。パーティ券購入代金を出した11人というのは、じつのところ加計学園の“隠れ蓑”なのではないか──そうした疑いは晴れない。
 しかも、下村元文科相は疑惑隠しに安倍政権のいつもの手口も使い始めた。今日の会見でもさっそく、告発者へのデマ攻撃、印象操作を開始したのだ。

 下村元文科相は闇献金疑惑を否定するなかで、「文藝春秋」7月号掲載の記事に、下村元文科相の妻・今日子氏が「加計サイドから月々何十万かの顧問料が支払われている」などと書かれていたことも事実ではないと否定し、「記事は元秘書の話を鵜呑みにしたと思われる」と、元秘書の存在について言及。今回の入金リストなどが流出したことも、「事務所のパソコンに入っているデジタルデータを持ち出せるのは事務所内部にいた者と考えざるを得ない」「取材にきた『週刊文春』の記者から、内部情報を漏らしているのは現在、自民党以外から都議選に立候補した元秘書だと認める発言があった」と話した。
 しかし文春側は「取材した記者に、細かいやり取りを確認しましたが、下村氏の発言は事実無根です。取材源の秘匿は記者が守るべき義務であり、それについての確認には一切応じていません」と反論。元秘書の男性も「私が、週刊文春側に下村代議士事務所のデジタルデータを提供した事実はありません」と否定している。

文春報道を否定も…下村元文科相を直撃した加計献金疑惑
日刊ゲンダイ 2017.06.29

■ 平愛梨弟への“横領”攻撃は前川前次官と同じ、疑惑隠しの印象操作
 この「元秘書」というのは、タレント・平愛梨の弟で、都民ファーストの会から都議選に立候補中の平慶翔氏のことだ。平氏は一部メディアで秘書時代に事務所費を横領したと報じられていたが、下村元文科相はきょうの会見でも「使い込みは事実」と断言。今回の報道は「元秘書による選挙妨害が目的」だと主張したのだ。

 ようするに下村元文科相は、“横領を行うような信用ならない人物が、都議選の妨害をするために「週刊文春」に内部資料を持ち出してリークした”と言うのだ。
 だが、平氏が事務所の金を横領したのか否かは、加計学園の問題とはまったく関係がない。前川喜平・前文部科学事務次官の「出会い系バー通い」や、萩生田光一官房副長官が関与していたことをメールに記述していた内閣府の職員を「文科省からのスパイ」扱いしたのと同じように、今回もそうやって「印象操作」で攪乱させようというつもりなのだろう。疑惑となんの関係もない“横領”疑惑をもち出して、どっちが選挙妨害か。

 しかも、下村元文科相はこうやって元秘書を攻撃した結果、逆に「週刊文春」が報じた入金リストなどの内部情報が「本物」であると、はっきり認めたのである。

 今回、「週刊文春」は入金リストと同時に下村事務所の日報も入手。その日報では、とくに2014年に加計学園の秘書室長の名が頻繁に登場し、たとえば同年4月21日には、秘書室長は下村氏の秘書に“文科省に何度連絡しても取り合ってもらえない。面会させてもらえないか”と担当部署への口利きを頼んでおり、秘書は〈事務方を通して、お願いをいたしました〉と対応したことを書き記している。また、同年10月17日には、加計孝太郎理事長と下村氏は会合を開いており、愛媛県を選挙区とする塩崎恭久厚労相や山本順三参院議員も同席していた。

 すでに以前から、加計学園と下村今日子夫人の“深い関係”が報じられてきたが、下村氏も文科相時代、加計学園と密接な関係を築き上げていたことが、事務所から持ち出された「本物」であるこの日報からは見て取れる。

■ 安倍首相、下村文科相と今治市職員が同日同時刻に官邸で…
 そして、こうした事実が出てきたことで、なおさら気になってくるのは、今治市の職員が官邸を訪問した2015年4月2日の“奇妙な偶然”についてだ。
 今治市が公開した出張記録によると、同日に今治市の企画課長と課長補佐2名は「獣医師養成系大学の設置に関する協議」のために内閣府などを訪問。その後、急遽「官邸訪問」が決まり、15時から16時30分まで官邸で打ち合わせを行ったことが記されている。
 地方の市職員が官邸に招かれる。しかも当時、今治市は国家戦略特区に申請する前だ。あまりに異例の対応と言わざるを得ないが、じつは同日の首相動静欄を確認すると、安倍首相は15時35分から下村文科相と山中伸一文部科学事務次官と面談を行っているのである。今治市職員が官邸に訪問していた、まさに同じ時間なのだ。

 官邸は訪問記録が保存されておらず「確認できない」と言い、今治市も職員が誰と会ったかは回答を避けているが、前述したように当時、加計学園サイドは下村文科相に直接、口利きを依頼するような関係だった。急遽、今治市職員の「官邸訪問」を実現させたのは誰なのか。そして、安倍首相と下村文科相は、この日、今治市職員と面談をしたのではないか──。その疑惑はより濃厚となったといえるだろう。

 何より、今回の疑惑発覚でもっとも重要なのは、加計学園が下村元文科相に行ったのと同じように、政治資金収支報告書で報告もされていない、パーティ券を利用した多額の金が加計学園からほかの政治家にも流れている可能性が出てきた、ということだろう。「総理のご意向」だけではなく、異常な「加計ありき」には金も絡んでいるのか。いや、そもそも安倍首相と加計理事長の関係は、ほんとうにたんなる「腹心の友」というだけなのか。下村元文科相は無論のこと、加計学園の金の流れに対する追及がさらに必要だ。(編集部)

【出典】LITERA 2017.06.29


関連資料

「講演料手渡した」実名告発 “訂正常習”下村大臣も万事休す
日刊ゲンダイ 2015年3月6日
絶体絶命(C)日刊ゲンダイ

「答弁は矛盾していません」。こう言って、追及する野党議員をにらみつけていた下村博文文科相がいよいよ、追い詰められてきた。政務秘書官による口封じメールが暴露されただけでなく、そのメールを受け取った中部博友会の元幹部が、発売中の「週刊文春」に実名で登場。下村文科相の嘘を告発したのである。

 この元幹部は鈴木文代さん。下村文科相を応援する中部博友会の元幹部であり、中部若手博友会の顧問を務めてきた人物だ。下村文科相の秘書官から「口封じメール」を受け取ったのも、鈴木さんである。その鈴木さんが文春で語った告発の肝はここだ。

「地方の博友会は、下村先生を招いて講演会を開きます。その時の宿泊費は、こちらで負担することになっていました。中部博友会の場合は、マリオットです。また講演料もお渡ししています。私は豊川先生(注・中部博友会会長=当時)から10万円の講演料を出していただき、封筒に入れて下村先生本人に渡しました。講演料をもらっていないというのはウソです」
(続く)
全て読む
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/157791


大臣の資格なし オカルトに傾倒する下村文科相の精神構造
日刊ゲンダイ 2015年3月8日
博友会問題だけじゃない(C)日刊ゲンダイ

「博友会」の問題で苦境に立たされている下村博文文科相(60)。博友会幹部の実名告発によって次々にウソが暴かれ、“口止めメール”の存在まで明らかになった。よくも安倍首相は、こんな男を大臣に就けたものだ。そもそも下村氏は文科相にふさわしい人物なのか。ネット上では、下村文科相が「教育」とは程遠い“オカルト”にのめりこんでいたことが問題になっている。

 下村文科相の「オカルト」や「スピリチュアル」に対する傾倒は半端じゃない。どう考えても怪しい人物の教えを本気で信じている。

 下村文科相が傾倒していたひとりが、ジュセリーノ・ダ・ルース氏という予言者だ。ブラジル生まれの54歳で、予知夢で未来の出来事を知ることができるという。日本のTV番組にも出演したことがあり、「予言的中率90%以上」などと紹介されている。米同時多発テロ、東日本大震災まで予言したと豪語するが、その多くは“事後報告”で、ハッキリ言ってマユツバものだ。ところが、下村文科相は、07年に動画サイトで「『ジュリアーノ』さんの予知は、ほとんど90%は当たっている」と名前を間違えながらも持ち上げ、「各国政府関係者に手紙を出し、予知を未然に防げるような警告を出している」と称えているのだ。
(続く)
全て読む
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/157857


下村大臣 問題紛糾中に 「博友会」パーティー堂々開催の“厚顔”
日刊ゲンダイ 2015年3月24日
「博友会講演会」の案内書(右)/(C)日刊ゲンダイ

 係員に取材を申し込んだが「ご予約いただいた会員様限定」と、入場を拒否された。その後、改めて係員に話を聞こうと試みたが、今度はホテルの従業員が「取材はNG」とシャットアウト。「全く問題ない」という下村大臣の発言とは裏腹に、会場は異常な厳戒態勢だった。

 講演会終了後、出席者のひとりは本紙にこう明かした。
「下村大臣は現在の騒動に関し事細かに説明し、『法に触れるようなことは一切していないので心配しないで欲しい。逆に、自分を批判している人たちの間違いが、この先明らかになるだろう』と話していました。その後、謝罪の言葉はなく、終始ご機嫌な様子で自著について話していました」

 昨年、政治団体として届け出のない各地の博友会からの会費約600万円を寄付と処理していた下村大臣。これが「法に触れるようなこと」でないのなら、政治資金はブラックボックスだ。刑事告発騒動も国会での追及も“どこ吹く風”ではとても済まされない。(続く)
全て読む
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/158320/1


違法献金、虚偽答弁、口止め、トンデモ科学、 下村文部科学大臣の疑惑をまとめてみたら
最強の「反面教師」でした
BUZZAP 2015年3月5日17:15 by 深海

 あまりの疑惑の多さに報道すら追いついていない下村文科相の疑惑の数々。もうじき訪れると噂される辞任会見の前にその全貌をまとめてみました。詳細は以下から。
 安倍政権の政治とカネ問題、第2次安倍改造内閣時代には小渕優子経産相と松島みどり法務省が辞任に追い込まれ、結果的に衆議院の解散総選挙へと雪崩れ込んでゆくこととなりました。

◆今度は下村文科相から政治資金問題が噴出、疑惑のオンパレードに

 しかし新たに発足した第3次安倍改造内閣でも2月23日に西川農相が辞任の憂き目に。そしてその後現在に至るまで吹き荒れているのが安倍首相、菅官房長官をも含む多数の閣僚の政治資金問題です。

 その中でもいち早く問題が表面化し、教育者のトップの立場としてはあるまじき行為が次々と暴露されたのが下村博文文部科学大臣です。下村文科相への政治資金問題が初めて浮上したのは西川農相辞任からわずか2日後の2月25日のこと。

 複数の報道機関が翌日発売の週刊文春のスクープで、塾経営者などで作られる全国各地の「博友会」という下村文科相の支持者団体が、政治団体の届け出なく下村文科相の講演会や懇親パーティーを1人2万円の会費で開催し続けていたというもの。

 政治資金規正法では政治団体を選管への届け出と政治資金収支報告書の提出を義務づけていますが、東京以外の博友会は届け出がなされていませんでした。この疑惑に下村文科省は、「政治目的の会ではなく、ましてや政治献金のためのものではない」「献金を受けたこともない。私の政治活動とは関係ない」などと反論。「懇親のための任意団体」「講演料や車代は一切頂いていない」としています。
■下村文科相 無届け団体が資金集め? 週刊誌報道へ – 毎日新聞
■下村文科相が反社会勢力の献金は返金、「博友会」から献金受けず Reuters http://jp.reuters.com/article/shimomura-idJPKBN0LU02920150226

◆あまりに食い違う答弁、献金元は暴力団との関係も 
 また民主党の柚木議員の質問に答える形で、下村氏が大阪市内の企業などから受けた献金96万円を「代表者が日本人ではないことが分かった」との理由で返金していたこと、脱税などで有罪判決を受けており、暴力団との関係も指摘される「中部博友会」の代表を務めていた名古屋市の元学習塾経営者から受けた献金約5万円を1月に返金していたことも明らかにされています。
■下村文科相の政治資金問題が浮上-「違法性ない」と官房長官 – Bloomberg
■文科相、違法献金疑惑を否定 「講演料や車代もらわず」:日本経済新聞
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG26H2F_W5A220C1CC0000/

 しかし27日の閣議後の会見で「東北博友会」から講演会の際の宿泊費やハイヤー代を受け取っていた事が発覚。答弁との食い違いが明らかになります。下村文科相はこれに対し「宿泊代やタクシー代を負担してもらったのは事実だが『お車代』はもらっていない」などと強弁して問題はないとの見解を示します。
■下村文科相 「東北博友会」が宿泊代とタクシー代を負担 – 毎日新聞

 また、この日の委員会終了後に下村文科相が報道人に対して「政治団体として届け出た方がいいとの議論がされているから、そうしてもらった方がいい」と語っており、それまではあくまで任意団体としていた博友会が政治団体としての性格を持っていることを自ら認めてしまっていることが明らかにされています。

■日刊ゲンダイ 下村文科相に深まる疑惑 「博友会は任意団体」は矛盾だらけ
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/157593/1

 また同日の産経新聞では「九州・沖縄博友会」の会員に取材、年会費の一部が下村文科相が代表を務める政党支部「自民党東京都第11選挙区支部」への献金として処理されていたことが報じられます。取材に応じた男性の名前で6万円の個人献金が記載されていたことが明らかにされています。
■【下村文科相疑惑】支援団体の「会費」、一部が「献金」に – 産経ニュース
http://www.sankei.com/affairs/news/150227/afr1502270004-n1.html

 そして週明けとなる3月2日、2月27日の衆院予算委員会において民主党の柚木議員からの質問で、2009年に上記の暴力団との関係の指摘される名古屋の元学習塾経営者の男性から10万円の個人献金があったかとの問いかけに対し「そういうことはない」と否定していたのですが、実際には10万円の献金を受け取っていたことが発覚。
■「一切ない」寄付、一転認める 下村文科相代表の党支部:朝日新聞デジタル

◆関係者が「真実を語って欲しい」と大臣からの「口止め」メールを公表

 3月3日の答弁で訂正と謝罪を行い、10万円を返金したことを明らかにしましたが、ここで柚木議員から大きな問題となる「口止めメール」の存在が指摘されます。柚木議員は下村文科相の政務秘書官が関係者に対して2月14日に送付した

「大臣より、取材の要請がきても応じることなく無視でお願いと申しております。大臣になりますとあらゆる疑いをかけられ、ないことないことを書かれますので、取り合わないようお願い致します。応じると記事にされますので」
というショートメッセージを読み上げて紹介。報道各社が一斉に取り上げる事態となりました。

■下村文部科学相 脱税で在宅起訴の人物から献金 NHKニュース
■「下村氏がメールで口止め指示の可能性」 民主議員、予算委で:日本経済新聞

http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS03H3A_T00C15A3PP8000/

以下動画の9:38から柚木議員がメールを読み上げています。
■柚木道義(民主党)【衆議院 国会中継】平成27年3月3日 予算委員会 – YouTube
柚木議員はこのメールを公開した人物からの言葉として以下のとおり紹介しています。
 一生懸命応援してきた。お金も人も出してきた。しかし大臣がこの国会で嘘の答弁を繰り返されるので、真実を語って欲しい。そう思ったからこそこのメールを公表することを決断した。

 そして本日5日の民主党大西議員に対する答弁で下村文科相はこの「口止め」のショートメールが政務秘書官から送信されていたことを認めました。しかし現時点では自身の関与は否定しています。
■下村文科相、「口止め」認める=講演料受領は否定 衆院予算委 – WSJ
■東京新聞 秘書官のメール認める 文科相、送信指示は否定 政治(TOKYO Web)

 連日のニュースでもあり、安倍内閣の他の閣僚の政治資金問題も連日大きくクローズアップされているため流れを掴みにくい現状ですが、こうしてみるとこの10日の間にいかに供述がころころと変わっているかがよく分かります。

◆教育のトップを担うべきではないが、反面教師としては最強

 下村文科相に関してBUZZAP!では自身が幹事長を勤める超党派議連「人間サイエンスの会」のトンデモっぷりについて報じましたが、今回の政治資金問題はトンデモで済む問題ではありません。
■下村文科相が幹事長を務める超党派議連「人間サイエンスの会」のカルト臭がハンパないことに | BUZZAP!(バザップ!)
http://buzzap.jp/news/20150114-iri-ns/

自民党はこの度罰則規定を以て「偏向教育」を排除する方針を明らかにしましたが、その教育のトップにこのような虚偽と言い訳まみれの人物を据えていて、一体誰を納得させられると考えているのでしょうか。
■自民党が罰則制定で「偏向教育」排除へ、歓迎した産経新聞は「愛国幼稚園」絶賛でいきなり自己矛盾に | BUZZAP!(バザップ!)
http://buzzap.jp/news/20150304-japanese-bias-patriotic-education/

 まず下村文科相が自らのけじめを付けなければ、説得力のかけらもないことは火を見るよりも明らかです。

【出典】BUZZAP 2015年3月5日17:15 by 深海

加計学園の加計孝太郎氏 自民党岡山県自治振興支部の代表者だった! 事務所の場所も加計か
岡山理科大

加計学園の加計孝太郎氏、 自民党岡山県自治振興支部の代表者だった! 事務所の場所も加計か
情報速報ドットコム 2017.06.25 07:24
 日本中から注目されている加計学園問題ですが、この学園の理事長である加計孝太郎氏が自民党岡山県自治振興支部の代表者を担当していたことが分かりました。

 これは平成27年度分の収支報告書から発覚した情報で、驚くべきことに住所も加計学園の土地と思われる場所を利用しています。

 収支報告書に事務所の所在地として書いてある住所を調べてみると、加計関連の施設があるのです。加計学園の加計孝太郎氏が代表ということで、便利な学園の施設を利用した可能性が高いと思われます。
*訂正:事務所の住所は加計学園系列の英数学館岡山校。

収支報告書に記載された住所

自民党 収支報告書
自民党 収支報告書

総理“加計”調査に反省 「歪んだ行政ただす」とも
総理“加計”調査に反省 「歪んだ行政ただす」とも (17/06/19)

「加計問題」審議、党内からも 強引手法批判の中
「加計問題」審議、党内からも 強引手法批判の中 (17/06/19)

※お知らせ

この記事に関して問い合わせがあったので、追加の記事で説明しました。

 ネトウヨ系ブログ「保守速報」や「KSL-Live!」が当サイトを名指し批判!「加計の記事はデマ」

【出典】情報速報ドットコム 2017.06.25 07:24


※参考資料

新事実次々! 松野文科相「加計理事長と獣医学部の話してない」は虚偽答弁、今治市のボーリング許可の裏に内閣府指示  (LITERA 2017.06.12)
前川潰しの恐怖政治に国民戦慄 内閣支持率はまだ下がる (日刊ゲンダイ 6月8日)
どちらが嘘つきかは一目瞭然 安倍首相と菅官房長官の悪相 (日刊ゲンダイ 6月1日)
前川前次官会見で田崎スシローがアクロバティック安倍官邸擁護!「菅さんが言ってるから文書は嘘」「読売記事はスクープ」 (LITERA 2017.05.27)
「総理のご意向文書は本物」文春の前次官証言報道で新聞・テレビが一斉取材へ! 一方、官邸は「口封じ逮捕」で恫喝 (LITERA 2017.05.24)
安倍首相が朝日の加計学園報道をFacebookで「テロ」認定! やっぱりこいつは共謀罪で言論を取締るつもりだ。(LITERA 2017.05.22)
安倍首相関与の決定的文書 これで知らぬ存ぜぬは通じない (日刊ゲンダイ5月18日)
デタラメ大臣の巣窟内閣でも支持率が落ちない謎を解く [日刊ゲンダイ 5月1日]
安倍首相の恩師・宇野重昭氏が死去、生前涙ながらに「安倍くんは間違っている」「勉強していない」「もっとまともな保守に」と批判 LITERA 2017.04.05

