『ミラの聖ニコライ、無実の三人を死刑から救う』(イリヤ・レーピン
主宰者 元・北海道大学工学部 文部科学技官 石川栄一   
冤罪
【概要】
 捜査や裁判の過程に問題が指摘されている刑事事件を表現するために用いられることが多い。裁判において有罪とされその判決が確定した場合や、再審で証拠不十分(「疑わしきは被告の利益に」)により無罪となった場合のほか、無実の者が逮捕され被疑者として扱われたり、起訴され刑事裁判を受けたりした場合も冤罪事件と呼ばれる。
【原因】
 冤罪の原因は偏に「人が裁く」ことにある。人は、時を遡って過去の事実を観察することができない。このため、過去の事実は、現在存在する物や記録、人の記憶をつなぎ合わせ、合理的に推測するしかない。したがって、犯罪という過去の事実の有無を人が判断する裁判においては、犯罪という過去の事実が存在したであろうと判断者が確信を抱くことはあっても、犯罪という過去の事実が存在することを確認することはできない。この結果、犯罪の存否に関する人の判断と、過去の事実の存否との齟齬が生じることは防げないのである。ウィキペディア
  マスコミの誤報、捏造、検察のリーク情報による でっち上げ 冤罪を監視 (報道オンブズマン日本)
 
冤罪事件および冤罪と疑われている主な事件
 
袴田事件
『実名』 袴田巌さんの捜査と裁判にかかわった 主な刑事・検事・裁判官


袴田事件の謎を追う NNNドキュメント92
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袴田巌さんの捜査と裁判にかかわった主な刑事・検事・裁判官
刑事』 逮捕から起訴まで、連日12時間以上の強引な取り調べを行い、袴田さんに「自白を強要」した。
■松本 久次郎  警部(捜査班長。取り組ペ回数は最多)
■若手 広夫   警部捕(取り調ペなど捜査に従事)
■住吉 親    警部補(現金入り封筒を送った女を取り調べ)
■松本 義男   巡査部長(自白をとるも公判では不採用)
■森田 政司   巡査部長(血の付点したパジャマを発見〉

 ・松本久次郎は後に蒲原署長を務め、2002年春に勲五等瑞宝章を受章した。
 ・松本義男巡査部長も1999年秋に勲六等単光旭日章を受賞している。
 ・住吉親警部補も2007年春に瑞宝双光章を受賞している。


検事』 警察の捜査をチェックすべき検事が、刑事と同じく「自白」を強要。公判では、死刑を求刑。

肩書きは当時」
■吉村 英三  静岡地検捜査検事(自白をとる。公判で採用)
■岩成 重義  静岡地裁公判検事(一審で死刑を求刑)
■猪口 民雄  東京高裁公判検事(控訴棄却を主張〉
■竹村 照雄  最高裁公判検事(上告棄却を主張)

 ・袴田さんの自白をとった吉村検事は、仙台地検検事正まで上
  り詰めた。
 ・竹村照雄検事は、広島高検検事長となった後、2008年春の
  叙勲で、勲二等旭日重光章を受賞している。


裁判官』 刑事の違法な取り調べを認めつつ「死刑」とした一審判決を、すべての裁判官が追認した。
「肩書きは、すべて当時。吉村氏の写真は「司法大観」より」
■熊本 典道  一審裁判官(死刑判決文を書く。後に謝罪)
■石見 勝四  一審裁判長(死刑判決を下す)
■横川 敏雄  東京高裁栽判長(控訴棄却)
■宮崎 悟一  最高裁裁判長(上告棄却)
■鈴木 勝利  静岡地裁裁判長(再審請求棄却)
■安廣 文夫  東京高裁裁判長(再審請求即時抗告棄却)
■今井 功   最高栽裁判長(再審請求特別抗告棄却)

 ・横川敏雄東京高裁栽判長は、後に札幌高裁長官。
 ・宮崎悟一最高裁裁判長は、判事を退官した後の1996年秋に、勲一等瑞宝章を受賞。
 ・鈴木勝利静岡地裁裁判長は、東京高裁判事となった。
 ・安廣文夫東京高裁裁判長は東京高裁部総括判事を努め、中央大学法科大学院教授へ。
 ・今井功最高栽裁判長は、2011年春に、旭日大授章を受賞、皇居で天皇から直接親授
  された。


『その他の裁判官』 熊本典道、一審裁判官以外、誰一人、間違いを認めていないし謝罪もしていない。
■高井吉夫 (一審裁判官・死刑判決)以下、カツコ内は当時の肩書き出した判決
■中西武夫、柏井康夫 (東京高裁裁判官・控訴棄却
■塩野宜慶、塚本重頼、木下忠良、栗本一夫 (最高裁裁判官・上告棄却
■内山梨枝子、伊東一廣 (静岡地裁裁判官・再審請求棄却
■竹花俊徳、小西秀宜 (東京高裁裁判官・再審請求即時抗告棄却
■古田佑紀、中川了滋、津野修 (最高裁裁判官・再審請求特別抗告兼却
 「週刊現代」2014年4月12・19日合併号より
肉声 ~封印46年 袴田事件と供述テープ~
殺しても、病気で死んだと報告すればそれまでだ」と脅し、罵声を浴びせこん棒で殴った。午前・午後 晩から11時。引き続いて午前2時ごろまで、交代で蹴ったり殴った。
それが取り調べであった。


五十年近く前の殺人事件が「再審」へ ●「拷問に等しい取調べを受け、犯行を自白させられた」

「袴田事件とは、1966(昭和41年)6月30日深夜に、静岡県清水市(現静岡市)内の味噌製造会社専務宅で、一家4名が殺害され、放火された強盗殺人・放火事件です。
 警察は、内部犯行と決めつけ、同年8月、専務宅裏手にある従業員宿舎に寝泊まりしていた袴田巖さんを逮捕しました。
 巖さんは当初から無実を訴えていましたが、毎日12時間から16時間も取調べが続き、トイレもバケツで行うように強制されました。拷問に等しい取調べを受けた末に、犯行を自白させられました」
 岡島弁護士はこのように事件の概要を説明する。死刑判決は、どのような経緯で出されたのだろうか。
 「公判では、巖さんは無罪を主張しました。自白調書も1通をのぞく44通が任意性なしとされ、裁判の証拠から排除されました。公判の当初、犯行の着衣はパジャマで、そこに返り血と放火用の混合油が付着しているとされていましたが、パジャマの血痕はきわめて微量で、再鑑定ができませんでした。また、混合油の成分の同一性に関する鑑定には、強い疑問が生じていました
 つまり、裁判が始まったころは、確たる物証は存在しなかったわけだ。
弁護士ドットコム
「袴田事件」 元同僚証言「袴田は出火直後、寮にいた」
県警の事情聴取後「どこにいたのか知らない」に変遷

出火直後、寮にいた」 袴田死刑囚の元同僚証言 
 1966年に静岡県で勤務先のみそ製造会社の専務一家4人を殺害、放火したとして死刑判決が確定し、第2次再審請求中の袴田巌死刑囚(77)について、同じ社員寮だった同僚2人が事件当時、県警の事情聴取に「サイレンを聞いて部屋を出ると、袴田(死刑囚)が後ろからついてきて、一緒に消火活動をした」と話していたことが18日までの弁護団への取材で分かった。
 「事件前日の午後10時半ごろから鎮火が近いころまで袴田死刑囚の姿を見た者はいない」とする確定判決と食い違う一方、袴田死刑囚の「事件当時は部屋で寝ていた。火事を知り(この同僚)2人の後から出て行った」という主張と一致する。
 弁護団は「出火直後の午前2時ごろ、部屋にいたことになる。袴田さんの犯行とするには無理がある」として、無罪の証拠の一つとして12月2日に提出する最終意見書に盛り込む。来春にも出される静岡地裁の再審開始の可否判断に影響を与える可能性がある。
 弁護団によると、地裁の証拠開示勧告を受け、静岡地検が今年7月に地裁と弁護団に任意提出した関係者の供述調書や捜査報告書計130点の中に2人の調書が含まれていた。
 2人の証言は、その後、県警の事情聴取を受けるうちに袴田(死刑囚)の部屋に声を掛けたが、返事はなかった。(消火作業中は)どこにいたのか知らないという内容に変遷。弁護団は「捜査員による誘導があったのではないか」としている。
2人の消息について、弁護団は不明としている。2013/11/18 9:54 〔共同通信〕

 「出火直後、寮にいた」 袴田死刑囚の元同僚証言(日経新聞)
【袴田事件、証言誘導か】「本当は見覚えなかった」 「凶器販売」の刃物店員 法廷での証言、今は後悔
 1966年6月に静岡県清水市(現静岡市清水区)で起きた一家4人殺害事件で、死刑判決が確定した 袴田巌死刑囚(77)=第2次再審請求中=の凶器購入先とされた刃物店で働き、公判で「袴田死刑囚の顔に見覚えがある」と証言した女性(87)が「本当は見覚えがなかった。思っていることと違うことを証言した」と話していることが23日、共同通信の取材で分かった。
 また、女性の長男 高橋国明 さん(64)は、女性が67年7月の静岡地裁での公判に検察側証人として出廷し、帰宅した際に「証言の仕方を教えてくれるんだね」と話していたことも新たに明らかにした。袴田死刑囚弁護団の 村崎修 弁護士は「公判前に捜査機関が証言を誘導した可能性がある」としている。
 昨年12月に提出した弁護団の最終意見書には盛り込まれていないが、村崎弁護士は「凶器とされた小刀では事件を実行できないとする弁護団の主張を裏付けている。捜査機関が証拠を 捏造 (ねつぞう) したことを示す重要な証言として裁判所に訴えていきたい」としている。
 女性は事件当時、同県沼津市にあった刃物店の店主の妻。現在は病気療養中だが意思疎通は十分でき、高橋さんと一緒に取材に応じた。
 一審や控訴審では「捜査員から見せられた顔写真の中に見覚えのある顔があった。事件の2~3カ月前に見たような気がする」などと証言していた。
 しかし高橋さんによると、女性は店を訪れた捜査員に数十枚の顔写真を見せられたが、見覚えのある顔はなかった。別の日に捜査員が「犯人がこの店で刃物を買ったと話している」と言い、犯人が書いたものとして手書きの地図を見せた。女性は地理関係が正しかったので「だったら店に来たのだと思う」と答えたという。
 女性は92年ごろ、凶器とされた小刀が原形をとどめていたことを知って判決に疑問を持つようになった。高橋さんは「母は自分の証言で有罪になったのではないかと苦しんでいる。この声が裁判所に届いてほしい」と話している。

◎法廷での証言、今は後悔 「私たちは加害者かも」 
  袴田巌死刑囚(77)の死刑判決が確定した強盗殺人事件で、凶器の木工細工用の「くり小刀」を販売したとされた刃物店の店員として証言台に立った女性(87)は記憶と異なる内容を証言したことを悔やんでいる。長男は「私たちは加害者なのかもしれない」と悩んでいる。
 女性の長男 高橋国明さん(64)によると、女性は捜査員に数十枚の顔写真を見せられたが、覚えのある顔はなかった。それでも公判で「見覚えがある顔があった」と証言したのは「この店で買ったと話している」と聞かされ、店までの手書きの地図を見せられたから。捜査員が言うことを疑っていなかったという。
 店の名前が報道されると「とんでもないものを売っている」「こんな店があっていいのか」と、まるで自分たちのせいで事件が起きたように言われた。客足も遠のき、「自分たちも被害者」と思うようになった。
 女性が死刑判決に疑問を抱くようになったのは、1992年ごろ、凶器のくり小刀がほぼ原形をとどめていたことを知ったからだった。くり小刀とは、木工細工に使われる薄い片刃の小刀。4人を計40カ所以上めった刺しにして、原形をとどめていることはあり得ない。長年、刃物を扱ってきたプロとしての勘だった。
 高橋さんによると、刃物店の店主で、4年前に亡くなった父親も「くり小刀では無理だ」とずっと言っていたという。
 高橋さんは「母の証言が有罪につながったのかもしれない。私たちは事件の被害者だと思い込んでいたが、ひょっとしたら、加害者だったのかもしれない」と話している。
(共同通信 2014/02/25 11:44)
袴田事件再審決定・捜査情報を垂れ流した メディアに警察・検察を批判する資格があるか
今、袴田被告の喜ぶ姿や捜査の不当性をもっともらしく報道しているマスメディア自身は、当時この事件をどう報道していたのかという点だ。
 残念ながら当時のテレビ報道の内容は確認できないため、当時の新聞報道しか把握できていないが、当時の新聞各紙の縮刷版を見ると、ご多分に漏れず1966年の事件当時、新聞各社は、まだ捜査段階から袴田氏を実名で報道し、「血染めのパジャマ」「ジキルとハイド」「異常性格」など、明らかに捜査官からのリークと思われる情報を垂れ流していた。
特に、毎日新聞の突出した暴走ぶりが目についた

記事 ビデオニュース・ドットコム(部分引用)2014年03月29日15:24
袴田事件とマスコミ報道
 袴田事件はデタラメな刑事司法と愚劣なマスコミによる共同作業である。
 事件(1966年6月30日)発生から49日後、袴田氏が出頭を求められた。
■袴田 巖さんは否認のまま逮捕された翌日8月20日の朝刊には、「なお平然、うそぶく袴田」、「葬儀にも参列、顔色も変えず」、「食事はふだん通り」、「悪魔のような 人間」などという見出しが並んだ。
■さらにマスコミは「袴田巖容疑者は、常人のモノサシでははかりしれない異常性格者」「情操が欠け、一片の 良心も持ち合わせていない」などと書いた全国紙もあった。

袴田事件とマスコミ
 新聞報道「あの事件の犯人は袴田以外には考えられない」というような論調がものすごく多かった。」朝昼晩、テレビ、ラジオで放送。来た新聞は全部まじめに読む。それなりに有罪のイメージが「ああ、袴田が犯人に違いない」ってイメージができ上がりますよ」
■一審判決は1968年、そのころですらメディアが裁判に影響を与え、裁判官ですら無罪と確信した事件が死刑になっているのである。昭和40年代のメディアの圧力は、何か事件があると朝から晩まで垂れ流し、世論を煽り立てている現在の比ではあるまい。
by 三日坊主日記
 
殺しても病気で死んだと報告すればそれまでだ!
袴田事件 警察が取調べで行ったことは拷問だった
1966年6月30日 親子4人殺して放火 遺体に十数カ所刺傷 石油のような油をかけられ、火をつけられたので、四体とも黒焦げだった。もちろん家屋も焼失した。
 八月一八日、袴田巌さんが逮捕された。彼は一九日間、無実を主張し続けたが、連日の厳しい取り調べに、モウロウとした状態になり、ついに九月六日、警察の筋書き通りの犯行を自供させられた。
 罪名は「住居侵入、強盗殺人、放火」だった。
 しかし、この自白を裏付ける物的証拠は何もなかった。警察は、袴田さんを容疑者ときめつける物的証拠を何も発見していなかったのである。
 警察の内部文書にも、こう書いてある。
 「本件は、被告人の自白を得なければ、真相は握が困難な事件であった」。
 則ち話は逆なのである。
 警察は、袴田さんに嫌疑をかけ、逮捕する充分な証拠は何一つ発見していなかったのである。
 こうなれば捜査官は、無理やり袴田さんの「自白」をとる以外に手はなかった。
 一日の取り調べ時間は、平均一二時間。最高は、実に一七時間にのぼった。袴田犯人説は、警察の拷問が作り出した虚構であることは明白だった
殺しても病気で死んだと報告すればそれまでだ」、といっておどし、罵声をあびせ棍棒で殴った。そして、連日二人一組になり三人一組のときもあった。午前、午後、晩から一一時、引続いて午前二時まで交替で蹴ったり殴った。それが取調べであった。

