昨日の記者会見で、私は「原発に依存しない社会をめざす。段階的に原発依存度を下げ、将来は原発が無くてもやっていける社会を実現する。」という基本的な考えを表明しました。
3月11日の震災、原発事故を体験して、私自身、原発に対する考え方が変わったことも、率直に会見で述べました。それまでは、「安全性に十分注意を払って原発を活用する」という考えでした。しかし、震災発生からの1週間、官邸に泊まり込んで事態の収拾に当たっている間、私は原発被害の拡大をどうやって抑えるか、本当に背筋の寒くなるような毎日でした。原発事故は、今回のように一旦拡大すると、広範囲の避難と長期間の影響が避けられません。事故のリスクの大きさを考えると、原発に依存しない社会を目指すべきである、と考えるに至りました。
昨日の記者会見の発言に対して、具体的な道筋が明確でないといった疑問も呈されていますが、官邸サイトに寄せられる御意見メールやツイッターなどでは、発言を支持するとの大きな反響をいただいています。まずはこうして方向性を明確にすることが大切で、これから具体的な道筋の本格的議論が必要だと考えています。
その“具体的な道筋”の重要な1歩である再生可能エネルギー特措法案が、いよいよ今日から国会で審議入りしました。何としても、成立させていただきたいと思います。更にその先の長期的な道筋についても、既に「エネルギー・環境会議」が先月下旬に始動し、国家戦略担当相を議長として、革新的なエネルギー戦略の策定を目指しています。
また、「エネルギー・環境会議」では、今月末頃を目途に「当面の電力需給の安定」に関する考え方も示す、と今日、玄葉大臣が国会答弁で明言しました。−−−原発が無くてもやっていける《次の時代》へと、如何に混乱なく移行してゆくか。具体化の作業は、1歩1歩進んでいます。
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