レイプ犯から殺人犯まで、 安倍晋三総理周辺の犯罪者たち

レイプ犯から殺人犯まで、安倍晋三総理周辺の犯罪者たち simatyan2 2017-05-31 15:21:09


 ○ 安倍晋三総理御用記者の山口敬之氏
安倍晋三御用記者の山口敬之氏

 この山口敬之氏から性的暴行を受けた詩織さんが訴えを起こし、裁判所から逮捕状が出て成田空港で取り押さえる直前、菅義偉官房長官の秘書官だった中村格刑事部長から待ったがかかり不起訴となりました。
 示談を薦められたそうですが検察審査会に申し立てするそうです。

菅義偉官房長官の秘書官だった中村格刑事部長

中村刑事部長はなぜ逮捕状を止めたのか <アゴラ>

 山口敬之氏の詩織さんに対する「準強姦」疑惑については、すでに不起訴処分となり、検察審査会の結論を待つしかないが、性行為は確認され、ホテルの監視カメラなどの物証もある。これ自体はただの性犯罪(?)だが、問題は政権との関係だ。

 この事件については高輪署が捜査して山口氏の逮捕状をとり、2015年6月、山口氏が帰国するタイミングで捜査員は準強姦罪容疑で逮捕するため、成田空港で待ち受けたが、逮捕状は執行されなかった。詩織さんは捜査員から「逮捕直前に警視庁から指示があった」と伝えられたという。

 その後、警視庁の捜査一課が捜査に加わり、8月に山口氏を準強姦の疑いで東京地検に書類送検したが、翌年7月、嫌疑不十分で不起訴となった。捜査に1年4ヶ月かかったが、結果的には山口氏は逮捕も起訴もされなかった。逮捕状を執行しなかった理由について、週刊新潮によると当時警視庁の刑事部長だった中村格氏(写真)が「私の判断だった」と認めている。彼はこう言ったという。

 なんで2年前の話が今ごろ出てくるのか、不自然でしょ。女も就職の世話をしてほしいという思惑があったから飲みに行ったのであって所詮男女の揉め事。彼女は2軒目にも同行しているんだしさ。その就職の話が結局うまくいかなかったこととか、最近、山口さんがテレビによく出ているからという、そういうことも(告白の)背景にあるんじゃないの。

 マスコミが問題にしているのは、中村氏が2015年3月まで菅官房長官の秘書官だったという「政権との近さ」だが、もう一つの要因は「マスコミとの関係」だ。山口氏は2015年4月に(別の理由で)ワシントン支局長を解任され、そのあと逮捕状が請求された。詩織さんも日刊スポーツのインタビューでこう語っている。

 最初は警察で「よくある話」と始まった。事件性の確認後も「今の法律では難しい」となり、次に「(相手が)TBSだから難しい」と言われた。「相手が政権側の方ととても近しい」という話もされた。ただ、山口氏がTBSを辞めたという話が入った途端(逮捕へ)いけるかもとなった。何なんだろうと思った。

 「よくある話」というのは、彼女が4月3日の22時ごろから翌朝5時まで「記憶が欠落している」ことだ。記憶を失った女性が翌朝、一転して態度が変わる事件はよくある(私も身近で聞いた)。これを彼女は「デートレイプ・ドラッグだと思う」というが、これは睡眠薬なので、タクシーの中で吐くという症状は考えにくい。

 「山口氏がTBSを辞めたという話が入った途端いけるかも」というのは、彼が退社した2016年5月30日以降の話だと思うが、当時はすでに書類送検されていたので、「いけるかも」というのは起訴のことだろう。

 要するに山口氏は「合意だった」と主張し、詩織さんは「合意していない」という点が最大の争点で、「政権との関係」については彼女も「論点はそこではない」という。むしろTBSとの関係を問題にしている。捜査員も、TBSをもっとも気にしている。
 では中村刑事部長が逮捕状を止めた理由は何か。彼は週刊新潮で「事件の中身として(逮捕は必要ないと)私が判断した。(捜査の中止については)指揮として当然だと思います。自分として判断した覚えがあります」と明言しているが、TBSとの取引もあったのではないか。山口氏が支局長を更迭されたのは、この事件直後の4月23日だ。これによってグレーな事件の「社会的制裁」としたことも考えられる。

 だが公判の維持がむずかしいという技術的な理由も考えられる。準強姦とは「心神喪失または抗拒不能となった女性を姦淫した場合」だが、山口氏がEメールで書いたように、彼女が「私の寝ていたベッドに入ってきた」というのが事実だとすれば心神喪失ではなく、抗拒不能ともいえない。

 男女間の問題がこういう形で表に出ると男が圧倒的に不利だが、男性の人権にも配慮が必要だ。私はどちらを擁護する立場でもないが、疑問は残る。中村氏(今は警察庁組織犯罪対策部長)は逮捕状を却下した理由について、説明する責任がある。


 ○ 竹田恒和JOC会長
日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恆和会長(左)

東京五輪招致の裏金問題で“厚顔”答弁… JOC竹田恆和会長に自動車事故で女性を轢き殺した過去が!  LITERA 2016.05.18

 2020年東京オリンピック招致に際しての裏金賄賂疑惑をめぐり、16日の衆議院予算委員会に、招致委員会で理事長を務めていた日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恆和会長が参考人として出席した。

 既報の通り、招致委員会はシンガポールにあるブラックタイディングス社の代表イアン・タン氏にコンサルタント料として2億円超の大金を支払っていた。しかし、イアン氏は国際陸連前会長で国際オリンピック委員会(IOC)の選考委員で、大きな力をもつラミン・ディアク氏の息子と深い関係にあり、この金がブラックタイディングス社を通じて賄賂として渡ったとの疑惑が浮上。フランスの捜査当局が捜査を開始する事態となった。

 これに対して、竹田会長はこの日の国会で、BT社への2億2000万円の支払いを「コンサルティング料」「正当な手続き」としたうえ、選考委員の息子との関係を知らなかったと言い張った。また、このブラックタイディングス社がペーパーカンパニーだという疑惑についても、完全否定した。

 しかし、その説明はとても納得できるものではなかった。そもそも、2億円というのはコンサル料として巨額すぎるし、BT社への支払いは、13年7月に9500万円、10月に1億3500万円と二回に分けて行われているが、そのうち、10月の支払いは IOCの総会で東京での五輪開催が決まった後のこと。名目は「勝因分析」と説明していたが、選ばれた後の分析に1億円支払うなんていうのは明らかにおかしい。これはどう考えても、招致の成功報酬として渡されたものだろう。

 また、ブラックタイディングス社の所在地は、築50年近く経った古い公営住宅の一室で、どこからどう見てもオリンピック招致に関する高度なコンサルティング業務を行えるような会社ではない、典型的なペーパーカンパニーである。

 これで「正当な手続き」などといいはるのだから、竹田会長の態度はもはや厚顔としかいいようがない。というか、そもそも竹田会長は、まともな調査などまったくしていないペーパーを朗々とした調子で読み上げているだけで、この問題に対する当事者意識も、疑惑をきちんと調査しようという姿勢もまったく感じられなかった。

 竹田恆和氏といえば、あのネトウヨタレント・竹田恒泰氏の父親ではあるが、旧皇族・竹田宮家の生まれで、明治天皇のひ孫、今上天皇とははとこにあたる。01年からJOCの会長を務め続けており、人望も厚いといわれていた。それが、まさかこんな不誠実な姿勢を示すとは……。
 しかし、この人の不誠実や厚顔はもともとのものなのかもしれない。その一端がかいま見えるのが、竹田氏が起こした不祥事とその対応だ。

 実は、竹田氏は40年ちょっと前、若い女性を轢き殺す交通事故を起こしたことがあるのだ。
 当時、竹田氏は馬術の選手で、国体の試合に出るため会場に車で向かう途中のことだった。この事故について、1974年10月23日付の読売新聞夕刊が〈五輪馬術代表の竹田選手 女性はね死なす〉という見出しで記事にしているので、全文を紹介しよう。
〈茨城国体に出場する東京都の馬術選手の乗用車が、二十二日夕、会場近くの茨城県稲敷郡新利根村で歩行者をはね、死亡させた。このため、東京都は、二十三日以降の全馬術競技の出場を辞退した。

 二十二日午後五時ごろ、新利根村角崎の県道を歩いていた同村××××、会社員××××さん(二二)は、茨城国体馬術競技東京都代表、竹田恆和選手(二六)(東京都港区高輪三の一三の一)の乗用車にはねられ、頭を強く打って近くの病院に収容されたが、二十三日午前零時過ぎ死んだ。江戸崎署の調べでは竹田選手が対向車のライトに目がくらんだのが事故の原因。

 竹田選手はIOC(国際オリンピック委員会)委員の竹田恒徳氏の三男で、馬術のミュンヘン・オリンピック日本代表。茨城国体には、二十三日午後の一般飛越競技に東京都の代表選手として出場するため、会場の同郡美浦村の馬術会場近くの合宿所に行く途中だった。

 竹田選手の事故責任をとり、東京都チームは二十三日朝、この日以降の全馬術競技の出場を辞退することを決定、大会本部に連絡した。〉
 40年以上前の話とはいえ、こんな重大事故を引き起こした人物が、今、日本の五輪組織のトップに君臨しているというのも驚きだが、問題だと思うのはこの事故の後の竹田氏の身の処し方だった。

 新聞報道によれば、明らかに竹田氏側の過失だと思われるが、竹田氏は重い刑事責任を問われることもなく、ほどなく馬術競技に復帰。事故から2年も経っていない1976年に開かれたモントリオールオリンピックに出場しているのである。
 通常の会社勤務なら、死亡事故を起こすと解雇になるケースも多いし、スポーツ選手では、最近、バトミントン五輪代表選手が違法カジノに出入りしていただけで、無期限の競技会出場停止になり、リオ五輪の出場権を剥奪された。それらと較べれば、雲泥の差だろう。

「被害者と示談が成立したというのもあるでしょうが、竹田氏の場合はやはり宮家の威光というのが大きかったようです。周辺の政界人脈が動いて、事故の影響を小さくし、すぐに復帰できるようにお膳立てしたようです。復帰した時もほとんどマスコミには叩かれなかったようですね」(スポーツ関係者)

 もちろん、交通事故は過失であり、人を死なせた人間にも人生をやり直すチャンスは与えられるべきだ。しかし、これだけの大事故を引き起こしていたら、やはり五輪のような華々しい表舞台からは身を引くのが普通の神経だろう。ましてや、竹田氏の場合は、事故の影響で東京チームが連帯責任をとって、国体の出場をとりやめているのだ。それが、本人がすぐに五輪出場とは……。

 しかも、竹田氏はこの後、1984年のロサンゼルス五輪で日本選手団コーチ、92年のバルセロナ五輪で日本選手団監督と、JOC内部でどんどん出世していくのだ。そして、2001年にはとうとう日本オリンピック委員会(JOC)会長に就任し、以来、16年という長い期間にわたって、JOCトップに君臨し続けている。

「JOCでの力は完全にコネですね。竹田さんの父である竹田宮恒徳王が戦後、JOC会長、IOC委員を務めており、JOCは以前から竹田家と縁が深かったんです。それで、父君の時代の側近たちがお膳立てして、息子の恆和さんのJOC会長への道筋をつけたんです」(前出・スポーツ関係者)

 つまり、竹田恆和という人物は、どんな不祥事を起こしても周りがカバーしてくれて、出世の段取りをしてくれるという環境の中で生きてきたのだ。そして、本人も無自覚にそれに乗っかっていく。

 そういえば、2020年のオリンピックの開催地を決めるIOC総会前の会見で、外国人記者から福島原発の影響を聞かれて、竹田会長は「福島は東京から250キロ離れており、皆さんが想像する危険性は東京にない」と発言。まるで福島を切り捨てるような、あまりに他人事な発言に批判が殺到した(といっても、海外メディアとネットだけで、国内マスコミはほとんど批判しなかったが)。

 ようするに、こういう人物だから、今回のような贈収賄に問われる重大事態が起きても、まったく当事者意識がなく、問題解決ができないのだろう。いや、今回のことだけでなく、これまで起きた国立競技場やエンブレム問題などもそうだ。竹田会長の当事者意識のない無責任な姿勢が森喜朗氏や電通の暴走を許し、さまざまなトラブル、不祥事を誘発してきたともいえるだろう。

 こんな人物がトップにいるかぎり、東京五輪の混乱がまだまだ続くであろうことは間違いない。(井川健二)

 若い女性を轢き殺す交通事故を起こしながら、重い刑事責任を問われることもなかったそうです。東京五輪招致の裏金問題では“厚顔”答弁…! 
 金に困れば電通に泣きつくようです。
 借金に困った竹田氏、お友達の電通専務に泣きついて、JOCの会長にしてもらう、ついでに月給130万円get

 ○ 竹田恒和氏の甥、竹田恒昭
甥の竹田恒昭氏(左)

 甥の竹田恒昭は安倍昭恵氏と同じ元電通で、昭恵氏は免れましたが2015年に大麻取締法違反で逮捕されています。

 ○ 竹田恒和氏の息子、竹田恒泰氏
息子の竹田恒泰氏

 息子の竹田恒泰氏は読売の「そこまで言って委員会」で活躍中ですが、借金の踏み倒しや女子高生の盗撮など、相変わらず派手な生活です。

 ○ 安倍首相夫人と上野俊彦容疑者
安倍首相夫人と上野俊彦容疑者のツーショット

 麻栽培で町おこしを行っていた上野俊彦容疑者が、あろうことか、大麻取締法違反で逮捕されました。ミイラ取りがミイラになってしまいました。

 ○ 安倍総理と旧知の間柄である加計孝太郎氏は、      元総理、故・岸信介の外孫
 加計学園の加計孝太郎殿は岸信介の外孫(そとまご)

 安倍総理と旧知の間柄である加計孝太郎氏。総額440億もの血税が、安倍から加計に流れているそうです。

安倍総理(左)と旧知の間柄である加計孝太郎氏(右)

 ○ 押尾学事件
 安倍晋三総理の大師匠、森喜朗の息子が主犯格だったのに、前も出なかった押尾学事件。(押尾学事件) 闇のフィクサー森元首相が引退 。

死亡した田中香織さん(左)と故・森祐喜氏(右)

(押尾学事件)闇のフィクサー森元首相が引退

 森元首相といえば、怪物小泉元首相の生みの親で、その後安倍元首相、麻生元首相と歴代首相を影から操ってきた自民党のドン。

政治家生活43年間で当選14回の最も古参の議員。

 森さんは能美市で開かれた長男、祐喜氏を偲(しの)ぶ会で、「私がいつまでもいることが、若い人の出馬を抑えていることになるのではないか」と、後進に道を譲る思いを強調したそうですが、本音は自民党が復権することを願い、引退後も影響力を持ちたいんじゃないかと思いますね。
 というのも1年前に多臓器不全で亡くなった長男の祐喜氏が、あの押尾学事件の主犯だったといわれているからです。しかも押尾は単に身代わりなったに過ぎず、事件を森元総理の圧力で揉み消したとも言われているのです。

 押尾学事件はオウム事件と同様、闇の部分が多く大半が未解明でマスコミも初めは大きく取り扱っていましたが、ある時点から追求を止めているというか、積極的に報道しなくなっています。

 森祐喜氏は森元首相の秘書などを経て06年石川県議に初当選しましたが、2期目だった昨年8月、乗用車を運転して同県小松市内のコンビニの入り口に突っ込み、道交法違反(酒気帯び運転)容疑で同県警に逮捕され、県議を辞職しています。

 その森祐喜氏が2009年8月2日に起きた「押尾学事件」の主犯格だったのです。「押尾学事件」は有名で知らない人はいないと思いますが、今一度簡単に説明しておきます。
 2009年8月2日夕方6時過ぎ、都内六本木ヒルズレジデンスB棟2307号室で、合成麻薬MDMAを服用していた銀座クラブ「ジュリア」の元ホステス・田中香織さん(当時30歳)が死体として発見された事件です。

 田中さんの容態が急変し、同室の押尾学が、田中さんにMDMA服用を勧めたとされ、心臓マッサージなどの応急処置をしたものの救急車は呼ばず、当時所属していた音楽事務所エイベックスのマネージャーの遠藤亮平らに連絡して、既に死亡した田中さんを全裸のまま放置し現場から逃走したとされています。

 そして翌日夕警視庁麻布署に出頭し逮捕となった事件でした。しかし警察幹部から漏れた情報によると、真っ先に名前が挙がった主役というのが森祐喜氏だったんですね。
 押尾は当日ヒルズレジデンスの別室(田中さん死亡後一時避難した4701号室?)にいて、田中さん急変後森らに呼び出され「身代わり」を頼まれたとも言われています。
 これを裏付けるように、田中香織さんの遺体と対面させられた遺族が見るに、田中さんの顔は異様にバンバンに腫上がっていたそうです。
 なぜならMDMAの服用だけではこうはならないわけで、当日誰かから凄まじいDVを加えられた可能性が大有りなのですね。

 DVと言えば、森祐喜の元妻美樹さんは、祐喜の常日頃からのDVに耐えかねてその何年か前には離婚している事実があります。
 事件が発生したのは2009年で、当時は衆院選の真っ只中だったのです。

 事件発生によって警視庁は、六本木ヒルズレジデンスB棟の監視カメラをいち早く押収しています。しかし本来なら第一級の証拠資料のはずが、なぜか裁判ではただの一度も証拠採用されていないんですね。

 だから口止め料として森元首相サイドから、押尾学のパトロンだったパチンコ業界のドン・Y氏を通じて押尾に2億円が払い込まれ、元妻の矢田亜希子の口座に入金されたそうです。
 また有名な酒井法子の薬物事件は、「押尾事件隠し」のために仕組まれたものだったとも言われています。
 深夜の渋谷道玄坂に、高相祐一と酒井法子がおびき出されたのです。
 それと酒井法子失踪指南役の建設会社会長のТ氏は、産廃業を通して森元首相とは旧知の仲だったとも言われています。
 麻布署と地元闇社会とはズブズブの関係で、押尾が所属していたエイベックスへは、元警察庁長官ら何人もが天下りしてるんですね。

 事件は、押尾の保護責任者遺棄罪(懲役2年6月)など少人数の犯罪に矮小化されています。ちなみに森さんが生み出した小泉元首相も、実家が小泉組で祖父が3代目組長だったことは周知の事実。

 こうして見ると政治家と芸能界、マスコミ関係者との関係は深く、権力者にとって都合が悪いことは藪の中、永遠の闇の中に収め、逆に、権力者にとって都合が悪い人物は罪をでっち上げられ、無実の者も裁判にかけられることが良くわかります。
 もちろん裁判所、検察も時の権力者の手中にあるからで、政治家と官僚とマスコミは持ちつ持たれつの関係だからですね。(simatyan2のブログ )

 ○ 鮫島事件 安倍総理の師匠、小泉元総理の    芸者小はん殺人事件
 今や伝説となった晋三の師匠、小泉純一郎の芸者小はん殺人事件。(別名鮫島事件)もあります。
 小泉氏は、サドの趣味があり、よく相手の首をしめてプレイするという。それで一度 死にそうに相手がなり、半死の状態になってしまった。驚いた飯島秘書官が500万円を支払い、示談にしたことがあるという。

 新橋の芸者の小はんという女性が、小泉とつきあっていたが、そのときに、なぞの死をとげている。これは自殺として処理されているのだが、別に悩みもなく、人気もあり、死ぬ理由も動機などなかったという。
 自殺であるという処理であるから「首吊り」として処理されているのかは知らないが、後で浜田幸一元代議士が、小泉に対して「この芸者殺し野郎!」と代議士仲間の前で、ののしったことがある。

 3人子供を生ませて、離婚をしているが、その離婚の動機も、妻が、小泉の殴る蹴るのドメステイックバイオレンス・家庭内暴力に耐えられずに離婚をした。
 政権をとってから、「国民に痛みを与えるから耐えろ」と絶叫するばかりで、「痛み」だけを与える政策ばかりである。