参考資料「無実の死刑囚・袴田巌さんを救う会」サイト
取調中、病死(心臓麻痺)とされた小林多喜二
『袴田事件』 司法も絡んだ恐るべきでっち上げ事件

■袴田事件 司法も絡んだ恐るべきでっち上げ事件
 袴田事件は、国際社会で問題となる重大冤罪事件である。
 静岡県における刑事司法の威信を地に落としてはならない、ただそれだけのために、元プロボクサー袴田巌氏はデタラメな刑事司法で犯人にでっち上げられた。初めから袴田巌氏ありきであった。
 犯人とされた袴田巌氏は44年以上も狭い房に閉じ込められ、いつ亡くなられてもおかしくない高齢である。もはや何を以ってしても償うことはできない。
 袴田氏を犯人にでっち上げるのに、司法までが積極的に関わった事実が明らかになっては大変なことになるからである。足利事件とは比べ物にならない国民の強い非難を受けることになる。司法の冤罪を作り出す構造(自民党政権や検察・警察との癒着、三審制が内包する欠陥)の検証を求める声も出てこよう。
 でっち上げに関わった者たちは、支援組織や団体の声を馬耳東風と聞き流し、申し入れ書等は目を通すこともなく破り捨ててきたことだろう。


■マスコミ報道
1966年6月30日 朝日東京版夕刊の第一報 親子4人殺して放火 遺体に十数カ所刺傷 強盗? 庭に短刀のサヤ
 【清水】30日午前2時ごろ、静岡県清水市横砂六五一ノ一みそ醸造業橋本藤作さん(67)の住宅が全焼、焼け跡から夫婦と子ども2人の死体が発見された。静岡県警、清水署で検視したところ4人とも胸や背中などを刺されており、中庭から短刀のサヤも見つかったので同署は強盗、殺人、放火とみて特別捜査本部を設け、捜査に乗出した。
 燃えたのは同家木造平屋建132平方㍍で東隣の国鉄職員杉山新司さん(40)方の2階と反対隣の会社重役小川荘作さん方2階も一部を焼いた。
 清水署が同日早朝から静岡県警本部の応援で現場検証をしたところ、表側6畳間から藤作さんの長男藤雄さん(41)の妻ちえ子さん(39)と藤雄さんの長男雅一朗君(14)の2人が、奥の勉強部屋と茶の間の間から次女扶示子さん(17)=静岡英和女学院二年生=さらに奥の裏戸付近から藤雄さんの死体が見つかった。
 調べによると、藤雄さんは胸などに十カ所の刺傷があったほか、ちえ子さん、扶示子さん、雅一朗君も胸や背中などに十カ所前後の刺傷があった。解剖の結果、藤雄さんは生活反応がなく、殺されたあと放火されたものと見ている。また橋本さん方の中庭から凶器とみ>られる短刀のサヤが見つかった。
 藤作さんは昨年11月からリューマチで同市内の病院に入院中、妻さよさん(61)と藤雄さんの長女昌子さん(19)は東海道線をへだてた離れに寝ていて無事だった。
 隣家の杉山さんは「ねぐるしいので気が付いたら煙が2階に入ってきた」といっており、橋本さん方は表の大部分にシャッターがおり、裏も線路に面していて消火作業が思うようにいかなかった。


1966年7月1日
朝日東京版朝刊第二報 顔見知りの犯行か 清水の一家4人殺人放火事件

 【清水】静岡県清水市横砂のみそ醸造会社専務、橋本藤雄さん(41)ら4人を殺し放火した事件を調べている清水署特別捜査本部は、30日夜の捜査会議の結果、顔見知りか内部の事情にくわしいものの犯行とみて捜査している。
 同捜査本部が犯人は単独で顔見知りとみているのは、4人とも凶器は鋭利な刃物で傷口は同一だったこと、刺し傷が多いのは4人とも必ず殺そうとしていた点で、こうしたことから犯行の動機は恨みとの見方を強めている。


1966年7月5日
朝日東京版朝刊第三報 従業員から事情聞く 清水の一家4人殺人放火事件

 静岡県清水署の一家4人刺殺放火事件特別捜査本部は4日午後、清水市横砂「こがね味噌会社」独身寮同社製造工Hさん(30)ら3人から事情を聞いたが、奥之山静岡県警刑事部長は「夕方までの調べでは、事件に直接結びつく疑いは少ない」といっており、同夜11時半帰宅させた。
 同日朝、殺された橋本藤雄さんが経営する同みそ醸造販売会社や独身寮を「被疑者不明の捜索令状」で捜索したところ、Hさんの部屋から血のついたパジャマと作業衣が発見され、さらに29日夜10時半以後出火した30日午前2時ごろまでの間、Hさんは「1人で寮の部屋にいた」というが、そのアリバイがないなどの点から3人のうちでは、とくにくわしく事情聴取した。
 これに対しHさんは「パジャマの血は消火作業の際、トタン板で左手指を切り、それがついたものだ、パジャマから作業衣に着替えたので、これにも少量ついた」と答えている。
 同捜査本部は、血の付着具合からみて事件の際の返り血ではないとみているが、念のためくわしく調べている。


1966年7月5日
朝日東京版夕刊の第四報 血染めの手ぬぐいを調べる 清水の一家4人殺人放火事件

 【清水】静岡県清水市の一家4人殺人放火事件を調べている清水署特捜本部は4日朝「こがね味噌」の工場などの捜索で、工場裏の下水路から見つかった血染めの手ぬぐいは犯人が使ったものとみて、割出しのため調べている。
 この手ぬぐいははじめ消火作業でけがをした従業員のものではないかとみられていたが、ついている血の量が多すぎることなどから、犯人が返り血を浴びた衣類をこの手ぬぐいでぬぐったともみられ、被害者の血液型と一致するかどうか鑑定している。


■愚劣なマスコミ
 袴田事件は、デタラメな刑事司法と愚劣なマスコミによる共同作業である。人格攻撃
 事件発生から49日後、袴田氏が出頭を求められ、否認のまま逮捕された翌日8月20日の朝刊には、「なお平然、うそぶく袴田」「葬儀にも参列、顔色も変えず」「食事はふだん通り」「悪魔のような人間」などという見出しが並び、「常人のモノサシでははかりしれない異常性格者」「情操が欠け、一片の良心も持ち合わせていない」などと書いた全国紙もあった。
 さらに、「袴田のウソツキは相当なものらしく、雑談中“ボクシング選手当時、マニラに遠征したが、あの頃が懐しい”とさも思い出にふける様子。
 ところが、刑事が調べたところ、袴田は一度も海外遠征に出かけたことはなかった。
 『話がボクシングにふれると、まるで人が変わったようにしゃべりまくっているが、おそらくは大半がウソだろう』と係官も呆れている」 などと書いた新聞もあった。
 だが、記録によると、袴田氏は1961年4月19日、マニラの「リサール・メモリアル・ホール」でフィリピンバンタム級1位の選手と10回戦を戦っている。過去のデータがあるはずの新聞社が、一切確認しようとせず警察の虚偽の発表をそのまま書いたのである。警察と袴田氏とどちらがウソツキであろう。当方は「警察官等不祥事」で“警察の発表はウソばかりであり、全く信用してはならないのです”と書いている。
当時事件を取材した朝日の元記者は2001年11月、自戒を込めて語った。 「今にして思えば、袴田巌の周辺をあたったり、過去を調べたりして悪い話ばかり集めた」
 「人権意識も薄かった。冤罪になれば新聞にも責任はある」


■デタラメ捜査
 この事件を書こうとすると気が重くなる。何から何までデタラメなのである。一体どこから書けばよいのか・・・。このような事件に全く関心のない人でも、相当知能指数の低い人でも、とんでもない話だ、それはおかしいんでないの、とすぐ口に出るほどのデタラメなのである。
 火事が発生したのが何時何分ごろであるから、何時何分ごろから何時何分ごろまでに犯行が行われねばならない、という思考なのである。その時間に火をつけねばならぬ理由はない、という視点が欠けている。つまり袴田氏が犯人であれば、火をつけるのは1時50分ごろでなくとも、2時でも2時半でもよく慌てることはなかった、という視点が欠けているのである。


■自白
 袴田巌氏は事件後49日目の8月18日に逮捕され、拘留期限が3日と迫った9月6日に“自白”した。この“自白”がどのようにして取られたかは、いくつもの書物で暴露されているが、ここでも取り上げておきたい。
 取調べは、清水署2階の取調室が道路端にあり、声が外に漏れないよう、真夏の暑い盛りに窓に目張りをして行われた。
 取調べ時間は、逮捕された8月18日が13時間半、19日が10時間半、20日が9時間半、22日から28日までいずれも12時間以上、9月4日が約17時間、5日が約13時間、6日が14時間40分、他の日は短い日で7時間強、長い日で約13時間20分であった。


■犯行動機
 母と長男と一緒に住むためのアパートを借りるまとまった金が必要、が犯行動機とされたのであるが、これは第26回公判で袴田氏の長兄の証言により完全に否定された。


■袴田氏犯人の疑問
 6月30日午前1時半ごろ盗みに入ったが、専務が起きてきたので殺害し、その後残りの3人を次々と殺害したとされたのであるが、果たして4人は寝ていたのであろうか。
 夫婦2人とも遺体は腕時計をしていた。夫婦2人とも腕時計をして寝るなどということがあるだろうか。ほとんどの人は枕元に置いたりして腕時計を外すのではないか。


■犯罪者人格のでっち上げ
 捜査当局は、この酒類販売業の男性のような袴田氏に有利な証言は一切無視し、このような人の証言は取り上げない方がよいと誰しもが考える嫁の証言と、証人を誘導し、更にその証言から袴田氏に不利な部分を抜き出して袴田氏の犯罪者人格を作り上げた。
 曰く、「袴田の身辺調査をしたところ、中学当時の成績は社会、数学、体育を除いて最低の成績で・・・
 山本徹美氏が調べたところ、中学3年時の成績は、保健体育が4、社会・数学・美術が3、あとは2とのことである。2は最低の成績ではないだろう。同じような成績の者は警官にもいるのではないか。犯罪者にでっち上げられるときは、数学や理科が学年トップだった当方でも、ああだこうだ屁理屈をつけ、“それほど良い成績と言えるものではなく・・・”となってしまうのだろう。


■血の付いた衣類発見
 公判中の昭和42年8月31日、こがね味噌従業員が味噌タンクの中から南京袋に入った5点の血の付いた衣類を見つけた。
 だが、血の付着状況は実際に着ていて付着したとは認められないものであった。ズボンに小さな染みしか付いていないにもかかわらず、下のステテコには大きな染みが付いているのである。またステテコの染みが付いていない位置の、下のブリーフの同じ位置には染みが付いているのである。ズボンの生地に染みが浸透して初めて下のステテコに染みるのであり、ズボンに小さな染みしかないのに下のステテコにズボンの染みの数十倍の大きさの染みが付くことはあり得ない。ステテコの染みがない位置の下のブリーフの同じ位置に染みが付くことも絶対にあり得ない。またズボンとステテコにA型の血液しか付いていないのにブリーフにB型の血液がつくことも絶対にあり得ないのである。これでは被害者を刺す際、被害者によってステテコになったり、ブリーフになったりして刺したことになる。捏造する際、注意が足りなかった。
 従業員らの証言に、袴田氏を犯人とするに都合の良い警察・検察の意図に沿った不自然なものが少なくないことを考えれば、警察・検察は昭和42年7月25日以降いつでも衣類を味噌タンクに隠すことができたと考えねばならない。だが従業員らが、販売する味噌のタンクに血の付いた衣類を入れることを認めるとは考えずらい。休日或いは従業員が工場にいない時間に、または従業員らを騙して入れたか、特定の従業員の協力を得たのであろう。(参考資料「世直し」)
札幌連続ボンベ爆発 三流弁護士に三流検察そして三流裁判官
名須川被告は、判決を不服として札幌高裁に控訴
(上)札幌北署が、名須川被告を犯人とした
カセットボンベ爆発現場(①~⑤)と
模倣犯として処理した爆発現場(⑥~⑦)

(右)模倣犯として処理した爆発現場(⑧)

 札幌市の警察施設や商業施設でガスボンベを爆発させたとして激発物破裂罪などに問われ、一審札幌地裁で懲役18年を言い渡された無職名須川早苗被告(53)は、判決を不服として24日付で札幌高裁に控訴した。

札幌連続ボンベ爆発 三流弁護士に三流検察そして三流裁判官


 名須川被告が、14年1月27日〜4月3日の間、5回に渡り、札幌市北区の札幌北署駐車場や量販店などで、ガスボンベを破裂させ、建物や車両を損傷させたとしている事件。

 公判では「状況証拠」の評価が争点となったが、札幌地裁の田尻裁判長は、検察側の主張をすべて認めた。
 田尻裁判長は「名須川被告が犯人であると強く『推認』させる複数の事実がある」と判断。「極めて危険性の高いもので、周辺住民を大きな不安に陥れた」とした上で、「警察に対する恨みは今なお根深いことがうかがえる。再犯の可能性も認められ、長期間の服役が相当」と述べ、名須川被告に懲役18年の判決を言い渡した。

はたして、『推認』で有罪にできるのだろうか。


■『推認(すいにん)』について。

「意味」すでにわかっていることをもとに推測し,認定すること。
 これまでにわかっている事柄などから推し量って、事実はこうであろうと認めること。
推認』の方法(外形立証
 秘密の内容を公開することなく、秘密の種類や性質、秘密に指定した理由や手続きなどを示すことによって、実質的に秘密にする必要があることを立証すること。



■ 刑事事件で『推認』を証拠として有罪にするのは間違い。

(一例) 血を流して倒れていた遺体があり、その側に血の付いた包丁が落ちていた場合、他に解釈できる事情が無い限り、その包丁によって傷害を受け死亡したと『推認』しても、なんら問題なく、そして流れていた血と包丁に付着していた血が同一ならば、その包丁によって殺害されたと認定しても、合理的疑いを挟む余地は無い。

●民事訴訟の場合。
 疑問を挟む余地が無い程度に、裁判官に真実性の確信を持たせればそれで立証は尽くした事になるので、『推認』をもってして事実認定としても問題とならない場合も多い。
(最高裁 昭和50年10月24日判決 民集29巻9号1417頁)

●刑事訴訟の場合。
 流れていた血と、包丁に付いていた血は同一か、といった普通に抱く、合理的な疑問が生じ得るので、『推認』をもってして、事実認定することは許されなくなる。
 まさしく「『推認』(恐らく○○に違いない)」などという曖昧な思い込みで、裁判官が有罪判決を下した事は大問題である。

 『推認』を認めてしまえば、気に入らない、(国家権力に)都合の悪い人間を、簡単に有罪に出来てしまう。
 「悪い奴に違いないから断罪すべし」という見えざる圧力になる。


■ 検察側の致命的な弱点。

1.物的証拠がない。
 物証が何一つない。さらに、名須川被告が犯行に及んだとされた五か所の爆発事件の状況証拠を「十把一絡げ」に提示している。その(状況証拠の)一角が崩れれば、証拠としての信ぴょう性が失われ、すべてご破算になる。仮に、名須川被告が真犯人だったとしても、量刑も変わってくる。

2.名須川被告が警察関係者の可能性。
 名須川被告が札幌北署の内情に詳しすぎることと、報道機関(UHB)に送り付けたとされる「犯行声明文」の最後に、『初心を思い出し、三つの語句を心に刻み、区民のために働いて頂きたいと願います。』という行がある。この中にある「三つの語句」は、警察関係者でなければ知りえない語句である。
 したがって、もし、名須川被告が真犯人であるとしたら、極めて悪質な爆発事件を、警察関係者が起こしたことになり、批判は、名須川被告個人のみならず、警察全体に向けられることになる。

3.容疑者逮捕後の爆発事件を「模倣犯」としたこと。
 また、五か所のカセットボンベ爆発事件の容疑者として、名須川被告が逮捕された後にも、小学校に近い交番前で、釘入りカセットボンベ爆発事件を起こした、危険な犯罪者がいるにもかかわらず、北署は最初から「模倣犯」と決めつけ、「一連の事件(2014年1月27日〜4月3日の間)で、名須川被告が起こしたカセットボンベ爆発事件はテロであり、容疑者逮捕後の爆発事件は、悪質なイタズラ(模倣犯)」として処理し、まともな捜査すらしなかった。
 この事は、名須川被告を犯人と決めつけたうえ、状況証拠は後付けしたに過ぎないのである。これは、「出来レース(始める前から結果が分かっている勝負や競争)」としか言いようがない警察の暴挙といえる。


■ 警察が「模倣犯」と断定した関連事件

● 2014年5月4日午前8時30分頃、石狩市親船町札幌北署石狩駐在所(住宅地のど真ん中)で玄関風除室の窓ガラス1枚にひびが入り、近くに破裂したカセットこんろ用ガスボンベ1本が落ちているのを駐在所長の警察官が見つけた。
 付近には燃え残った着火剤なども散乱しており、何者かが火を付けてボンベを破裂させたと見られている。現場の状況などから模倣犯の可能性が高いとして、器物損壊容疑で捜査されている。


● 2014年5月6日午前7時30分頃、札幌市北区新川3条18丁目の大型書店コーチャンフォー新川通り店の出入り口付近でカセットこんろ用ガスボンベ1本が破裂した跡を、同店の清掃作業員が見つけた。
 現場の約10メートル四方に釘数百本が散乱していた他、高さ約3メートルの出入り口の廂にガスボンベの蓋が刺さっていた。


● 2014年5月20日午前10時20分頃、石狩市浜益区柏木の札幌北署柏木駐在所(浜松小学校のすぐ近く)で、玄関風除室の脇に破裂したカセットこんろ用ガスボンベ1本と、釘数百本以上が散乱しているのを、駐在所の警察官が見つけた。
 建物に目立った損傷はなく、ボンベがあったアスファルトが黒く焦げており、同署は何者かが火を付けてボンベを破裂させた可能性が高く、悪質ないたずらと見て調べている。
 その後の調べで、散乱していた釘は約千本以上であることが判明。ボンベの底にゲル状の着火剤が付着していた。釘は長さ約2センチで、2〜3メートル四方の範囲に散らばっており、近くで白いポリ袋の燃えかすも見つかっている。


■ 子供でも騙せない「弁護側」の主張。

 弁護側は「メモは、真犯人から(事件の詳細を書いた)コピー用紙が届き、その内容を書き写したもの」などと主張。「名須川被告が犯人だと示す直接の証拠はなく、警察への恨みもない。名須川被告は爆弾魔に仕立て上げられた」などと訴えた。


この弁護側の主張を誰が信じるというのか。
 仮に「メモ」があったとしても、弁護側は「検察側のでっち上げであり、一連の事件とは関係なく、知らぬ存ぜぬ」で通した方がまだマシであったと思われる。
 また、一般市民の名須川被告が、爆弾魔に仕立て上げられるほど、有名人だったのか。あるいは、爆弾魔に仕立て上げられるほど、人から恨みをうけるような行為を行ったのだろうか、それも大きな疑問である。
 いずれにしても、本件のような事件では、「証拠不十分で無罪」を勝ち取るようでなければ、弁護士失格である。

2016年3月26日 石川栄一 元・国家公務員 文部科学技官


■「激発物破裂罪(げきはつぶつはれつざい)」
 日本の刑法117条に規定された犯罪であり、人がいるか、またはいると考えられる建造物等で火薬・ボイラーなどを破裂させて損壊させることを内容とする。
 放火を前近代的なテロとするとこれは近代的なテロであり、放火と同様に多くの国民の生命、身体、財産を危険に遭わせる恐れがあるためである。
 通常の放火罪と同様、本罪についても人命の損失は問われないし、殺意の有無も問われない。法定刑は放火の例によると規定されているため、現住建造物を損壊した場合には刑法108条の現住建造物等放火罪の例にならい死刑、無期懲役、5年以上の有期懲役となる。


警察の自作自演ではないのか!
「連続カセットボンベ爆発事件」

警察の自作自演ではないのか! 「連続カセットボンベ爆発事件」


警察による自作自演の動機
 警察は、名須川被告に北署の内情(対応、捜査、取り調べ、言動、態度、風紀、北署はどれもひどい」 )を知られており、闇に葬る必要があった。


■ 警察の自作自演の根拠1 「犯行声明文」とされる文章が、「自白調書」のような内容であり、複数の者が書いたり、直された個所もある。


 「犯行声明文」を送り付けるということは、犯人自身のDNAや指紋といった証拠を送り付けているようなものである。
 このような犯行を予告する文書、警察を批判する文書などが、少なくと4通、札幌北署や報道関係に向けて届けられたと報道されているが、切手が貼られていれば、DNA鑑定も可能(唾液が採取された場合)といわれている。
 もし警察がそれを行っていないのであれば、犯人は名須川被告ではないとも言える。
 それは、DNA鑑定をする意味がないからだ。


「犯行声明文」(UHB:札幌の民放)

 『粛啓、UHB中川氏に意見いたしたく、書簡を出すことにいたします。小生は番組中、爆弾魔と称されている者であります。しかしながら、楽しんでいるわけではなくご理解されないと思われますが、小生なりの事情があるわけで、その全てを北署に書簡を7通だしておりましたが、中川氏が犯行声明も出ていないと言っておられたのを聞いて、とても驚いた次第であります。

 今までの全ての現場において使用した材料、分量、時刻、目的、要求などを求めて参りましたが、ことごく黙殺された模様で小生としては北署には一切書簡を出さない所存であります。この書簡がどのようになさるかは中川氏にお任せいたしますが、北署にもみ消されないことを望みます。

 中川氏が自首を勧めておりましたが、申し訳ありませんが、ご希望にお答えすることができないことをお許しください。全ての始まりが北署であります。対応、捜査、取り調べ、言動、態度、風紀、北署はどれもひどいものでございます。小生はあまりのことに怒りで震え、悔しさで眠れぬ夜が何日も続いたものであります。いままで一つ一つ積みあげてきたものが、一瞬で崩れて小生には何も無くなってしまい、残っているのは憎しみだけであります。

 取り調べはいわゆる密室であり、想像もできない恐ろしいことが行われているわけであります。ぜひとも取り調べ調査官を出し、監督対象行為の捜査をお願いいたしたい。
 いつ、どこで、何がとは書くことはできませんが、北署は憎しみの対象ですので、北区だけではなく北署管内で次は22交番のどれかを目も当てられないようにしようかと考えております。



 ここまでが「犯行声明文」であれば、まだ分かるが、これに続く次の文章では、警察の作文のようで、まるで供述調書(自白調書)のようになっている。
 しかも「なかなか人が途切れず」とか「(トイレ)個室の1番目は物入れで、2番目は洋式、3番目は和式、小生は火災報知機の遠いところが望みでありましたが、洋式は狭いので3番目にしたのであります。」「左手にとてつもない大やけどを負ってしまい」というように、民放向けとはいえ、具体的に書く意味があるのだろうか。


 今回の事件にあたってたくさんの時間、お金、体力、知力を使い、緻密な計画、現場検分、試作品の作成、実験、そこでようやく本体の作成、前日に再度現場の確認、当時の天気を確かめて実行に至るわけでありますが、予想できないことが多々ありまして、3/27 個室に40分前に入り、セットして退去の時をうかがっておりましたが、なかなか人が途切れず、最悪の状況に至ってしまいました。
 個室の1番目は物入れで、2番目は洋式、3番目は和式、小生は火災報知機の遠いところが望みでありましたが、洋式は狭いので3番目にしたのであります。
 ということで小生は左手にとてつもない大やけどを負ってしまい、病院にも行けず、とても難渋しております。

 不運は続くもので、4/3、小生の前を歩く方がもしかして司法の方ではないかという予感が働き歩みを弱めて歩いていると、やはり目的の建物に入ってしまいそれによって時間をつぶさなくてはならなくなり、大幅に予定が変わることになってしまいました。時間の変更で小生は電車に間に合わず、タクシーを使うわけにもいかず、ひたすら徒歩で帰宅です。
 いまのところ模倣犯はないようです。北署、新川、屯田、新琴似、屯田、宿舎の6件、ガスなのかボンベなのか書けませんが、実行であれ未遂であれ、北署管内で起きたということが目的でありますので、結果は気にしておりません。北署が謝罪会見を開くか、署長の退陣、
〇〇、〇〇……あなた方にはくたばっていただきます。

 初心を思い出し、三つの語句を心に刻み、区民のために働いて頂きたいと願います。
 中川殿、この書簡の真意は便箋封筒が前回と同じなので北署に確認されたし。』


(〇〇は個人名とみられる)

 さらに「犯行声明文」が、複数の者が書いたとしか思えない「支離滅裂な文章」になってしまっている。(次の二つの文章を参照)
 ・北署が謝罪会見を開くか、署長の退陣、〇〇、〇〇……あなた方にはくたばっていた  だきます。
 ・初心を思い出し、三つの語句を心に刻み、区民のために働いて頂きたいと願います。

ここに書かれている「三つの語句」とは警察関係者しか知りえない語句であり、したがって、この文章を書いたのは警察関係者であるといえる。
  最後の行に「中川殿、この書簡の真意は便箋封筒が前回と同じなので北署に確認されたし。」とあるが、これは業務連絡なのか。ここでは敬語や文体も変化している。
 また、この「犯行声明文」に”現場検分”、”試作品の作成”、”実験”という記述あるが、この”実験”を行ったという事実も報道されていない。


過去のある組織による犯行声明文の一例

われわれは ほかの心ある日本人とおなじように この日本の国土 伝統を愛する。
それゆえにこの日本を否定するものを許さない。
△月△日 われわれは □□新聞東京本社に数発の弾を発射した。
だが□□は われわれが警告文をおくった共同時事と共謀して それを隠した。われわれは本気である。すべての□□社員に死刑を言い渡す。
きょうの関西での動きは てはじめである。警告を無視した□□は 第二の天罰をくわえる。ほかのマスコミも同罪である。反日分子には極刑あるのみである。
われわれは 最後の一人が死ぬまで処刑活動を続ける。
△年△月△日
XXXXX一同


■ 警察の自作自演の根拠2 名須川被告にアリバイがある


■ 第一の爆発事件 2014/1/27 午前9時35分頃
 北警察署駐車場でガスボンベを用いた爆発が起き、ワゴン車の一部が燃える。



第一の現場 札幌北警察署

 当時は冬とはいえ、現在と同様、同じくらいの車両が駐車していたと思われる。その上で白昼堂々と、誰にも見られないように、爆発物(カセットガスボンベ)をセットできるかどうか疑問である。しかも名須川被告は、同時刻に北警察署で別件の参考人として取り調べ中だったという。


■ 警察は『足跡』ゲソ(下足)痕を採取したのか。

 もしも、同日、名須川被告が爆発物を仕掛けたというのであれば、証拠(ゲソ痕)があるはずだ。交通事故では「タイヤ痕」、刑事事件では「ゲソ痕」が重要である。
 現在の足跡鑑定では、各種の事件現場はもちろん、火災現場からの足跡も発見し採取出来る。靴底の本当に僅かなキズや、靴底に付着していた微物を精査する事で、個人の特定や、どこを経由して、その場所にたどり着いたか、など、より複雑な識別が可能になってきている。


【足跡から何が解る】

【犯行】
 ① 人数が解る (その現場に人は何人いたのか)
 ② 場所が解る (侵入待ちをした場所、侵入口、犯行の状況、逃走口、逃走方向)

【犯人像】
 ③ 靴底の形が解る (靴の種類、メーカー、特殊な職業)
 ④ 靴底の状況が解る (犯人の身長、性別、その他)
 ⑤ 犯行の状況が解る (歩いたのか、走ったのか、飛び降りたのか)
 ⑥ 場所の特定が解る (足跡の微物を科学検査する、どこの土砂や植物など)

 ※参考資料 法科学鑑定研究所のホームページ


■ 第二の爆発事件 2014/2/20 午後5時過ぎ
 MEGAドン・キホーテ新川店で靴売り場の陳列棚の一部が燃える。
ガスボンベを爆発させようとした形跡があったが破裂はしなかった



第二の現場 MEGAドン・キホーテ新川店

■ 第三の爆発事件 2014/3/18 午後4時半ころ
 イトーヨーカドー屯田店で車が炎上。 破裂したガスボンベ2本が見つかる 。



第三の現場 イトーヨーカドー屯田店

■ 第四の爆発事件 2014/3/27 夜
 ジョイフルエーケー屯田店でトイレが全焼。破裂した状態などのガスボンベ3本や画びょう数十個が見つかる。



第四の現場 ジョイフルエーケー屯田店

■ 第五の爆発事件 2014/4/3 午後11時45分頃
 警官舎の玄関前でガスボンベが爆発。破裂した状態などのガスボンベ5本や、2センチのクギ2000本などが見つかる。3日午後11時45分ごろ、札幌市北区北25西7の北海道警の警察官舎に住む警察官から「どんという音がして煙が見える」と110番があった。官舎1階の玄関踊り場でカセットコンロ用ガスボンベ5本が見つかり、うち3本が破裂し電気メーターが焦げるなどした。けが人はいなかった。



第五の現場 警察官舎玄関付近


■ 警察の自作自演の根拠3 凶悪な犯行にしては、中途半端な捜査。

 犯人にとって、大きなリスクを伴う犯行だが、被害が小さすぎる。いや、大きくならないように実行した。
 ガスボンベや画びょう、2センチの釘では殺傷能力は小さい。殺傷能力が大きければよい、というわけではないが、あまりにも中途半端な犯行である。

 更に、警察は犯人の遺留物捜査をまともにやっていないように思える。報道機関には出せないのかもしれないが、今回のように、5か所で犯行を行えば、足跡のほかに、必ず、毛髪や血痕といった遺留物があるはずだ。
 また、犯行に使われたクギ、2000本にしても、その購入先(入手先)が分かれば、犯人を特定できる可能性もある。これらのことを十分に行っていないとすれば、やはり、警察の自作自演としか言いようがない。

 最後に、名須川被告の起訴から公判まで、2年近くも要したことも大きな疑問である。
2年もたてば、捜査担当者が配置転換などで配属が変わったり、また定年退職した警察官もいるだろう。こうなれば、仮に名須川被告が無罪になっても、警察への風当たりも少なくなるということだ。
2016年2月20日 元文部科学技官 石川栄一
いよいよ裁判員裁判 「連続カセットボンベ爆発事件」 裁判所は「疑わしい」というだけで有罪に出来るのか!
「冤罪事件」はマスコミがその助手を務める事によって成立する。
マスコミは、なぜ警察に都合の良い情報を流すのか。そうして冤罪が起きるのだ。「容疑者」=「犯人」ではない。冤罪事件はデタラメな刑事司法と愚劣なマスコミによる共同作業である。


警察宿舎などカセットボンベ爆発 名須川被告関与否認 札幌地裁
北海道新聞 2月15日(月)10時39分配信



名須川早苗被告 
 弁護側「現場近くにいだが、爆発物は仕掛けず」
 札幌市北区で2014年1~4月に発生した計5件のカセットこんろ用ガスボンベ爆発事件で、現住建造物等放火や激発物破裂などの罪に問われた主婦名須川(なすかわ)早苗被告(53)=札幌市北区=の裁判員裁判の初公判が15日、札幌地裁(田尻克已裁判長)であった。
 一連のボンベ事件について、名須川被告は「私はやっていません」と起訴内容を否認し、無罪を主張した。
 冒頭陳述で検察側は「被告の自宅から犯行に使われたボンベの種類や本数が書かれたメモが見つかった。犯人でなければ知り得ない事実だ」と主張。弁護側は「被告が事件現場の近くにいたことは事実だが、爆発物は仕掛けていない。被告は犯人ではなく、捜査機関による証拠偽造の疑いもある」と反論した。
 起訴状によると、名須川被告は14年1月27日朝、札幌北署駐車場でボンベを爆発させ、署員の車のバンパーを損壊。同2~4月にかけ、量販店や大型商業施設、警察宿舎でも相次いでボンベを爆発させ、トイレを焼いたり、窓ガラスを壊したりしたとしている。
 名須川被告は、13年11~12月に北区のコンビニエンスストアなど4カ所で、年賀はがき計約1900枚(約20万円相当)を盗んだとして、窃盗罪でも起訴されている。名須川被告は罪状認否で、窃盗罪については起訴内容を認めた。

 公判は3月1日の結審までに11回開かれ、証拠調べや被告人質問のほか、捜査に携わった警察官ら18人の証人尋問を実施する。判決は同11日に言い渡される予定。
 ボンベ関連の事件は、名須川被告の逮捕後の14年5月にも、石狩市の北署石狩駐在所など北署管内の3カ所で相次ぎ発生。いずれも未解決だが、道警は「1~4月の事件を模倣した人間の犯行の可能性が高い」とみている。


連続カセットボンベ爆発事件 HTBニュース

 初公判で女は何を語るのか? 2月15日(月)放送予定
おととし1月から4月にかけ、札幌市北区の半径2km以内で次々と起きた、カセットボンベ爆発事件。警察の施設や大型商業施設が狙われたうえ、報道機関などに犯行声明文が届き、事件は劇場化した。
 逮捕・起訴された53歳の被告の女は、「犯人ではありません」「誰かにはめられました」と一貫して否認し、無罪を主張している。 この日始まる初公判で検察はどんな新証拠を提出するのか。女は何を語るのか。総力取材でお伝えします。
冤罪でほぼ決まり―札幌ボンベ連続爆破事件
冤罪でほぼ決まり―札幌ボンベ連続爆破事件
(出典)ライター:shimonata_king_01218477さん

 一言で言い表すのであれば、日本の警察・検察・裁判所の腐敗ぶりを象徴する事件、それが札幌北署管内で発生したガスボンベ連続爆発事件だと言えます。


■被告は本当に犯人なのか?―― 警察の流れから追う

 被告は四月二十六日、札幌北署から任意で事情を聞かれ、その際にファイルを叩きつけられ、怒鳴りつけられて、初めから完全に犯人扱いだったそうです。
 ところが警察が任意で事情を聞いた際の理由は、たったの下記二点でした。


1.爆発事件のあった店の一つで、防犯カメラに被告の姿が映っていた.
2.札幌北署で、犯行声明文で名指しされた警部補、及びその他の九名の警察官全てから別件にて取り調べを受けていた.