 自衛隊をイラクに派遣をして、日本人を戦争に導き、戦争という、最大の「痛み」を与える前段階の準備をしている。
 都市銀行や、大会社が倒産するととてもうれしそうに「成果が出た」と満面の笑みで喜ぶ。彼が就任してから倒産は戦後最大であり、失業率も戦後最高である。これも国民に必要な「痛み」であるので国民はたえなければいけないと主張している。

 以上のデータはもっぱら個人情報のため、小泉氏のプライバシーに関する情報となる。つまり小泉氏に「過去に婦女暴行事件で逮捕歴があるか」ということを取り扱うと、小泉氏からは「それはプライバシーの侵害だ」といわれることになる。そのため大手マスメデイアは報道することができないでいる。もっともこの個人情報保護法案を制定したのは小泉が首相になってからである。

 しかし、刑法273条の第二項に示しているように、もしその情報が真実であり、公の福祉のためであるならば、それは、名誉毀損にはならないとある。個人情報保護法案より刑法273条の2項のほうが上位に来る法概念である。

 われわれ国民は、日本をこのまま戦争に導きかねない重要法案を任せている小泉氏についてもっと知る必要があると思われる。

(「小泉レイプ事件」)

 ○ 安倍晋三総理の女房役の菅官房長官は、

 「問題ない」を連発してますが、安倍晋三総理を中心に、その周囲はあまりにも問題がありすぎて、血なまぐさい事件や闇が深すぎて、日本は滅茶苦茶になっています。

【出典】simatyan2 2017-05-31 15:21:09

出典:simatyan2 2017-05-31 15:21:09

安倍首相の恩師 宇野重昭氏が死去
生前涙ながらに「安倍くんは間違っている」 「勉強していない」「もっとまともな保守に」と批判

国際政治学者・宇野重昭さん死去 成蹊大元学長
朝日新聞デジタル 2017年4月5日11時35分


 宇野重昭さん(うの・しげあき=国際政治学者、元成蹊大学学長)が1日、肺炎で死去、86歳。葬儀は近親者のみで行った。後日「送る会」を開く予定。喪主は長男の東大教授重規(しげき)さん。
 外交官を経て成蹊大教授。95年から98年まで同大の学長を務め、00年に設立された島根県立大の初代学長に就任した。専門は北東アジア研究や現代中国政治。著書に「中国と国際関係」などがある。

安倍首相の恩師 宇野重昭氏が死去
生前涙ながらに「安倍くんは間違っている」 「勉強していない」「もっとまともな保守に」と批判

 成蹊大学の元学長で、国際政治学者の宇野重昭氏が今月1日、肺炎のため86歳で死去していたことがわかった。

 宇野氏は元外交官で、北東アジアや中国政治史を専門とする国際政治学者。そして、安倍晋三首相の母校である成蹊大学の専務理事、学長まで務めた学園の最高碩学ともいえる人物。安倍首相にとっては名実ともに“成蹊大時代の恩師”であり、政界に入ってからも付き合いがあったという。

 その宇野氏が、2015年から「AERA」(朝日新聞出版)誌上で断続的に連載されたジャーナリスト・青木理のルポ「安倍家三代 世襲の果てに」(『安倍三代』として書籍化)の最終回(2016年5月2・9日合併号)に登場。青木の取材に応じた宇野氏は、なんと涙ながらに安倍首相のことを批判していたのだ。

 安倍首相の恩師であり理解者である宇野氏は、この教え子を批判する者たちからかばってきたという。だが、その宇野氏ですら、現在の安倍首相の姿や政策には忸怩たる思いを抱かずにはいられなかったようだ。

「(安保法制は)間違っている、と思います。正直いいますと、忠告したい気持ちもあった。よっぽど、手紙を書こうかと思ったんです」

「彼は首相として、ここ2、3年に大変なことをしてしまったと思います。平和国家としての日本のありようを変え、危険な道に引っ張り込んでしまった」

「現行憲法は国際社会でも最も優れた思想を先取りした面もある。彼はそうしたことが分かっていない。もっと勉強してもらいたいと思います」

「彼の保守主義は、本当の保守主義ではない(略)彼らの保守は『なんとなく保守』で、ナショナリズムばかりを押し出します(略)私は彼を……安倍さんを、100%否定する立場ではありません。数%の可能性を、いまも信じています。自己を見つめ直し、反省してほしい。もっとまともな保守、健全な意味での保守になってほしい。心からそう願っています」
 もっとまともな保守になってほしい──。

宇野氏の心からの願いは、はたして安倍首相の耳に届いているのか。現在の状況を鑑みるに、残念ながらそうは思えない。
 本サイトでは当時、この宇野重昭氏による安倍首相の本質を突く批判と恩師ならではの真摯な忠告を記事にした。あらためて以下に再録するので、ぜひご一読いただきたい。(編集部)

安倍総理の母校 成蹊大学 (写真)JSAF

 国会ばかりか、サミットでも無知をさらし、ウソやこじつけを吐いて、日本、いや世界中の良識ある人たちから呆れられている安倍首相だが、ここにきて、意外な人たちが痛烈な批判を口にし始めた。それは、学生時代の安倍晋三を指導していた出身大学・成蹊大学の元教員たちだ。

 たとえば、安倍首相の出身学部である法学部で当時、教鞭をとり、安倍首相も授業を受けていたはずの加藤節名誉教授は、こんな厳しい言葉を投げかける。
「大学の4年間などを通して、安倍君は自分自身を知的に鍛えることがなかったんでしょう。いまの政権の最大の問題点は、二つの意味の『ムチ』に集約されていると私は思っています」

 そのうえで、加藤名誉教授は2つの“ムチ”とはignorant(無知)とshameless(無恥)のことだと説明する。母校の恩師とは思えない手厳しさだが、加藤名誉教授の批判はそれだけに止まらない。安倍首相が2013年3月の参院予算委員会で憲法の最高権威である故・芦部信喜氏を「知らない」と言い放ったことを挙げて、さらにこう指摘している。

「(晋三氏は)政治学科ですし、憲法もしっかり勉強しなかったんでしょうね。しかし、改革を訴えているのに、(芦部を)『知らない』なんて言うべきではない。まさに無知であることをまったく恥じていない」
 このインタビューは、昨年から「AERA」(朝日新聞出版)誌上で断続的に連載されているジャーナリスト・青木理のルポ「安倍家三代 世襲の果てに」に掲載されたもの。
 もっとも、加藤氏は昨年の安保法制の際、成蹊大学で結成された「安全保障関連法案に反対する成蹊学園有志の会」の呼びかけ人代表であり、「9条科学者の会」にも名を連ねるリベラルな学者。そういう意味では、痛烈な批判が飛び出しても、当然な部分もある。
 しかし、この「AERA」の連載には、もうひとり、安倍首相にとっては名実ともに“成蹊大学時代の恩師”で、政界に入ってからも付き合いのある元教授が登場し、なんと涙ながらに安倍首相のことを批判しているのだ。

「(安保法制は)間違っている、と思います。正直いいますと、忠告したい気持ちもあった。よっぽど、手紙を書こうかと思ったんです」

 こう証言するのは、元外交官で中国政治史を軸とする国際政治学者、そして成蹊学園専務理事まで務めた学園の最高碩学といえる宇野重昭名誉教授だ。宇野氏は、「AERA」連載ルポの最終回(5月2・9日合併号)で青木氏の取材に答え、教え子である安倍首相との関係についてこう語っている。
「彼(晋三)が入学した当時、私は国際政治学とアジア研究を担当していました。たくさんの学生の一人として彼を見て、成績をつけたのは覚えています。政界入り後も食事をしたり、ゆっくり話をしたこともあるので、ある程度の人柄も知っているつもりです」
「私はどちらかというとリベラリストですが、決して右でも左でもない。中国の要人や知識人に会うと、彼(晋三)をすごく批判し、極右だと言わんばかりだから、『そんなことはありません』とも言ってきたんです」

 恩師であり、理解者。そして教え子を批判する者たちからかばってきたという宇野氏。だが、その宇野氏ですら、現在の安倍首相の姿や政策には忸怩たる思いを抱かずにはいられなかったようだ。
 宇野氏はなんと、このインタビューで涙を浮かべながら安倍首相をこう批判したという。
「彼は首相として、ここ2、3年に大変なことをしてしまったと思います。平和国家としての日本のありようを変え、危険な道に引っ張り込んでしまった」

「現行憲法は国際社会でも最も優れた思想を先取りした面もある。彼はそうしたことが分かっていない。もっと勉強してもらいたいと思います」

「彼の保守主義は、本当の保守主義ではない(略)彼らの保守は『なんとなく保守』で、ナショナリズムばかりを押し出します(略)私は彼を……安倍さんを、100%否定する立場ではありません。数%の可能性を、いまも信じています。自己を見つめ直し、反省してほしい。もっとまともな保守、健全な意味での保守になってほしい。心からそう願っています」
 普通は、自分の教えていた大学から首相を輩出するというのは名誉なはずだが、今、その教え子が現実にやっていることを目の当たりにしたら、やはり学者として黙っていられない、そういうことなのだろう。

 しかも、この「AERA」で証言している成蹊大学関係者の口からは、安倍首相の本質につながるような指摘も出てきている。

 安倍首相の所属ゼミの指導教授は、成蹊大学の看板教授で日本行政学会の会長などを歴任した佐藤竺氏だが、佐藤氏からその様子を聞かされた元教員が安倍首相の学生時代について、こう語っている。
「ゼミの場で彼(晋三)が発言しているのを聞いたことがない。(略)ゼミで彼が熱心に自分の主張を口にしたとか、リーダーシップを発揮して議論をリードしたっていう記憶は皆無です。彼が卒業論文に何を書いたのかも『覚えていない』って佐藤先生がおっしゃっていました。『立派な卒論はいまも大切に保存してあるが、薄っぺらな卒論は成蹊を辞める時にすべて処分した。彼の卒論は、保存してある中に含まれていない』って」
 前出の加藤氏も同様に、安倍首相の影の薄さを指摘している。
「安倍君も私の授業を受けているはずなんですが、まったく記憶にないんです。(略)授業の後、質問に来た記憶もない。平凡な学生だったんでしょう。(安倍氏が政界で知られるようになってから)先輩や同僚に聞いてみたんですが。ほとんど覚えていないと言うんです」 
 青木氏はこうした数々の証言から、〈岸の政治的思想を深く突き詰めて思索を下支えする知性をきたえあげた様子もない〉〈16年も籍を置いた学び舎で何かを深く学んだ形跡がない〉と喝破している。そして、安倍氏が代わりにやったことが、自分の周りを理解者だけで固めてしまうことだった。

 安倍首相と学生時代から深い付き合いのあった前出の恩師・宇野氏は、その性格や行動をこう言い表している。
「気の合った仲間をつくり、その仲間内では親しくするけれど、仲間内でまとまってしまう。情念の同じ人とは通じ合うけれど、その結果、ある意味で孤立しています」

 これは、見識を深めようとはせず、真摯な批判を無視し、周囲を“お友達”だけで固め、自分が望むことだけに目を向けようとする現在の態度と見事にリンクするものだろう。
 そして、こんな人物だからこそ、集団的自衛権を“憲法解釈”だけで変更し、特定秘密保護法や安保法制を制定するなど数々の暴挙を行うことが可能だったのだ。アベノミクス失敗の批判を免れるためだけにサミットで手前勝手なデータを捏造し、「世界の経済危機」などという大ウソを世界に発信し、公約や前言を簡単に翻すことに、何の躊躇もなく恥じることがない。
 執筆者の青木氏は安倍首相のことを〈空疎な小皇帝〉と称しているが、まさに本質を突く表現だろう。

 しかし、その空っぽなものによって、日本はとんでもない危険な道に引っ張り込まれようとしている。成蹊大学の恩師達の言葉にもっとも真剣に耳を傾けなければならないのは、私たち有権者なのかもしれない。
(野尻民夫)

【出典】LITERA 2017.04.05

出典:LITERA 2017.04.05

壮大なペテン  「共謀罪はテロ対策」という真っ赤なウソ
「平和」は口先だけ(外遊を終えてハノイで会見)/(C)AP

壮大なペテン 「共謀罪はテロ対策」という真っ赤なウソ 日刊ゲンダイ 2017年1月18日

 大新聞が17日の朝刊で一斉に、〈「共謀罪」対象半減へ〉と報じていた。対象となる犯罪を、原案の676から300前後まで減らすことを政府が検討しているという内容で、「懲役・禁錮4年以上の重大な犯罪」の種類が多過ぎることに与党の公明党が懸念を示しているため配慮した、という解説も全紙一緒だ。犯罪数を減らすことで批判を和らげようという政府サイドのリークなのだろうが、そもそもなぜ、相談しただけで罰せられるような法律が必要なのかの政府の立場は、相変わらず欺瞞だらけだ。

 政府が大新聞を通じて説明する「共謀罪」の必要性はこうだ。国際的な組織犯罪に対応するため、国連が2000年に採択した「国際組織犯罪防止条約」を締結するには、国内法を整備しなければならない。20年の東京五輪を念頭に「共謀罪」を整備して、テロ対策で各国と連携を強化する必要がある─―というものだ。そのために罪名も「テロ等組織犯罪準備罪」に変える。

 しかし、この「国際条約で必要」というのはウソ八百のデタラメだ。法律の専門家の多くが現行法で対応できると主張している。実際、政府は過去に国会で「条約を批准した国で新たに法整備をした国はどこか」と質問されて、「例えばノルウェー」としか答えられなかった。ほとんどの国が現行法で対応しているのである。情報法制に詳しい中川亮弁護士がこう言う。

「政府は条約締結のために『共謀罪』の立法化が必要としていますが、この条約は『国連越境組織犯罪防止条約』という名称で、国をまたぐ国際性のある犯罪を対象にしているというのが日弁連の立場です。どうしても立法化するというのであれば、国際犯罪に限った条件を付けるべきで、実際、(カリブ海の小国)セントクリストファー・ネビスは、越境性を要件とした法律を制定しています。加えて日本は、国際人権条約のように国内制度と違う条約でも批准している。つまり、国内法整備は条約批准の条件でも何でもないのです。政府の説明には論理の一貫性がなく、結局、条約に“悪乗り”して、都合のいい法律を作ろうとしているというのが実態ではないでしょうか」

 公明党が“難色”というのも、毎度のパターンだ。

 安保法制もカジノ法もそうだった。
 「我々がいるから自民党にブレーキをかけられた」と釈明するための創価学会員向けのポーズである。法案が正式に国会に提案される際には、「公明党の指摘を受け、犯罪数を減らした」とアピールするシナリオだろう。“下駄の雪”が本気で反旗を翻すはずがない。


■ 監視社会で市民は沈黙、民主主義は崩壊


「テロ対策」というのも悪質なウソだ。名称を「共謀罪」から「テロ等組織犯罪準備罪」に変えても、その中身は03、04、05年と3度も国会で廃案になった法案とほとんど変わらない。

 原案には窃盗や道交法違反も含まれている。さすがに今後、除外されそうだが、ナント、事前に“共謀”できない業務上過失致死や傷害致死まで入っている。これらがテロとどう関係するのか。メチャクチャである。

 テロ対策も東京五輪も全て、国民を騙しやすい後付けの屁理屈。すり替えであり詭弁だ。壮大なペテン劇を繰り広げてまで政府が共謀罪にこだわるのは、間違いなく別の理由があるからだ。

 民主党政権時代に法相だった平岡秀夫元衆院議員は、誰が何のために「共謀罪」に固執しているのかという問いに、「監視社会をつくりたい自民党と、捜査の武器を拡大させたい警察官僚だ」と東京新聞で断言していた。

 監視強化で市民を管理し、国家の統制下に置く。共謀罪は、既に成立済みの秘密保護法や改正盗聴法とセットで機能させる。市民は監視を恐れ、沈黙し、政府に従順になる。民主主義は崩壊。現代の治安維持法と呼ばれるゆえんである。前出の中川亮弁護士もこう言う。
「共謀罪によって、『内心の意思』が罰せられることになります。具体的な行動がないわけですから、会話やメールの段階で情報収集が行われる。捜査機関が恣意的に検挙する恐れがあるのはもちろんのこと、日常的に個人のプライバシーに立ち入って監視するような捜査が行われる可能性があります。何度も廃案になったのに、政府が共謀罪の法制化に固執するのは、『早い段階で市民の内心をコントロールしたい』というのが真の目的なのだろうと思います」

 犯罪対象を300に絞り込んだところで、国家による市民の監視を無制限に容認する人権侵害の本質は変わらないのである。

目指すは、戦前型の富国強兵国家の復活

駆けつけならぬ「かこつけ警護」/(C)AP

 テロや五輪にかこつけて、共謀罪の法制化を急ぐ安倍政権のドス黒い思惑は、この4年間のヤリ口を思い出せば分かるはずだ。法政大教授の山口二郎氏が東京新聞のコラムで、「かこつけ総理」と次のように喝破していた。

〈南スーダンに派遣された自衛隊の新任務は海外での自衛隊の武力行使を可能にするための、積極的平和主義に名を借りた駆けつけならぬ「かこつけ警護」だと思った。この「かこつけ」は、安倍政治の本質を表す言葉となった〉

〈成長戦略にかこつけて年金基金を株式市場に投入して損を出し、地域活性化にかこつけてカジノ、とばくを合法化した。働き方改革にかこつけて、残業代を払わないことを正当化する労働基準法改悪を実現しようとする。極め付きは共謀罪である〉

 ペテンを駆使して、自らを正義とするのが安倍首相の常套手段。それでも能天気な国民は、67%という驚異の高支持率を与えるのだから、笑いが止まらないだろう。

 安倍の正体は、口先の「平和」とは正反対。フィリピンの現地メディアが伝えたように、中国包囲網しか頭にない“武器商人”のような人物である。ドゥテルテ大統領との会談で、安倍が「ミサイル供与を申し出た」と報じられた。菅官房長官が否定し、真偽は不明だが、長年の「武器輸出三原則」を大転換した首相である。対中国でフィリピンを取り込むためなら、1兆円の大盤振る舞いとセットで武器供与を持ちかけても不思議じゃない。

 政治学者の五十嵐仁氏はこう言った。

「平和憲法の理念に従えば、日本の首相は『非軍事』を世界に広め、紛争を諭さなければなりません。ところが安倍首相は、逆のことをやっている。『共謀罪』の法制化で安倍首相が目指しているのは、『昔の日本を取り戻す』ということなのでしょう。対外的には強国として世界情勢に影響力を及ぼし、国内ではマスコミを押さえつけ、反政府の運動を取り締まる。憲法を変えて普通の国になり、自衛隊を海外に派遣して大国となる。戦前型の富国強兵国家を復活させたいのでしょう」

 菅は共謀罪について、「一般人が対象になることはあり得ない」と言ったが、戦前の治安維持法も当時の警視庁当局が「世間の人が心配するほどのものではない」と説明していたという。権力者が国民を騙し何をするのか。歴史が教えてくれている。 
 

【出典】日刊ゲンダイ 2017年1月18日

出典:日刊ゲンダイ 2017年1月18日

「安倍さんは、ずるい政治家です」 成蹊大・加藤節教授
総理の恩師(成蹊大・加藤節教授)
加藤名誉教授は、安倍首相が在学中に政治思想史を教えていた。

成蹊大・加藤節教授 「安倍さんは、ずるい政治家です」

 「安倍さんは、ずるい政治家です。政治の世界では、人を欺いたり、裏切ったり、ずる賢く立ち回ったりというのはありますが、それは政治家同士の権力争いで行われること。政策決定が国民の生活なり人生設計に影響がある場面で、そういうズルをやっちゃいけないんですよ。消費増税の再延期、伊勢志摩サミットでのパフォーマンスも非常に大きな問題があります。安倍さんのやり方は本当に姑息だと言わざるを得ません」