 これだけの理由で、任意で呼び出したにもかかわらず、怒鳴りつける、ファイルを叩きつける等の暴力を用い、犯人扱いするという粗暴で常軌を逸した扱いを、北海道警察は行ったのです。
 まずこの時点でおかしいと言えるでしょう。


■逮捕の明確な理由がない 捜査幹部が認めている現実。

 実はこの事件、現在に至るまで、終始一貫して女性が犯人である事を示す、決め手となる証拠が全くないのです。
その証拠に、被告を逮捕した後に、捜査幹部がこのような発言をしています。
札幌ボンベ爆発、捜査幹部「決め手という証拠ない


1.捜査幹部「これが決め手という証拠はない」
2.事件があった時間帯に容疑者の車が映っていた警察署の屋上の監視カメラや複数のタクシーのドライブレコーダー
3.犯行声明文に書かれた警察官との接点
4.自宅から押収した証拠品
5.2~4のわずかな証拠を積み重ねて立件は可能と判断し逮捕に踏み切った



 僅かな証拠を積み重ねて、起訴を許した挙句、有罪判決など下したらどうなるでしょうか。冤罪の山が築かれる事は日を見るより明らかです。被疑者が犯人であるという明白な証拠がないのであれば、起訴を見送る、これがまともな国の捜査機関の判断であると考えられますが、犯人を逮捕して面子を護る事を優先する日本の警察は、こともあろうに冤罪の可能性があってもよいから逮捕する、検察は起訴すべきだと言っているわけです。
 この時点で信じられない話です。まるで独裁国家や、警察や検察の腐敗が著しい途上国みたいです。


■消えたゴム印とカタカナ特殊定規の報道

 被告の逮捕後、警察は情報を小出しにリークしてマスコミに報道させ、被告が犯人であるという世論を形成する事に邁進していきます。中でも重要な意味を持っていたのが、家宅捜索によって押収された、アルファベットのゴム印と、カタカナの型抜きがある特殊定規です。


「容疑者宅からゴム印押収 札幌ボンベ爆発、容疑は一貫して否認 5月2日 北海道新聞 ネット配信版」
「捜査本部は手紙の活字と押収したゴム印を詳しく鑑定
ボンベ爆発現場にクギ3千本超…手紙の記述通り
5月4日 読売新聞 ネット配信版」
「片仮名などの文字が型抜きされた特殊な定規が押収
・捜査本部は手紙の字形と定規の文字の型が一致するか鑑定を進めている」



 テレビや新聞のニュースを見聞きしていた方はよく覚えておいでだと思いますが、ゴム印と特殊定規については、散々、「犯行声明文に使われたと見られるゴム印」、「犯行声明文に使用されたと思われる特殊定規」などと不必要な、先入観を招く(刷り込みを狙った)言葉を粉飾して報道されて来ました。

 ところが鑑定を監視したとされてから二十日近く経った現在でも、ゴム印と特殊定規が犯行声明文に使われた物と一致したという報道が皆無なのです。常識的に考えれば、一致しなかったという、警察にとって極めて都合の悪い鑑定結果が出た為、報道されていないと考えて然るべきでしょう。

 また、仮に万が一、一致したとする報道が今後出されたとしても、鑑定に時間が掛かり過ぎており不自然ですので、眉唾物であると考えた方が良いと考えられます(名張毒ぶどう酒事件の王冠歯型のような、一致しない物を強引に一致させる為の工作が行われた疑念が生じる為です)。


■小出しにされる情報―警察によるリーク
 この事件の特徴は、被告の逮捕後、情報が常に小出しにされている事に尽きます。
 順不同で列挙していきます。


1.メモ帳が見つかり、ボンベの種類が書かれていた
2.ゴム印と特殊定規が見つかった
3.被告の腕に犯行声明文にあったものと同じ怪我があった
3.警察官舎の爆破事件のあった日に防犯カメラに映る「推理の為に行った」
4.1のメモに書かれていた内容の詳細(犯行声明文と一致)
5.携帯の位置情報から五件の事件時に現場周辺にいた



 定期的に情報を小出しにする事によって、被告を、より犯人であると視聴者や読者が思い込むように仕組む。二日置き、三日置きに、被告が犯人です、犯行に使用されたゴム印、メモが犯行声明文と一致、という情報が流されたらどうなるでしょう。

 「ああ、やっぱりあの人はやってたんだな、犯人なんだな」と思いますよね。
 警察がマスコミを介して取っているこの手法は、明らかに、洗脳の一種です。いわゆる刷り込みと呼ばれるものです。

 逆に、これら情報が小出しにされず、一気に出されたらどうなるでしょうか。
 情報が一気に出る事で、報道がなされた直後は、被告を犯人だと思う人が沢山出るでしょう。しかし、証拠類は一つ一つが物凄く弱々しく、本当は起訴に足るものではない為、被告が自白しなければ、本来であれば、起訴なんて到底不可能です。

 それに何より、マスコミ報道自体がかなりいい加減なので、記事を読み込むと疑問が湧いてきます。松本サリン事件のように、警察が偽の情報をリークして報道させた事もあった為、それらの事を覚えている人達が、警察が言っている事は本当なのかと疑義を呈し、そうした声が日増しに強まっていく事でしょう。その先に待っているのは、被告は本当は何もやってないんじゃないの?という世論です。

 被告が犯人である事を示す確たる証拠が見つかって報道されるわけではないので、そういう世論が形成される事は、当たり前なんです。そうした状況を阻止する為に、警察はあえて、情報を小出しにしているわけです。それだけ警察に自信がないという事でもありますが、同時に、そんな状況で被告を犯人と決め付ける世論形成を狙った動きをしているのですから、決して許される事ではありません。


■メモ一致報道と位置情報報道の信憑性

 前項1と4のメモに関しては、このような報道がありました。
押収メモにボンベ くぎ、画びょうの数 札幌・北区ボンベ爆発 容疑は依然否認
北海道新聞 5月15日 ネット配信記事



1.メモには5件の事件に関し、使われたカセットこんろ用ガスボンベのメーカーや本数、仕掛けられたくぎや画びょうの数量などが詳しく書かれていた。
2.警察宿舎の事件後、北海道文化放送(UHB)に届いた犯人を名乗る人物からの手紙にも、5件それぞれの現場で使ったボンベのメーカーや本数などが詳細につづられており、メモと内容が一致。


ところがこういう報道が出てきました。

道警官舎ボンベ爆発:検察に不起訴求める…弁護団意見書
毎日新聞 5月20日 ネット配信記事


1.中村憲昭弁護士「道警が押収した事件の日時やボンベの本数などが書かれたメモは新聞報道などで特定でき、犯人であることを裏付ける証拠にはならない」
2.同弁護士「文書には警察の専門用語などが書かれており、N容疑者が書ける内容とは思えない」



 種明かしすると極めて馬鹿馬鹿しい話です。
 実際のメモの内容は「犯行声明文を送りつけられた地元テレビ局の報道や新聞報道」を聞いていれば書ける内容でしかなく、また、地元テレビ局が放送した犯行声明文と事件報道を基に書かれたメモであった為、メモと内容が一致したという、ただそれだけの事だった、という事です。

 犯行声明文を読み上げた地元テレビ局の報道を聞きながらメモを取れば、犯行声明文と内容が一致するのは当たり前であって、それをさも秘密の暴露があったかのような事実歪曲のリークを働いた、という事が推測されます。

 警察はしてはならない汚い手を使ったというわけです。
 また被告が書く事が出来ないと弁護士が言う、専門性の高い警察用語が犯行声明文に散りばめられていた話も、何故かあまり報道されていません。
 この事件は、被告が任意で事情を聞かれる前までは、警察施設が狙われている事から、現役警察官による内部犯行説、及び、元警察官による犯行説も疑われていたので、素人では書けないであろう警察の専門用語が駆使されていた事は、実は非常に重要な意味を持っています。

 警察は、現役警察官や元警察官の犯行説を世間に忘れて欲しいと考えて、あえてこの情報を拡散したくなかったのかも知れません。
 こうなってくると、突如マスコミ報道のあった、捜査幹部による位置情報のリークも胡散臭くなってきます。

5件すべてで現場周辺に 札幌のボンベ爆発事件、再逮捕へ 共同通信 5月21日 ネット配信記事


1.携帯電話の位置情報などから、一連の5件の現場周辺にいたことが20日、捜査関係者への取材で分かった。
2.道警は容疑を絞り込み、勾留期限の21日にも再逮捕する方針。



 そもそも五件の現場の内、一件目は別件の取り調べで札幌北署に出頭していたのだから一致して当たり前ですし、五件目の官舎事件についても、当の本人が行った事を認めているのだから当たり前です。自分が一件目の事故現場に居合わせて関心を持ち、それで現場を見に行ったとしても、他人の行動としては何ら不自然ではありません。

 つまり本当に一致したと言えるのは、実際にはたったの三件なんです。
 しかもその残る三件についても、量販店での事件であり、うち一件は完全にスーパーです。何人くらい客が入るのかまでは不明ですが、大型の店舗は一日に1000人以上、2000人や3000人は客が入るので、この三件の現場、全てに居合わせた人なんて、数十人、あるいは数百人単位でいるでしょう。結局、何の証拠にもならないのです。もう完全に、自白を強要する為の、時間稼ぎの為の不当な再逮捕以外のなにものでもありません。不当な再逮捕と考える理由は、もう一つあります。

 5月20日に真犯人による札幌北警察署柏木駐在所において再びガスボンベ爆発事件が起きているからです。


■被告逮捕後も続発するガスボンベ爆発事件――警察は模倣犯と強弁するが……

 被告が逮捕された3日後の5月4日、次は札幌市以外の札幌北署の交番を狙うという犯行予告通り、札幌北署石狩駐在所でガスボンベ爆発事件が起きました。警察は手口が異なるという理由から模倣犯であると断定しましたが、たった2日後の5月6日、今度は北区の書店コーチャンフォー新川通り店で爆破事件が起きました。

 ボンベ爆発事件は、事件の度に爆発物の威力が向上し、爆発物の知識に乏しい犯人が、知識を吸収し、実験を重ねながら爆発物を製造しているという特徴があった為、手口が違う事は即模倣犯である事を示しません。

画びょう・釘…5事件、次第に過激化 札幌ボンベ爆発
朝日新聞 4月30日 ネット配信記事


 ところが何故か、石狩駐在所の事件は、犯行予告通りの事件であったにもかかわらず、手口が違うことを理由として模倣犯であると断定されたのです。
 そしてその事にまるで抗議するかのように、犯人はたった2日後に北区の書店で爆発事件を起こしました。 これらの爆発事件は真犯人によるものであり、被告は冤罪であると考えるのが常識的であると考えられます。

 一向に見つからない新たな証拠に、一部のマスコミも、流石に冤罪事件ではないのかという論調に変わり始めました。 そうした中で、5月20日、被告の拘留期限前日に、警察は翌日に検察が予定している起訴を正当化する世論を作る狙いで、捜査幹部に被告の携帯の位置情報をリークさせたのですが、そんな警察をあざ笑うかのように、柏木駐在所で再び爆発事件が起きました。


一件目の事件の時、被告は札幌北署にいた

 被告は一件目の札幌北警察署爆発事件の時、実は別件での取り調べの為に事件のあった札幌北署に来ていて、警察官と一緒にいました。アリバイがあるのです。
 ところが警察はアリバイを認めません。被告が爆発物を仕掛けた後、警察に出頭し、取り調べを受けていたと推測しているようなのです。

 この考え方は、物凄くご都合主義的で、非現実的、かつ非論理的なものです。
 まず犯人は、爆発物に対する知識に乏しい人物で、事件を重ねる度に、目に見えて成長していくような、ずぶの素人であるという事です。
 そんな人間が、爆発物を仕掛けてから爆発するまでの時間を計算して、アリバイを成り立たせる事など不可能です。

 例えば、爆弾を仕掛けたとします。不慮の事故が発生して、その場で爆発してしまったら一体どうするのでしょうか。場所は警察の駐車場なんですから、アリバイを作るどころか、警察官にその場で逮捕されておしまいです。

 被告を犯人にと仮定して、本気でアリバイを作る気であれば、爆発によって証拠が消滅するタイプの時限式装置を作り(と言ってもこうした性質のものでも警察が詳しく分析すれば露見するのが常ですが)、自分が警察に入ってから、かなりの時間が経った段階で爆発するよう仕向けるでしょうが、一件目の事件では、時限装置は使われていませんでした。そして被告が、札幌北署に自分の車で来て、そのまま出頭していていて、アリバイ工作を一切していないという事です。

 普通の犯罪者であれば、警察署に来て爆発物をセットして、前述のタイプの時限装置を使用して爆発時間を調整して、家族か、友人に車を運転して貰って警察署の玄関で停めて貰って、警察官が見もている中で、車から降りて、出頭するでしょう。

 ここまですれば、爆発物を仕掛ける事は出来ない、という明白なアリバイを主張できますし、アリバイを作る意思があったのであれば、この程度の事はしているはずです。ですが被告はそうした行動は一切取っていないのです。

 被告を犯人と仮定した場合、実際に被告は警察にいた事を自身のアリバイだと訴えているのですから、初めからアリバイとして利用するつもりでいた事になります。そうであるのなら、アリバイ工作を一切していない、作為のない行動しか取っていない事は、甚だ不自然だという事になります。

 その点について、警察は、アリバイとして使う事は途中から考えたのだとか、爆発物を仕掛けてから爆発するまでの時間差を知っていたのだとか、ご都合主義的な事や荒唐無稽な事を言い出しそうですが、警察に出頭する事が決められていた日にわざわざ事件を起こしたのなら、アリバイに使う事を考えない人間など存在するわけがありません。

 ガスボンベを使った爆弾である以上、恐らく気温や湿度等でも爆発までの時間が変わると考えられるので、ずぶの素人がアリバイ工作に使うなどという事は考えられない話です。つまり被告は、一件目の事件の犯人には絶対になり得ないという事なんです。


■共犯者や模倣犯はいるのか

 結論から先に言えば存在しません。
 犯人は北海道文化放送(UHB)宛ての犯行声明文にてこう書いています。

「いつ、どこで何がとは書くことはできないが、北署が憎しみの対象で、目も当てられないようにしようかと考えている」「対応、取り調べ、風紀、どれもひどいものだ。怒りに震え、悔しさで眠れぬ夜が続いた」「北署が謝罪会見を開くか、初心を思い出し区民のために働いてほしい」

 対応、取り調べ、風紀とあるので、何らかの事件で嫌疑を掛けられ、逮捕されるか、事情を聞かれるかして、場合によっては無実の罪で起訴されて有罪判決を受けてしまったか、運良くそこまでは行かなかったが不愉快な思いをした、冤罪事件の被害者であると考えられます。そして犯行の狙いは、札幌北署に謝罪会見を開かせる事だとも述べています。非常に個人的な動機に基づく、警察に対する怨恨という事になります。

 共犯者に関しては、家族、親しくしている親族、非常に仲の良い友人、ネット経由で知り合った警察に恨みを持つ同じ志を持った者などが候補として挙げられます。
 被告に共犯者がいて、一件目の犯行を起こしたと仮定した場合、警察が早い段階で把握して、共犯者と目星を付けた人物から任意で事情を聞き、逮捕に至っていると考えられる為、未だにそのような人物がいない事が、共犯者の不在証明となっています。

 それ以前の問題として、常識的に考えて、身内や親しい親族、仲の良い友人が警察に爆発物を仕掛けて仕返しをしてやる等と話し出したら、止めるのが普通です。ネット経由で知り合った人物に関しては、インターネットの履歴から容易に割り出せるので、尚の事ありえません。

 つまり被告には共犯者などいないという事です。模倣犯に関しては、触れるのも馬鹿馬鹿しい話です。被告の逮捕後に爆発物が仕掛けられた施設は、駐在所が二件、書店が一件と、警察関連施設が主流です。被告が問われている激発物破裂罪は、死刑または無期、5年以上の懲役という極めて重い刑罰が科せられる犯罪で、しかも相手が警察であるだけに、裁判所が下す判決はかなり厳しいものになる事が想定されます。

 この事はマスコミで報道されているだけでなく、常識で考えても重罪であると認識できる事柄ですので、生半可な気持ちで模倣犯が出るような性質の犯罪ではありません。


■何故逮捕できたのか―機能していない腐敗したシステム

 被告を任意で事情聴取した際の根拠も信じられないようないい加減なものでしたが、逮捕するに至った根拠も同じように信じられないくらいにいい加減なものでした。

 我が国においては推定有罪ですし、マスコミなどは完全に逮捕=犯罪者という扱いをしていて、逮捕された人が嫌疑不十分で釈放されても、友達や知り合いから縁を切られる、会社を首になる、住民から白い目で見られて引っ越しを余儀なくされる、等の著しい社会的不利益を蒙ります。

 だからこそ逮捕状は簡単に出されてはならないはずなのですが、この事件に限らず、裁判所は実質的に警察の言いなりになっていて、逮捕状を請求したら、余程の事がない限り(言い換えればきちんと仕事をする稀有な裁判官が存在しなければ)、通ってしまう現状があります。
 もう滅茶苦茶です。これでは令状主義は形式的なものにすぎないと言っているようなものです。


検察の行う起訴に関しても問題があります。

 過去の冤罪事件を見てみると、例えば、富山連続婦女暴行冤罪事件(通称:氷見事件)では、Yさんの自白に秘密の暴露が全くない、Yには犯行当時の明白なアリバイが存在した、現場証拠である足跡が28センチであるのに対し、Yさんの足は24.5センチと全く合わないことなど、立件など絶対にできるはずのない事件であったにもかかわらず、起訴されて、強要された自白で有罪判決を受けています。

 これでは警察と検察が分かれている意味がありません。
 警察が逮捕状を請求すればあっさりと通る、警察は自白させる事しか考えない取り調べを行い、マスコミに情報を小出しにして被疑者が犯人だという世論を作り上げる、検察は警察が自白さえ取ればどんなに犯人に考えた場合に矛盾する状況があっても起訴する、裁判所は警察が強要した自白を重視して有罪判決を下す。

 これでは警察に犯人と目をつけられたら最後、犯人でなくても逮捕されて全てを失って、無理やり自白させられて起訴されて、してもいない罪で刑務所に絶対に入らなければならない事になる。

 この事件に関しては、既に検察が起訴する意向を示しているので、氷見事件と同様、犯人であるという明確な証拠もないまま起訴に持ち込むという、検察腐敗の象徴的な動きが見られます。起訴するに足る証拠もないのに起訴するというのであれば、検察が存在する必要性自体がありません。


■結論:模倣犯などいない―被告の早期釈放を

 どんなに警察が情報を小出しにして出そうが、事件を注視しているウォッチャー達は、被告を犯人だとは考えていません。模倣犯がいない事も、共犯者など存在しない事も、全て見抜いています。

 警察に対する信用や信頼が非常に低下していて、警察の発表する情報をまともに信用する人が減っている事も無関係ではありませんが、捜査幹部が「決め手という証拠はない」と断言するような、証拠らしい証拠のない事件であれば、きちんと情報に目を通している人間であれば、誰しもが被告を犯人だと考えないのは当然の事です。

 犯人に見えるようマスコミに報道させれば、たとえどんな事件だったとしても、視聴者や読者に犯人だと思い込ませる事が出来るなどと警察が本気で考えているのであれば、警察は日本人を馬鹿にし過ぎです。

 今、パソコンの遠隔操作事件が山場を迎えていますが、あの事件では現実に誤認逮捕が起きていて、誤認逮捕された人達の中には、大学を退学になった人もいて、正真正銘、人生を棒に振っています。

 レイプは心の殺人であると言われますが、そうであるならば、誤認逮捕は警察官による社会的な殺人である、と言い換える事も出来ます。その誤認逮捕をした社会の殺人者である警察官達は、こともあろうに、誰一人として処分されませんでした。


■誤認逮捕、処分せず…大阪府警「対象でない」

 こんな事が、許されてもいいのでしょうか。激しい怒りを覚えます。
 ここ数年、つとに警察の横暴(おかしな行動)が目立つようになってきましたが、今の日本を見ていると、まるで警察官は何をしても許されるかのような、出鱈目が罷り通っているように思えてなりません。このあたりで、警察組織の正常化、検察組織の正常化、裁判所の正常化が必要なのではないかと、本当に痛感します。

 またこうした警察腐敗(さしたる証拠もないのに安易に逮捕して自白を強要する)、検察腐敗(送検された事件を安易に起訴する)、裁判所腐敗(警察に言われるままに逮捕状を出してしまう)の極みの上に、この事件は存在しているのでしょう。

 被告は、普通の国であったのなら、起訴はおろか、逮捕も、任意の事情聴取も、証拠がなさすぎて出来なかったのではないかと考えます。警察の面子という下らない、馬鹿げたものにこだわるのでなく、さっさと釈放すべきです。



■とうとう起訴に踏み切る

 検察は激発物破裂罪で起訴しましたが、勇み足であった感が拭えません。犯行声明文には一般人とは非常に馴染みのない、警察の専門用語が使用されており、被告が犯行声明文を書いた可能性は、極めて低いものと考えられます。

 ゴム印やカタカナの型抜き特殊定規に関しても犯行声明文のものと一致したという報道がありませんし、被告が犯人である証拠は、依然としてないままです。裁判所がまともに機能していれば、無罪判決の出る余地がありますし、また真犯人が今後も犯行を重ねて、道警が模倣犯と認定する事件の発生件数が、被告が起こしたと認定する五件に並んだ時点で、この事件は新たな正念場を迎える事でしょう。

 もちろん真犯人が新たな犯行声明文を出して、被告の潔白が証明される余地もあり、今後も予断を許さない状況が続くものと考えられます。
冤罪でほぼ決まり――札幌ボンベ連続爆破事件 その2
 一つ目のノートの続きです。犯行声明文に関する疑問点について記したいと思います。


■警察の専門用語が使用された犯行声明文

 被告の弁護士によると、犯人が犯行声明文には、警察の専門用語が使用されており、被告に書く事は不可能である、との事です。犯行声明文の要旨は、下記のようなものだったようです。

■ 「札幌北区の連続ガス缶爆破事件の犯行声明 個人サイト
■ 「道警官舎ボンベ爆発:犯行ほのめかす文書の要旨
■ 2014年05月20日 毎日新聞 ネット配信版」
■  毎日新聞より引用します。『』内が引用部分です。

「犯行声明文」

 『粛啓、UHB中川氏に意見いたしたく、書簡を出すことにいたします。小生は番組中、爆弾魔と称されている者であります。しかしながら、楽しんでいるわけではなくご理解されないと思われますが、小生なりの事情があるわけで、その全てを北署に書簡を7通だしておりましたが、中川氏が犯行声明も出ていないと言っておられたのを聞いて、とても驚いた次第であります。

 今までの全ての現場において使用した材料、分量、時刻、目的、要求などを求めて参りましたが、ことごく黙殺された模様で小生としては北署には一切書簡を出さない所存であります。この書簡がどのようになさるかは中川氏にお任せいたしますが、北署にもみ消されないことを望みます。

 中川氏が自首を勧めておりましたが、申し訳ありませんが、ご希望にお答えすることができないことをお許しください。全ての始まりが北署であります。対応、捜査、取り調べ、言動、態度、風紀、北署はどれもひどいものでございます。小生はあまりのことに怒りで震え、悔しさで眠れぬ夜が何日も続いたものであります。いままで一つ一つ積みあげてきたものが、一瞬で崩れて小生には何も無くなってしまい、残っているのは憎しみだけであります。

 取り調べはいわゆる密室であり、想像もできない恐ろしいことが行われているわけであります。ぜひとも取り調べ調査官を出し、監督対象行為の捜査をお願いいたしたい。
 いつ、どこで、何がとは書くことはできませんが、北署は憎しみの対象ですので、北区だけではなく北署管内で次は22交番のどれかを目も当てられないようにしようかと考えております。

 今回の事件にあたってたくさんの時間、お金、体力、知力を使い、緻密な計画、現場検分、試作品の作成、実験、そこでようやく本体の作成、前日に再度現場の確認、当時の天気を確かめて実行に至るわけでありますが、予想できないことが多々ありまして、3/27 個室に40分前に入り、セットして退去の時をうかがっておりましたが、なかなか人が途切れず、最悪の状況に至ってしまいました。

 個室の1番目は物入れで、2番目は洋式、3番目は和式、小生は火災報知機の遠いところが望みでありましたが、洋式は狭いので3番目にしたのであります。
 ということで小生は左手にとてつもない大やけどを負ってしまい、病院にも行けず、とても難渋しております。

 不運は続くもので、4/3、小生の前を歩く方がもしかして司法の方ではないかという予感が働き歩みを弱めて歩いていると、やはり目的の建物に入ってしまいそれによって時間をつぶさなくてはならなくなり、大幅に予定が変わることになってしまいました。時間の変更で小生は電車に間に合わず、タクシーを使うわけにもいかず、ひたすら徒歩で帰宅です。
 いまのところ模倣犯はないようです。北署、新川、屯田、新琴似、屯田、宿舎の6件、ガスなのかボンベなのか書けませんが、実行であれ未遂であれ、北署管内で起きたということが目的でありますので、結果は気にしておりません。北署が謝罪会見を開くか、署長の退陣、〇〇、〇〇……あなた方にはくたばっていただきます。

 初心を思い出し、三つの語句を心に刻み、区民のために働いて頂きたいと願います。
 中川殿、この書簡の真意は便箋封筒が前回と同じなので北署に確認されたし。』

(〇〇は個人名とみられる)

 取り調べ調査官、監督対象行為、現場検分、司法の方、これら聞き慣れない言葉は、警察用語なのだそうです。
ネットで検索を掛けると出てきますが、取り調べ調査官、監督対象行為、この二点は非常に珍しい用語ですし、現場検分、司法の方といった用語も、日常に使用される用語ではありません。


■警察の専門用語を使用した謎

 実はこれらの用語が使用されている事は、非常に不可解だと言えます。
 常識的に考えれば、犯行声明文に警察用語を駆使する事、これは犯人が警察官を偽装する目的を持って行った可能性を指し示しています。しかし、同声明文では『全ての始まりが北署であります。対応、捜査、取り調べ、言動、態度、風紀、北署はどれもひどいものでございます。

 小生はあまりのことに怒りで震え、悔しさ で眠れぬ夜が何日も続いたものであります。いままで一つ一つ積みあげてきたものが、一瞬で崩れて小生には何も無くなってしまい、残っているのは憎しみだけ であります』と記されていて、犯人は自らを札幌北警察署が引き起こした冤罪事件の被害者であると名乗っているからです。

 全てを失ったとある事から、札幌北警察署に誤認逮捕されて取り調べを受けて、嫌疑不十分で釈放されたが真犯人が逮捕されなかった為に名誉が回復されず、逮捕報道によって全てを失ってしまった人か、あるいは、誤認逮捕され、自白を強要されて、言葉巧みに騙されて自供し、無実の罪で起訴されて裁判となり、自白が決め手となって有罪判決を受けた、正真正銘、冤罪事件の被害者であるという事になります。

 つまり犯人は警察官でなく、冤罪被害者であるという事です。自らを冤罪被害者(一般人)であると名乗りつつ、警察官である事を臭わせるように、警察の専門用語を声明文に散りばめる。これはちぐはぐな行動で、矛盾する行動です。何故、警察官を偽装する必要があったのか―これが謎なのです。これから可能性について言及していきたいと思います。


1.警察官を偽装する事で、犯人像を絞らせないようにして、捜査の撹乱を狙った

 その可能性はないとは言えないでしょう。しかし、その場合、何故、札幌北警察署が引き起こした冤罪事件の被害者である、札幌北警察署を憎んでいる、等という個人を特定する文言を散りばめた事が矛盾します。
 それだけ札幌北署に対する怒りが強く、自己顕示欲から身バレする危険を冒してでも自分について書き記した、という見方もできますが、ちょっと不自然ですよね。


2.犯行声明文に書かれている犯人の話が全くの嘘で、実は冤罪被害者ではない

 もちろんこのその可能性もあります。その場合には更に、
2-1.冤罪被害者でも警察官でもない
2-2.冤罪被害者ではないが、警察官(あるいは元警察官)ではある

という二つの可能性が考えられます。
2-1であったのなら、警察は完全に、犯人の掌の上で踊らされた事になります。
2-2に関しては、つまり書いたのが警察官か、元警察官で、専門用語を普段から使用していたので、身分を偽装する為に冤罪被害者と告白したが、癖で専門用語を使ってしまい、その事から警察官や元警察官という身分がばれてしまった、というケースです。


3.冤罪被害者であり、警察官か、元警察官である

 この可能性も、全くないとは言えません。実は犯行声明文に「風紀」という言葉が入っていた事から、過去に不倫等を起こして、その事が原因で処分された警察官ではないか、という憶測が飛び交っていた時期もありました。


警察官に重い「不倫」の“総決算”…民間とは比較にならぬ深刻処分の「理由」
2013年3月9日 ZAKZAK ネット配信記事


・部外者相手の不倫―「公務の信用を失墜するような不相応な借財、不適切な異性交際等」という警察庁の処分指針に照らし、信用失墜行為や不適切交際とみなされる→戒告処分
・署内不倫―当事者双方が処分される。直属の上司と部下だと“なれそめ”に上司の地位利用がなかったかも含め、部外者との関係よりも厳正に対処される。


 こんな感じで、非常に厳しい処分が下されるのだそうです。 不倫の事実がなかったにもかかわらず、濡れ衣で処分された警察官(元警察官)、あるいは不倫の事実があり処分された警察官(元警察官)が、その事を根に持ち、連続ガスボンベ事件を引き起こしたという可能性も、全くないとは言えないでしょう。

 一番しっくりくる仮説は、警察官が犯行声明文を書いていたので、ついうっかり普段からの癖で専門用語を使ってしまったか、専門用語を使うことが普通の行為となっている為に、普通の人がこれらの専門用語を使用しないという感覚がなく、身バレのリスクがある専門用語を無意識に使用してしまった、といったところではないでしょうか。


■犯人は警察官(元警察官)?