 こう安倍首相を批判するのは、政治学者の加藤節成蹊大学名誉教授。実は加藤教授は、安倍首相が成蹊大学法学部に在籍していた当時の恩師の一人であり、「安保法案に反対する学者の会」の呼びかけ人の一人でもある。ただ、「在学中の彼については、まったく記憶にないんですよ。目立った生徒ではなかったんでしょうね」と、当時を振り返る。安倍晋三は幼少期からの16年間を、成蹊学園、成蹊大学で過ごした。現在でも同級生などとの交流を大事にし、『成蹊』への思いはかなり強い。その母校から突きつけられた「NO」の声にどう答えるのか。
 安倍首相のどこがダメなのか。加藤教授はこう語る。(以下、加藤教授の話)

 安倍さんを表現するとき、私は、二つの「ムチ」に集約できると思うのです。一つはignorantの「無知」、もう一つはshamelessの「無恥」です。

 「無知」についていうと、彼はまず歴史を知らない。戦後の日本が築いてきた歴史を踏まえていないんです。歴史はよく知らないから、そんなものは無視しても良いと考えているのではないでしょうか?
 ある政策を決定する場面で、現代にいたるまで過去の政権がどういう議論と決定をしてきたか、そのプロセスを知ることは非常に重要なことです。しかし、安倍首相はそういう過去の世代へのリスペクトがまったくないんです。

 日本国憲法というのは、戦争で400万人もの人が亡くなり、その犠牲者たちに対する義務感で作られた側面があるわけです。歴史を学ぶというのは、過去の人々のアイデアを学ぶことで、憲法制定までには、敗戦直後から多くの学者や政治家が必死になって頭を使ってやってきたわけです。

 憲法議会ではまさに丁々発止の議論をして憲法を作っていきました。押しつけ憲法なんて言う人もいるけど、私が影響を受けた政治哲学者の南原繁(憲法制定時の貴族院議員で元東京大学総長)は、「(憲法制定に関わった)メンバーを見たまえ、そんなケチなヤツは一人もおらんよ」と言っていました。人から押しつけられて自分たちのことを決めるようなヤツは一人もいないから、メンバーを見てものを言えと言いたかったのでしょう。
 さらに、これまで70年間、憲法を改正しようという動きはほぼ封じられてきました。これは、憲法を自分たちの手で掴み取り、そして定着してきたという証拠でしょう。
 安倍さんが戦後70年に渡って議論を積み重ねてきた流れを汲み取って、それを踏まえているとは到底思えませんし、個人的にも、現行憲法で十分だとは思いませんが、その原理を簡単に捨てるの愚かなことだと思います。

 もうひとつ、安倍首相のshamelessの「無恥」についてお話しましょう。一言で言って、安倍さんはずる賢いんです。立憲主義とは、最高規範が権力を縛る、というのが基本的な考え方です。いまでいう最高規範は憲法ですよね。憲法が政策決定に影響を与えるのは当然のことなのです。しかし、安倍首相は自分の考えに同意する人物を登用し、反対する人はクビにしてしまう。

 つまり、安倍政権のやり方というのは、「法による支配」ではなく「人」による支配なんです。現在、政策の違憲性について指摘するのは最高裁判所と内閣法制局です。安倍さんは、これまで集団的自衛権について違憲だと唱えていた内閣法制局長官をクビにし、自分に都合の良い人物を据えた。

 内閣法制局長官が解釈すれば、それが法ですから、形としては法の支配です。しかし裏を返せば、実際には人の支配なんですよ。これまでの歴代の内閣はこれだけはやってこなかった。人事に手をつけて自分の都合の良い解釈を引っ張り出して後のことは考えない。実に危険な考え方です。無恥としか言いようがない。

 安倍さんは、7月の参議院選挙で消費税増税再延期を争点として国民の信を問うと言っています。ここでは、安倍さんが、アベノミックスによって増税を可能にする経済状況を作り出せなかったのではないか、増税延期の理由にサミットでは合意されなかった議論を政治的に利用したのではないかという点についてはふれません。私は安倍さんの政治手法や政治姿勢をめぐる問題点を二つ指摘しておきたいと思います。

 消費税の増税は、特に次の世代のために社会保障の充実をはかるための財源を確保するという共通認識の下、国会という立法部で合意し、決定した政策でした。首相は行政府の責任者として立法府のこの決定を忠実に執行する義務を負っています。それをしないということは、安倍さんが三権分立という近代国家の大原則を認識していないのではないかと考えざるをえません。

 何度となく自分を「立法府の長」と公式の場で語った安倍さんの発言とともに大変気になるところです。これが指摘しておきたい第一の点です。第二に指摘しておきたいのは、消費税増税を選挙の争点として国民の信を問うという安倍さんの姿勢の問題性についてです。
 国民の多数も野党の多くも賛成している消費税増税再延期は選挙の争点にはなりえません。むしろ、消費税増税が次世代への責任という政治家が負うべき重要な責任に基づくものであるならば、その責任に忠実に、むしろ増税の実施をこそ争点として国民の信を問うことが、政治家に求められる態度であり見識であるはずです。それを示すことのできない安倍さんには、次世代を含む国民の豊かな人生の設計に責任を負うべき政治家としての資質や姿勢に大きな問題があると感じられてなりません。

 先般の伊勢志摩サミットに際して日本のマスコミで取り上げられなかった問題点を一つ指摘しておきたいと思います。それは、安倍さんが、伊勢神宮の門前で各国首脳を出迎えるというパフォーマンスを行ったことです。この点については、外国の多くのメディアが注目して本国に配信しました。そこに、神道という宗教の政治的利用の匂いを敏感に感じ取ったからです。

 政教分離という日本国憲法も掲げている近代法の原則に照らしてみて、そこには、宗教の政治的利用という憲法に触れる側面があったように感じられてなりません。昨年来、立憲主義や法の支配、三権分立といった近代国家の原則を蹂躙する傾向を強めてきた安倍政権が、宗教に対してどういう態度を取るかを、政教分離という原理的な視点から今後とも注視して行かなければと思います。

 過去の世代が議論し築き上げてきたものへの敬意と次世代への責任。その二つを考えるなら、もっと重要な案件はたくさんあります。少子高齢化、原発、地震など国民の存続に影響する重要議題は山積しています。きちんと過去と向き合い、次世代につなぐ政権運営をするべきなのです。


総理の恩師(成蹊大・加藤節教授) 安倍首相の無知と無恥を叱る!
 
【出典】 FRIDAY 2016/6/3

出典: FRIDAY 2016/6/3

日本一厳しく、的確な安倍批判を見つけた

日本一厳しく、的確な安倍批判を見つけた。 天木直人のブログ

Photo by : 加藤節 成蹊大学名誉教授  茨城キリスト教大学 看護学科

 安倍首相に対する批判や罵詈雑言は数々ある。
 私も安倍批判においては言いたい放題、書きたい放題だ。
 しかし、これほど厳しく、なおかつ、的確な安倍批判は、後にも先にもないだろう。
 そう私が思う、いわば「日本一の安倍批判」を見つけたので紹介したい。
 まず黙って次の文章をお読みいただきたい。

 「安倍さんは、ずるい政治家です。政治の世界では、人を欺いたり、裏切ったり、ずる賢く立ち回ったりというのはありますが、それは政治家同士の権力争いで行われること。政策決定が国民の生活なり人生設計に影響がある場面で、そういうズルをやっちゃいけないんです・・・安倍さんを表現するとき、私は、二つの『ムチ』に集約できると思うのです。
 ひとつはignorantの無知、もうひとつはshamelessの無恥です。無知については、彼はまず歴史を知らない。戦後の日本人が築いてきた歴史を踏まえていないんです。ある政策を決定する場面で、現代に至るまで過去の政権がどういう議論と決定をしてきたか、そのプロセスを知る事は非常に重要な事です。しかし、安倍首相はそういう過去の世代へのリスペクトがまったくないんです。
 日本国憲法というのは、戦争で310万人もの人がなくなり、その犠牲者たちに対する義務感で作られた側面があるわけです・・・もうひとつ、安倍首相の無恥についてお話ししましょう。一言で言って、安倍さんはずる賢いんです・・・安倍首相は自分の考えに同意する人物を登用し、反対する人はクビにしてしまう。
 つまり、安倍政権のやり方というのは、『法による支配』ではなく、『人』による支配なんです。現在、政策の違憲性について指摘するのは最高裁判所と内閣法制局です。安倍さんは、これまで集団的自衛権について違憲だと唱えていた内閣法制局長官をクビにし、自分に都合の良い人物を据えた。
 内閣法制局長官が解釈すれば、それが法ですから、形としては法の支配です。しかし、裏を返せば、実際には人の支配なんですよ。これまでの歴代の内閣はこれだけはやってこなかった。人事に手をつけて自分の都合の良い解釈を引っ張り出して後の事は考えない。実に危険な考え方です。『無恥』としか言いようがない・・・」


 その批判はこう締めくくられている。

 「過去の世代が議論し築き上げてきたものへの敬意と次世代への責任。その二つを考えるなら、重要な案件はたくさんあります。少子高齢化、原発、地震など、国の存続に影響する重要課題は山積しています。きちんと過去と向かい合い、次世代につなぐ政権運営をするべきなのです」

 これほど厳しく、それでいて、罵詈雑言ではなく、これほど的確な批判があるだろうか。
 しかもこの批判をした人物はただの批判者ではない。大学の名誉教授である。
 しかもただの名誉教授ではない。
 安倍首相の政治思想史の恩師である加藤節成蹊大学名誉教授なのだ。

 恩師からこのような批判を受けるようでは、もはや安倍首相は、まともな神経の持ち主なら、日本の首相にとどまるわけにはいかないだろう。
 いくら野党が不在でやりたい放題出来るとしても、首相にとどまること自体が恥だ。
 それにしても、このような批判を、身分を明かして公言した加藤節名誉教授の勇気は凄い。
 きょう発売の週刊フライデーは国民必読である(了)


【出典】 天木直人のブログ

出典: 天木直人のブログ

【安倍政権の景気刺激策にはもう期待しない! 日本企業の95%

【 安倍政権の景気刺激策にはもう期待しない!日本企業の95% 】 梶本哲史 / ロイター 8月21日

 安倍政権の大規模景気刺激策、借金を大幅に増やすだけ、成長のためのどんな効果も発揮しない。これ以上の公共工事は不要、技術開発と構造改革に予算を振り向けるべき必要なのは、少子化と労働人口の急激な減少を解決するための抜本対策。

梶本哲史 / ロイター 8月21日


 ロイターが行なった聞き取り調査の結果、日本の各企業の担当者は安倍政権が行なおうとしている最新の景気刺激策は、日本経済の回復にどんな効果も発揮しないだろうと口をそろえて回答しました。
 さらに日本銀行は、もうこれ以上の金融緩和を行うべきでは無いとも指摘し、政府担当者が行なっているデフレーション、スタグネーションの解決策にノー!が突き付けられることになりました。

 安倍晋三首相は8月、さらなる公共事業の拡大と補助金交付などに13兆5,000億円の財政出動政策を発表しました。
日本経済の復活のため日本銀行との共同政策を展開し、基本的に政府が行なう財政出動の資金的な裏づけは日本銀行の融資によるものです。

 しかしロイターが8月1~16日に行った調査によれば、安倍政権のこの政策によって日本経済が活性化する、あるいは成長につながると考えている企業は全体の5パーセント未満でしかないことが明らかになりました。

 「今回の刺激策が公共事業にだけ集中している点はまったくの期待外れです。この政策は本当の意味で将来の成長につながっていく工業とテクノロジーを開発促進することに対する視点が欠如しています。」
 こう語るのは精密機器メーカーの部門責任者です。


 安部首相が政権の座に就いたのは3年半前ですが、大規模な金融緩和策と多額の財政出動、そして構造改革とを組み合わせた経済政策、『アベノミクス』により日本経済の立て直すと公約しました。
 その出だしこそ急激な円安によって国内総生産の増加と企業の増収増益が実現しましたが、現在日本経済は再び低迷し、物価も下落を続けています。
 日本で20年以上続いているデフレーションと経済成長の著しい鈍化を解決することが、いかに難しい課題であるかを物語っています。

 「日本経済を低迷させている根本的な問題、すなわち少子化と労働人口の急激な減少を解決するための対策が実際に採られない限り、安定成長など実現できるはずがありません。持続的成長が無いまま、今すでに巨額に上っている公的負債だけがどんどん積み上がっていくことになるだけです。」
 電気機械メーカーの担当者がこう答えました。

 こうした指摘と同時に、回答した企業の63%が、国の財政出動を最新の技術開発に振り向けることを求めています。具体的にはインターネット、人工知能の開発などです。
各企業は個人消費支出が低迷したままの状況と日本経済全体の今後の展望が見通せていない状況に懸念を表明しました。


 そしてこの状況を打開するためにも、安倍政権に対しほとんど実現されていない、『アベノミクス』政策の核心部分であったはずの構造改革の実行を加速するよう求めています。
 『アベノミクス・第3の矢』構造改革については、多くの経済学者がこれまでほとんど実行に着手されないままだと判断しています。

 この調査はロイターが日経リサーチに依頼し、日本国内533社の大企業・中堅企業を対象に行われ、各社の部門責任者が匿名で回答することになっています。
今回回答を寄せたのは約260社でした。


▽ 日銀頼みの突破口に対する評価

 日本銀行がさらなる金融緩和策を行うことに対し、日本の各企業が懐疑的であることが解りました。
 回答企業の60%以上が、日本銀行はこれ以上の金融緩和策を行うべきでない、あるいは現在行っている金融緩和策を撤回すべきだと答えています。

 日本銀行が政府が発行する国債を大量に買い入れている現状について、基本的に『ヘリコプターマネー』政策を行っているのと同じだという批判が強まっています。
日本政府が不要不急の公共事業に多額の国の予算を浪費している状況を、日本銀行が裏で支えているという指摘がなされています。
 「ヘリコプターマネー、すなわち極端なばらまきにつながる政策は避けなければなりません。」
 総合機械メーカーの担当者がこう語りました。


 今回の調査は8月初旬、安倍政権が新たな景気刺激策を発表したタイミングで、そして世界で3番目に大きな規模を持つ日本経済の第2四半期の経済実績が再び不振に陥っていることが明らかになった直後に実施されました。

 日本銀行が前例のない大規模金融緩和策に打って出てすでに3年以上が経過しましたが、今年に入り、民間銀行が日本銀行に預金する場合に手数料を徴収するマイナス金利を導入しました。
 しかしこれは民間の銀行の利益を広く損なうものとして批判が集まっています。

 日本銀行は3年以上に渡り日本政府が発行する国債を買い続けていますが、狙うところのインフレの実現の気配は一向に有りません。
取材に答えたある担当者は、9月に開催される日本銀行の政策会議においては、金融緩和という目標そのものの妥当性が問われることになるかもしれないと語りました。

 「多くの日本企業がもはや金融緩和策は限界に達したと感じている一方、政府の経済政策について財政刺激策ではなく、構造改革と規制緩和に焦点を当てるよう求めているようです。」
 みずほ研究所のシニア・エコノミストの徳田秀信氏がこう語りました。

原文

【出典】 梶本哲史 / ロイター 8月21日

出典: 梶本哲史 / ロイター 8月21日

瀬戸内寂聴がさらに激烈安倍批判
瀬戸内寂聴が安倍支持ネトウヨの攻撃にも怯まずさらに激烈批判! 「安倍首相は世界の恥」「悪名が歴史に残る」
瀬戸内寂聴

瀬戸内寂聴が安倍支持ネトウヨの攻撃にも怯まずさらに激烈批判! 「安倍首相は世界の恥」「悪名が歴史に残る」  LITERA 2015.07.22

 安保法制が衆院で強行採決されたが、それでもなおこの“戦争法案”に反対する声は日に日に高まっている。だが一方で、戦争反対、集団的自衛権反対を表明する著名人たちへの誹謗中傷やバッシングが巻き起こるという卑劣な事態も同時に起こっている。

 先日もタレントSHELLYがツイッターで強行採決について疑問をつぶやき大炎上した。また胆のうがんなどを患い満身創痍の体調ながら度々デモや集会に参加している作家の瀬戸内寂聴も、「ババアは死ね!」「戦争反対というなら中国に言え!」などと批判を浴びせられた。挙げ句は「不倫していたくせに」「金をもらって集会に出ている」という聞くに堪えない誹謗中傷さえ飛び出す始末。

 しかし瀬戸内がこんなことで怯むわけがない。最近になってもますますその活動、舌鋒鋭く安倍政権と安保法案の大批判を展開している。
 今週発売の「女性自身」(光文社)8月4日号では「美しい憲法を汚した安倍政権は世界の恥です」と題し、こう語った。

「安倍晋三首相と、与党議員たちが強行採決した安保法案は、日本国民を世界中で死なせ、家族を不幸にし、国まで滅ぼすものだと思います」
「これだけ国民に反対されていることを自覚しながら、“戦争法案”を押し通した安倍首相の神経は理解しがたいですね」

 安保法制に反対する作家、有名人の中でも、ここまで強い調子で安倍首相を非難できる人間はそう多くないだろう。そして、瀬戸内はこう言い切った。
「多くの国民が安保法案に反対したという事実、そして安倍首相と政府与党がどれだけ横暴なことをしたのかという事実は、歴史に刻まれます」

 瀬戸内はこの「女性自身」のインタビューに答える少し前、7月10日にも京都の寂庵で定例説法を開いているが、ここでも「可愛い息子や孫が戦争に連れて行かれ、行けば殺さないと殺される。沢山殺せば褒められる」、それが戦争というものの実態だと訴え、そしてこう断言した。
「安倍首相がいかに悪い政治家だったか歴史に残る」

瀬戸内寂聴

 ネットでは、こうした発言について今も「単なる妄想」「なぜそこまで妄想できるのに中国が戦争始める妄想はしないのか不思議」という声が浴びせられているが、これは妄想ではない。

 現在93歳の瀬戸内は青春期に戦争を体験している。大学1年生の時に真珠湾攻撃があり、普通の国民のように、「東洋の平和を守るため」という言葉を信じ、大きな感激を覚えたという。

 だが、その2年後、瀬戸内は結婚して北京に移り、そこで日本人が中国人を抑圧している様を目の当たりにし、戦争に疑問を感じ始めたのだ。そして敗戦を迎え、苦労して日本に引き揚げてみると、故郷の徳島は焼け野原、母や祖父は亡くなっていた。

 こういう体験が「戦争にはいい戦争も悪い戦争もない」という言葉につながっている。瀬戸内は先の「女性自身」のインタビューでこんなことも語っている。
「(7月15日のデモで)必死に声を上げる彼らを見て、私が連想したのは、昭和18年10月に行われた神宮外苑競技場で行われた学徒動員出陣の壮行会です」

 この壮行会は戦場に赴く2万5千人の学生と、5万人の女子学生らが集まり、「海行かば」を大合唱して見送ったというものだ。デモを見ながら、その光景がオーバーラップするというのは、彼ら安保法制に反対する若者までが安倍首相の戦争政策に呑み込まれてしまうという恐怖をリアルに感じているからだろう。
 この言葉を我々は真剣に受け止める必要がある。
(伊勢崎馨) 

【出典】 LITERA 2015.07.22

出典: LITERA 2015.07.22

明仁天皇の「生前退位の意志表明」は安倍政権と日本会議の改憲 =戦前回帰に対する最後の抵抗だった!

明仁天皇の「生前退位の意志表明」は安倍政権と日本会議の改憲 =戦前回帰に対する最後の抵抗だった! LITERA 2016.07.14

 いったいこれはどういうことなのか。昨日、 NHKが報じた「天皇が生前退位の意向」。NHKの情報源は「宮内庁関係者」ということだったが、その直後に宮内庁の山本信一郎次長が「そうした事実は一切ない。陛下は憲法上のお立場から、皇室典範や皇室の制度に関する発言は差し控えてこられた」と完全否定した。
 さらに、時事通信によると、深夜には、風岡典之宮内庁長官も「(皇室の)制度については国会の判断にゆだねられている。陛下がどうすべきだとおっしゃったことは一度もなく、あり得ない話だ」と否定した。また、菅義偉官房長官もオフレコながら「承知していない」と事実を認めなかった。

 では、NHKは何を根拠にこの「生前退位の意向」報道に踏み切ったのか。常識的に考えると、NHKのような官僚的なメディアがこうした重要な情報を宮内庁長官のオーソライズなしに報道するというのはありえない。もしそれができるとしたら、天皇周辺から直接、情報をとっているというケースだろう。
 実際、今回のNHKの情報源は、天皇本人にきわめて近いスジではないかといわれている。
「今回、スクープしたのはNHKの宮内庁担当のHという記者なんですが、彼は秋篠宮に食い込んでいる。そんなところから、天皇が秋篠宮を通じて意志を伝えたのではないかといわれています。実際、秋篠宮は数年前、記者会見で「(天皇の)定年制が必要になってくると思います」と述べたことがあり、このときも天皇の意向を代弁したものだといわれました。天皇はこのころからしばしば生前退位の制度を作るよう要望を出されていたのですが、1年前くらいからその意向が非常に強くなったようです」(全国紙宮内庁担当記者)
 たしかに、NHKがここまで踏み込んで報道したというのは、それくらい天皇の意志が強いということだろう。実はNHKは参院選を前にこのニュースを出そうとしたものの、官邸からストップがかかって、一旦、報道を断念している。普通ならそれでたち消えになるところを、NHKはもう一回、参院選が終わったタイミングで出してきた。これは、官邸を超える存在、つまり天皇サイドからの絶対的な後押しがあったとしか考えられない。

 では、なぜ、天皇は改めて、生前退位の姿勢を強く示したのか。新聞・テレビはたんに「自らの体調を考慮」などと報じているが、そんなことでこの行動は説明できない。なぜなら、現行の皇室典範でも天皇が公務に支障がある場合は、摂政をおくことができるからだ。
 実は、宮内庁関係者の間では、今回の「生前退位の意志」報道が、安倍政権の改憲の動きに対し、天皇が身を賭して抵抗の姿勢を示したのではないか、という見方が広がっている。
 というのも、生前退位こそが、今、安倍政権や日本会議が復活を目指している大日本帝国憲法の思想と真っ向から対立するものだからだ。

 実は、生前退位というのは江戸時代後期までの皇室ではしばしば行われていた。ところが、明治になって、国家神道を国家支配のイデオロギーと位置づけ、天皇を現人神に仕立てた明治政府は、大日本帝国憲法と皇室典範によって、この生前退位を否定、天皇を終身制にした。「万世一系」の男性血統を国家の基軸に据え、天皇を現人神と位置づける以上、途中で降りるなどということを許すわけにはいかない。終身制であることは不可欠だったのだ。

 つまり、明仁天皇はここにきて、その明治憲法の真髄とも言える終身制をひっくり返し、真逆の生前退位を打ち出したのである。天皇が生前に退位するということは、天皇は国家の「役職」にすぎないということを示すことだ。役職だから、時期が来たら退位する。役職を果たせなくなったら交代する。もし、これが制度化されたら、天皇をもう一度、現人神に担ぎ上げ、国民支配のイデオロギーに利用することは難しくなる。そのために、天皇はこの「生前退位の意志」を明確にしたのではないか、というのだ。

 これはけっして、妄想ではない。天皇と皇后がこの数年、安倍政権の改憲、右傾化の動きに危機感をもっていることは、宮内庁関係者の間では、常識となっていた。実際、第二次安倍政権が発足し、改憲の動きが本格化してから、天皇、皇后はかなり具体的で踏み込んだ護憲発言を何度も口にしている。


 たとえば、2013年には、天皇が誕生日に際した記者会見で、記者の「80年の道のりを振り返って特に印象に残っている出来事を」という質問にこう答えている。
「戦後、連合国軍の占領下にあった日本は、平和と民主主義を、守るべき大切なものとして、日本国憲法を作り、様々な改革を行って、今日の日本を築きました。戦争で荒廃した国土を立て直し、かつ、改善していくために当時の我が国の人々の払った努力に対し、深い感謝の気持ちを抱いています。また、当時の知日派の米国人の協力も忘れてはならないことと思います」

 日本国憲法を「平和と民主主義を守るべき、大切なもの」と最大限に評価した上で、わざわざ「知日派の米国人の協力」に言及し、「米国による押しつけ憲法」という右派の批判を牽制するような発言をしたのである。
 また、美智子皇后も同年の誕生日に、憲法をめぐってかなり踏み込んだ発言をしている。この1年で印象に残った出来事について聞かれた際、皇后は「5月の憲法記念日をはさみ、今年は憲法をめぐり、例年に増して盛んな論議が取り交わされていたように感じます」としたうえで、以前、あきる野市五日市の郷土館で「五日市憲法草案」を見た時の思い出を以下のように記したのだ。

「明治憲法の公布(明治22年)に先立ち、地域の小学校の教員、地主や農民が、寄り合い、討議を重ねて書き上げた民間の憲法草案で、基本的人権の尊重や教育の自由の保障及び教育を受ける義務、法の下の平等、更に言論の自由、信教の自由など、204条が書かれており、地方自治権等についても記されています。当時これに類する民間の憲法草案が、日本各地の少なくとも40数か所で作られていたと聞きましたが,近代日本の黎明期に生きた人々の、政治参加への強い意欲や,自国の未来にかけた熱い願いに触れ、深い感銘を覚えたことでした。長い鎖国を経た19世紀末の日本で,市井の人々の間に既に育っていた民権意識を記録するものとして,世界でも珍しい文化遺産ではないかと思います」
 日本国憲法と同様の理念をもった憲法が日本でもつくられていたことを強調し、基本的人権の尊重や法の下の平等、言論の自由、信教の自由などが、けっして右派の言うような「占領軍の押しつけ」などでないことを示唆したのである。


 また、天皇、皇后は日本国憲法の精神に沿った新しいかたちの皇室作り、皇室の旧弊の改革にも熱心に取り組んできた。小泉政権のときに、女性・女系天皇が検討されたのも、実は明仁天皇の意向があったとされているし、皇居や御用邸を一部開放、最近は、自分の葬儀や墓について、陵墓を縮小して、埋葬を土葬から火葬へ切り替えたいという希望も表明している。
 しかし、安倍首相やそれを支える右派勢力にこうした天皇皇后の姿勢を真摯に受けとめようという気配はまったくない。それどころか、八木秀次など御用評論家に天皇批判をさせる一方、改憲の動きをますますエスカレートさせた。そして、先の参院選ではとうとう改憲勢力が3分の2を超えた。

 しかも、安倍政権の背後に控える改憲の発信源は、戦前回帰を狙う日本会議だ。日本会議の改憲の究極の目的は、まさに、明仁天皇が脱却を目指してきた大日本帝国憲法の復活であり、自民党の改憲草案もその明治憲法回帰の延長線上にある。
 もし、そんな方向での改憲が進められれば、これまで進めてきた護憲と皇室改革が水泡に帰す。天皇はこれに相当な危機感を抱き、再び天皇が「現人神」として利用されることがないよう「生前退位」の制度化の流れを作り出そうとしたのではないか。

 こうした見方は、まったく報道されていないし、これからも報道されることはないだろうが、皇室取材をしている記者やジャーナリストの間では、一般的な認識になっている。海外メディアの中には、今回の行動が安倍首相の改憲に対するものであると書いている新聞もある。

 たとえば、米「ニューヨークタイムズ」は13日付けの紙面で、「生前退位の知らせは、まさに安倍晋三総理の自民党が参議院で圧勝した3日後のことだ。安倍総理は改憲発議の要件である3分の2議席を獲得したのである。安倍氏は長年にわたり、日本の完全な戦争放棄を謳う憲法の条文を覆したい(overturn)という野望を抱いている」と書いた上で、「天皇は公的な政治的権限を有していないにせよ、今上天皇が生前退位によって皇位を継承させる徳仁皇太子の存在は、安倍首相が目指す憲法改正と好対照をなしているかもしれない」と指摘している。


 一方、安倍官邸や日本会議は逆に、この報道に苛立ちを隠せない。官邸は、一旦は報道を天皇の強い希望ということで、渋々参院選後の報道をOKしたものの、オフレコで、菅官房長官がNHKに激怒するコメントを発しているという。

 また、安倍政権の御用学者で、日本会議常任理事でもある百地章日本大学教授は朝日新聞に「明治の皇室典範をつくるときにこれまでの皇室のことを詳しく調べ、生前退位のメリット、デメリットを熟考したうえで最終的に生前譲位の否定となった。その判断は重い。生前譲位を否定した代わりに摂政の制度をより重要なものに位置づけた。そうした明治以降の伝統を尊重すれば譲位ではなくて摂政をおくことが、陛下のお気持ちも大切にするし、今考えられる一番いい方法ではないか」と、困惑を隠しきれないトーンで生前退位を否定するコメントを出した。
 天皇の身を賭した最後の改革への試みは果たして実を結ぶのか。安倍政権は官邸に渋々、皇室典範の改正の検討チームをつくったといわれているが、明治憲法を否定する「生前退位」に本気で取り組むとは思えないのだが……。
「ただ、安倍さんは歴史に名前を残すということにものすごい執着がありますからね。皇室典範を改正し、自分の任期中に生前譲位ということになれば、元号を自分の手で変えることができる。意外と深く考えずにそっちに乗る可能性もあります」(政治評論家)
 いずれにしても、安倍の頭の中にあるのは天皇を政治利用することだけ。こういうのをきっと連中の用語では「君側の奸」というのだろう。
(エンジョウトオル)


【出典】LITERA 2016.07.14

出典:LITERA 2016.07.14

安倍晋三,総理大臣としての品位・品格, この適格性に関する決定的な欠乏症
『朝日新聞』2016年6月23日朝刊オピニオン安倍晋三風刺画
出所)『朝日新聞』2016年6月23日朝刊。

安倍晋三,総理大臣としての品位・品格,この適格性に関する 決定的な欠乏症  (出典) 社会科学者の随想 2016年06月23日

【安倍晋三の「傲慢と幼稚」を実証しつつある最近の政治における諸兆候】
【大人になれなかった子どもがこの国の首相をやっている遊園地的な惨状】


【対米追随では,アメリカにいいようにあしらわれている安倍晋三だが,当人の意識ではりっぱに1人前……】

 ①「首相の『経済論戦』すり替えの自慢話通用しない」というまっとうな批判(『しんぶん赤旗』2016年6月19日から)
 2016年6月22日公示される〔された〕参院選に向け安倍晋三首相が各地の遊説で,「最大の争点は経済政策だ」と都合のよい数字だけ並べて「アベノミクス」を自画自賛し,「野党は経済政策がなしんぶん赤旗記号い」などの攻撃を繰り返しています。
 
 経済政策が「最大の争点」だというのは戦争法強行などへの批判をかわし,参院選で「訴える」としてきた憲法問題からも国民の目をそらそうというものですが,その経済問題でも自慢話を繰り返し,一方的に野党を攻撃するのはまともな論戦といえません。主権者・国民の審判を問う選挙戦で政権党を代表する首相がとる態度ではありません。

 a) 国民の実感とかけ離れて  「雇用が増えた」「有効求人倍率は改善した」「最低賃金も上げた」「農産物の輸出も増えた」…。安倍首相の演説はどこでも,判で押したように同じ内容です。安倍政権に都合のよい数字をつぎからつぎへと並べ立てます。聴衆の反応はいまひとつ……。それというのも,安倍首相が上げる数字に国民の実感が伴っていないからです。

 「雇用が増えた」といいますが,増えたのは賃金が低く不安定なパートなど非正規の雇用が中心です。求職者に対する求人の割合を示す有効求人倍率が「改善した」のも,求人の条件が悪く求職しない人が増えているのも反映しています。大企業は大もうけしているのに賃金が上がったという実感はなく,全国平均で時給798円の最低賃金では,1カ月働いても20万円にもなりません。環太平洋連携協定(TPP)を念頭に農産物の輸出が増えているという宣伝も,それ以上に輸入が増えていることには口をつぐんでいます。
 最近の世論調査でも「アベノミクス」で景気がよくなるかという質問に,「思わない」が62.2%で,「思う」の28.0%を大きく上回りました(『共同通信』調査,『東京新聞』6月14日付など)。いくら安倍首相が数字を並べても,実感に合わなければ不信が広がるだけです。

 各地の演説などで首相が絶対もち出さなかったのが,実質賃金が減り,消費が落ちこんでいるという数字です。勤労者世帯の実質賃金は2015年度まで5年連続の減少で5%も減っています。国内総生産の約6割を占める個人消費は2014,2015年度と2年連続のマイナスです。大企業は大もうけしても「アベノミクス」の効果が行き渡らず,消費税増税が消費を冷やしてしまっているのは明らかです。

 安倍首相はまず経済政策の失敗を認め,責任を明確にすべきです。失政の反省もしないで,戦争法強行や改憲策動を隠すために根拠のない経済政策の “成果” を振りまくのは言語道断です。破綻した「アベノミクス」を加速しても,それは破綻がひどくなるだけです。

 b) 野党の経済政策は明らか  安倍首相は野党に経済政策がないようにいいますが,「『アベノミクス』による国民生活の破壊,格差と貧困を是正する」が野党の共通政策です。日本共産党は格差をただし,経済に民主主義をと「3つのチェンジ」を訴えています。
 安倍首相が国民の暮らしの実態に目を向けず,野党の政策さえ読もうとしないで,一方的な宣伝と攻撃を繰り返すのは,まさに選挙を汚すものです。参院選でこうした安倍政権を追いつめ,野党共闘の勝利と日本共産党躍進を実現することが,ますます重要です。
 註記)http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-06-19/2016061901_05_1.html
『東京新聞』2014年11月19日伊藤光晴1
『東京新聞』2014年11月19日伊藤光晴2
出所)http://ameblo.jp/m08068469/entry-11959748506.html

 アベノミクス登場以来,即座にこれをアホノミクスと名づけた同志社大学教授の浜 矩子は,最近ではド・アホミクスだとか,ミクスにも値しない『無ノミクス』だとまで,アベコベミクスを酷評しつづけている。日本共産党の大衆向け機関紙である『しんぶん赤旗』の安倍晋三批判は,的を射た内容になっている。

 そもそもアベノミクスは,レーガノミクスを猿まねして使用されたと思われる用語であるが,国際経済体制のなかに現実に存在する日本が,国内行政として経済政策をおこなおうとしたところで,円の為替問題も・貿易問題も,そして企業経営の生産・販売問題もすべてが海外との通商問題次元に深く関連する問題であるゆえ,いくら安倍晋三ががんばって・力んで,自分の姓が付いたミクスを名のって運営したつもりであっても,思いどおりにうまくいく保証はなかった(過去形でいっておく)。
伊東光晴表紙

 伊東藤光晴は2014年7月に『アベノミクス批判-四本の矢を折る-』(岩波書店)を公表していたが,つぎの『東京新聞』2014年11月19日への投稿にその要旨が説明されている。
 ただそれだけのことである。日本の株式市場は外国人株主の売り買い状況に大きく左右されているし,原油(先物)価格の動向においては「原発再稼働」を画策する連中の気分に対して,真っ向から大量に水を差すほどにまで低くなるなど〔一時期には1バレル;30ドルを割るまで下落した〕したり,また日本産業の空洞化がすでに広く浸透している国内経済の実態のなかで,旧来型の経済成長刺激策ではどうにも反応が鈍くて,いかんともしがたい産業体質になっている。これが,現在におけるこの国経済の不可避の特性である。
日本経済批評マンガ風刺絵画像
出所)http://matome.naver.jp/odai/2143766281587472701
一番上の安倍晋三の左腕には,import purchasing power が貧弱と〔←腕が細く描かれて〕書かれている。つぎの画像は拡大したもの。アベノミクス風刺漫画画像2
 出所)
http://matome.naver.jp/odai/2143766281587472701/214376641438811940

 それでもアベノミクスの効果が「一定限度でもあった」かのように,それもたしかな根拠もなく「狂ったように強調する」安倍晋三君である。冗談にもならないような自画自賛ぶりには呆れるだけ。「アベノポリティクスのアベノリスク」の方向性ばかりが前面にせり出ているのが,現時点にまで至った時点でより明白になっている「アホノミクスの一大特徴」であった。

 この「アベコベミクスのアベノミクス」性は,このいわば「無ノミクス」の恩恵を,それでも受けているとされる「一部の富裕層」や「一流大企業勤務の一部労働者」をのぞいて考える必要がある。こちらの社会集団は,アベノミクスとはほとんど無関係に,もとより恵まれてきている経済階層に位置してきた。したがって,安倍晋三の経済政策によってとくに大きな影響を受けているわけではな芹川洋一画像く,いままで以上に優遇されるような経済状況になっていたに過ぎない。このように解釈したほうが妥当である。
 『日本経済新聞』本日〔6月23日〕1面左側に配置されていた,論説主幹芹川洋一が「将来不安の解消こそ争点だ」と題した一文の最後で,こう述べていた。
 各党がそれぞれ主張を述べ合い,批判の応酬で席取り合戦にうつつを抜かしているだけでは,ほとんど意味のない選挙で終わってしまう。そんな余裕はわれわれには,もうないはずだ。

 しかし,こういう政治状況をわざわざ作り出した事実に関しては,安倍晋三の政治責任がもっとも大きいはずである。いったいに「ほとんど意味のない選挙で終わってしまう」わけではない。安倍晋三は改憲を狙っているのだから,これがなるかならないかが,むしろ大問題の争点である。「そんな余裕はわれわれには,もうない」と観るのが『日本経済新聞』の立場だとすれば,経済面からしか世の中がみえないこの新聞社の論説委員の〈営利知性的な政治経済的な限界〉がみえみえである。

 この『日本経済新聞』の社説はさらに,つぎのように主張している。この社説の途中に出ていた見出し文句が「空回りの『成長と分配』」,そして「痛みから逃げず改革を」の2つであった。そして,末尾の段落では「初めて18歳から投票できる今回の参院選は,将来世代に無責任なツケを残さない政治の覚悟が問われる。現在の世代の反発を恐れて難題を封印している与野党だか,もうごまかしは許されない」と述べていた。だが,結局,安倍晋三の基本的な責任は棚上げしたかのような論説でいただけない。

『朝日新聞』2016年6月23日朝刊1面画像
 
 ②「安倍首相が報ステで怒声『1分遅れたら飛行機乗れない』」(『日刊ゲンダイ』2016年6月22日から〈安倍晋三君の子供っぽさ〉について)

 情勢が気になるのか,体調がよほど悪いのか。参院選の党首討論で,安倍首相がブチ切れた。公示前日の6月21日おこなわれたテレビ朝日の「報道ステーション」の収録で,安倍首相はもち時間を無視してしゃべりまくり。

 そのくせ終了時刻が予定を約1分間オーバーすると,「時間を守ってもらわないと困る。飛行機に1分遅れただけで明日(熊本に)いけなくなる」と怒声を上げてテレ朝側に抗議したのだ。熊本で22日におこなう「第一声」に備え,大分空港に前夜入りする飛行機に間に合わないといいたかったらしいが,八つ当たりもいいところだ。

 首相動静によると,安倍首相は〔6月21日の〕午後5時2分に東京・六本木のテレ朝入り,午後5時14分に収録が始まった。テーマは憲法改正,消費増税延期,社会保障,アベノミクス。収録は約45分間だった。 討論で安倍首相は頻繁に挙手して「答えましょうか? いいですか?」と割りこみ,終始手を振りまわす独特のジェスチャーで持論を展開。左隣に座る民進党の岡田代表を親指でさすなど,品性のなさも全開だった。

 極めつきは終盤。富川悠太キャスターが「テレビでの党首討論は今週が最後。総理のご都合があると聞いていますが,この後もやりたい」と公示後の再出演を求めると,「それね,お答えしましょう」と前のめり。「菅政権のときにはですね,党首討論は4回ですよ。今度は5回。プラス,ネットの討論もやってますから数多いんですよ」と猛反論。続けて,「それとプラス,もう一点はですね,期日前投票がいま,4分の1増えたんですよ。だから,期日前にしっかりと議論をおいておくべきだろうというんですよ(発言ママ)」と拒否した。