 この事件は一件目の事件の段階で、狙われたのが札幌北警察署の駐車場であった事から、警察官か、元警察官による犯行ではないかという情報が飛び交っていました。

 理由は至って単純なもので、警察署の駐車場という、監視カメラや警察官の目が常に光っていると(私のような一般人が考えている)場所での犯行であるので、警察署の防犯カメラの位置や、警察官による警察署内の警備活動を把握している人物でなければ、犯行を犯した上に、何カ月も逮捕されずに逃げ延びる事など出来ないのではないか、と考えられた為です。

 結局、警察の駐車場は意外と防犯がザルで、監視カメラによる警戒も大してやっていない事がわかった事に加えて、犯行声明文で犯人が自らを冤罪事件の被害者であると告白したことで警察官説(元警察官説)は下火になったのですが、素人による犯行と考えるより、現役の警察官による犯行と考えた方が、より合理的に疑問が解決できる事も、また事実なのです。

 例えば、被告が逮捕されてから起きた6件目の犯行は、『北署は憎しみの対象ですので、北区だけではなく北署管内で次は22交番のどれかを目も当てられないようにしようかと考えております』という犯行予告通り、北区以外の札幌北署管内である、石狩駐在所にて事件が起きています。

 常識的に考えれば、たとえ犯人が逮捕されたとしても、北区以外の北署管内の交番を狙うという犯行予告も出ていたのだから、警察が警戒を怠っているなどと普通の人間は考えないものです。もしも犯人が一般人であるのなら、かなり大胆な犯行だったのみならず、悪運が非常に強い犯罪者だと言えます。

 しかし、8件目の犯行である、札幌北署柏木駐在所に関しては、話が違います。
 警察は6件目と7件目の犯行を模倣犯によるものとみなし、非常に強い警戒態勢を敷いていたと考えられますし、8件目の犯行のあった20日は、被告が起訴されるか否かが決まる丁度前日であり、真犯人が新たな犯行を仕掛けてくるとしたら、その可能性が非常に高まる危険な日にちでした。

 何故、そんな厳戒体制下で、駐在所に爆発物を仕掛ける事が出来たのか。
 駐在所の巡査長が、19日から休暇に入っていた為です。


北海道警:駐在所に破裂ボンベ…くぎ1000本散乱
毎日新聞 2014年5月20日 ネット配信記事

・巡査長は19日から休みで、同日午前9時ごろ、周辺を確認した時は異常がなく

 駐在所の巡査長が19日から休暇に入る。こんな情報を、犯人は一体、どこから仕入れたのでしょうか。
 仮説としては、犯人が同駐在所近くに住んでいて、駐在さんが休みに入るという話を事前に仕入れていた、という考え方もできるでしょう。
 しかし、石狩駐在所と柏木駐在所を爆破した犯人は、同一犯人の可能性があると、警察が認めています。両駐在所は非常に距離が離れている為、同一犯人による仕業と仮定した場合、駐在所の近くに住む住民が、隙を見て犯行を犯したとする説が消え、どうやって両駐在所に隙があるという情報を仕入れたのかが謎になります。


ボンベ爆発:「模倣」2件、同一犯か 北海道・石狩
毎日新聞 2014年5月22日 ネット配信記事

・柏木駐在所で発見されたボンベに付着していた着火剤が、石狩駐在所の現場に残っていた着火剤と類似
・札幌市北区で相次いだカセットボンベ事件を模倣した同一人物による犯行の可能性



警察駐在所でまたボンベ爆発か 北海道・札幌北署
朝日新聞 2014年5月20日 ネット配信記事

・札幌北警察署からみて石狩駐在所は北約17キロ、柏木駐在所は北約55キロ

 駐在所の巡査長の休暇など、駐在所の近隣住民以外では、警察官くらいしか知りえない情報です(例外的に役場の人は知っている可能性もありますが)。また石狩駐在所に爆発物を仕掛けられる隙がある等という情報も、警察による札幌北署管内の警戒態勢を知っている警察官以外には、基本的には知り得ない情報です。

 犯人の悪運が強く、二件の犯行を偶々行い得た、という仮説も立てられなくはないですが、確実性という観点に立った場合、この説はやや苦しいものと考えられます。
 もしも7件目の犯行である北区の大型書店で起きた爆破事件までもが同一人物の犯行であると警察が断定した場合、犯人が警察の警戒情報を入手していた疑惑が非常に高まる為、犯人が警察官(あるいは警察情報を入手可能な元警察官)である可能性が出てきます。

 その場合、犯行声明文に警察の専門用語が使用されていた事から、警察官(元警察官)が犯人とする仮説が元からあったのですから、犯人像に見事に一致する事になり、一連の事件の犯人が警察官(元警察官)であった可能性が、俄かに信憑性を帯びてきます。


■犯行声明文で名指しされた警察官達と犯人との関係

 現役警察官、あるいは元警察官が真犯人であったと仮定すると、犯行声明文にて名指しされた警察官達と犯人との関係は、犯罪者と警察官の関係ではなく、職場の元同僚、元上司という関係という形に、劇的に変わります。

 犯行の動機も、警察官の名前を犯行声明文で列挙した理由も、これまで想像されていたものとは全く違う、想像すらしていなかったものに変わる事になります。

 警察官同士の職場におけるトラブル、私生活でのトラブル、あるいは人間関係に関するトラブルなど、非常に個人的なトラブルが犯行動機となっていて、単なる個人的怨恨から、ここまでの大事件を引き起こしたという、ちょっと考えられないような方向に、事態が流れていく可能性すら否定できなくなっていきます。


■次の犯行はいつ起きるのか

 真犯人は被告の逮捕後、被告の拘留期限前日と、節目節目で、北署管内の駐在所でご丁寧にも事件を起こしています。真犯人が自分である事をアピールしているといったところなのでしょう。また逮捕後に石狩駐在所で事件を起こした際、警察が模倣犯だと見ているという報道が流れたら、その数日後に、まるで抗議するかのように北区の大型書店で犯行が行われました。

 こうした規則性を考えると、次の犯行は、被告が起訴された事に対する抗議ということで数日以内に、もしも数日以内の犯行がないのなら、再逮捕容疑での拘留期限が切れる日か、その前日くらいに新たな犯行が行われる事でしょう。

 今度は警察も最高の厳戒態勢で駐在所や交番を警備するでしょうから、犯人が爆発物設置を強行すれば、設置時に逮捕される可能性が高まるでしょう。隙のない交番や駐在所、その他の警察施設の警備体制を見て、新たな犯行を断念するかも知れません。

 しかし、その中を掻い潜って犯行が行われるような事があれば、真犯人は警察官(あるいは警察の警備情報を入手可能な元警察官など)と考えて、ほぼ良い状態になります。
 そういう点でも、規則性から予測される次の犯行がどうなるのかというのは、非常に重要な意味を持ってくることになります。


■警察官説(元警察官説)はあくまでも仮説

 この説は犯人が駐在所の警備体制の情報を事前に入手していたと考えられる点、並びに犯行声明文に見慣れない警察の専門用語が使用されていた点から浮上してきた仮説であり、あくまでも仮説の域をまだ出ないものです。

 犯人は警察官ではなく、普通の人で、石狩駐在所と柏木駐在所への爆発物の設置と爆発は偶然成功しただけだった、犯行日に偶々、柏木駐在所の巡査長が休暇に入っていただけだった、という可能性も、全くないとは言えないでしょう。

 ですが、犯人が警察官であり、警察内部の情報に常に触れられる立場にいるとなると、犯人を捕まえるのが非常に困難な、厄介な事件となっていく事だけは確実でしょう。

 また、被告を5件の事件の犯人だったと仮定して、その他の事件を同一の模倣犯による仕業であると仮定した場合でも、模倣犯が石狩・柏木両駐在所の警備体制を把握していた可能性は残りますので、模倣犯が警察官である可能性は、残ったままとなります。
 警察も、警察官や元警察官の中に、このような犯行を犯す動機のある人物がいないか、調査した方が良いのではないかと考えます。


【資料】

札幌ボンベ爆破の名須川早苗―物証乏しく裁判むずかしい
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n275928

 札幌市で続いていた連続ガスボンベ爆発事件は、手口や犯行声明の手紙などから、札幌北署に恨みを持つ「素人」の犯行とみられ、捜査当局は先週から周辺に住む無職、名須川早苗容疑者(51)を任意で取り調べていたが、30日(2014年4月)に「激発物破裂」容疑で逮捕した。

 ワイドショーも<札幌「連続爆発事件」50代女性を連日聴取!男子トイレに仕掛けられたのかの疑問>(テレビ朝日系「モーニングバード!」)、<札幌ボンベ爆発の名須川早苗!近所じゃ「普通の奥さん」が警察にどんな恨み?>(TBS系「あさチャン!」)、<札幌・連続爆破で51歳女性逮捕!警察署に強い恨み「北署が憎しみの対象」>(フジテレビ系「とくダネ!」)と大きく取り上げたが、どうも名須川に直接つながる物証に乏しいらしいということもわかって、<札幌・連続爆発で51歳女性!逮捕急ぎ過ぎじゃないか…警察メンツ潰され焦り!?>(「モーニングバード!」)という疑問点も指摘した。

 名須川の任意聴取は5日間40時間にもなっていて、任意のままの調べをこれ以上続けると人権問題や裁判で供述調書の信ぴょう性を疑われかねないと逮捕に踏み切ったという見方が強い。その後、<ボンベ爆発「名須川早苗」自宅からゴム印、固形燃料―犯行に使われたものか?>
(「モーニングバード!」)と情報を小出しにしているが、<札幌ボンベ爆発51歳女性「物証乏しく裁判むずかしい」
映像、ゴム印だけでは特定困難>(「スッキリ!!」)という見方も出てきた。(テレビウォッチ編集部)2014/5/3
http://www.j-cast.com/tv/2014/05/03203863.html


■冤罪事案の様相

 警察・検察はメンツや保身・昇進のために、いとも簡単に犯人を仕立てあげ、禁じ手の証拠でっち上げにも何の罪悪感もないことが分かってしまった(厚労省村木局長事件)以上、もはや、情況証拠レベルでは、ほぼ、警察の証拠捏造と疑われてもしかたないでしょう。しかも、展開が逮捕後、警察のシナリオに沿ってブツ上げされるなど、出来すぎの感もあります。今後の推移を見守りたい事件です。


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札幌カセットボンベ爆破事件 名須川早苗容疑者のアリバイは「同署の取り調べ」 (PDF)
札幌カセットボンベ爆発 摩訶不思議な事件 貧乏くじを引いた名須川容疑者
札幌の連続ボンベ爆発事件 名須川早苗容疑者 51歳女を逮捕!!

 札幌カセットボンベ爆発 摩訶不思議な事件
 
貧乏くじを引いた名須川容疑者


 札幌市で今年1月から4月にかけて、連続してカセットボンベ爆発が発生し、道警は4月30日に、札幌市北区の名須川早苗容疑者(51)を逮捕し、事件は落着したかのように、みえたが、その後も、手口が異なるとはいえ、カセットボンベを爆発させる事件が発生している。果たして、名須川容疑者は真犯人なのかどうか疑問である。
 私はカセットボンベ爆発事件の真犯人は別にいると考えている。その理由は、以下の通りである。

1.犯行声明文に、《
北署が憎しみの対象です》《次は交番のどれかを目もあてられないようにしようかと考えております》などと書かれていたにも関わらず、それを実行できるような、大量のカセットボンベや釘などが見つかっていない。

2.「
3月27日(木) ジョイフルエーケー屯田店・外側個室トイレ、午後6時 隣の人が火傷を負う」の事件では、女性である名須川容疑者が男子トイレに爆発物を仕掛けたとしては、相当なリスクがある。そもそも、誰がいつ入ってくるかも知れない場所に、仮に仕掛けることができても、トイレが満員であれば、犯人の逃げ場がなくなる。女性なら尚更である。目撃者もいないところを見ると、おそらく犯人は複数で、見張り役がいたと思われる。
ジョイフルエーケーでは、殺傷目的のためか、ボンベ3本と画鋲多数が見つかっている。マスコミ報道によると、名須川容疑者の手には、比較的新しい傷があったそうだが、カセットボンベが破裂したら手の傷だけでは収まらないだろう。

3.「
4月3日(木) 札幌市の警察官官舎、1階の共用玄関付近、午後11時45分(釘2000本とボンベ5本で殺害狙う? 2本は不発)」事件では、タクシーのドライブレコーダーの映像に、名須川容疑者のクルマが走っているのが写っていたそうだが、そもそも夜中の午後11時45分に、名須川容疑者のクルマかどうか判別できるのかどうか不可解である。しかし、事件発生前後の4月3日深夜に官舎近くの札幌北署周辺を車で走ったことを認め「(一連の事件について)自分が推理していることを確認するため」と述べている。

4.犯行声明が出るのに間が開きすぎる。また真犯人が名須川容疑者であるとしたら、犯行声明を出しながら、犯行を否認することは不可解である。

 以上の点をまとめると、名須川容疑者を「カセットボンベ爆発事件」の犯人とするには、無理がある。第一に、
有力な動機としての「警察への恨み」の内容が全く見えてこない。ある報道によると、「万引きの容疑者としての取り調べに対する恨みとあるが、その程度のことで、カセットボンベによる連続爆破事件などを起こす動機になるのかどうか疑問である。 

 捜査本部が物証とするのは、名須川容疑者の車の映像のほか、容疑者宅から押収したもの、1.
ガスボンベのメーカー名のメモ、2.手紙に使われたテンプレート定規 3.手紙に使われたアルファベットのゴム印である。

 以上のように、物的証拠と言っても、どこの家庭にもありそうなものばかりで、犯行声明文の記載にあるような、《
次は交番のどれかを目もあてられないようにしようかと考えておりますを裏付けられるような物証はない。
 更に、この犯行予告文の文面だけを見ても、「
爆破」するとも「殺傷」するとも書かれておらず、暗に「カセットボンベを仕掛けて大爆発を起こす」ようにも受け取れるが、決定的な証拠とはいえない。

 また、「
北海道警の札幌北署を憎しみの対象と名指し」し、手紙の中では、爆発物の試作品を作り、実験したうえで犯行に及んだとの記述もあったところをみると、名須川容疑者は逮捕されることを十分に予測できたであろう。
 また逮捕されることにより、マスコミを利用して、名須川容疑者が主張するところの不健全な札幌北署の内情を世間に広めることも目的の一つであったのかもしれないが、マスコミは警察とつるんでいることを考慮していない。

 名指しされた北署の警察官としても、
過去に問題があった捜査対象者の中から容疑者を特定することは、いとも簡単であったと考える。
 名須川容疑者としても、「
カセットボンベ爆発事件」の真犯人でないから、何通も警察やマスコミに大量の手紙を送ることが出来たのだろう。

 結論を述べると、名須川容疑者は、
今年1月27日の札幌北警察署の駐車場でのカセットボンベ爆破事件をテレビで知り、真犯人の尻馬に乗り、警察にいままでの「苦情」の手紙を送りつけたが、警察やマスコミには「犯行声明」と受け取られ、意に反し逮捕されてしまった。というのが事実であろう。
 それでは、真犯人はどのような人物であるか。それは、北署に恨みがある「
集団」であると思われる。
( 2014/05/12 石川栄一)
札幌カセットボンベ爆発 摩訶不思議な事件「貧乏くじを引いた名須川容疑者」(PDF)
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第一発見者は疑われる
警察に事情を説明するだけでも、かなりの時間。
その結果、犯人扱いされ自白を強要され、
更に、河野氏を真犯人と決めつけて追い回すマスコミ。
河野家族は、松本サリン事件の被害者にも関わらず、
警察とマスコミ」によって、人生をメチャクチャにされた。

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警察宿舎など カセットボンベ爆発

被告「やってません」
札幌連続ボンベ爆発事件裁判 北海道新聞

「私はやっていません」。札幌市北区の連続爆発事件で、名須川早苗被告が2014年4月に逮捕されてから約1年10カ月。一貫して関与を否定してきた名須川被告の裁判員裁判が15日始まり、検察側との全面対決の幕が上がった。

 名須川被告が公の場に姿を見せるのは、14年8月7日に開かれた勾留理由を開示する法廷以来、1年半ぶり。灰色のジャケットとスカートに白いブラウス姿で法廷に姿をみせると、傍聴席をゆっくりと見渡した。