 岡田代表が「総理が来ないなら,われわれだけでもやる」と発言すると,自分がダラダラ話したのを棚上げし,腕時計を何度も指さして「6時に出なきゃいけない。飛行機の問題があるんだから」と騒ぎ立てた。 放送はここまでだが,続きがあった。去りきわに「飛行機に乗るんですよ。6時までっていったじゃない」と捨てゼリフを吐き悪態をついたうえ,テレ朝側に冒頭の怒声を浴びせたのである。安倍首相は結局,予定通りの便に搭乗し,大分に入った。週末のNHK日曜討論や日本記者クラブ主催の討論でも,大興奮して場を壊した。こんな男に一国のリーダーを任せておいていいのか。
 註記)http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/184071/1
    http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/184071/2
    http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/184071/3
日銀関係統計画像
出所)https://25-500.com/マイナス金利時系列データ日銀バランスシート/

 「こんな男に一国のリーダーを任せておいていいのか」といわれれば,もちろんのこと,よくないに決まっている。総理大臣どころか「草履番」ですらきちんとできそうもなかったこの世襲3代目の政治家に,一国の最高指導者の仕事がまっとうに遂行できるわけがないことは,いままでの彼の実績からも明らかである。もともとアベノミクスなどと呼称できるような経済政策は,実体としてない。あるのは,たとえばつぎのような画像資料にうかがえる経済の無理・無体の事象である。

『日本経済新聞』2016年6月23日朝刊4面国債統計図表
出所)『日本経済新聞』2016年6月23日朝刊4面。

 安倍晋三政権の経済政策は,イソップ物語における「蛙と牛」にたとえたらよいかもしれない。蛙はもちろん安倍晋三君である。いずれパンクする。それもみずからがそうさせる。
 ③「安倍首相,アベノミクス継続訴え=岡田氏,転換迫る―参院選22日公示【16参院選】」(『時事通信』2016年6月21日17時28分配信)

 第24回参院選が6月22日公示され,7月10日の投開票に向け選挙戦がスタートする。これに先立ち,与野党9党の党首は6月21日,日本記者クラブ主催の討論会に出席。最大の争点の経済政策をめぐり,安倍晋三首相(自民党総裁)がアベノミクスで「成果を出してきた」と継続を訴えたのに対し,民進党の岡田克也代表は政策転換を迫った。
2016年6月21日日本記者クラブ主催党首討論会

 参院選には前回の433人に比べ,40人程度少ない約390人が立候補する見通し〔最終的には389人となった〕。国政選挙では今回初めて選挙権年齢を18歳以上に引き下げる改正公職選挙法が適用される。

 首相はアベノミクスにより高校・大学の就職率や有効求人倍率が上向き,中小企業の倒産件数も減少したなどと成果を強調。「まだ道半ばだ。エンジンをふかしてしっかりとデフレから完全に脱却し経済を成長させていく」と訴えた。

 消費税率10%への引き上げを2019年10月まで再延期することについては「公約違反といわれてもしょうがない」と認めた。公明党の山口那津男代表は,「アベノミクスの成果を活用し,社会保障の充実,保育や介護の基盤整備,若者・女性の活躍に向けたとり組みを加速する」と述べた。

 補注)戦争中の木炭自動車みたくしか,よたよたと走行できない自称アベノミクスである。エンジンをふかす余裕など全然ない。このアベノ号,「空ふかし」ができるほど燃料も残っていない。この人はもともと,自分というものじたいがよくみえていない。ということでその分「反比例的に」ホラの吹きかげんもお盛んとなる。

 しかしまた,だからこそ彼は,このようなデタラメ発言を平気で放てるのである。彼にあっては,思慮の深さを測れるほどの〈深み〉も〈奥ゆき〉もない。首相と呼ぶにしても,そう呼んだ瞬間にこちらが赤面させられるほかない人物であった。

 また公明党は,自民党に対しては「正真正銘の野合用の補完政党」であり,しかも独裁政治にはよく似合った体質を有する宗教政党である。安倍晋三の独裁志向の政治手法(?)にぴったりの政党が公明党である。野合のためであればなんでもするのが,この公明党である。福祉・平和・教育の諸課題が狙いだというこの政党,信心の問題を即,政治で語れると勘違いをしている。
 
 これに対し,岡田氏は「経済政策はいきづまっている。転換が必要だ」と指摘。「人に対する投資や所得の再分配,働き方の大改革をしっかりと実現し,持続的な経済成長が初めて可能となる」と述べ,格差を是正するため,所得・資産の再分配を重視した経済政策に改めるべきだと主張した。共産党の志位和夫委員長は「安倍暴走政治ストップの期待に応える。アベノミクスによる国民生活の破壊,格差と貧困を是正する」と述べ,与党との対決姿勢を示した。

『日本経済新聞』2016年6月22日夕刊1面画像
出所)『日本経済新聞』2016年6月22日夕刊1面

 憲法改正をめぐっては,岡田氏が「参院選で憲法についてしっかり議論すべきだ」と要求。首相は「大切なことは(国会の)憲法審査会で逐条的な議論をおこない,(与野党の意見を)集約していく。そして国民投票で問うべきだ」と述べ,秋の臨時国会から具体的な議論を始めたいとの考えをあらためて示した。

 一方,首相と山口氏は,民進党が参院選で共産党と共闘を進めていることを批判した。岡田氏は「思い出すが,ある日突然,公明党は自民党と連立政権をつくった。有権者に対する裏切りだ」と反論した。討論会には,おおさか維新の会,社民,生活,日本のこころを大切にする党,新党改革の各党首も出席した。
 註記)http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160621-00000102-jij-pol

 以上の記述中の最後で安倍晋三は,野党の野合を批判しているが,自民党と公明党の野合のほうがよほど高度にりっぱな野合である事実を棚挙げしての発言である。いわゆる「天にツバする」指摘であった。

 つぎの記述は今回の参議院選挙を迎えて,各党党首を呼んで開催されたある記者会見に対する論評である。安倍晋三に媚びる司会者〔たちなど〕が主催した会見であったということである。

 ④「古市某の下劣な傍若無人な司会ぶりに吃驚仰天,安倍のお友達はこんなのばっかり」(『まるこ姫の独り言』2016-06-21 の紹介)

 このブログ(『まるこ姫の独り言』)は,6月21日におこわわれた「記者クラブ主催の党首討論のいかがわしさ,安倍首相の引き立て役に使われた感が」あるという批判を記述している。

 a) 安倍首相はつぎからつぎへ,コロコロ発言を変えるのが趣味なのか。日本記者クラブ主催の党首討論で,「改憲争点にしないといっていない」といい出した。ニコ動の与野党9党首討論では,憲法改正を参議院で争点化する必要はないと主張していたのに,今日の党首討論では一転,そんなことはいっていないといっていた〔というのである〕。
 伊勢志摩サミットで,堂々とリーマンショック級発言をしておきながら,すぐあとで,そんなことはいっていない発言も飛び出したがそれとよく似ている。公開で発した言葉も,安倍政権にかかったらなかったことにできるらしい。

 日本記者クラブ主催の党首討論は最後のほうでしかみることができなかったが,どうも橋本五郎が仕切っていたのか,率先して安倍の首相に話を振っていたが,民進党の岡田代表がこの討論会は,政権与党の宣伝をする場になっているというような発言をしていて,それが印象的だった。詳しくは,岡田氏〔が会見中にこう指摘していた〕。
 自己宣伝の場になっていて。おかしいと思いますよ。日本を代表するメディアの皆さんがおられながら,こんなやり方をしてね。一方的に宣伝の場になってるだけじゃないですか。

 なるほど,短い時間でみた感じでは,他の党首たちはなんの質問もなくただ座っているだけのような……〔感じであり〕,安倍首相の引き立て役に利用されていただけのような〔記者会見であった〕。どうも司会の橋本五郎は,各党首に対して,答えは1分以内橋本五郎画像で終われといっていたのに,安倍首相に対しては時間を超過しても寛容だったということのようだ。

出所)画像は橋本五郎,http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q13114317863

 それで岡田代表が怒ったと〔いう結果になっていた〕。そりゃそうでしょう。なにせ橋本五郎は寿司友だもの。そのなかで橋本五郎は小沢氏に対して,「本来,中央に座っていてもおかしくないご自身の零落ぶりをどう思うか?」と聞いたのだそうだ。小沢氏「零落とは思っていない」と答えたそうだが,古市某といい橋本五郎といい,不躾な質問をする人間が多くて嫌になる。人としてあまりに失礼過ぎる。

 補注)この橋本五郎は「人としてあまりに失礼過ぎる」の総代表格であるが,その上をいくのがほかならぬ安倍晋三君であるから,なにをかいわんやである。その息がかかった人間がこの「日本記者クラブ主催党首討論会」を主催し,司会をする(橋本五郎)だったのだから,安倍晋三寄りの運営しか「できない:しようとしなかった」はずである。姑息な人間たちが安倍晋三のもとには大勢蠢いている。もっとも,この首相がいるから「そのほかたくさんの下卑た人びと」もいるという状況である。

 安倍首相は例のごとく,雇用や求人倍率を出してアベノミクスの成功を強調していたが,何人の人がアベノミクスを成功だと実感しているのか,拍手しているのか。私には,まったく実感がないのだが。それでも救いは,安倍の21兆円の税収増がカラクリであることを,数字を挙げて追及していた質問者がいて,安倍首相シドロモドロで応戦していた。安倍首相も21兆円はいい過ぎだと感じたのか,13兆円に減額していたし……。

 補注)この記者会見の場「21兆円が13兆円?」に減額する修正発言を安倍晋三がしたというのであるが,これはずいぶんふざけた話題である。国民を舐めきった安倍晋三のハチャメチャ話法がまかり通っている。

 アベノミクスで成果が上がったと自慢するときに,生活保護費の現役世代への給付,8万世帯減らしているといっているがこれも景気が良くなったというよりも,基準を厳しくして減らした数字じゃないのか。社会保障費を5000億円もカットできたといっていることを考えても,その可能性大ありだ。

 補注)この前,自衛隊がオスプレイ17機を購入するために3800億円を使っていたが,さすが軍備優先思想の安倍晋三君である。生活保護費は削って,オスプレイという「輸送にしか使えない高価格の軍用ヘリ」を,たった17機で3800億円,それも非常な割高な価格でアメリカ軍需産業から買わされていた。

 記者クラブ主催といい,橋本五郎が仕切っていたことといい,どうも安倍政権を引き立てるために,党首討論が良いように使われたとか? 改革の荒井が橋本五郎にヘコヘコしていたのが物語っている。
註記)http://jxd12569and.cocolog-nifty.com/raihu/2016/06/post-f0ac.html

 現在,マスコミ・言論界は安倍晋三らにこびへつらう者たちで充満する業界になっている。しかし,近いうちにこの首相も,間違いなく退く時期を必らず迎える。橋本五郎のようなマスゴミ記者が,そのときになって,どのような悪評を投じられ批判されるか,覚悟のほうはしっかりできているものと思いたい。

 だが,それにしても情けない,安倍晋三へのゴマ摺りしか能がない橋本五郎は,読売新聞の特別編集委員だそうである(ナベツネの部下でしかないが……)。つまり,安倍晋三応援団新聞が読売新聞の本性である。安倍晋三のための依怙贔屓記者会見を,司会となって主催し,それもえげつなく進行させるとは,まったく下の下の行為でしかない。
 それでいて,中立公正な報道を読売新聞もしているなどといいたいのだとしたら,昔風にいえば「天井に住んでいるネズミでさえ」失禁しそうになるくらいに大笑いされること必至である。

 さてつぎの話題は,財界新聞(もしくは日本経団連御用達新聞)である日本経済新聞社のみが報道する記事の紹介に移る。

 ⑤「首相『日米同盟に輝きを』富士山会合であいさつ」(『日本経済新聞』nikkei.com,2016/6/3 19:35)

 安倍晋三首相は6月3日,都内で開いた日本経済研究センターと日本国際問題研究所が主催する日米政財界の要人を集めた国際会議「富士山会合」の開会記念レセプションであいさつした。オバマ米大統領の広島訪問で「戦火を交えて敵同士だった日米は,いまや心『日本経済新聞』2016年6月3日朝刊富士山会合であいさつの紐帯(ちゅうたい)で結ばれた同盟国になった」と意義を訴えた。「日米同盟が希望の同盟として輝きを増す」ことに期待を示した。

 5月の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)で,中国が進出を進める南シナ海問題に関連し「国際法にもとづいて主張すべき,武力や威嚇を用いてはならない,平和的に解決するという3原則で合意ができた」と強調。「日米が協力して地域の平和と安定と繁栄につなげていきたい」と述べた。

 環太平洋経済連携協定(TPP)の発効などを念頭に「様々な課題を解決していくため手を携えて貢献したい」と語った。レセプションは岸田文雄外相や世耕弘成官房副長官,ケネディ駐日米大使らが出席。富士山会合は4~5日に都内で開く。
 註記)http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS03H27_T00C16A6MM8000/

 --なおここで,『日本経済新聞』から関連する記事をひとつ拾うと「TPP日米早期承認,元米国務次官ら強調 富士山会合」というものがあった(『日本経済新聞』nikkei.com,2016/6/4 21:17
 註記)http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM04H5B_U6A600C1MM8000/?n_cid=SPTMG003
富士山会合 出所)画像は,日本文芸社,2005年発行。

 以上の記事は『日本経済新聞』だけが報道するものであり,新聞・マスコミ界に通有性のある話題では,けっしてない。日本経済新聞社が噛んで開催した「富士山会合」である。つまり,アメリカ副島・中田表紙側のジャパン・ハンドラーズのいいぶんを,実質的にご拝聴するための確認用会議でしかないのが,この富士山会合である。
 
 この会議の名称から聞くと,きっと日本側の立場が十分に尊重されているものと感じたいところであるが,そうではなく,その実体は「アメリカが主,日本が従の関係性」にある。安倍晋三はその意味ではピエロに過ぎない。もっとも,このお子様宰相にあっては元来,アメリカ側をまとも相手にするだけの力量はない。

 この富士山会合(2016年6月3日~5日)を日本経済新聞社が6月21日朝刊の紙面2面を見開きで使い,報告している(下掲画像資料)。日本経済新聞の読者である筆者などにとっては,読みたくもみたくもない記事であるけれども,その会合がなにをやったのをしるうえでは,もちろん役に立つ記事である。ところが,この記事は活字をテキストで拾えないかたちにウェブ画面を加工してある。なにかまずいことでもあるのか? 広告の画面がそう加工されているのだが,どうにも解せない点である。

『日本経済新聞』2016年6月21日朝刊26・27面富士山会合

 いずれにせよ安倍晋三君は,先月(5月)の伊勢志摩サミットG7では子どもあつかい〔経済問題の主張:理解でバカに〕されていたが,この富士山会合では完全に舎弟あつかいであった。それでも,舞台の上で表面的にはいちおう安倍晋三君も1人前にあつかうように演出されているから,文句はいえまいというところであった。ただしその真相をいえば,軍事同盟関係のなかでの日本国首相は,アメリカにとっては単に『カモ=ネギ』あつかいされている。

 アーミテージは,安倍晋三のことを「たった3年間でこんなにできるリーダーを初めてみました。アメリカの観点からみれば,いままででベストだと思います」註記)と,安倍晋三をベタ誉めしていたという。語るに落ちた話である。すなわち,日本国民たちは二重に舐められている。安倍晋三がアーミテージに舐められ,そしてこの安倍晋三に国民たちが舐められ……。
 註記)https://shanti-phula.net/ja/social/blog/?p=112542


【出典】社会科学者の随想 2016年06月23日

出典:社会科学者の随想 2016年06月23日

『報ステ』古舘伊知郎“最後の一刺し”がギャラクシー賞を受賞! 安倍とヒトラーの類似性をドイツ取材で証明
テレビ朝日『報道ステーション』HPより

『報ステ』古舘伊知郎“最後の一刺し”がギャラクシー賞を受賞!  安倍とヒトラーの類似性をドイツ取材で証明

 この1年間で放送された優れた番組に贈られるギャラクシー賞の贈賞式が、昨日6月2日、都内で行われた。注目は、テレビ朝日『報道ステーション』の「特集 ノーベル賞経済学者が見た日本」(2016年3月17日放送)「特集 独ワイマール憲法の“教訓”」(2016年3月18日放送)がテレビ部門大賞を受賞したことだろう。

 ギャラクシー賞は毎年、特定非営利活動法人「放送批評懇談会」がNHK、民法放送各局から独立して審査・顕彰するが、ニュース番組が大賞を受賞するのは初めてのこと。そして、大賞を受賞した『報ステ』の特集「独ワイマール憲法の“教訓”」は、現在、安倍首相が改憲での創設に強い意欲を見せている「緊急事態条項」と、ヒトラーが独裁に利用した「国家緊急権」が酷似していることを鋭く指摘したもの。それも、古舘伊知郎キャスターが直接ドイツからレポートして、権力が暴走する歴史を丹念に検証するという力作であった。

 ご存知の通り、『報ステ』はこれまで、安倍政権からの有形無形の圧力にさらされてきた。古舘氏は今年の3月末をもって番組を降板。最後の出演で古舘氏は“圧力がかかって辞めるわけではない”としつつも、「ただ、このごろは、報道番組で、あけっぴろげに、昔よりもいろんな発言ができなくなりつつあるような空気は、私も感じています」と、放送メディアが安倍政権を忖度し、現場も自由な報道ができていない現状を率直に語った。

 その意味で、今回、古舘氏の“最後の一刺し”であった「特集 独ワイマール憲法の“教訓”」が、ギャラクシー賞の大賞に輝いた意味は大きい。さらに贈賞式では、同じく今年の3月でNHK『クローズアップ現代』を降板した国谷裕子氏に特別賞が授与され、古舘氏と二人三脚で『報ステ』を支えてきた元プロデューサー・松原文枝氏がスピーチをするなど、現在の放送メディアの苦境を現場の人間が臆さずに跳ね返そう、という強い意志を感じるものだった。

 放送メディアには、政権の圧力に屈さず、決して忖度することのない番組作りをしてもらいたいと切に願う。目前にある日本社会の危機を真摯に検証し、愚直に報道することこそが、視聴者がメディアに求めているものに他ならないからだ。
 以下に、今回ギャラクシー賞の大賞に輝いた『報ステ』の特集を、当時本サイトが紹介した記事を再録するので、ぜひこの機会にいま一度、じっくりとその内容をお読みいただきたい。
(編集部)
情報、画像ー報道ステーション

 昨夜3月18日に放送された『報道ステーション』(テレビ朝日)が、いま大きな話題を集めている。というのも、昨夜の特集は安倍首相が改憲の入口として新設を目論んでいる「緊急事態条項」。しかも、ヒトラーが独裁のために悪用した「国家緊急権」と重ね合わせるという、安倍首相が激怒すること間違いなしの内容で、古舘伊知郎キャスター自らがドイツへ渡りレポートする力の入れようだったからだ。

 まず、古舘キャスターはドイツからのレポートの最初に、こう話した。
「ヒトラーというのは、軍やクーデターで独裁を確立したわけじゃありません。合法的に(独裁を)実現しているんです。じつは、世界一民主的なワイマール憲法のひとつの条文が、独裁につながってしまった。そしてヒトラーは、ついには、ワイマール憲法自体を停止させました」「ヒトラー独裁への経緯というのを振り返っていくと、まあ、日本がそんなふうになるとは到底思わない。ただ、いま日本は憲法改正の動きがある。立ち止まって考えなきゃいけないポイントがあるんです」

 独裁の道に走らせたワイマール憲法の条文、それこそが「国家緊急権」だ。「大統領は公共の安全と秩序回復のため必要な措置を取ることができる」という条文をヒトラーは悪用、集会やデモの開催を禁止し、出版物を取り締まり、共産主義者を逮捕し、野党の自由を奪い、あらゆる基本的人権を停止させた。ここまでは教科書にも書いてあることだが、本題はここから。この「国家緊急権」が「緊急事態条項」とそっくりではないか、と言及するのだ。

 国家緊急権と緊急事態条項がそっくりだというのは、本サイトでも昨年から繰り返し指摘してきた。安倍政権は大規模な自然災害時に迅速に対応するために緊急事態条項が必要なのだと強調するが、これは建前に過ぎない。事実、自民党による憲法改正草案の該当箇所には、こうある。

情報、画像ー報道ステーション

《緊急事態の宣言》

《第九十八条 内閣総理大臣は、我が国に対する外部からの武力攻撃、内乱等による社会秩序の混乱、地震等による大規模な自然災害その他の法律で定める緊急事態において、特に必要があると認めるときは、法律の定めるところにより、閣議にかけて、緊急事態の宣言を発することができる。》

 「災害時のために」と言うわりに、自然災害が出てくるのは最後の3番目である。しかも草案では、緊急事態宣言は国会の承認が必要だが事後でもいいことになっており、これは事実上、事後承認でやりたい放題できる、ということだ。

 くわえて草案には、ダメ押しで、《この場合においても、第十四条、第十八条、第十九条、第二十一条その他の基本的人権に関する規定は、最大限尊重されなければならない。》とある。つまり、法の下の平等、身体の拘束と苦役からの自由、思想と良心の自由、表現の自由といった人類普遍の権利でさえ「最大限尊重」(厳守ではない)程度の扱いになるのである。

 夏の参院選で与党が3分の2以上の議席を獲得し、緊急事態条項の新設となれば、いよいよ本当に安倍首相はヒトラーのように独裁にひた走るのではないか──。実際、昨夜の『報ステ』では、ワイマール憲法の権威であるドイツ・イエナ大学のミハエル・ドライアー教授にこの緊急事態条項を見せたところ、ドライアー教授はこう述べていた。
「この内容はワイマール憲法48条(国家緊急権)を思い起こさせます。内閣の一人の人間に利用される危険性があり、とても問題です。

 一見、読むと無害に見えますし、他国と同じような緊急事態の規則にも見えますが、特に(議会や憲法裁判所などの)チェックが不十分に思えます。(中略)なぜ一人の人間、首相に権限を集中しなければならないのか。首相が(立法や首長への指示など)直接介入することができ、さらに首相自身が一定の財政支出まで出来る。民主主義の基本は「法の支配」で「人の支配」ではありません。人の支配は性善説が前提となっているが、良い人ばかりではない」

 良い人ばかりが首相になるわけではない。現状の安倍政権の強権的な態度を考えると、じつに含みのある話である。さらに番組ではスタジオゲストとして、昨年の安保法制の国会審議の際、与党の推薦で参考人として国会に招致され「安保法制は違憲」という見解を示した長谷部恭男・早稲田大学法学学術院教授が登場。

 長谷部教授は、「内閣総理大臣がそう(緊急事態だと)思えば(緊急事態宣言を行える)という、主観的な要件になっている。(発動要件が客観的ではなく)非常に甘い」「場合によっては怪しいと思われれば令状なしで逮捕される、そんなことになるということも理屈としてはあり得る」と緊急事態条項の危険性を述べ、また、“緊急事態条項が必要ならば憲法に入れるのではなく法律を設けたらいい話なのではないか”という見解も示した。

 このように、多角的に緊急事態条項を掘り下げた『報ステ』。しかし、古舘キャスターは番組中、「ヒトラーのような人間が日本に出てくるとは到底想定できないんですが」と何度も念を押し、さらには一度たりとも「安倍」という二文字を発しなかった。
 だが、この特集のテーマは緊急事態条項と国家緊急権の類似性のみに留まらず、緊急事態条項の新設を目論む安倍首相の危険性をも暗に伝えるものだった。

情報、画像ー報道ステーション

 たとえば、ドイツからのリポートVTRでは、ヒトラーが経済政策と民族の団結を全面に打ち出したこと、ヒトラーが「強いドイツを取り戻す」という言葉で民衆から支持を得ていったこと、そしてヒトラーは巧妙に言葉を言い換え、独裁を「決断できる政治」に、戦争の準備を「平和と安全の確保」と表現していたことを、古舘キャスター自らが紹介した。お察しの通り、これはすべて安倍首相に置き換えられるものだ。

 というよりも、ヒトラーの手法を安倍首相が多分に意識し、真似ているといったほうがいいだろう。現に自民党は、自民党東京都支部連合の事務局広報部長(当時)がヒトラーの選挙戦略を学ぼうという『HITLER ヒトラー選挙戦略』(小粥義雄/永田書房)なるナチス礼賛本を出版。高市早苗総務相が「著者の指摘通り勝利への道は『強い意志』だ。国家と故郷への愛と夢を胸に、青年よ、挑戦しようよ!」という推薦文を寄せていた(ちなみに同書は批判が殺到し、わずか2カ月で絶版回収されている)。

 まさに、日本がいま置かれた危機的状況のなかで警鐘を鳴らす、渾身の特集。既報の通り、政権からの圧力によって降板に追い込まれた古舘キャスターだが、この放送はそんな古舘氏と番組スタッフたちによる、じつに真っ当な方法による“政権への反撃”だったのだろう。

 古舘キャスターは特集の最後を、こんな言葉で締めくくった。
「とにかく立ち止まってじっくり議論をする、考えてみるということが、この条項に関しては必要ではないか、その思いで特集を組みました」
 こうした重要な情報を視聴者に伝えるのが、本来の報道の役割であるはず。だが、ヒトラーよろしく日本の独裁政権はこれを“偏向報道”と呼び、不都合な事実を伝えるキャスターたちをことごとく握り潰すことに成功した。まさしくいま恐ろしい国になりつつあるが、最後に気概を見せた『報ステ』は、古舘キャスター最終日の31日の放送まで見逃せないものとなりそうだ。大いに期待したい。
(水井多賀子)

【出典】LITERA 2016.06.03

出典:LITERA 2016.06.03

亡くなった元ゼロ戦パイロット原田要氏は生前、 安倍首相を痛烈批判していた!「戦前の指導者に似ている」と

亡くなった元ゼロ戦パイロット原田要氏は生前、安倍首相を痛烈批判していた!「戦前の指導者に似ている」と
LITERA 2016.05.04

 第二次世界大戦当時、ゼロ戦パイロットだった原田要氏が、昨日3日、多臓器不全のため99歳で死去したことが報じられた。
 原田氏は元大日本帝国海軍のエースパイロットで、真珠湾攻撃、ミッドウェイ海戦などに参加。ガダルカナル島の戦いで重傷を負い帰国後は、教官となり終戦を迎えた。『最後の零戦乗り』(宝島社)など、自らの経験を記した著書もある。

 その経歴が共通することから、百田尚樹のゼロ戦小説『永遠の0』の主人公のモデルのひとりともされている人物だ。
 しかし、戦争を美化し安倍政権の戦争政策を後押しする百田とは対照的に、晩年の原田氏は湾岸戦争をきっかけに、講演などで自身の体験とともに戦争の恐ろしさ、平和の大切さを伝える活動をしていた。

 さらに生前の原田氏は安倍首相の歴史認識や戦争に対する考えについて痛烈に批判していた。それは、昨年4月の米紙「ニューヨークタイムズ」のインタビューに原田氏が応じた際のことだ。
 当時本サイトでも、「Retired Japanese Fighter Pilot Sees an Old Danger on the Horizon(元日本人戦闘機飛行士は差し迫った古い危機をみる)」と題された、その原田氏のインタビュー記事を、紹介した。


(写真) みんなが知るべき情報/今日の物語

 インタビューのなかで、原田氏は、安倍首相の歴史認識や戦争に対する考え方について、こう批判していたのである。
「安倍首相は必死で日本の戦争放棄を取り消そうとしたがっているように見える」「戦後の長い平和がひとつの達成であったということを忘れているように思えてならない」「安倍首相ら最近の政治家は戦後生まれだから、どんな犠牲を払ってでも戦争を避けなければならないということを理解していないのです」

 そして続けて、こんな危惧も語った。
「その点で彼ら(安倍首相ら)は戦前の指導者たちと似ているんです」

 インタビューの掲載された昨年4月といえば、安倍政権が日本を“戦争できる国”に変える安保法制の国会審議を控えていた時期のこと。
 その後安保法制は、憲法も民意も無視したまま強行成立してしまった。そして今さらに、安倍首相は、改憲によってまさに「戦争放棄を取り消そう」と、動いている。
 だからこそ今あらためて原田氏の言葉を、私たちは噛み締めるべきではないか。言っておくが、原田氏は決して左翼に転向したわけではなく、別の局面では愛国的な発言もしている。そんな人物が「安倍首相は戦前の指導者に似ている」と指摘したことの意味は大きい。
 ニューヨークタイムズのインタビューに対し、「私は死ぬまで、私が見てきたものについて語りたい」「決して忘れないことが子どもたち、そして子どもたちを戦争の恐怖から守る最良の手段なんです」とも語っていた、原田氏。
 その戦争と平和への思い、安倍政権への危惧を、以下に再録するので、ぜひご一読いただきたい。(編集部)


(写真) みんなが知るべき情報/今日の物語

 4月3日、米「ニューヨーク・タイムズ」に、第二次世界大戦時、零戦のパイロットだった男性のインタビューが掲載された。原田要さん、98歳。元大日本帝國海軍エースパイロットである。
 原田さんは真珠湾攻撃では上空直掩隊として艦隊上空を警戒し、セイロン沖海戦、ミッドウェー海戦に参加。ガダルカナル島の戦いで撃墜され、重傷を負いながらも帰国し、教官となって終戦を迎えた。総撃墜数は19機。自らの経験を記録したいくつかの著書を残している。

 「Retired Japanese Fighter Pilot Sees an Old Danger on the Horizon(元日本人戦闘機飛行士は差し迫った古い危機をみる)」──そう題された「ニューヨーク・タイムズ」の記事は、長野で行われた原田さんの講演会の描写から始まる。彼はゆっくりと壇上に上がると、セピアに色あせた写真を掲げたという。それは、革のフライトジャケットを着込んだ、若かりし頃の自分の姿だった。

そしてこう語った。
「戦争ほど恐ろしいものはありません」「私は、あなたたちに私自身の戦争体験を伝えたい。若い世代に、私と同じ恐怖を体験させないために」

 講演会のあと、原田さんは「ニューヨーク・タイムズ」のインタビューに応じている。
 「私は零戦のコックピットから戦争を見ました。いまだに私が殺した兵士たちの顔はよく覚えています」「戦場でのかつての敵兵もまた、私たちと同じように父であり、息子なのです。彼らを憎んだり、知りもしないでいることはできません」「戦争は人間から人間性を奪うのです。全くの他人を殺すか、殺されることを選ばざるをえない状況に置かれることによって」「私は気がつきました。戦争が、私を人殺しへと変えてしまった。私はそうありたかったわけではないのに」

 人を殺したくない、そう思っていても、人を殺してしまっている──戦場の現実を知る当事者の言葉は、重い。記事には書かれていないが、原田さんの著書『最後の零戦乗り』(宝島社)には神風特攻のエピソードも記されている。


(写真)東中 光雄 物語

 1943年1月、原田さんは霞ヶ浦航空隊に教官として着任し、海軍兵学校出身者3名を受け持つことになった。そのなかの一人が関行男大尉(2階級特進後、中佐)だった。初の神風特攻により、レイテ沖海戦で戦死した軍人である。

 そして、原田さん自身もまた、霞ヶ浦航空隊にいたころ、「参謀肩章を付けたお偉いさん」から特攻の志願を促されたことがあったという。ガダルカナルでともに死の淵に立った戦友は、「命令されたら仕方がない。こうなったら俺は志願するよ」と言って、戦死した。原田さんは「俺はいやだ」と志願しなかったと書いている。

〈ミッドウェーでの「巻雲」での経験、ガ島から病院船での出来事、とにかく私は、
「命を大事にしなくては」 と、最後まで、命はむだにしちゃいけないと思っていた。〉(『最後の零戦乗り』より)

 ──このエピソードを聞いて、なにかを思い出さないだろか。海軍のエースパイロット、教官に転身、「命を大事に」。そう、百田尚樹『永遠の0』の主人公、宮部久蔵である。原田さんと宮部久蔵は、操縦練習生出身という点でも同じだ。

 実は、百田と原田さんは少なくとも一度、会って話したことがあるらしい。『永遠の0』出版後の2010年に、百田はツイッターでそのことをつぶやいていた。実際、そんな縁もあり、前出の『最後の零戦乗り』の帯に百田が推薦文を寄せている。

 原田さんは、百田に会ったときに「(主人公の宮部は)いろいろな零戦搭乗員の話を聞いてから作った、ひとりの偶像です。このなかには原田さんも入っています」と聞かされたという。しかし、安倍首相を礼賛し、タカ派発言を連発する百田とは対称的に、原田さんはインタビューのなかで、安倍首相の歴史認識や戦争への考え方に対して、こう「鋭いジャブ」を入れている。

 「安倍首相は必死で日本の戦争放棄を取り消そうとしたがっているように見える」、そして、「戦後の長い平和がひとつの達成であったということを忘れているように思えてならない」と。


(写真) みんなが知るべき情報/今日の物語

 積極的平和主義の名の下に、日本を再び「戦争ができる国」にしてしまった安倍首相。その口から常日頃飛び出すのは「有事にそなえて」「中国の脅威は予想以上」という国防論だ。そこからは、原田さんが語る「全くの他人を殺すか、殺されることを選ばざるをえない状況に置かれる」「戦争が、私を人殺しへと変えてしまった」という生々しい血の匂いと、背負うことになる罪の重さは、まったく感じられない。

 原田さんはインタビューで、「安倍首相ら最近の政治家は戦後生まれだから、どんな犠牲を払ってでも戦争を避けなければならないということを理解していないのです」と語り、そして、こう続けている。
「その点で彼らは戦前の指導者たちと似ているんです」

 戦後、眠れないほどの悪夢に苦しめられたと語る原田さん。夢のなかで彼が見続けていたのは、自分が撃墜したアメリカの飛行士たちの怯える顔だった。自身の戦争体験をようやく語れるようになるまでに、何年もの時がかかったという。

 記事は、原田さんのこんな言葉で締めくくられている。
「私は死ぬまで、私が見てきたものについて語りたいと思う」「決して忘れないことが子どもたち、そして子どもたちの子どもたちを戦争の恐怖から守る最良の手段なんです」安倍首相や百田に、その「恐怖」は想像もできないらしい。
(梶田陽介)


【出典】LITERA 2016.05.04

出典:LITERA 2016.05.04

『報ステ』古舘伊知郎が最後の反撃!
ドイツ取材で緊急事態条項の危険性 安倍首相とヒトラーの類似点を示唆

『報ステ』古舘伊知郎が最後の反撃! ドイツ取材で緊急事態条項の危険性、安倍首相とヒトラーの類似点を示唆 LITERA 2016.03.19



 昨夜3月18日に放送された『報道ステーション』(テレビ朝日)が、いま大きな話題を集めている。というのも、昨夜の特集は安倍首相が改憲の入口として新設を目論んでいる「緊急事態条項」。しかも、ヒトラーが独裁のために悪用した「国家緊急権」と重ね合わせるという、安倍首相が激怒すること間違いなしの内容で、古舘伊知郎キャスター自らがドイツへ渡りレポートする力の入れようだったからだ。

 まず、古舘キャスターはドイツからのレポートの最初に、こう話した。
ヒトラーというのは、軍やクーデターで独裁を確立したわけじゃありません。合法的に(独裁を)実現しているんです。じつは、世界一民主的なワイマール憲法のひとつの条文が、独裁につながってしまった。そしてヒトラーは、ついには、ワイマール憲法自体を停止させました
ヒトラー独裁への経緯というのを振り返っていくと、まあ、日本がそんなふうになるとは到底思わない。ただ、いま日本は憲法改正の動きがある。立ち止まって考えなきゃいけないポイントがあるんです

 独裁の道に走らせたワイマール憲法の条文、それこそが「国家緊急権」だ。「大統領は公共の安全と秩序回復のため必要な措置を取ることができる」という条文をヒトラーは悪用、集会やデモの開催を禁止し、出版物を取り締まり、共産主義者を逮捕し、野党の自由を奪い、あらゆる基本的人権を停止させた。ここまでは教科書にも書いてあることだが、本題はここから。この「国家緊急権」が「緊急事態条項」とそっくりではないか、と言及するのだ。

 国家緊急権と緊急事態条項がそっくりだというのは、本サイトでも昨年から繰り返し指摘してきた。安倍政権は大規模な自然災害時に迅速に対応するために緊急事態条項が必要なのだと強調するが、これは建前に過ぎない。事実、自民党による憲法改正草案の該当箇所には、こうある。

《(緊急事態の宣言) 第九十八条 内閣総理大臣は、我が国に対する外部からの武力攻撃、内乱等による社会秩序の混乱、地震等による大規模な自然災害その他の法律で定める緊急事態において、特に必要があると認めるときは、法律の定めるところにより、閣議にかけて、緊急事態の宣言を発することができる。

「災害時のために」と言うわりに、自然災害が出てくるのは最後の3番目である。しかも草案では、緊急事態宣言は国会の承認が必要だが事後でもいいことになっており、これは事実上、事後承認でやりたい放題できる、ということだ。


 くわえて草案には、ダメ押しで、《この場合においても、第十四条、第十八条、第十九条、第二十一条その他の基本的人権に関する規定は、最大限尊重されなければならない。》とある。つまり、法の下の平等、身体の拘束と苦役からの自由、思想と良心の自由、表現の自由といった人類普遍の権利でさえ「最大限尊重」(厳守ではない)程度の扱いになるのである。

 夏の参院選で与党が3分の2以上の議席を獲得し、緊急事態条項の新設となれば、いよいよ本当に安倍首相はヒトラーのように独裁にひた走るのではないか──。実際、昨夜の『報ステ』では、ワイマール憲法の権威であるドイツ・イエナ大学のミハエル・ドライアー教授にこの緊急事態条項を見せたところ、ドライアー教授はこう述べていた。
「この内容はワイマール憲法48条(国家緊急権)を思い起こさせます。内閣の一人の人間に利用される危険性があり、とても問題です。

 一見、読むと無害に見えますし、他国と同じような緊急事態の規則にも見えますが、特に(議会や憲法裁判所などの)チェックが不十分に思えます。(中略)なぜ一人の人間、首相に権限を集中しなければならないのか。首相が(立法や首長への指示など)直接介入することができ、さらに首相自身が一定の財政支出まで出来る。民主主義の基本は「法の支配」で「人の支配」ではありません。人の支配は性善説が前提となっているが、良い人ばかりではない」

 良い人ばかりが首相になるわけではない。現状の安倍政権の強権的な態度を考えると、じつに含みのある話である。さらに番組ではスタジオゲストとして、昨年の安保法制の国会審議の際、与党の推薦で参考人として国会に招致され「安保法制は違憲」という見解を示した長谷部恭男・早稲田大学法学学術院教授が登場。長谷部教授は、「内閣総理大臣がそう(緊急事態だと)思えば(緊急事態宣言を行える)という、主観的な要件になっている。(発動要件が客観的ではなく)非常に甘い」「場合によっては怪しいと思われれば令状なしで逮捕される、そんなことになるということも理屈としてはあり得る」と緊急事態条項の危険性を述べ、また、“緊急事態条項が必要ならば憲法に入れるのではなく法律を設けたらいい話なのではないか”という見解も示した。

 このように、多角的に緊急事態条項を掘り下げた『報ステ』。しかし、古舘キャスターは番組中、「ヒトラーのような人間が日本に出てくるとは到底想定できないんですが」と何度も念を押し、さらには一度たりとも「安倍」という二文字を発しなかった。
 だが、この特集のテーマは緊急事態条項と国家緊急権の類似性のみに留まらず、緊急事態条項の新設を目論む安倍首相の危険性をも暗に伝えるものだった。