 人定質問や罪状認否では、裁判長からの質問にはっきりとした声で答えた。その後、検察官が冒頭陳述を続ける間、弁護人の横で眼鏡を掛けて検察官をまっすぐに見つめ、聞き入っていた。

 警察や報道機関に犯行声明文が送り付けられるなど「劇場型犯罪」として全国的に注目を集めた今回の事件。公判前には約50席の一般傍聴席を求め、市民や報道関係者ら104人が抽選のために列をつくった。

02/15 13:16、02/15 16:00 更新



警察宿舎などボンベ爆発、全面対決へ 札幌地裁で裁判員裁判
北海道新聞

 札幌市北区で2014年1~4月、警察宿舎など5カ所で起きたカセットこんろ用ガスボンベ爆発事件で、現住建造物等放火や激発物破裂などの罪に問われた主婦名須川(なすかわ)早苗被告(53)=札幌市北区=の裁判員裁判が15日、札幌地裁(田尻克已裁判長)で始まる。名須川被告は逮捕時から一貫して関与を否定しており、公判でも無罪を主張する見通し。検察側との全面対決になりそうだ。

 起訴状によると、名須川被告は14年1月27日、札幌北署駐車場で、ガスボンベを爆発させ、署員の車のバンパーを損壊。同2~4月にも量販店や大型商業施設、ホームセンター、警察宿舎で相次いでボンベを爆発させるなどしてトイレを焼いたり、窓ガラスを壊したりしたとしている。

 事件前後、現場付近の防犯カメラ映像に名須川被告の車などが写っていたことや、ボンベのメーカーや本数など事件の詳細を記したメモが被告宅から押収されたことなどが起訴の決め手になったとされる。

 ただ、事件への関与を直接的に裏づける物証はないとされ、名須川被告は逮捕時、札幌地裁などで計4回開かれた勾留理由開示の法廷で「私はやっていない」と一貫して起訴内容を否認している。

 争点や証拠を絞り込む公判前整理手続きは一昨年10月以降、計23回開かれた。関係者によると、検察側は900点以上の証拠を開示したという。地裁によると、公判で検察側は「メモは犯人でなければ記載することが極めて困難」と主張し、弁護側は「真犯人とみられる第三者が被告宅に投函(とうかん)した紙を書き写した。防犯カメラに映っていたのも、別の用件などで訪れただけ」などと反論する見通し。

 公判は3月1日の結審までに11回開かれ、その後は裁判官と裁判員による評議に入り、判決は同11日に言い渡される予定。

02/14 16:33、02/15 08:17 更新
参考資料
札幌市北区の 連続ボンベ爆発おばさんの 裁判員裁判

ボンベ事件
来年2月に初公判

12月18日 21時08分

 去年、札幌市で警察官舎など5か所にカセットこんろ用のボンベを仕掛け破裂させたなどとして激発物破裂や放火の罪に問われている53歳の女の初公判が、来年2月15日に開かれることになりました。
 弁護士によりますと、被告の女は一貫して事件への関わりを否認していて、裁判で無罪を主張する方針だということです。
 札幌市北区の無職、名須川早苗被告(53歳)は、去年1月から4月にかけて、札幌市北区にある商業施設や警察官舎などあわせて5か所に相次いでカセットコンロ用のボンベを仕掛け、破裂させたなどとして、激発物破裂や放火の罪に問われています。
 この事件の公判前整理手続きが1年以上にわたって行われていましたが18日で終わり、初公判は来年2月15日に開かれることが決まりました。
 裁判の審理は一般市民が参加する裁判員裁判で行われ、弁護士によりますと、名須川被告は逮捕から一貫して事件への関わりを否認していて裁判でも無罪を主張する方針だということです。

札幌ガスボンベ連続爆破事件 奇妙な逮捕劇の裏

日刊スポーツ 2014年05月04日 11時00分

 奇妙な逮捕劇の裏側は――。北海道警の官舎や商業施設などで1月から相次いだ札幌市北区のガスボンベ連続爆発事件で、道警札幌北署捜査本部は30日、同区の無職名須川早苗容疑者(51)を激発物破裂容疑で逮捕した。
 5日間にわたる任意の事情聴取を通じて本人は犯行を否認したまま。道警は逮捕に踏み切った決定的証拠については明かさないという不思議な逮捕劇となった。専門家は起訴、公判維持へ向けた道警の“隠し玉”があると指摘しているが…。

 各爆発現場は名須川容疑者の自宅から半径3キロ圏の円内にあった。逮捕容疑は4月3日午後11時45分ごろ、北署近くにある警察官舎の階段踊り場でガスボンベを爆発させ、共同出入り口の窓ガラスなどを壊した疑い。
 5本のカセットコンロ用ガスボンベと約2000本のクギが見つかった。
 人に危害を加えるためにクギを仕掛け、爆発で飛び散らせた可能性がある。
 道警は先月26日に家宅捜索を行い、任意の事情聴取も開始。聴取5日目の30日に逮捕状請求に踏み切った。

 事件の起きた時間帯に、近くを走る名須川容疑者の車がタクシーのドライブレコーダーに記録されていたこと、自宅からの押収物、現場周辺の防犯カメラの映像などから「総合的に判断した」(捜査本部)。

 北区では1月の札幌北署駐車場に始まり、大型量販店など5件の爆発事件が4月初旬まで続発。犯人は、それらの犯行への関与を示唆し、爆破予告ととれる言葉や、同署署員の実名を挙げた強い警察批判を書いた手紙を警察や地元メディアに送付していた。

 警察と過去にトラブルがあって強烈な恨みの感情を持つ者の犯行と考えられていたが、名須川容疑者を逮捕したものの、容疑については一貫して否認しているという。
「札幌ボンベ連続爆発」1年たっても見通し立たない裁判・・逮捕の51歳主婦「私はやってないよ」
JCASTテレビウォッチ 2015/5/ 3 12:00

 北海道札幌市で相次いでいたボンベ爆発事件で、昨年(2014年)4月30日に市内に住む名須川早苗を逮捕した。無職の51歳女性という「意外な犯人」にワイドショーも驚いた。
札幌ボンベ爆発の名須川早苗!近所じゃ「普通の奥さん」が警察にどんな恨み?>(TBS系「あさチャン!」)、
札幌・連続爆破で51歳女性逮捕!警察署に強い恨み「北署が憎しみの対象」>(フジテレビ系「とくダネ!」)と伝えたが、コメンテーターの間からは「真犯人なのか?」という声もあがった。
札幌ボンベ連続爆発逮捕の51歳女性「私はやってない」乏しい直接証拠>(日本テレビ系「スッキリ!!」)、
札幌・連続爆発で51歳女性!逮捕急ぎ過ぎじゃないか...警察メンツ潰され焦り!?>(テレビ朝日系「モーニングバード!」)、
札幌ボンベ爆発51歳女性「物証乏しく裁判むずかしい」映像、ゴム印だけでは特定困難>(「スッキリ!!」)と疑問点を指摘した。
 捜査当局は再逮捕を何度も繰り返して自白供述書を取ろうとしたが、否認が続き裁判の行方もはっきりしない。(テレビウォッチ編集部)


札幌ボンベ爆発の名須川早苗!近所じゃ「普通の奥さん」が警察にどんな恨み?
 JCASTテレビウォッチ 2014/5/ 1 12:18

 札幌市のガスボンベ爆発事件で、市内に住む51歳の女が北海道警に道警官舎を爆発させた疑いで逮捕された。
 無職の名須川早苗容疑者で、防犯カメラの映像分析や5日間にわたる家宅捜索から捜査線上に浮上した。本人は「やっていません」と否認している。
 道警は他の爆発や爆発未遂事件についても調べを進める。


「激発物破裂罪」逮捕!死刑か無期、5年以上の懲役と重い刑

「激発物破裂罪」という聞き慣れない容疑だが、有罪なら死刑か無期、5年以上の懲役と刑は重い。


トラブル?
 一連の事件は1月(2014年)から札幌市北区内のスーパー駐車場やホームセンターで5件続き、どれも半径3キロ圏内だった。
 数十個の画びょうや2000本以上の釘を仕込んだボンベもあった。
 関与をほのめかす手紙が札幌北署や報道機関に届き、「次は交番を狙う」と予告していた。


警察で取り調べの過去

 奥平邦彦・取材キャスターが爆発現場でもある札幌北署前から中継で伝えた。
 「この斜め前に道警官舎があり、名須川容疑者の自宅はここから6・5キロでした」。
 近所の人は「(名須川は)ごく普通の主婦の感じです」と話す。

 防犯カメラには、爆発現場から人々が逃げ出す中で、逃げないでいる女性が映っていたという。

 名須川の自宅から押収した車が現場付近の防犯カメラやタクシーのドライブレコーダーに映ってもいた。動機の解明はこれからだ。

司会の齋藤孝「警察とのトラブルがあったのかもしれませんね」

奥平「過去に警察の調べを受けたことがあったそうです。いまのところ単独犯行と見られます」
容疑者がこの年齢の女性というのは驚き。
 しかし、否認している以上、さらに慎重な捜査が求められる。


札幌ボンベ連続爆発逮捕の51歳女性「私はやってない」乏しい直接証拠

JCASTテレビウォッチ 2014/5/ 1 12:40

 札幌市北区でガスボンベを使った爆発・未遂が続いていた事件で、北海道警はきのう30日(2014年4月)夜、区内に住む51歳の女性を激発物破裂容疑で逮捕した。
 容疑を否認しており、道警も逮捕に踏み切った根拠など詳細を明らかにしていない。


警察署とトラブルあった近所の住人中心に絞り込み

 直接の逮捕容疑は4月3日午後11時43分ころ、道警関官舎で起った爆発だ。
 カセット式ガスボンベ5本が使われ、うち3本が破裂して窓ガラスなどが壊れ、あたりに約2000本のクギが散らばっていた。
 1月27日から4件の爆発・未遂が続いており、いずれもカセットボンベを使っていた。


状況証拠だけ

 現場は札幌北署管内の半径3キロ以内と集中し、関与をほのめかす手紙が北署や報道機関に送られ、警察官を名指しで非難し、次の犯行を予告していた。
 道警は北署とトラブルを起こした人物を中心に捜査を進め、現場付近の防犯カメラの映像などにこの女性が写っていた。

 任意の聴取を続け、女性は犯行を認めていないが、犯行予告の解析などから逮捕に踏み切った。


札幌・連続爆発で51歳女性!逮捕急ぎ過ぎじゃないか…警察メンツ潰され焦り!?
JCASTテレビウォッチ 2014/5/ 1 14:57

 札幌市北区で起きたカセット用ガスボンベによる連続爆発事件で、北海道警は30日(2014年4月)、任意で事情聴取していた51歳の主婦を激発物破裂罪で逮捕した。

 逮捕されたのは北区屯田の無職、名須川早苗容疑者で容疑を否認している。


直接証拠なく、防犯カメラ映像や手紙文面から絞り込み

 逮捕容疑は警察官舎の4月3日午後11時45分ごろ起きた爆発事件で、道警は爆発に結びつく映像は残されていないと発表したうえで、同時間帯に名須川の車が防犯カメラに映っていたほか、タクシーのドライブレコーダーにも映像が記録されていたことから、逮捕に踏み切ったと発表した。

 名須川の自宅の家宅捜索で押収したもののなかに決め手になるものがあったという。


異例

 また、警察や地元テレビ局などへ事件への関与・予告の4通の手紙が届いており、書かれていた警察官とのトラブルに関係してそうな人物の特定を進め、名須川が浮上したという。
 ただ、車の映像はあくまでも状況証拠で、決め手となるものが何なのかが明らかにされていないため、逮捕には疑問が残る。


札幌ボンベ爆発51歳女性「物証乏しく裁判むずかしい」映像、ゴム印だけでは特定困難 
JCASTテレビウォッチ 2014/5/ 2 12:16

 札幌市北区内の連続ガスボンベ爆発事件では、物証といえるものが3つある。一つがゴム印だ。

 犯行を認める、あるいは予告する手紙4通のうち、3通はアルファベットのゴム印で書かれていた。そのゴム印と見られるものが逮捕された51歳の女性の出したゴミの中から見つかっていた。

 二つ目は札幌北署周辺のコンビニなどの防犯カメラやタクシーの車載カメラ(ドライブレコーダー)に女性のものと見られる車が映っていた。

 三つ目は女性宅で見つかった未使用のガスボンベだ。
 これらとは別に、手紙で非難されていた北署の複数の警察官の名前から、この女性が過去に事情聴取を受けたことがあり、交通違反や住民とのトラブルで北署にクレームをつけていたこともわかった。


執念深いクレーマー?

 これでようやく逮捕に至った理由がわかった。司会の加藤浩次は「警察との接点が分かりましたね。クレームをつけていたということですか」


特異な人?

キャスターのテリー伊藤「数年前に調べられた警察官の名前なんて普通は覚えてない。特異な人かも」

リポーターの西村綾子は「クレームがいつなのか、最近まで続いていたのかなどはわかりませんが、頻繁にあったとなると…」

弁護士の菊地幸夫「似た車、ゴム印だけでは裁判はむずかしいですね。そもそもガスボンベとか爆発装置の構造もわかっていない。彼女に作れたかどうかもわからない」

香山リカ(精神科医)「警察はほかにも何か決め手を握っているんでしょうか」

当然でしょう。しかしそれをメディアにもらさない。あるいは小出しにする。

テリー「4番目に画鋲、5番目にはクギとエスカレートしている。彼女の精神状態はどうなのか。どうやって作るんだろうと加藤さんとも話してたんですがね、材料があってもねえ」

西村「固形燃料とゼリー状の燃料が見つかっているという発表だけです」
 北海道警は他の4件についても女性を追及するという。

 しかし、警察官の名前を書き送るということは、「私が(爆発の)犯人です」といっているようなものだ。そんなバカなことをするだろうか。


関連記事 『北の爆破魔』 札幌市北区連続ガスボンベ爆発事件

マスコミと冤罪

袴田事件に関わらず、えん罪事件は、捜査当局と一体化しているマスコミに大きな責任があります。


マスコミは、数多くの冤罪事件の元凶 

 マスコミは数多くの冤罪事件の元凶に手を貸している。彼らは足利事件や袴田事件など無実の人間が犯人として扱われてしまっても謝罪の一言もない。
 雀の涙ほどの電波使用料で、電波を垂れ流し多くの国民を愚民にしたて、おとなしい国民を洗脳したのもマスコミだ。

「冤罪事件」はマスコミがその助手を務める事によって成立する。
http://bit.ly/rXsEXP
 

<冤罪 布川事件>

 マスコミは容疑者二人が逮捕されると、すぐに名前と写真を新聞に掲載し犯人扱い。

 しかし犯行を実証する物的証拠が少なく、自白と目撃証言が有罪の証拠であった。マスコミは取手署を賞賛した。

 この結果で「2人を何としても犯人に仕立てなければ」と自白強要に繋がったという。

 マスコミは2人が逮捕されると、すぐに名前と写真を新聞に掲載し犯人扱いした。更に取手署を賞賛。

 検察はマスコミ報道がきっかけで、どうしても犯人に仕立てなければならなくなり、自白を強要した。その時の状況によって、どちらにも転ぶのがマスコミ。2人の人生の責任は取れない。

 マスコミは、なぜ警察に都合の良い情報を流すのか。そうして冤罪が起きるのだ。「容疑者」=「犯人」ではない。


冤罪!袴田事件★刑事の言「袴田を殺しても病気で死んだと報告すればそれまでだ!」

警察は罵声をあびせ棍棒で殴った>
 連日二人一組になり三人一組のときもあった。午前、午後、晩から午前二時まで交替で蹴ったり殴った。それが取調べであった。全文>


【前代未聞】!袴田事件「取り調べ録音」に袴田さんと弁護人の接見内容、「警察が盗聴していた」弁護団が批判>
 「袴田巌さんが逮捕された直後に弁護人とやり取りした内容が、警察に盗聴されていたことがわかった」と警察の対応を批判した。全文>


袴田事件とマスコミ> 一審判決は1968年、そのころですらメディアが裁判に影響を与え、裁判官ですら無罪と確信した事件が死刑になっているのである。

 昭和40年代のメディアの圧力は、何か事件があると朝から晩まで垂れ流し、世論を煽り立てている現在の比ではあるまい。by 三日坊主日記


<袴田事件とマスコミ報道>

 袴田事件はデタラメな刑事司法と愚劣なマスコミによる共同作業である。事件(1966年6月30日)
 発生から49日後、袴田氏が出頭を求められた。原文要約>

 袴田 巖さんは否認のまま逮捕された翌日8月20日の朝刊には、「なお平然、うそぶく袴田」、「葬儀にも参列、顔色も変えず」、「食事はふだん通り」、「悪魔のような 人間」などという見出しが並んだ。

 さらにマスコミは「袴田巖容疑者は、常人のモノサシでははかりしれない異常性格者」「情操が欠け、一片の 良心も持ち合わせていない」などと書いた全国紙もあった。原文要約>


「刑事司法の理念からは耐え難い不正義」――袴田事件で再審開始&釈放を命じた決定を読む(江川 紹子)
 有罪判決の決め手となった証拠が「捜査機関によってねつ造された疑いのある」ことも明記されていた。・・・戦後初めての急展開となった。全文>


実名 袴田事件に関わった主な刑事・検事・裁判官
 『刑事』松本久次郎、若手広夫、住吉親、松本義男、森田政司 『検事』吉村英三、岩成重義、猪口民雄、竹村照雄 『裁判官』熊本典道、宮崎悟一、安廣文夫、今井功ほか 全文>


『肉声』封印46年 袴田事件と供述テープ

「殺しても、病気で死んだと報告すればそれまでだ」と脅し、罵声を浴びせこん棒で殴った。午前・午後 晩から11時。

 引き続いて午前2時ごろまで交代で蹴ったり殴った。それが取り調べだった。動画>

「袴田事件とは、1966(昭和41年)6月30日深夜に、静岡県清水市(現静岡市)内の味噌製造会社専務宅で、一家4名が殺害され、放火された強盗殺人・放火事件です。

 警察は、内部犯行と決めつけ、同年8月、専務宅裏手にある従業員宿舎に寝泊まりしていた袴田巖さんを逮捕しました。

  巖さんは当初から無実を訴えていましたが、毎日12時間から16時間も取調べが続き、トイレもバケツで行うように強制されました。

 拷問に等しい取調べを受けた末に、犯行を自白させられました」

  岡島弁護士はこのように事件の概要を説明する。死刑判決は、どのような経緯で出されたのだろうか。

 「公判では、巖さんは無罪を主張しました。自白調書も1通をのぞく44通が任意性なしとされ、裁判の証拠から排除されました。

 公判の当初、犯行の着衣はパジャマで、そこに返り血と放火用の混合油が付着しているとされていましたが、パジャマの血痕はきわめて微量で、再鑑定ができませんでした。また、混合油の成分の同一性に関する鑑定には、強い疑問が生じていました」

 つまり、裁判が始まったころは、確たる物証は存在しなかったわけだ。動画>


「袴田事件」元同僚証言

 袴田は出火直後、寮にいた」!県警の事情聴取後「どこにいたのか知らない」に変遷 (共同)全文1>

 袴田死刑囚について、同じ社員寮だった同僚2人が事件当時、県警の事情聴取に「サイレンを聞いて部屋を出ると、袴田が後ろからついてきて、一緒に消火活動をした」と話していた。

 「事件前日の午後10時半ごろから鎮火が近いころまで袴田死刑囚の姿を見た者はいない」とする確定判決と食い違う一方、袴田死刑囚の「事件当時は部屋で寝ていた。

 火事を知り(この同僚)2人の後から出て行った」という主張と一致する。弁護団は「出火直後の午前2時ごろ、部屋にいたことになる。

 2人の証言は、その後、県警の事情聴取を受けるうちに「袴田(死刑囚)の部屋に声を掛けたが、返事はなかった。(消火作業中は)どこにいたのか知らない」という内容に変遷。

 弁護団は「捜査員による誘導があったのではないか」としている。2人の消息について、弁護団は不明としている。〔共同〕


【袴田事件】「本当は見覚えなかった」凶器販売店員 法廷での証言、今は後悔(共同通信)
 公判で「袴田死刑囚の顔に見覚えがある」と証言した女性(87)が「本当は見覚えがなかった。思っていることと違うことを証言した」と話している。全文>

 凶器の木工細工用の「くり小刀」を販売したとされた刃物店の店員として証言台に立った女性は記憶と異なる内容を証言したことを悔やんでいる。長男は「私たちは加害者なのかもしれない」と悩んでいる。

 店の名前が報道されると「とんでもないものを売っている」「こんな店があっていいのか」と、まるで自分たちのせいで事件が起きたように言われた。客足も遠のき、「自分たちも被害者」と思うようになった。

 木工細工に使われる薄い片刃の小刀。4人を計40カ所以上めった刺しにして、原形をとどめていることはあり得ない。長年、刃物を扱ってきたプロとしての勘だった。

 高橋さんは「母の証言が有罪につながったのかもしれない。私たちは事件の被害者だと思い込んでいたが、ひょっとしたら加害者だったのかもしれない」と話している。


「袴田事件」メディアに警察・検察を批判する資格があるか(BLOGOS)
 今、袴田被告の喜ぶ姿や捜査の不当性をもっともらしく報道しているマスメディア自身は、当時この事件をどう報道していたのかという点だ。全文>

 残念ながら当時のテレビ報道の内容は確認できないため、当時の新聞報道しか把握できていないが、当時の新聞各紙の縮刷版を見ると、ご多分に漏れず1966年の事件当時、新聞各社は、まだ捜査段階から袴田氏を実名で報道。

 新聞は「血染めのパジャマ」「ジキルとハイド」「異常性格」など、明らかに捜査官からのリークと思われる情報を垂れ流していた。特に、毎日新聞の突出した暴走ぶりが目についた。


【報道オンブズマン日本】マスコミの誤報、捏造、検察のリーク情報によるでっち上げ・冤罪を監視

 警察や検察、裁判所が引き起こす「冤罪事件」はマスコミがその協力者となる事によって造られる。
 検察のストーリーに基づく、違法な「ちくり」情報をそのまま垂れ流しているマスコミの責任は大きい。
 でたらめな捜査に対するチェックを行う事がマスコミの存在理由であるはずなのに、証拠を隠し、捏造し中身のない「疑惑」をでっち上げる検察の共犯者に堕ちてしまっている。
 また、冤罪が明白になっても何ら反省も総括もできず、自浄機能を喪失してしまったマスコミ。

批判精神を失くしたマスコミは権力の追認機関でしかない。

■ マスコミは新たな冤罪造りに加担してはならない
■ 報道の原点は「権力癒着型報道」ではなく「権力監視型報道」である。
「捜査される側」と同様に「捜査する側」についても詳しく報じられるべきである。
【報道オンブズマン日本】
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大手ゼネコン大儲け 北海道新幹線着工へ
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連日のように、BSを利用して 反共反社会派プロパガンダを 展開しているNHKですが、その 目的は、「言論の自由を守る」 という名目と耳障りの良さで 「自分たちの既得権を守る」 ためと言わざるをえません。 
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★官僚顧客勢揃い★
(平成10年2月26日当時) 今は懐かしい、ノーパンしゃぶしゃぶ「楼蘭」 顧客名簿です。この「楼蘭」と言う店はハニートラップの為に作られた店だった!
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袴田事件とは?
 その夜の出来事

 死体は四体。石油のような油をかけられ、火をつけられたので、四体とも黒焦げだった。もちろん家屋も焼失した。
 火災が起きたのは、一九六六年六月三〇日の午前二時少し前である。場所は静岡県清水市横砂。惨劇は、味噌製造会社専務の居宅兼事務所で起きた。殺されたのは、専務(41)の他、妻(38)、次女(17)、長男(14)の四人。長女は、別棟に寝ていたので助かった。          メッタ刺しにされた死体の刺し傷はあまりに多く、正確な数はわからない。四人の傷の総計は、少なくとも四五ヵ所。警察は、焼け跡から発見されたクリ小刀一本を凶器としたが、先端がわずかに折れていただけだった。刃こぼれもしていない。また、警察の調査によると、約八万円のカネが奪われたというが、橋本家にあった多額の金品は、手つかずに残されていた。

 アリバイ
 「こがね味噌」の従業員だった袴田巌さん(30)は、仕事が終って夕食の後、橋本家に近接した工場の二階にある寮の自室に帰った。同僚と将棋をさした後、テレビドラマを見た。午後一一時過ぎ、パジャマに着替え、消灯し寝た。
 消防車のサイレンの音で目がさめた。グッスリ寝こんでいたので、しばらくの間ウトウトした。「店が火事だ」という隣の部屋にいた同僚の叫び声に飛び起き、パジャマのまま自室を出て駆け降りた。気持ちが動転していたが、とにかく水をかけなければと思い、工場の中でバケツを探した。同僚が「消火器、消火器」と大声で駆けてきたので、一緒に探したが見つからない。やっと消火栓に取り付けるホースを見つけ、同僚たちとホースの束を持って、事務室の前にある消火栓に走った。土蔵の後ろにある物干台に上り、屋根によじのぼった。足をすべらして落ちた時、ブリキか何かで左手の中指に怪我をした。火事は二〇分程で鎮火した。消火作業中に水をかけられズブ濡れになった。
  その後自室に戻った袴田さんは、とりあえず中指の怪我の出血を止めるために、手ぬぐいを引き裂いて縛った。消毒をしなかったので、後に傷跡が化膿して医者に見てもらうことになった。
 これが事件当夜の袴田さんの取った行動のすべてである。アリバイは完ぺきで、袴田さんと事件との関係は皆無だった。

 自白の強制
 八月一八日、袴田巌さんが逮捕された。彼は一九日間、無実を主張し続けたが、連日の厳しい取り調べに、モウロウとした状態になり、ついに九月六日、警察の筋書き通りの犯行を自供させられた。その内容は、おおよそ次のようなものであった。
 六月三〇日の午前一時過ぎ、クリ小刀をパジャマのズボンのヒモに落としざしにして、寮の自室を出た。隣家の楓の木から専務宅の倉庫の屋根に移り、雨樋(あまどい)を伝って中庭に降り、侵入した。家人に発見され、専務を殴り倒し、専務以下四人をクリ小刀で殺害、現金を強奪した。その後死体に混合油を振りかけ、マッチで火をつけて逃げたというのである。罪名は「住居侵入、強盗殺人、放火」だった。
 しかし、この自白を裏付ける物的証拠は何もなかった。警察は、袴田さんを容疑者ときめつける物的証拠を何も発見していなかったのである。元プロボクサーだから「やりかねない」という先入観が、捜査官の頭を支配したらしい。警察の内部文書にも、こう書いてある。
 「本件は、被告人の自白を得なければ、真相は握が困難な事件であった」。
 則ち話は逆なのである。警察は、袴田さんに嫌疑をかけ、逮捕する充分な証拠は何一つ発見していなかったのである。
 こうなれば捜査官は、無理やり袴田さんの「自白」をとる以外に手はなかった。一日の取り調べ時間は、平均一二時間。最高は、実に一七時間にのぼった。袴田犯人説は、警察の拷問が作り出した虚構であることは明白だった。

 迷走判決
 一九六六年一二月一〇日、静岡地裁で公判が始まった。袴田さんは、公判開始から終始、無実を主張した。しかし六八年九月一一日に出された判決は死刑だった。最高裁でも上告棄却され、一九八〇年一一月一九日、死刑が確定した。
 一審判決文は、死刑判決を出す根拠にとぼしい、およそ日本語としても支離滅裂の文章だった。提出された袴田さんの供述調書四五通のうち、証拠として採用されたのは、たった一通だけである。しかし他の四四通の内容と異なった特別の内容があったわけではない。即ちこの一通の自白調書を採用した論理的根拠は何もなかった。
 判決文では、専務と格闘の具体的状況は不明。妻、二女、長男を刺殺した順序も不明というていたらくだった。また、最初検察側は、犯行時はパジャマを着用していたとしていたが、殆ど血痕がなかった。公判が袋小路に迷い込み始めた六七年八月三一日、突然、工場内の味噌タンクから発見されたということで、大量の血痕が付着した五点の衣類が証拠として提出された。ところが、味噌タンクに入れた際の具体的状況及び日時も判決文によれば不明というのである。具体的には、犯行の実体については、分からぬ一点ばりなのである。
 このような小学生の作文以下の判決文の矛盾を指摘することは簡単である。然し、再審請求棄却決定の文章の中でも一言もふれていない、全く反論出来なかった「五点の衣類」についてだけ述べることにする。なぜなら、袴田さんを犯人として立証できる唯一の物的証拠は、まさにこの「五点の衣類」だけだからである。
 血染めの五点の衣類とは、スポーツシャツ、ズボン、白半袖シャツ、白ステテコ、ブリーフである。血痕の付着状況を血液型で見ると、スポーツシャツはとA、ズボンはA、その下のシャツはBとA、ステテコはA、ブリーフはBとAである。専務の血液型はA型で、万べんなく付着している。妻はB型で、シャツとブリーフだけ、長男は型だが、これはシャツだけである。二女の血液型はO型だが、一〇カ所も刺されているのに全くついていない。血痕付着の整合性があるのは専務だけである。妻のB型血液は、ズボン、スポーツシャツ、ステテコを飛びこえて、シャツとブリーフだけについている。長男のも不自然である。血液の付着状況は経験則に明らかに反しているのである。

 凶器とされたクリ小刀の問題。
 この問題に入る前に、二〇〇〇年一二月三〇日から三一日にかけての深夜、東京世田谷区上祖師谷で起きた、一家四人全員が惨殺された事件を想起してみよう。
 被害者が受けた傷は、それぞれ十数カ所。合計三十数カ所であった。凶器は文化包丁と柳刃包丁である。文化包丁は先端が折れ曲っていた。柳刃包丁は先端が三つに折れていたとのことである。犯人の手についていたと思われる血痕もおびただしくついていた。
 袴田さんは右手にクリ小刀の柄をにぎり、四四回も四人の被害者を突き刺したことになっている。しかし彼の手の平には、まったく傷がついていなかった。袴田事件の判決文によっても、袴田さんの右手の甲と右上腕部に小さい傷があっただけである。もし袴田さんの犯行であるならば、四四回に及ぶ刺突で、袴田さんの手の平も甲も血まみれになったにちがいない。クリ小刀には鍔つばがついていないからである。しかし彼の手の平には切傷がついていなかった。
 第二に、クリ小刀は、先端がわずか一センチ程度折れた程度で、あとは原形をとどめたままである。刃こぼれもない。
 また検察調書で、袴田さんが逃亡したとされている裏戸の問題について、「救う会」の木下信男氏が『裁判官の犯罪「冤罪」』で、詳細で正確な反論を行っている。
 供述調書によれば、袴田さんは、裏戸にかかっていたカンヌキを右によせ、扉の下にあった石や留め金をはずしただけで、上の留め金ははずさずに、下の方を体の出入りできる位開け、無理な姿勢で外に出たことになっている。
 しかし第一審の法廷で、消火に駆けつけた住民の一人は、裏戸は「押しても引いても、びくともしなかった」と証言している。そのため消防士らが体当りで裏戸を押し開けた。そのときカンヌキは二つに折れたのであると木下氏は指摘している。即ちカンヌキはかかっていたのである。そうであるならば、裏戸脱出後、どうやってはずしたカンヌキを外からかけなおすことができたのか。
 このように裁判に提出された証拠群は極めて不自然で、作為のあとが色濃く出ている。何故このようなことが起きたのか。公判の行詰まりにあわてた警察の方で、これらの「証拠」をネツ造したとしか考えようがない。しかし棄却決定でもこれらの問題には全く触れていない。この点こそ袴田無罪を証明する核心的な証拠なのにである。
 こういう殺しの証明法でいけば、誰でも犯人にさせられる可能性がある。お前が犯人だと警察官、検察官がきめつければ、それで終りである。

袴田事件とは(全文)
 
 主宰者 元・北海道大学工学部 文部科学技官 石川栄一
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