 たとえば、ドイツからのリポートVTRでは、ヒトラーが経済政策と民族の団結を全面に打ち出したこと、ヒトラーが「強いドイツを取り戻す」という言葉で民衆から支持を得ていったこと、そしてヒトラーは巧妙に言葉を言い換え、独裁を「決断できる政治」に、戦争の準備を「平和と安全の確保」と表現していたことを、古舘キャスター自らが紹介した。お察しの通り、これはすべて安倍首相に置き換えられるものだ。

 というよりも、ヒトラーの手法を安倍首相が多分に意識し、真似ているといったほうがいいだろう。現に自民党は、自民党東京都支部連合の事務局広報部長(当時)がヒトラーの選挙戦略を学ぼうという『HITLER ヒトラー選挙戦略』(小粥義雄/永田書房)なるナチス礼賛本を出版。高市早苗総務相が「著者の指摘通り勝利への道は『強い意志』だ。国家と故郷への愛と夢を胸に、青年よ、挑戦しようよ!」という推薦文を寄せていた(ちなみに同書は批判が殺到し、わずか2カ月で絶版回収されている)。

 まさに、日本がいま置かれた危機的状況のなかで警鐘を鳴らす、渾身の特集。既報の通り、政権からの圧力によって降板に追い込まれた古舘キャスターだが、この放送はそんな古舘氏と番組スタッフたちによる、じつに真っ当な方法による“政権への反撃”だったのだろう。

 古舘キャスターは特集の最後を、こんな言葉で締めくくった。
「とにかく立ち止まってじっくり議論をする、考えてみるということが、この条項に関しては必要ではないか、その思いで特集を組みました」
 こうした重要な情報を視聴者に伝えるのが、本来の報道の役割であるはず。だが、ヒトラーよろしく日本の独裁政権はこれを“偏向報道”と呼び、不都合な事実を伝えるキャスターたちをことごとく握り潰すことに成功した。

 まさしくいま恐ろしい国になりつつあるが、最後に気概を見せた『報ステ』は、古舘キャスター最終日の31日の放送まで見逃せないものとなりそうだ。大いに期待したい。
(水井多賀子)


【出典】LITERA 2016.03.19

出典:LITERA 2016.03.19

LA FACE CACHÉE DE SHINZO ABE  安倍晋三の隠された顔

LA FACE CACHÉE DE SHINZO ABE  (安倍晋三の隠された顔)

【出典】 PAGES D'ECRITURE

週刊誌L'Obs (旧 Le Nouvel Observateur)の2015年5月21日(通巻2637)に掲載されたLA FACE CACHÉE DE SHINZO ABE (アベシンゾーの隠された顔)という記事です。

Japon LA FACE CACHÉE DE SHINZO ABE

Loin de son image de réformateur économique, le Premier ministre japonais est lié à une organisation d’extrême droite révisionniste qui prône un retour à l’empire (経済改革者のイメージと程遠く、日本の総理大臣は、帝国への回帰を称える極右団体に関係している。)


VINCENT JAUVERT

 それは国際政治で、大幅に無視されているとはいえ、主要な事実だ。世界第三の経済大国である日本は、数か月前から、(総理大臣、安倍晋三も含めて)閣僚の4分の3が、歴史修正主義で権威主義の極右団体、「日本会議」と呼ばれる、目立たないが影響力のある団体に属していることだ。

 2012年12月に政権に復帰したとき、安倍晋三が、新自由主義的であると同時に戦前に郷愁を抱く強硬な右翼出身の政治家であることを知らない者はなかった。プーチンやインドの国粋的指導者モーディを称賛していることも知られていた。
 安倍が近かった、祖父の岸信介が1932年に大日本帝国によって併合された満州のナンバー2であり、次に戦争中に東條内閣の一員であったこと、そして結局、1945年の敗戦の後、A級戦犯として投獄されていたことも、誰もが知っていた。

 しかし明らかに、反動的で反民主主義的なイデオロギーへの安倍晋三の政治的根強さは過小評価されていた。「数か月前まで、安倍の最終目的は有名なアベノミクス(編集部注:安倍の名を冠した経済再建計画)によって日本経済を立て直すことだと多くの人が考えていた」、上智大学‘国際教養学部)教授の中野晃一は分析する。

 「今日、安倍が本心を隠さないで行動しているのか、戦後に採択された平和的で自由で民主的な憲法の根本的な改変を日本人により容易に”売り込む“、という目的のためだけに経済的成功を追及しているのではないかと疑問視されている。そうして、彼が1997年の創設時から加入している団体、日本会議に特有の、帝国主義に憧れを持つ、古い秩序への回帰を押しつける目的でも。」

 「逆説的だがこの非常に重要な団体は日本では未だに真価を認められていない」、日本版『リベラシオン』ともいえる『東京新聞』に昨年夏、日本会議に関する初めての長い記事を書いた佐藤圭は言う。

 「その出発から、日本会議はレーダーに現れないようにあらゆる注意を払ってきた。広告も出さないし、テレビにも出ない。戸別訪問的な活動をしながら、視線の及ばないところで前進していた。その集会はメディアに開かれていない。そして、会員たちには会談の間も、写真を撮る権利もない。」 

 この信じられない「ステルス性」にはもう一つの理由がある。
「日本会議は、より反動的な、地方で発展してきた」と、日本の右翼運動の専門家である法政大学の政治学者、山口二郎は説明する。
「大手メディアは、元々ローカルだったこの団体を見下していた。2012年12月の安倍内閣の指名と、さらに昨年秋の内閣改造後、日本会議所属の閣僚の数がさらに増えて、その強大さに面食らうまでは。それまでは田舎の、片隅のものと見なされていたこの極右団体が、日本の政治の中心にいたのだ。」

 日本会議は1997年、一つは満州侵略を率いた帝国軍元司令官によって、もう一つは主に神道の宗教団体によって設立された、二つの極右団体の合併により生まれた。「反動的で1930年代に郷愁を抱くこれら二つの集団は、日本が戦争中に行った残虐行為の過ちを告白することに耐えられなかった。

 彼らによれば、日本人は帝国に誇りを持たなければならなかった」と、山口二郎は説明する。「分裂したままではイデオロギー闘争に敗北しつつあったと理解したときに、合併した。」 彼らの自覚は1995年8月15日に起こった。村山首相が有名な謝罪宣言を述べたときである。その日、世界は第二次世界大戦終結の50周年を記念していた。

 この機会に、日本が1930年代と1940年代に、「植民地支配」を押し付けるためにアジア諸国を「攻撃した」ことを、日本の政府のトップが初めて、公に、そして公式に認めたのだ。この認識は、帝国軍が政敵奴隷に頼っていたと1993年に認めた、内閣のナンバー2、河野洋平の宣言の後に来たものだ。

 婉曲に「慰安婦」と呼ばれた女性たちは、朝鮮やフィリピンの村で誘拐され、強制的に軍の売春宿に住まわされた。反動主義者と超国粋主義者には、もう我慢できなかった。反論し、新しい運動、つまり日本会議を建設することが急を要した。
 新しい団体の事務総長職は、1970年代の極右学生のリーダーで、今も強大な力を持つ、椛島有三なる人物に委ねられた。そしてこの団体は今、3万5千の会員と200の支部を数える。


289 PARLEMENTAIRES MEMBRES (289人の議員メンバー)

 10年前に祖父が亡くなった安倍晋三は1997年に国会議員になる。お友だちと一緒に、直ちに「日本会議」に、次いで日本会議を支持する議員団体に加入する。「当時彼らは、保守のジミントーでも周辺的だった」と、中野晃一は言う。「20年近く経った今日、彼らはジミントーと内閣を席巻している。

 そして日本会議は、国会の40%に相当する、289人の議員を集めている…」 彼らのスローガンとは? 戦後の日本、「アメリカに押し付けられた」制度と生活様式から決別することだ。彼らは、「勝者の正義」、戦争犯罪人を裁いた東京裁判の正当性を認めない。彼らは歴史を自らの味付け、敗者の歴史を書き直したがっている。

 日本帝国はアジアの民衆を「解放した」と声高らかに断言したい。1938年の日本軍による南京大虐殺は作り事であり、最悪でも、民間人に変装した数百人の中国兵が死亡しただけだ(日本人も含めてまともな歴史家は少なくとも数万人の民間人が拷問された後に殺戮されたと考えているのに)。

 日本会議の歴史修正主義者らは、「慰安婦」は勇敢な日本兵を慰めて月末に手取りを増やして喜ぶ、単なる自発的な売春婦だったと断言する(この主題に関して帝国軍に反対する証言が圧倒的であるにもかかわらず)。


CHANGER LES LIVRES D'HISTOIRE (歴史書を変えること)

 日本会議の目的は、歴史書を書き換えることだ。有利な状況を作ることから始めた。間もなく、中学校の教科書は、歴史学者の視点と同じく論争中の問題に関して「政府の公式の立場」を言及しなければならなくなる。

 「別の言い方をすれば、歴史修正主義のぱっとしない教師が、南京で民間人の死者はなかったと断言すれば、それが我々の子どもたちの教科書に書き込まれることになる」、政治学者の中野晃一は説明する。教育に関して、日本会議は「愛国」教育への回帰を熱望する。彼らの夢は、1890年代の帝国時代の法にできるだけ早く近づくことだ。個人に対して天皇への全面的な服従を押し付け、将来の神風の複数の世代にわたって洗脳してきた法に。

 これで全てではない。「アメリカの圧力下で」採択された、1947年の平和憲法を、日本会議は根本的に変えようとしている。その最初の標的は、第9条だ。この中で日本は「戦争を、永久に放棄」している。

 国粋主義者は世界のどこでも、そして「自衛力」だけではない軍隊を望んでいる。「安倍と日本会議にとって、第9条の廃止は決定的に重大だ。なぜならこの条文が軍国日本との決別を意味しているからだ」、『朝日新聞』論説委員の大野博人は説明する。運動は既に進行中だ。

 昨年7月、政府は初めて、「自衛隊」が日本の国土を離れて同盟国を助けることを憲法9条が認めていると断言して、同条の解釈を変更した。それが最初の突破口だ。日本会議は他の条文、最初に婚姻における男女の平等に関する第24条と決別するために、そこに殺到しようとしている。

 彼らにとってもちろん、夫は全ての領域で配偶者を支配しなければならない。彼らはまた、戦前の風習に戻ることを望んでいよう。学校では、まず男子、次いで女子の五十音順で点呼されること… とりわけ、戦後の裁判で裁かれた戦争犯罪人を含む、死亡した兵士が祀られる、靖国神社に国家が関わることを邪魔する、宗教と国家の分離に関する16条も廃止することを目指す(中国と韓国の気分を害して、安倍晋三は2013年12月、首相就任1周年に靖国神社を参拝した)。

 最後に、明らかに、日本会議は天皇が、一種の権威主義的民主制に変質した日本の政治の中心に戻ることを望んでいる。
  安倍とそのお友だちの反動主義者は、どこまで行くことができるだろうか? 日本の誰もが、第二次世界大戦終結70周年記念の8月15日に首相が発するに違いない声明を待っている。前任者たちの宥和的な宣言と、どの位まで距離を置くことになるだろうか? 「ホワイトハウスは、地域の他の同盟国を失う恐れがあるため、余りにも反動主義の臭いがすることは受け入れられない。」 そして、国民がいる。

 安倍の目的は、2016年7月の参院選を利用して、国会で憲法を変えるために必要な圧倒的多数を得ることだ。それができるだろうか? 「日本会議はエリートの運動だ」、中野晃一は言う。「大多数の国民は、その思想の大部分に反対している。しかしその受動性のために、特にアベノミクスが上手く行っていれば、国民はされるがままになりかねない。」 少なくとも今のところ思いがけない人物が抵抗勢力になり得る。

 81歳の天皇、明仁だ。日本会議が政治問題に戻るのを待っている、その人である。さる1月、新年の祝辞に際して、天皇は行間で、歴史の反動的な解釈に反対であることを示した。2月、長男である皇太子、55歳の徳仁殿下はさらに雄弁だった。極めて稀な記者会見の席で、皇太子殿下は、戦争の歴史が「正しく伝えられる」ことを望んだ。
逆説的に、皇室は今や、日本の自由民主主義の最も優れた盾となっている。

L’OBS/No2637-21/05/2015


(De notre envoyé spécial au Japon)

C'est un fait majeur – mais largement ignoré – de la politique internationale : le Japon, troisième puissance économique de la planète, est dirigé, depuis quelques mois, par un gouvernement dont les trois quarts des ministres (dont le Premier, Shinzo Abe) sont affiliés à une organisation d'extrême droite, à la fois révisionniste et autoritaire – une association discrète mais très influente appelée "Nippon Kaigi" ("Conférence du Japon").

Quand il est revenu au pouvoir en décembre 2012, personne n'ignorait que Shinzo Abe était un homme politique issu de la droite dure, à la fois néolibérale et nostalgique de l'avant-guerre. On savait qu'il admirait Poutine et le leader nationaliste indien Modi.

On savait aussi que son grand-père, Nobusuke Kishi, dont il était proche, avait été numéro deux de la Mandchourie annexée en 1932 par l'empire japonais, puis membre du cabinet Tojo pendant la guerre, et enfin qu'il avait été emprisonné après la défaite en 1945, comme criminel de guerre de classe A.

L'extrême droite au cœur de la politique japonaise


【出典】 PAGES D'ECRITURE

出典:日本解体阻止 2016/02/05 19:20

海外メディアが一斉に「アベノミクスは失敗に終わった」… 一方、安倍首相はデータをねじまげ「景気回復」の嘘を

海外メディアが一斉に「アベノミクスは失敗に終わった」…一方、安倍首相はデータをねじまげ「景気回復」の嘘を LITERA (リテラ) 2016.01.18

「息を吐くようにウソをつく」安倍晋三首相だが、経済政策についてもウソばかりだ。たとえば、東京新聞2016年1月14日付朝刊「首相、国会でも『地方にアベノミクス』強調でも実情は…高知ルポ」では、次のような安倍首相のウソを暴いている。
「安倍晋三首相は最近、政権の経済政策アベノミクスが地方に波及しつつある根拠として、高知県の有効求人倍率が初めて一倍を超えたことを繰り返し取り上げている」「首相は十一月に都内で開いた自民党立党六十年記念式典で『高知県は初めて有効求人倍率が一倍に到達した。おめでとうございます。県庁で祝杯を挙げたそうだ』と紹介した」「地方の有効求人倍率の上昇について『働いている人の絶対数が増えた結果だ』と述べ、自身の経済政策アベノミクスが景気回復に結びついていると強調」(同記事より)している。
 たしかに、「高知県の求人倍率は昨年九月、一九六三年の統計開始以来初めて、仕事を探す人と仕事の件数が同じ一・〇〇倍に達した。最新の十一月は一・〇五倍だった」(同記事より)。

 有効求人倍率は、求人数(分子)を求職者数(分母)で割ったもので、公共職業安定所に申し込まれている求職者数に対する求人数の割合が分かるのだが、安倍首相が言うように、アベノミクスが地方に波及しつつあるのであれば、企業からの求人数(分子)が増えて、有効求人倍率が上昇していることになる。
 ところが、実際に東京新聞の記者が高知で現地取材をしてみると、「高齢者福祉や建設関係を中心に求人が増えると同時に、職を求める人が減っている」実態が明らかになったのだ。
「昨年十一月の求職者数は一万三千二百八十六人で、二〇〇六年度の一カ月間の平均一万八千三百七十五人から約三割減った。高知労働局の原幸司地方労働市場情報官は『求職者は前年同月比で三十三カ月連続の減少。年度ごとに如実に減っている』と説明する」(同記事より)

 つまり、高知県の有効求人倍率の上昇の主な理由は、「条件のいい仕事のある大都市圏への若者の流出」という、求職者数(分母)の減少だったのだ。

 さらに「高知県では一四年まで十四年連続で県外への転出が転入を上回る。県内の仕事は非正規の割合が高く、正社員のみの求人倍率は昨年十一月で〇・五六倍。全国で沖縄県に次いで低い」(同記事より)と深刻な経済状況が明らかになったのだ。
 安倍首相といえば、1月8日の衆議院予算委員会で賃金に関する答弁のなかで例として発言した「私と妻。妻は働いていなかったけれども、『景気がそろそろ本格的に良くなってきたからそろそろ働こうかしら』と思ったら、我が家の収入は妻が25万円で私が50万円で75万円に増えるわけでございます」、いわゆる「パートで月25万円」発言が新年早々、インターネットで炎上したが、「景気がそろそろ本格的に良くなって来た」とウソをつきまくっている。


 日本のマスコミでは「アベノミクスで景気が良くなってきた」という安倍首相のウソがいまだに通用しているが、海外メディアでは、完全に「アベノミクスは失敗した」という認識が一般的だ。
 たとえば、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは「アベノミクス、今こそ再考の時」と題した社説を掲げ、「アベノミクスの『3本の矢』は、財政出動と金融緩和で始まった。その結果、日本の公的債務残高は年末までに対国内総生産(GDP)比250%に達する勢いだ。日銀は年間約80兆円規模の国債購入を実施しており、これは米連邦準備制度理事会(FRB)以上に急進的な量的緩和だ。それでも、銀行各行は融資を増やしておらず、デフレは続いている」「日本経済の停滞に終止符を打つという首相の公約は達成できておらず、今こそ抜本的に再考しなければならない」と勧告している(11月17日付)。
 また、国際ニュース通信社ロイターはデンマークの投資銀行でデリバティブ取引の世界的大手・サクソバンクのCIO(最高運用責任者)にして主任エコノミストであるスティーン・ヤコブセンのインタビューを配信したが、「アベノミクスは失敗に終わったと思う。新・第3の矢は、もはや矢ではない。構造改革はどこへ行ったのか」「日本にはモーニング・コールが必要だ。長い眠りから呼び覚まされなければならない」などと断言している(11月18日付)。
 実際に数字に見ても、「アベノミクスは失敗した」ことは明らかだ。

 内閣府が昨年11月16日発表した6~9月期GDP速報値では年率換算0.7%のマイナスで、4~6月期の同0.7%マイナスに続いて2四半期連続のマイナスに陥ったことが明らかになったのだ。2四半期連続のマイナスは欧州など海外では「景気後退期」とみなされる。さきほど紹介した海外メディアの「アベノミクスは失敗した」報道は、これを受けて行われたものだ。しかし、日本は景気循環について内閣府が認定するために、「景気の足踏みが長引いている」(日本経済新聞11月16日夕刊1面)などという官製報道がまかりとおっている。
 今年に入って、東京株式市場では日経平均株価が連日のように下落し、株価下落の要因として、海外投資家が日本株を売る動きを強めたことがあげられているが、海外投資家は「アベノミクスは失敗した」と受け止めているのだから当然のことだ。それだけでも日本株を売る動きにつながるが、さらに、首相をはじめ政府と日本のマスコミは「景気がそろそろ本格的に良くなってきた」などとウソをつきまくっているのだから、政府への不信が加速し、全面的な売りにつながっているのだ。
 次の10−12月期(1次速報)の公表は2月15日だが、中国経済大減速もあって、マイナスが続くとの見方が一般的だ。どこまで安倍首相は「景気がそろそろ本格的に良くなってきた」などとウソをつきまくることができるだろうか。
(小石川シンイチ)

【出典】LITERA (リテラ) 2016.01.18

出典:LITERA (リテラ) 2016.01.18

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嘘つきの世界
 橋下徹の正体
原子力村 癒着の相関図
原子力村 癒着の相関図 放射線被ばくの早見図
2014/02/11
2012/03/27
日本を導く 頼もしい学者先生方
チェルノブイリから福島へ 未来への答案 「NNNドキュメント 3.11大震災シリーズ」
 主宰者 元・北海道大学工学部 文部科学技官 石川栄一
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